先生とは異なる立場で、子どものためになる仕事がしたい。そんな思いで教育学科を選んだ山森正太さんは、教育系企業を将来の目標に据え、ゼミにサークルにと充実した日々を送ってきた。しかし、本当にそれでいいのかと自問することもあるという。今年は「人がよりよく生きるために、自分ができることは何か」を、あらためて考える1年となりそうだ。

素晴らしい先生に囲まれて

2013060131_img_02

先生ですと主に学校という場で教育に携わると思うのですが、学校という場だけではなく、幅広く“教育”とはどのようなものなのかが学べる「教育学」というものに私は興味がありました。そこで、幅広く教育学を学べる大学を調べ、東洋大学文学部の教育学科を知りました。

そもそも教育に興味を持ったきっかけは、自分が素晴らしい先生に恵まれてきたことでした。中学・高校と陸上部で、中学では部長、高校では短距離ブロックのリーダーを務めていた私は、顧問の先生とのかかわりも濃く、部員たちと真剣に向き合う先生の姿を間近に見ていました。また担任の先生も、人生の先輩として誇れるような方ばかりで、進路に迷ったときなど、よく相談に乗ってもらったことを覚えています。こういった素晴らしい先生に囲まれ、自分も大きく成長することができました。この経験から私も人を育てる「教育」について学びたい。学校にいる子どもだけでなく、多くの人たちの役に立つ仕事がしたい…と考えるようになりました。

ゼミで必要なのはプレゼン能力

教育学科人間発達専攻は、学校教育にとらわれず「生涯にわたる発達」という視点から教育を研究していく学科です。特別支援教育や環境教育、生涯学習や社会教育など、現代社会における教育について、多面的に学んでいきます。

もちろん教育学だけではなく、歴史、哲学、心理学、社会学などを幅広く学ぶことで、教育現場に潜んでいるさまざまな課題に対応する能力を身につけていくことも重要です。

また1年次からゼミナールがあり、入学したての早い段階から自分で調べ、発表し、同じゼミ生から意見をもらうというスタイルで学んでいます。

私が所属する須田将司ゼミナールでは教育史をテーマとしており、昨年は国歌の歴史について調べました。でも、高校までの私は「自分で調べてまとめ、発表する」という経験に乏しく、まったくの調査不足に終わり、反省しているところです。

そこで今年は、1つのことを調べるにもたくさんの資料に当たること、わかりやすくまとめること、自分なりの意見を持って人前でしっかり話すことなどを課題として、さらに研究を深めていきたいと考えています。

教育系の企業をめざしながらも

3年生になり、友達との話題も就職に関することが多くなってきました。私もキャリアセンターに通って業界に関する本を読んだり、企業についての資料を集めたりしています。

今のところめざしているのは、教材を作ったり通信教育を手掛けたりしている教育系の企業ですが、まだ自己分析の段階で、本当に自分がその分野に向いているのかどうかを探っているところです。もしかしたら、就活を続けていくうちに、まったく違う分野に興味が向くかもしれません。大学での学びを生かし、自分が本当に進みたいと思う道を自分の目で見極め、歩んでいきたいと思います。

山森正太さん文学部 教育学科 人間発達専攻 3年

  • 所属ゼミナール:須田将司ゼミナール
  • 東京都立南平高等学校出身

  • 掲載内容は、取材当時のものです