もともと文系学部を志していた森本貴大さんは、情報処理の、実はシンプルなしくみを知り、「かっこいい」と一気にひかれた。いきなり文系から理系に進路変更するのはハードルが高いのではないか。そんな不安を解消する文理融合の学部の存在は、とても心強かったと振り返る。4年生の今なお、学びの対象範囲は広がるばかりだ。

理解した先を追求することが大事

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就職活動を始めて気づいたのですが、「自分で理解し、そこから何を考え、発展させようとしているのか」という、企業面接でも問われるこのことこそ、大学における学びの特徴ではないでしょうか。大学では、外に足を運び、手を動かし、体験することで自分がどう感じるか、そこにどんな課題があるのかを意識するということが経験できます。しかしそこでは、高校での学びのように「教えてもらって理解する」のではなく、自分で考えて行動し、「わかった、だからその先はどうなのか」というところまで、学びの質を高めなければなりません。何かを選択する際には必ず理由があるように、それを学ぶことで何を知りたいのか、自分なりの解釈が求められるのです。

私は、ゼミ活動で訪れた「みなみかぜ いきいき田んぼの会」という地域の交流会で、学内とは違う世代や経験を持つ人々に出会い、そこから何かを始めたいという思いに強くかられました。自分自身でも驚くほどのめり込めたこの経験も、自ら動くことによって得られたものです。まさに自ら動くことの意義を実感できました。

文理融合の奥深さを実感

総合情報学科には、「情報科学」「環境情報」「心理情報」「メディア文化」という4つの専門分野があります。私は、情報科学と環境情報を軸にして学びました。

ゼミ活動はまさに環境情報系。「みなみかぜ いきいき田んぼの会」は、社会福祉法人みなみかぜが運営をし、農作業を中心とした活動を通して地域の交流を深める地域交流会です。世代を越えた交流の活性化を図るイベントに参加し、お手伝いをしているうちに、この団体の5周年記念イベントを研究室でのテーマとして取り上げることになりました。今まさに、企画立案をして研究に広げていこうという段階です。

情報科学分野では、コンピュータの原理や画像処理を学び、単純な考え方から複雑な結果が導かれるコンピュータの奥深さに触れています。

このように文理融合の学びはとても興味深くて、他の2分野に触れていないのが悔やまれるほど。学べば学ぶほど、他の分野を知りたくなってくるのです。

自分を限定しないで向上したい

将来は、「困ったら森本に聞けばいい」といわれるような人間になりたいです。自分を限定せず、どんな場面においても頼りになるような幅広い知識を持ち合わせたい。仕事においても、もしソフト開発関連企業に就職できたら、企業システムを開発したいと考えています。企業から依頼されて、どんな要望にも応えられるような万能スキルを身につけるためには、常に学び続けなければなりません。そのための努力の第一歩として受けたのが、「情報処理技術者試験」です。ITパスポート試験、基本情報技術者試験、応用情報技術者試験という試験に毎年一つずつ挑戦し、本学科で得るべき必要な知識をきちんと押さえていることが確認できました。

自分にできることを決めつけずに、幅広い学びのフィールドに飛び込んで良かったと今では痛感しています。

森本貴大さん総合情報学部 総合情報学科 4年

  • 所属ゼミナール:環境コミュニケーションゼミナール
  • 東京都立調布南高等学校出身

  • 掲載内容は、取材当時のものです