「走ることが楽しくてしかたないんです」。佐藤真帆さんは、人懐っこい笑顔を咲かせる。中高時代は有望なランナーとして数々の大会を駆け抜けつつも、ケガの絶えない選手でもあった。あこがれの駅伝部で活躍するため、そしていくつになっても走る喜びを味わうためにスポーツを科学する。彼女の新たなチャレンジは始まったばかりだ。

自己管理はスポーツ選手の基本

2013060114_img_02

中学、高校と陸上競技の中長距離選手として活動してきたので、東洋大学の駅伝部で走るのが夢でした。今はまだ入学したばかりなので、大会出場は先のことですが、初めて板倉キャンパスのトラックを走ったときは感激しましたね。

食環境科学科を選んだ理由は、ランナーとしてもっと上のレベルをめざしたいから。高校生の頃も、筋肉を作るためにタンパク質を多めに摂ったり、ウエイトコントロールのために間食を控えたりと、自分なりに工夫していました。でも、それはあくまで自己流でしかなかったし、しかも、ひたすら練習に明け暮れていたせいか、肉離れや疲労骨折といったケガも繰り返してばかりでした。

たとえ、サポートしてくれる存在が身近にいても、自己管理はスポーツ選手にとっての基本。そのためにも体の構造や栄養についての正しい知識を養いたいと思っています。

まだ授業は始まったばかりですが、先日は化学の実験をやりました。この学科は化学をとても重視しています。「スポーツは科学だ」ということを、学びを通して今まさに実感しているところです。

寮生活で発見した学びのチャンス

入学式に先立って、3月の初めに陸上部合宿所寮に入寮しました。寮はキャンパス内にあって、授業や練習が終わったらすぐに帰れるのがありがたいですね。

ルームメイトは2年生の先輩です。大学の部活の雰囲気は高校と比べて大人な感じ。先輩も、部員同士ということで、同じ目線で語ってくれます。最初は寮生活への不安もありましたが、先輩もいろいろと相談に乗ってくれますし、何より走るのが大好きな子ばかりが集まっているので、みんなとても気が合って、毎日がお泊まり会みたいな気分で楽しいです。

朝食と夕食は管理栄養士さんが作ってくれます。カロリーや栄養素もメニューに書いてあるので、これも栄養学の勉強だと思ってきちんとチェックするように心掛けています。

お昼は学食で食べることもありますが、ほとんどは部のみんなと一緒に自炊しています。みんなは料理が上手なので、自炊デビューしたばかりの私も頑張らなくては、と思っています。

いつか現役を引退する日に備えて

現在の目標は、全日本大学女子駅伝の選抜選手に入ること。毎日の早朝練習と、午後は週2日の部活動の合同練習日のほか、自主練習で毎日ロードを20kmほど走っています。

そして、いつか現役を引退する日に備えて、大学での学びも大切にしたいと思っています。在学中には資格もいくつか取るつもりです。将来のことはまだはっきりとは決まっていませんが、スポーツを通して人と関われる仕事に就きたいですね。

現役でなくなっても、走ることはずっと続けたいと思っています。市民ランナーがエントリーできる大会も多いし、最近は会社帰りにランニングする社会人も多いと聞きます。走るのってストレス解消にもなるし、本当に気持ちいいのですよ。

いくつになっても走る喜びを味わっていたい。そのためにも、大事なのが健康。この大学で学ぶことは、私にとって一生の財産になると思います。

佐藤真帆さん食環境科学部 食環境科学科 スポーツ・食品機能専攻 1年

  • 岩手県立花巻北高等学校出身

  • 掲載内容は、取材当時のものです