高校まで長距離走に専念していた近藤なつみさん。しかし、これ以上の成長は難しいかもしれないと自身の限界を感じたとき、自分を前進させてくれたのは「子どもが好き」という幼い頃からの純粋な気持ちだった。現在、幼稚園の先生をめざして資格取得に狙いを定める近藤さんが、子ども支援学専攻を選んだきっかけとは何だろう。
子どもと関わる仕事に就くために
高校までは陸上に打ち込んでいましたが、あらためて自分の実力を計ると、このままスポーツの道で生きていくのは厳しいかな……と行き詰まり感を抱いていました。
進路を決めるにあたって、将来の自分の姿を真剣に思い描いたとき、脳裏に浮かんだのは、親戚の子どもと遊ぶ自分の姿でした。もともと子どもが好きだった私は、そのとき初めて「子どもと関わる仕事がしたい」という目標を漠然とつかんだのです。
保育や児童支援について学べる学科を探すうちに、東洋大学で「“学び”LIVE授業体験」という入試イベントが開かれることを知り、足を運んでみることにしました。そのときに受けた講義は、里親制度についての模擬授業でした。親の愛を受けられなかった子どもたちの現実と支援方法について、わずかでも触れることのできた私は、子どもと関わる仕事の具体像が見えたような気がして、生活支援学科 子ども支援学専攻に将来を託すことを決めました。
恵まれた環境を活かして
専門学校で保育士の資格を取り、すでに社会に出て働いている友達もいます。そんな友達と話をすると、どんどん先へ進んでいる彼らに比べて自分は……と、焦ることもあります。しかし、4年制の大学だからこそ学べる「学問・知識の深さ」は、きっとこれからの私の力になってくれるはずです。
大学はとても自由で、自分から積極的に学び取らなければ何も得られない場所です。しかし、一方で興味を持って掘り進めれば掘り進めるほど、いろいろなものを探り当てることができます。
入学してしばらくは、先生方がどれだけプロフェッショナルな方々なのか、大学の施設がどれほどに意味を持つものなのかわからず、その恵まれた環境をまったく活かすことができていませんでした。しかし、保育実習室や図書館など、自分次第で活かせるものがたくさんあることに気づき、今では自らすすんでそれらを活用するよう心掛けています。
子どもと関わっていくために
私は今、絵本の読み聞かせをテーマに研究を進めています。子どもたちはみんな絵本が大好き。保育実習でも、先生が「絵本を読むよ」と声を掛ければ、子どもたちは一斉に先生のそばに集まってきます。好奇心いっぱいの目で、ページをめくる先生の手元を追い、絵本を読む声に耳を傾けます。
思えば私も、絵本が大好きでした。今でも心に残っているのは『はじめてのおつかい』です。みいちゃんの声がなかなかお店の人に届かず、不安に苛まれるシーンなど、思い出すだけで胸が苦しくなります。
子どもたちに人気の絵本は、なぜ人気なのか。そもそも絵本の役割とは何なのか。絵本の読み聞かせによって、親子はどんなコミュニケーションを図っているのか。そんな疑問を探りながら、卒業論文へとつなげていく予定です。
卒業後は幼稚園の先生になりたいと考えています。そのためには越えなければならない壁もありますが、幼稚園実習など子どもたちと触れ合う機会を重ね、「絵本を読んで」と言われるような理想の幼稚園の先生をめざします。
近藤なつみさんライフデザイン学部 生活支援学科 子ども支援学専攻 4年
- 所属ゼミナール:嶋﨑博嗣ゼミナール
- 千葉県船橋市立船橋高等学校出身
- ※掲載内容は、取材当時のものです