中高時代は強豪校の野球部員として日本各地を遠征。そしてアメリカ留学を経て、佐藤潤一さんは東洋大学の国際地域学科地域総合専攻に入学した。国内外さまざまな地域を見て回った彼が行き着いたのは、生まれ育った町・仙台に貢献すること。イブニングコースの凝縮した授業に出席しつつ、地域活性プロジェクトに日本各地への旅にと、その学生生活はまさしく「充実」の一言に尽きる。

仙台の魅力を日本中に伝えたい

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生まれ育った町・仙台の発展に役立てる人間になりたい。それが、僕がこの学科を選んだ理由でした。

昔から行動派なほうで、部活の遠征に、留学に、旅行にと、国内外のいろいろな地域を訪れてきましたが、仙台に帰ると「やっぱりいい町だなあ」とあらためて思うんです。まず自然が豊か。そして食べ物が美味しい。歴史・文化的な見どころもたくさんある有数の観光地です。

ところが、大学に入って周りに聞いてみると「仙台?行ったことないなあ」という人が意外に多く、魅力が伝わりきれていないのが残念でした。

あの震災から2年。仙台の中心街はだいぶ復興も進んでいます。でも、農村部や山間部はいまだ手つかずの地域も多く、さらには農家の後継者不足や過疎化といった深刻な問題も抱えています。

卒業後は公務員として、観光だけでなくさまざまな形で仙台に人が集まるようなしくみづくりに取り組みたいと考えています。

地域と外国人住民をつなぐ活動に参加

僕が思うこの学科の特徴は「頭で考えるよりまず行動」という現場主義の教授が多いこと。僕自身、行動から学びたいタイプなので、その点でもこの学科はピッタリでした。

昨年から教授の紹介で、横浜市鶴見区のまちづくり活動に参加しています。鶴見には外国人、なかでも最近はブラジル人が多く住んでいるんですが、なかなか地域住民との交流ができていないようなんです。理由は生活習慣や国民性の違いなどいろいろあるようですが、せっかく同じ町に住んでいるのだから、お互いが歩み寄れたらもっといい町になりますよね。

先日は、地域の方々とブラジル人の方々、そして活動メンバーもそろった第一回目のシンポジウムを開きました。思ったより雰囲気も和やかになって、お互いの理解に一歩前進できたのでは、という手応えもありましたね。ただ、具体的な解決にはまだ時間がかかるでしょうし、在学中は僕も精一杯のお手伝いをしたいと思っています。

日本各地を回って

大学生活の思い出としては、とにかくたくさん旅行したことです。有名な観光地だけでなく、過疎地域や住環境、被差別部落など、地域にまつわるさまざまな問題とその現状を自分の目で確かめるために、日本各地を回りました。

資料を読むだけよりも問題意識も高まったし、この経験はきっと将来にも生きてくると思います。

イブニングコースは夕方から夜の2コマだけ。1~3年まではほぼ毎日みっちりと授業が入っていてそれなりに忙しかったのですが、昼間も含めて自分でスケジュールを組み立てながら、時間を有効に使えたのが良かったですね。

ちなみに、仙台と言えば牛タンが有名ですが、意外と地元の人は食べないんですよ。今は帰省するたびに1回は食べますが、さすが仙台を代表する名産だけにどの店も美味しい。地元を離れてみて、あらためて地元の魅力に気づきました。そういう意味でも東京の大学で学べたのは有意義でした。この記事を読んだ方にもぜひ一度、仙台に遊びに来てもらえたらうれしいですね。

佐藤潤一さんイブニングコース 国際地域学部 国際地域学科 地域総合専攻 4年

  • 宮城県・仙台市立仙台高等学校出身

  • 掲載内容は、取材当時のものです