「高3のときの英語の成績なんて1でしたからね」と笑って話す廣中憲士さん。今では英語のみならず、中国語検定にまでチャレンジする語学力を誇る。高校時代から一転、廣中さんが学びに対する姿勢を切り替えたのは、ニュージーランドへの語学研修がきっかけだった。1年次の夏休み、廣中さんを変えたのはどんな経験だったのか。

英語ができたら世界が広がる

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英語は大の苦手。高校時代は遊んでばかりいたので、成績もひどいものでした。補習を受けてかろうじて卒業は果たしましたが、当時の私を知る先生や友達が今の自分を知ると、みんな一様に驚きます。

私が英語コミュニケーション学科を選んだのは、英語を自在に使えたらこの先有利だろうという安易な考えからでした。海外の人と英語でコミュニケーションが取れるようになったらカッコイイし、きっと世界が広がる。できることも増える……そう考えたのです。

英語コミュニケーション学科は、英語力を高めることはもちろん、英語を軸としたコミュニケーション能力を育むことを目標に掲げています。よく言われることですが、英語は単なるツールに過ぎません。重要なのは、英語で何を受け止め、発信していくのかという一点です。

ニュージーランドで打ちのめされて

正直なところ、1年生の夏まではあまり勉強にも身が入らず、決して誇れるような学生生活ではありませんでした。

ターニングポイントとなったのは夏休み。語学研修のため1カ月ほどニュージーランドへ行ったのですが、当然、自分の英語などほとんど通じません。しゃべりたいのにしゃべれないもどかしさ、辛さ、悔しさは想像以上でした。

「このままじゃダメだ」という「危機感」と、「英語ができれば人生が豊かになる」という「期待感」が生まれたのは、そのときでした。ニュージーランドから帰ってきてからは、英語に対して真剣に取り組むようになったのです。

もちろん、そうしたショック療法を期待して海外へ行ったという側面もあります。しかし、まさかそこまで辛いとは思っていませんでした。あのときの衝撃は、いまだに私の原動力となっています。

英語を学び、英語を使いたいなら

本気で学び、英検1級を取得するまでに英語力を高めた私は、2年次を終えて1年休学することに決めていました。その1年は、将来のライフプランを練る期間として、前半は海外を旅し、後半は生涯続けられる趣味の取捨選択に費やすことにしました。

旅した国は、韓国、中国、ロシア、イスラエル、パレスチナ、北朝鮮。さまざまな価値観に出会い、中国語の習得にも挑戦するなど、より豊かな暮らしをするための手段を手に入れられたのは収穫でした。

私の人生においては、選択肢が豊富にあることが幸せの条件だと考えています。「○○がしたいけれど、××ができないから無理だ」とあきらめる人生を送りたくないのです。何かを身につけることで世界が広がるとわかっているなら、積極的に身につけていきたいのです。

現在は言語論を中心として、コミュニケーションスキルを高めることを中心に学びを深めています。英語を学び、英語を使いたいなら、この学科はまさに最適と言えるのではないでしょうか。

廣中憲士さん文学部 英語コミュニケーション学科 3年

  • 神奈川県立氷取沢高等学校出身

  • 掲載内容は、取材当時のものです