東洋大学では毎年春と秋の2回、「東洋大学留学フェア」を白山キャンパスで開催しています。このイベントは、大学独自の留学プログラムや奨学金制度の紹介から、留学経験のある先輩の報告会や交換留学生による現地情報を聞く個別相談、留学時の出願に欠かせない語学試験の説明まで、留学に関するあらゆる情報を提供する場です。2016年10 月の開催当日は、留学を希望する多くの学生が会場に集まっていました。

留学に関する情報を提供する場

「東洋大学留学フェア」は東洋大学の国際教育センターが主催しています。留学についての個別相談や資料提供のほか、スペシャルプレゼンテーションとして、留学プログラムの説明や留学経験者による報告会、語学試験の説明会が行われました。
会場は個別相談会場4教室と、スペシャルプレゼンテーションが行われる講演会場1教室に分かれ、入退場は自由。参加者は自身の興味・関心に応じて、個別相談をしたり、プレゼンテーションを聞いたり、海外大学の資料や奨学金、語学試験などの情報を集めたりすることができます。

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個別相談会場では、国際教育センターやランゲージセンターのスタッフが東洋大学が実施している留学プログラムや英語学習プログラムに関する質問や相談を受け付けるほか、各種留学プログラムに参加した先輩たちが国別にブースを開き、各国からの交換留学生とともに、留学先の国や大学の情報、自身の体験談などを紹介し、希望者の相談に応じていました。また、TOEFLやIELTSなどの語学試験の実施団体をはじめ、認定留学や語学セミナー、インターンシップ、ボランティアなどのプログラムを提供している団体や企業などからも担当者が来校して詳しく説明していました。

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スペシャルプレゼンテーションが行われる教室は各回とも満席で、なかでも、短期・長期の留学経験者による報告会では、先輩のプレゼンテーションに熱心に耳を傾け、メモを取る参加者の姿が多く見受けられ、留学への関心の高さがうかがえました。

入学後早いうちに海外体験を積めばその後の留学につながる

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長期休暇を有効に過ごしたいと1年次の春休みに約1カ月間、アメリカ・カリフォルニア州サンディエゴでのボランティアに参加した松本純奈さん(社会学部 社会文化システム学科2年)は、低所得者や失業者の食を支える民間のボランティア団体「フードバンク」の活動に参加して、登録者への食料支援を行いました。ほかにも、ハーフマラソン開催時にはランナーへの給水を手伝うなど、いろいろな活動に参加したと言います。
「ボランティアというと、アジアの貧困地域で活動をするイメージが強かったので、治安に不安があり参加しづらいと思ったのですが、アメリカでボランティア活動ができると知って参加しました。アメリカでは日本では目にすることのできない経済状況と貧困の実態を目の当たりにして、衝撃を受けました」と話す松本さん。この経験を生かして、社会に貢献したいと考えています。
ボランティア活動は日によって終日の場合もあれば、午後だけという場合もあり、活動がない時間は、語学学校で英語の授業を受講。クラスには世界各国から留学生が集まり、日本人は松本さん一人だけ。英語を話さなければ、自分の考えていることは伝わらないため、何としてでも英語を話そうとする気持ちが高まったそうです。授業はスピーキングやリーディングのほか、プレゼンテーションも求められる活動型で、英語力やコミュニケーション力がついたと言います。
松本さんは帰国後、もっと英語力をつけたいと、TOEICやTOEFLのスコアアップを目指した学習に力を入れるようになりました。また、外国人留学生との交流イベントでのサポートなどの活動にも参加しています。
「大学に入学して早いうちに海外体験を積んでおくと、それが次の留学へとつながるきっかけになると思います。まずは、行動を起こすこと。海外では日本では経験できないことを経験することができ、日本の常識が海外では通用しないということを知ることもできます。私も今後さらに、英語力や専門知識を高めるため、次の留学を考えています」と意気揚々と語りました。

自分の経験を生かして留学に挑戦する学生をサポートしたい

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3年次の夏から8カ月間、フランス・ストラスブール大学への交換留学を経て帰国した稲生拓未さん(国際地域学部 国際地域学科4年)は、「留学を経て自分がどのように変わるのか、今の自分に不足していて伸ばしたいものを知りたかったから」と留学を考えたきっかけを話します。
それまで留学や海外での生活の経験はなく、長期にわたって一人で海外で暮らすのは初めての経験でした。留学に際しては、大学で開催されている語学講座や国際交流イベントなどに積極的に参加して、無料で英語力を付ける努力をしたそうです。また、留学にかかる費用で親に経済的な負担をかけないよう、大学の奨学金を利用しました。
「ストラスブール大学は経済学に強い大学です。これから社会に出て働くにあたり、客観的に日本を見る力が必要であると思い、それには経済学の視点を身に付けようと、留学先に選びました。留学期間はあっという間で、特に前半は、生活や英語での授業に慣れることに精いっぱいでした。授業を受けるにあたっては、まず日本語で経済学を勉強してから英語で文献を読み、自分の意見をまとめるようにしていました。ヨーロッパ各国からの留学生とともに学ぶなかで、自分に根付いている日本人らしいきめ細やかさと海外の人たちの持つおおらかさを感じ、日本では得難い経験ができたと思います」と振り返ります。
8カ月間の留学を通じて、「人に伝える力」が伸びたという稲生さん。帰国後に就職活動の面接試験で、自己PRや学生時代に力を入れたことについて話す際、自分の経験を魅力的に相手に伝えることができたそうです。
最後に、稲生さんはこれから留学を希望する人に向けて「留学は行きたい気持ちがあるなら行くべき。留学を成功させるには努力と準備が必要で、いかに自分が本気で留学をしたいかが試されます。ぜひ、挑戦してほしいと思います。大学4年間を日本だけで過ごすよりも、1年間でも海外へ出て、外の空気に触れてみることは、自分と向き合い、視野を広げるうえでも大切です」とメッセージを送ります。そして、「今後は自分の経験を生かして、留学に挑戦しようとする学生をサポートする仕事をしていきたいですね」と話しました。

  • 掲載内容は、取材当時のものです