世の中で起きている話題を素材に学びながら法的知識を身につけ、法的なものの見方・考え方を養う。それが、法学部の目指す学びです。「法を学ぶ者は、論理的に考えて公平に判断する能力を身につけなければならない」と考える法律学科の武市周作准教授は、1年生の憲法や法学入門の授業をはじめ、武市ゼミの指導教員や法律討論サークル秋霜会の顧問を務めるほか、時間が許す限り学生の個別相談に乗っています。常に学生に寄り添う姿勢を大切にする武市准教授が目指す教育とは?

法的なものの見方・考え方を養う

「憲法学」とは国家のあり方や人権の保障について学ぶ学問ですが、武市准教授は、いかに社会のことを自分の身近に引き寄せて考えるか、つまり、「当事者意識を持って学ぶ」ことを重視して指導にあたります。そのため、法学部1年生の必修科目「憲法」や「法学入門」では、授業冒頭で新聞やインターネットなどで話題となった最新ニュースを具体例として取り上げ、その話題をもとに法的なものの見方・考え方を養います。たとえば格差社会や教育問題、憲法改正…といった、憲法にまつわる話題について、法的な視点でアプローチして、議論をする、といった学びを取り入れているのです。

こうした学び方は、講義形式の授業だけでなく、3、4年生が少人数で学ぶ武市先生の専門演習(ゼミナール)でも実践されています。

武市ゼミでは毎回、一つのテーマについて数人のメンバーが事前に十分に時間をかけて調べた内容を報告します。その内容に対して、他のメンバーが意見を述べ、議論するのです。武市准教授は学生たちの報告や議論に耳を傾けながら、指導者としてだけでなく、ときに“共に学ぶ者”として学生たちと議論を重ねています。

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現場で学ぶことの大切さを知る

法学部では、憲法や民法、刑法などの基本六法の知識をしっかりと身につけることを重視しています。それぞれの法律を学ぶなかで、法的な視点によって冷静かつ客観的にものごとを分析し、論理的で説得力のある判断ができる力を養っていきます。様々な法律を体系的に学び、基礎から応用へと段階的に進んでいけるカリキュラムが用意されています。2年次以降は専門科目が数多く開講され、自分の興味・関心に応じて、学びを深め、広げていくことができます。3年次からは、さらに専門性を深める「専門演習(ゼミナール)」が用意されています。

武市准教授は、「大学では様々な『軸』を作ることができますが、学びの軸を作ることは案外難しいものです。少人数で専門性を高めるゼミナールは、学びの軸になりうるもの。学びが深まることはもちろん、共に学ぶ仲間や先輩、後輩とのつながり、師との出会いなど、ゼミ活動を通じて人間関係も深まります」とゼミナールで学ぶ意義を述べます。

武市ゼミでは昨夏初めて、沖縄で合宿を開きました。沖縄大学法経学部・川﨑ゼミとの合同ゼミでは、沖縄が抱える基地問題、歴史、経済、環境問題などの課題について調査報告し、沖縄大学の学生たちと学び合う機会を持ったのです。

「法学部では、教室で学ぶことが中心となりますが、実際に現地へ足を運び、現地の状況を目の当たりにしたことで、学生たちは日頃、新聞やインターネットで知り得た情報がすべてではない、ということを肌で感じていました。社会で起きている問題を自分のこととして考えられる視点を持つことの重要性を、沖縄合宿を通じて、私自身もあらためて実感しました」と武市准教授は語ります。

社会で求められるチカラが身につく

法学部の卒業生の進路は、裁判官や検察官、弁護士といった法曹はもちろん、司法書士や行政書士などの仕事、公務員や民間企業など、多岐にわたります。法律を学ぶということは、六法の条文や判例を覚えればよいということではありません。どの法律もみな、私たちの社会生活に密接に関わりがあります。法的な視点を身につけ、社会の課題に対して論理的に考え、公平に判断する力をつける法学部の学び。その力は、みなさんが大学での学びを経て社会へ出たとき、どんな場面でも通用する社会人としての基礎力になるのです。

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武市周作准教授法学部 法律学科

  • 専門:憲法

  • 掲載内容は、取材当時のものです