「労働法を知っておいて損はしません」と、鎌田耕一教授は語る。労働法を知らずに損をしている人は少なくない。会社から突然解雇を言い渡された、不当な転勤の辞令を断りたい、大学を卒業したが就職できなかった。そんなとき、どうすればいいのか。その答えはすべて、労働法のなかにある。

現代社会で働き、生きる人の基本知識

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みなさんの多くは、いずれは社会に出て働くことになるでしょう。そのときにぜひ知っておいてもらいたいのが、「労働法」です。労働法とは、職場で出会うさまざまなトラブルを解決するためのルールです。たとえば、解雇、内定取り消し、労働災害、転勤などについては、労働法の一分野である「雇用関係法」が細かくルールを決めています。私たちは働いて収入を得て、生活をしています。労働法とは、生きていく上で必要な知識、現代社会で働く人の基本知識だと言えるでしょう。

労働法は労働者と企業の権利と義務だけでなく、企業経営の仕組みや事業展開のルールについても定めています。労働法は、働く人だけでなく、会社の経営者にも必須の知識です。働くことについて、労働者と企業の両方の観点から見ることで、複眼的な思考力を養うことができるのです。

変化する社会のなかで、「働く」を追求する

今や、社会の仕組みは複雑になり、仕事に対する価値観も働き方も多様化しています。派遣社員や契約社員など、あえて正社員以外の働き方を選ぶ人も、若い世代を中心に増えています。激しく変化する社会状況のなかで、働くとはどのようなことなのか、労働者と雇用主の関係はどうあるべきなのかを考察し、個々の事例を用いて学びを深めていけるところに、労働法を学ぶ面白さがあります。

私が担当している「労働市場法」の授業では、人材派遣事業や企業のアウトソーシング(業務の外部委託)などの人材サービス、若者の雇用支援、職業訓練などについて講義をしています。これは労働法の中でも特に新しく、変化が激しい領域でもあります。労働市場法の授業を開講している大学は数少なく、東洋大学法学部の特色の一つとなっています。人材サービスや若者の雇用問題は、今後ますます重要になるでしょう。ですから、これらの分野について大学で学ぶことには、大きな意義があるのです。

さまざまな学生が学ぶイブニングコース

私は、イブニングコースの法律学科でも授業やゼミを担当しています。イブニングコースの最大の魅力は、学生の多様性です。10代の学生から、長年社会で活躍してきた管理職クラスの社会人まで、実にさまざまな人が集い、共に学んでいます。ゼミなどでディスカッションをすると、いろいろな観点から多彩な意見が出て、大変興味深い議論が展開されます。若者は年配者の経験や知識から学ぶことが多いでしょうし、年配者は若者のフレッシュな感性や視点から新たな気づきを得ることでしょう。自分とは異なる環境で培われた価値観に触れ、複眼的なものの見方を身につけることができるのです。

また、イブニングコースの学生は、学ぶ意欲が非常に高いのも特徴です。優秀な学生も多く、大学院へ進学する人もいます。1部(昼間)と同じカリキュラムで学ぶことができ、簿記や会計など経営学部の一部の科目も履修することができます。「働きながら学びたい」「多様な仲間と切磋琢磨して自分を伸ばしたい」という人はぜひ、イブニングコースの門戸をたたいてください。

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鎌田耕一教授イブニングコース 法学部 法律学科

  • 専門:労働法

  • 掲載内容は、取材当時のものです