「好きな日本史をより深く学びたい」という強い思いを持って文学部史学科に入学した土田直人さん。論述形式のテストや、史実を分析して自分の意見を述べるといった大学での学びを経験し、視野を広げるために海外でも日本の歴史を学んでみたいという気持ちが固まりました。1年間のオーストラリア留学を前に「どんなに大変だろうと、好きなことには本気でがんばるべきだ」と大きな希望に満ちた表情で語ります。

答えのない問いを追究する

日本史に興味を持ったのは中学生の頃。社会科の先生の教え方が面白くて、何よりも好きな科目になりました。大学進学にあたって考えたのは、「大好きな日本史を思う存分、学びたい」ということ。そこで、日本史、特に古代史の分野で名の知れた先生のもとで学ぶことができる東洋大学は、日本史を学びたい自分にとってはこのうえない恵まれた環境だと思いました。

大学での学びは、高校と違い、答えが一つではありません。自ら課題を見つけて探究し、答えを見つける学び方は、高校までには体験したことがなく、学ぶことへの意欲がどんどん深まっていきました。中学校や高校では日本史を学ぶときも、年号と史実を暗記することが中心になっていましたが、大学では、たとえば論文をまとめるときにも、「なぜ、その事象が起きたのか」を考え、仮説に基づいて、自分なりに文献を調べて証拠となる史実を探しあて、答えを生み出していきます。そのように学びを深めることが自分にとっては楽しくて、知識を暗記することが勉強ではないと実感しています。

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視野を広げ、さらに学びを深めたい

日本史を学ぶうちに、自分が生まれ育った国の歴史を知っておくことは、最低限の教養であるという思いが芽生えました。これから社会に出て、仕事上で海外の人と接するときにも、仕事の知識だけでなく、自分の国について語ることができることは大切だと思います。海外の人は日本の歴史への関心が深いと聞いたこともあります。そこで私は、「日本史に興味がある人たちと一緒に学んでみたい」「海外で視野を広げて、さらに学びを深めよう」と考え、オーストラリアへの1年間の留学をすることを目標に掲げました。

いざ留学しようと決めたものの、まずは英語力を伸ばさなければなりません。生半可な気持ちでは留学などできませんから、「大好きな日本史を海外で学びたい」という強い意志を持って、毎日時間を決めて徹底的に英語の勉強に取り組みました。そしてついに、留学先の大学で求められるTOEFLのスコアをクリアすることができました。

留学するにあたっては、東洋大学の留学制度や奨学金などのサポート体制が充実していることが、後押しになりました。このような情報は、自ら動いたからこそ得られたもの。留学期間を終えたら、留学に関する情報を提供できるサイトを運営したり、留学希望者向けのサークルを作ったりして、自分の経験を後輩へ伝えていけたらとも考えています。

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自ら動けば、道は拓ける

目標に向けて努力し、自分で道を切り拓いていく力がついたのも、大学で自ら課題を見つけ、探究するという学びの姿勢が身についていたからこそ。私は将来、一般企業で海外と取引をする仕事に就きたいと考えていますが、企業への就職を考えるようになったのは、1年次後期に共通総合科目の社会人基礎科目である「企業家論」という授業を受けたことがきっかけです。近現代の有名な経営者にスポットをあてた授業でした。授業はとてもハードで、毎回3冊以上の書物からレポートを提出し、グループディスカッションを行い、最後に討論した内容についてプレゼンテーションを行います。文章力が鍛えられ、プレゼンスキルも身につきました。専攻している日本史学が直接的に仕事に結びつくことはなくても、大学でのさまざまな学びを通じて身についた姿勢は、いずれ仕事をするうえで生きてくると思います。

大学生活は自分で動かなければ、何も始まりません。私は大学で日本史を学び、留学という目標が見つかり、海外と取引をする仕事がしたいと考えるようになりました。今、自分にできること、好きなことを見つけて徹底的に取り組むことが大切です。本気で取り組めば道は拓けるのです。

土田 直人さん文学部 史学科 2年

  • 所属ゼミナール:大豆生田 稔ゼミナール
  • 私立日本大学高等学校出身

  • 掲載内容は、取材当時のものです