月別アーカイブ: 2017年10月

最近よく見られる「抱き合わせ販売」とは、ある商品(主たる商品)に、特定の別の商品(従たる商品)をつけて売る商法です。メリットとして、別々に買う手間が省ける、商品間に技術的親和性がある、といった利用者の利便性向上と、ひとつの企業が両方の商品を生産・販売するほうが、別々に生産するよりも安く済む、範囲の経済性が挙げられます。一方デメリットとして、不用品の押しつけや競争相手排除の可能性が挙げられます。ここでは、抱き合わせ販売が独占禁止法違反とされた例として、「日本マイクロソフト事件」を紹介します。マイクロソフト社は1995年頃、表計算ソフト市場で支配的地位(シェアが1位でしかも圧倒的)にあった、主たる商品のエクセルと、あまり人気のない従たる商品のワードを抱き合わせて販売しました。それにより、当時、ワープロソフトとしてシェア1位だったジャストシステムの「一太郎」のシェアが激減し、大きな打撃を与えました。もともと経済学では、企業同士の競争を、お互いが切磋琢磨し、より良いものをより安く顧客に提供しよう、とプラスに捉えます。しかし、抱き合わせ販売による競争相手排除は、商品の質や価格における競争ではないという判断がなされました。つまり、あるべき競争が起きず、公正な競争とは言えないことから、独占禁止法違反とされたのです。抱き合わせ販売は、プラス面とマイナス面とを持ち合わせています。プラス面を評価しつつ、長期的に見て公正な競争が行われているかどうかを、注意深く見ていく必要があるでしょう。

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吉田 明子教授経済学部 経済学科

  • 専門:産業組織論、競争政策

世界各地の映像を容易に視聴できる現代において、私たちは、あたかも世界をよく知っているかのように思いがちです。しかし本当の世界とは、自分で考えなければ理解できるものではありません。イスラーム誕生の背景、そして環境や生態系との関わりを例に考えてみましょう。アラビア半島の中央部に、イスラーム誕生のメッカを擁するサウジアラビアがあります。その広い面積の大半を砂漠が占めています。砂漠のイメージである、“照り付ける太陽、生物がいない、熱い死の世界”は、実は昼だけのこと。夜には気温が下がり快適に過ごせるため、夜行性生物が動き出し、オアシスでは灌漑農業が行われています。また、砂ばかりで障害物がなく、月や星が良く見えるため、方角もよくわかり、とても安全です。こうした砂漠では「ラクダ隊商隊」が国際貿易に従事していたことから、7世紀のアラビア半島にはさまざまな異文化があふれ、社会も活性化し、繁栄を極めていました。その一方で、社会の混乱や秩序の崩壊ももたらされました。そこに現れたのが、「この世界はすばらしいが、秩序が必要だ」と、キリスト教をもとにイスラーム教を作った、ムハンマドでした。その後イスラーム教は伝播し、今では世界ナンバー2の大宗教となりました。イスラームの誕生にとって、砂漠という生態系が、大きな影響を持っていることがわかります。その背景を知り、どのように異文化を理解するべきかを考えていきましょう。

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三沢 伸生教授社会学部 社会文化システム学科

  • 専門:中東社会経済史

Tomoaki Ueda, Associate ProfessorDepartment of Law
Faculty of Law

  • Research Fields
    • International Politics
    • Comparative Politics
    • Indian Politics
    • South Asian Area Studies

Shusaku Takechi, Associate ProfessorDepartment of Law
Faculty of Law

  • Research Field
    • Constitutions
  • Research Keywords
    • Basic Rights (Protection Obligation)
    • Constitutional Litigation
    • Comparative Constitutional Law (Germany)

Hajime Imamura, ProfessorDepartment of Global Innovation Studies
Faculty of Global and Regional Studies

  • Research Fields
    • Labor Economics
    • Social Enterprise
    • Social and Solidarity Economy
    • Social Capital

Kumiko Iijima, Associate ProfessorDepartment of Nutritional and Health Sciences
Faculty of Food and Nutritional Sciences

  • Main Research Theme
    • Softening and hardening of beans and vegetables in cooking

上手な人間関係を築くためのコツや知識を「ソーシャルスキル」と言います。学校では今、ソーシャルスキルを積極的に子供たちに身につけさせることによって、問題が起きるのを予防しようという活動が盛んです。子供たちは、自分の経験から、遊びに入れてもらえるよう声をかけたらうまくいった、他の子がうまくいっているのを真似る、先生や親に教わる、などでソーシャルスキルを身につけます。ソーシャルスキルには、持っていないと不適応状態(遊びに入れてもらえない、トラブルになるなどといった)に陥る可能性があるだけでなく、生まれながらに持っているものではなく、あとから身につける、学習性のものだという性質があります。
では、教師にとって、ソーシャルスキルの知識の必要性はどのようなものでしょう。問題を起こしている子供を援助するため、明るいあいさつや上手な意思表示の仕方、嫌なことをうまく断る方法などといったソーシャルスキル・トレーニングをする必要があります。また、問題の予防や、よりよい学級・学校を作るため、児童・生徒の集団に、お互いの話をじっくり聴きあえる学級、お互いを大切にしながら意見を言いあえる学級、お互いを認めあえる学級といったことを一斉に学ばせるソーシャルスキル教育をする必要もあります。そして、教師自身が、児童・生徒、保護者、ほかの教師などと、よりよい人間関係を築き、情報のやり取りや問題の早期発見などにもつながるといった利点につながります。ソーシャルスキルについての学びを、教育学科でぜひ深めていただきたいものです。

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篠崎 信之教授文学部 教育学科

  • 専門:教育相談、臨床心理学

PRというと、広告や宣伝などと同じだと誤解されることがありますが、別のものです。広告は、テレビ番組の間に流れるCMのように、組織(広告主)が有料メディアを通じて、伝えたい情報を発信することです。新聞や雑誌で言えば、記事ではないところにある情報を指し、自分で自分を「いいよ」と発信します。一方PRは、例えばテレビ番組や新聞、雑誌の記事の中で紹介されている情報などを指します。メディアに取り上げてもらって、第三者(マスコミ)に「いいね」と言ってもらい、さまざまな人々との関係を築いていくことです。つまり、広告は「攻め」、PRは「守り」のアプローチと言えるでしょう。PRとは、“Public(公共との) Relations(関係性を築く)”の略で、日本では「広報」と呼ばれることが多く、企業などの組織が社会とのよりよい関係性を構築し、維持することを意味します。メディアが間に入ることによって、円滑にコミュニケーションをとり、周囲のうわさや受け手の誤解を取り除き、送り手の意図通りにメッセージを的確に伝えたり、レピュテーション・リスク(評判が毀損する危険性)を回避したりという役割を持ちます。不祥事などの悪い評判は広まりやすく、対応を誤ると大問題に発展するため、記者会見などで釈明や謝罪をすることが重要になります。
一方で近年、広告とPRは融合してきています。情報技術の進歩とインターネットの普及により、誰でもメディアを所有し、SNSなどで発信できるようになったためです。今後はさらに、広告とPRの境界は曖昧になってくる可能性が高いでしょう。

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薗部 靖史准教授社会学部 メディアコミュニケーション学科

  • 専門:マーケティング・コミュニケーション、PR論、広告論

Akiko Sugiyama, ProfessorDepartment of Accounting and Finance
Faculty of Business Administration

  • Research Keywords
    • Deferred Tax Accounting
    • International Financial Reporting Standards
    • Tax Accounting

Tsutomu Sagara, ProfessorDepartment of Philosophy
Faculty of Letters

  • Main research themes
    • Contemporary German Philosophy
    • Contemporary Japanese Philosophy/ Comparative Philosophy

入学試験実施に伴い、下記PDFの通り入構措置(大学構内への入構禁止)をとらせて頂きますのでご注意ください。

白山キャンパス

2017年

10月14日(土) 21:30から
10月15日(日) 17:00まで

11月18日(土) 21:30から
11月19日(日) 17:00まで

12月9日(土) 21:30から
12月10日(日) 17:00まで

2018年

1月31日(水) 21:30から
2月1日(木) 16:00まで

2月7日(水) 00:00から
2月11日(日・祝) 18:00まで

2月26日(月) 00:00から
2月27日(火) 16:00まで

3月4日(日) 00:00から
3月6日(火) 17:00まで

赤羽台キャンパス

2017年

10月14日(土) 21:30から
10月15日(日) 17:00まで

11月18日(土) 21:30から
11月19日(日) 17:00まで

12月9日(土) 21:30から
12月10日(日) 17:00まで

2018年

1月31日(水) 21:30から
2月1日(木) 16:00まで

2月7日(水) 00:00から
2月11日(日・祝) 18:00まで

朝霞キャンパス

2017年

10月14日(土) 21:30から
10月15日(日) 17:00まで

11月18日(土) 21:30から
11月19日(日) 17:00まで

2018年

1月31日(水) 21:30から
2月1日(木) 16:00まで

2月7日(水) 00:00から
2月11日(日・祝) 18:00まで

川越キャンパス

2017年

10月14日(土) 21:30から
10月15日(日) 17:00まで

11月18日(土) 21:30から
11月19日(日) 17:00まで

2018年

1月11日(木) 21:30から
1月14日(日) 19:00まで

1月31日(火) 15:00から
2月1日(水) 16:00まで

板倉キャンパス

2017年

10月14日(土) 21:30から
10月15日(日) 17:00まで

11月18日(土) 21:30から
11月19日(日) 17:00まで

2018年

1月12日(金) 00:00から
1月14日(日) 19:00まで

Noriko Yagasaki, Associate ProfessorDepartment of International Tourism Management
Faculty of International Tourism Management

  • Research Fields
    • Tourism Management
    • Tourism Policies
    • Legal Systems in Tourism Industry
    • Inbound Tourism
    • Vacation Reform to Level Tourism Demand

Yuji Sano, ProfessorDepartment of Electrical, Electronic and Communications Engineering
Faculty of Science and Engineering

  • Research Fields
    • Electronic Circuit Engineering
    • Color Engineering
    • Electric & Electronic Engineering/ Electronic Devices
    • Electronic Apparatus

価値観、ライフスタイル、消費の特徴などに関する、さまざまな調査結果や評価によると、今の20代の若者たちは、とても堅実な生活をしているということが、多くのデータで示されています。「将来が不安、お金をかけないながらも、自分の体験や思い出を大切にしている人」「堅実だと思われたい人」が20代の6割を占めるというデータもあります。また、25歳未満の世帯主の消費支出を見ると、1989年を100としたとき、2014年は63でした。堅実派は学生時代から貯金をし、なるべくお金をかけない生活を心がけるだけでなく、せっかくお金を使うなら、確実に楽しみたいため、安定の仲間と安定の店で過ごします。また、行く前から、情報収集などで楽しみ、行って楽しみ、帰ってきてからSNSなどでもう一度楽しむ、といったスタイルです。しかし、「自分を信じて、自分に投資をする」という生活もあることを伝えたいと思います。では「自己投資」とはどのようなことでしょうか。習い事や資格取得、ダブルスクールや大学卒業後の進学だけでなく、海外留学や旅行など、行ったことがないところへ行く、美術館や博物館へ出かけ、見たことがないものを見る、本物を見る、食べたことがないものを食べる…など広く考えてみましょう。みなさんはどちらに近いですか?

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住谷 宏教授経営学部 マーケティング学科

  • 専門:チャネル戦略、流通理論

2500年前、ソクラテスが “徳”とは何か?という問いを立てました。「私には徳がある」と自称する人を、周りは「あの人には徳がない」と評価するでしょう。その逆に、「あの人には徳がある」と他人が気付くものでもあります。その答えはいまだに不確定です。“正義”や“自由”も同じことが言えます。重要なのは、その「問い」です。答えよりも、問いを重要なものとして理解していく試みが哲学なのです。そして、この問いを立てるために、どこに「注意」を向けるのかが大切です。そのために、自分の推論が正しいかを吟味する“論理力”や、いつか手がかりが見つかり、思考が進むことがある時まで問いを持ち続ける持続的な思考の“展開力”、そして、多くの人が気付かなかった現実を見出し、どこに問題があるのかと気付くための“発見力”が必要です。例えば、エッシャーの「Drawing Hands」というだまし絵を見たときに、この絵のどこがおかしいのかを考え、問いを立て、エッシャーの意図を考えます。始まりと終わりの区別がなく、手が手を描いているようですが、同一人物ではないようにも見えます。二次元と三次元が展開されていて、よく見ると大切なものを抱えているようにも見えます。このように、パッと見てわからなかったことについて、問いを立て、さまざまな場所に注意を向けてみると、思考が進み、その中からいろいろな物事の見方や解釈、多様な現実が出現するのです。

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稲垣 諭教授文学部 哲学科

  • 専門:現象学、リハビリテーション医療の科学哲学、精神医学の哲学、環境デザインの哲学

理工学部機械工学科1年生対象の必修科目である「機械工学序論」では、自分で考えたものをゼロから作る「ものづくり」のきっかけにすることをねらいとして「ゴム動力車競技」に取り組みます。全3回のこの課題は、今後学んでいく専門科目への導入として位置付けられます。学生たちはグループで設計・製作を行って、最終回には実際に走行させて記録を競います。学生たちがアイデアを出し合い、試行錯誤しながら、ゴム動力車を作り上げていく過程では、楽しみながらも真剣にものづくりに取り組む姿が見られました。

「ものづくりの楽しさ」を味わいながら「機械工学とは何か」を学ぶ

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「機械工学序論」は、機械工学科の1年生対象の必修科目として、機械工学の概要や機械工学を学ぶ上で必要なスタディスキルを身につけるために2013年度より開講されています。報告書の作成方法、技術者としての倫理などについての講義や演習から、グループに分かれての実験や製作まで、「機械工学とはどのようなものなのか」を学びながら、「ものづくりの楽しさ」を実践的に経験していきます。PBL(プロブレム・ベースド・ラーニング、問題解決型学習)を取り入れた講義では、グループワーク、ディスカッション、プレゼンテーションを通じて、入学後の早い段階から仲間と議論して問題を解決する能力や、現象を観察する習慣などを身につけ、技術者としてのものの見方、考え方を養っていくことを目的としています。

「機械工学序論」を担当する山川聡子先生と山田和明先生は、「この講義が、ものづくりをしていくきっかけになればいい」、「簡単なものでもいいので、ゼロから何かを作りあげる経験をしてほしい」との思いから「ゴム動力車競技」という課題を始めました。これは、厚紙3枚、アクリル棒6本、輪ゴムという限られた材料を用いて、グループで「ゴム動力車」をゼロから作り、走行距離、走行速度、安定性(平均距離)、アイデアを競い合うものです。学生たちは第1回の講義で説明を受け、方針やスケジュールを決定したら、2週間でゴム動力車を製作し、第3回では完成したゴム動力車を走行させて競技会を行います。この講義を通して、学生たちは「ものづくりの楽しさ」を味わいながら、「材料力学」や「運動学」「機構学」などの機械設計の考え方や加工法、プロセス管理など、製造に関する考察を経験します。

ゼロから形にするグループワーク

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第2回の講義でそれぞれのグループは、第1回で話し合った方針やスケジュールなどをもとにゴム動力車の製作に取り組みました。「先生の試作品を超える車を作ってください」と伝えられている学生たちは、グループ内でアイデアを出し合いながら形にしていきます。設計図を作ってから加工を始めたり、直感で作り始めたりと、進め方はグループによってさまざまです。また、ゴム動力車の形もグループの個性や工夫が反映されており、三角形や長方形、大きな車体や小さな車体など、一人ひとりが持ち寄ったアイデアを形にしていきました。機械の中ではイメージがしやすい「車」ではありますが、まだ専門知識を十分に持っていない1年生ということもあって、動力となる輪ゴムを引っ張ったときに車体がゆがんでしまうなどのトラブルに直面するグループもありましたが、それぞれのグループを見て回る山川先生と山田先生が「シャフトを通す穴は、しっかりとタイヤの中心に開けないと回転がゆがむ」「動力になるタイヤが小さいと、1回のタイヤの回転で進む距離が稼げなくなる」などと助言しながら、学生たちをサポートしていました。
授業も後半になると、徐々に各グループのゴム動力車が形になってきます。学生たちは完成間近のゴム動力車を試走させて、車軸や強度などの問題点を見つけ、さらなる改善を試みます。時間いっぱいまで学生たちは、真剣なまなざしでそれぞれのゴム動力車と向き合い、試行錯誤を重ねながら完成へとこぎつけました。

集大成となる競技会

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第3回目の講義は競技会でした。全21グループが3回ずつゴム動力車を走らせて、走行距離、走行速度、安定性(平均距離)、アイデアの4部門で競い合います。
走行前には、それぞれのグループを代表する学生が1人ずつ、自分たちの作ったゴム動力車の特徴や工夫点などを1分間でPRするプレゼンテーションの時間がありました。これはPBLならではの取り組みです。
各グループは、軽量化を最優先した車、動力となるゴムを2箇所に設置したツインエンジン車、新幹線のぞみ号をモデルに空気抵抗を抑えた車など、それぞれが特徴のあるゴム動力車を走らせました。まっすぐに走らずに大きく曲がってしまったり、スピードは出ても距離を稼げなかったり、結果もさまざまでしたが、すべてのグループが自分たちのゴム動力車を走らせることができました。厚紙を使わずにアクリル棒のみで車体を作ったグループが、走行距離、走行速度の2部門でトップとなって競技会は終了となりました。
想像通りの走行を実現できて笑顔を見せるグループも、想定外の結果に悔しい表情を見せるグループも、「なぜこのような結果になったのか」や「どのような点が良かったのか、悪かったのか」について話し合う場面もあり、そこには、ただ楽しむだけではなく、真剣に学びに取り組んできた学生たちの姿がありました。

今後の専門科目につながる貴重な経験

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学生たちは、この「ゴム動力車競技」を通してさまざまな学びや発見があったようです。2部門において最高記録を出したグループのひとりである石河将太さんは「タイヤがうまく回らないと車が止まってしまう原因になるので、動力を車輪に伝えるための回転軸であるシャフトが抵抗なく回るためにはどのようにすればいいのかを3人で話し合いました。また、説明書の通りに組み立てていくのではなく、ゼロから自分たちの力で作ることで、明確に結果とその原因を分析することができました。ものづくりの楽しさだけでなく、『自分で考えて作る』ことの大切さを学びました」と話しました。
また同じグループの石井雄也さんは「この作品は、グループワークの中でさまざまな意見を出し合って、ディスカッションと試行錯誤を繰り返して完成させた作品です。自分一人の力では決して生まれなかった作品で、3人で作り上げたからこそ、ここまでの素晴らしい作品を作ることができたのだと思います。グループワークの大切さを学びました」と笑顔を見せました。

この講義は1年生を対象としているため、学生たちが持つ専門知識はまだ不十分です。そのため、山川先生は「簡単なものでもいいから、自分で考えながらゼロから作る経験をしてほしい」と考えています。「まずは手を動かしてみて、うまくいけば達成感が得られる。うまくいかなかったとしても、そこで味わう悔しい気持ちは必ず将来の糧になります。また、グループで取り組むことにも大きな意味があります。グループワークで起こる挫折や揉めごとなどを経験しながら、そこからどのようにして、成功に向かって挑戦していくかということも学び、うまく軌道修正するためのディスカッション能力も養ってほしいと思います」と述べました。また、山田先生によれば、今回の経験は、これから学んでいく専門科目につながっていくと言います。数年前に、全学年の機械工学科の学生を対象に、「ゴム動力車競技」についてのアンケートを実施したところ、「『ゴム動力車競技』と、その後の専門科目との関連性を感じましたか」という質問に大半の学生が「感じた」と回答していたそうです。「ゴム動力車競技」は、確実にその後の機械工学を学んでいく良いきっかけとなっているようです。

「この課題を通じて、ものづくりにおける機構や、構造、加工精度などの重要性を理解することを望んでいる」という山田先生。「今回、学生たちはゴム動力車を作るにあたって、何気なく箱形にしていますが、専門科目を学んでいくと、そこには一つひとつ意味があるということに気づくでしょう」と語りました。