月別アーカイブ: 2016年11月

住宅総数が世帯総数を上回り、放置・放棄される空き家が増えてきています。都市部に戸建ての空き家が増え、郊外に次々新しい住宅が出来ていることも問題です。こうした状況にもかかわらず住宅を大量につくり続ける「住宅過剰社会」から転換し、まちづくりをしていく必要があります。空き家のリノベーションを行って魅力ある空間にレベルアップさせていけば、中古住宅市場や賃貸住宅市場へ流通させることもできるでしょう。
東洋大学の建築学科と埼玉県の毛呂山町は、連携して“空き家ストックを活かしたまちづくり計画演習”を始めました。毛呂山町の駅周辺は古くに開発された区域で空き家が目立つ一方、郊外には平成になってからできた「飛び市街化区域」があります。そこで、バスを通して駅と郊外を結び、駅周辺の空き家を活用してシェアオフィスやシェアアトリエを作ったり、飛び市街化区域にバーベキューができる公園を作ったりして、行き来する機会が増えるようなアイデアを出します。そうしてそれぞれの区域のニーズを上手にマッチングさせ、町全体の活性化を進めようという演習です。建築学科の皆さんと一緒に、この空き家を活かしたまちづくりが新しいビジネスモデルとなっていくようにしていきたいものです。

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野澤 千絵教授理工学部 建築学科 都市計画・まちづくり研究室

  • 専門:都市計画、人口減少に向けた都市計画、まちづくり手法、都市再生、住宅政策

わざわざ病院に行くことなく自宅で簡単に健康チェックができれば、気軽に自分の健康状態を確認することができます。そこで、装置が不要で、結果も一目でわかるよう、検査結果によって色が変わる検査方法の開発が進められています。
例えば、欠乏すると貧血などを引き起こし、過剰になるとさまざまな疾患を引き起こす「鉄イオン」の量を調べる方法。鉄イオンが結合した時だけ、赤色から青色に変化する薬品を使います。また、過剰になると尿路結石を引き起こす恐れのある「シュウ酸」の量を調べるには、薬品に予め結合させておいた物質が、シュウ酸と結合して薬品から離れることで、薬品の色が変わることを利用し測定します。さらに、増殖が活発な細胞内で量が増える「ポリアミン」を利用し、人体で最も増殖が盛んながん細胞を測定することもできます。
今後、測定可能な検査物質がさらに増え、目視で健康チェックできる項目が増加していけば、自宅での健康管理や病気予防に役立てることができるでしょう。

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福島 康正教授理工学部 応用化学科

  • 専門:複合化学、合成化学・高分子化学

現在、体を切らず痛みを伴わない「重粒子線がん治療」という治療方法が注目されています。これは、「重粒子線」というあらゆる物質の元となる原子を含む、目に見えない非常に小さな「量子」を体の外から照射し、体の奥深くにあるがん細胞を死滅させる放射線治療の一種です。重粒子線には、ある一定の深さまでたどり着いたとき急激にダメージを与える力が強くなる特性があります。この治療法では、重粒子線の特性を利用し、体の奥にたどり着くまでの体の正常な細胞まで壊すことなく、がん細胞だけにダメージを与えます。重粒子線は光のような速さで人体に入射し、最初は小さな粒子状で、他と衝突せず進むため正常な細胞を傷つけることはありませんが、体の奥深くに進むにつれてスピードが落ちてくると、広範囲にわたる波のように動き、がん細胞の原子とぶつかります。エネルギー量によって深さを調節し、その結果、効果的にがん細胞を死滅させることができるのです。
医療で活躍する量子はほかにもたくさんあります。エックス線はレントゲン撮影やCTに、原子核はMRIに、中性子や陽子は重粒子線と同様、がん治療に応用されています。ただ、より殺傷力の高い治療法のためには、装置の規模も治療費も大きくなってしまうのが現在の課題です。重粒子線治療を普及させて多くの人がこの治療の恩恵を受けられるよう、装置の小型化が望まれます。

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本橋 健次教授理工学部 生体医工学科 原子物理工学研究室

  • 専門:原子分子物理学、表面物理学

日本とスリランカ(旧セイロン)は、戦後サンフランシスコ平和条約発効を機に国交を樹立しました。後に大統領となるジャヤワルダナは、サンフランシスコ講和会議にセイロン(現スリランカ)代表として出席した際「憎悪は憎悪によって止むことなく、愛によって止む」という『法句経』にある仏陀の言葉を引用し、スリランカの賠償請求権を放棄、日本を国際社会の一員として受け入れるよう訴えました。この演説は拍手に包まれ、そこから会議は一変、日本の賠償の多くは免除されることとなり、急速な経済的発展へとつながるのです。私たちが享受している現在の繁栄は、一人の若き政治家の善意が大きく影響していることを忘れてはなりません。
実はアメリカ同時多発テロ事件(2001年9月11日)が起きたとき、ダライ・ラマ14世はブッシュ大統領(当時)に『法句経』のまったく同じ言葉を送っていました。しかしブッシュ大統領が受け入れることはありませんでした。以来、中東での争いは今も続いています。また、2015年11月にパリで起きた同時多発テロの犠牲となり妻を亡くした仏人ジャーナリストは、SNSでテロリストに向けて「君たちに憎しみという贈り物はあげない」とつづりました。これも『法句経』の言葉と同じ意味、同じ思想です。
このように、「言葉」は受け入れる人によって多様に変わりうること、そして未来の生き方や社会に対しても影響力を持つことを知り、言葉を発信する大切さや、受け止めた言葉をどのように生かしていくか、考えていただきたいです。

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渡辺 章悟教授文学部 東洋思想文化学科

  • 専門:インド仏教、初期大乗仏教、般若経、中観思想

この講義は、自然科学の内容を英語で学び、学生自身が研究した内容を国内外の学会で発表する、プレゼンテーションの技能を習得することを目的としています。
まず、題材となる英文のテキストを読み、わからない単語をリストアップし、ホワイトボードに書いてもらいます。恥ずかしさを捨てることも必要です。このボキャブラリーリストを確認したら、文章を翻訳し、数行ずつ音読して内容の理解を深めます。次に、この文章をベースに自分で文章を作ってみます。本人のチャレンジだけでなく、ほかの学生の文章に対して英語でコメントするなど、プレゼンテーションをするうえでのよい練習になります。そして最後の仕上げが、パワーポイントを使ったプレゼンテーションです。各学生は興味のあるタイトルについて5分程度の資料をまとめ、何度か発表を繰り返してさまざまな観点からチェックを重ね、完成度を上げていくのです。
生命科学部では、大学院生はもちろん、学部生が学会で発表することを奨励しています。がんばれば成果を出し、世界に向けて国際学会で発表することもできます。ぜひそういった機会を活用し、世界を見て見聞を広め、世の中に貢献していってほしいものです。

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竹井 弘之教授生命科学部 生命科学科 バイオプラズモニクス研究室

  • 専門:ナノテクノロジーを用いた医療・環境用センサーの開発

Kazumi kudo, ProfessorDepartment of Architecture
Faculty of Science and Engineering

  • Specializing in
    • Architectural Planning
    • Architectural Design
    • Furniture Design
    • Presentation Techniques
  • *Information accurate as of time of publication

Anna Oue, Associate ProfessorDepartment of Food and Life Sciences
Faculty of Food and Nutritional Sciences

  • Research Field
    • Response of venous and arterial outflow under exercise or heat
  • *Information accurate as of time of publication

Yoshiomi Otsuka, Associate ProfessorDepartment of Information Sciences and Arts
Faculty of Information Sciences and Arts

  • Research Field
    • Urban Environmental Engineering
    • Urban Environmental System
    • Environmental Behavior Psychology
  • *Information accurate as of time of publication

Jun-ichiro Tokue, Associate ProfessorDepartment of International Tourism Management
Faculty of International Tourism Management

  • Expertise
    • Hospitality Management
    • Hotel Management
    • Food & Beverage
  • Business Management
    • Service,Marketing
  • *Information accurate as of time of publication

Motohiko Kaneko, Associate ProfessorDepartment of Health Care and Sports
Faculty of Human Life Design

  • Expertise
    • Disability and cross-sports coaching
  • *Information accurate as of time of publication

Yoko Mizumura, ProfessorDepartment of Human Environment Design
Faculty of Human Life Design

  • Research Areas
    • Housing Studies, Housing Program
    • Residential Environment Program for the Disabled and the Elderly
    • Housing Policy of Sweden
  • *Information accurate as of time of publication

Hisako Ono, ProfessorDepartment of International Culture and Communication Studies
Faculty of Letters

  • Research Areas
    • German Literature and Culture,
    • Folk Tales
  • *Information accurate as of time of publication

Kazuo Takahashi, ProfessorDepartment of Regional Development Studies (Regional Development Studies Course/Regional Studies Course)
Faculty of Global and Regional Studies

  • Research Field
    • Sociology
    • Asian Societies
    • Information/Communication Theory
    • Media Theory
  • *Information accurate as of time of publication

Koji Honda, Associate ProfessorDepartment of Sociocultural Studies
Faculty of Sociology

  • Area of expertise
    • Criminal sociology
  • *Information accurate as of time of publication

Ichirou Numata, ProfessorDepartment of Eastern Philosophy and Culture
Faculty of Letters

  • Research Field
    • Philosophy: Indian Philosophy, Buddhist Studies
    • History: Asian History
  • *Information accurate as of time of publication

「免疫」とは、私たちが健康でいられるために必要な仕組みです。免疫は、自己と非自己(敵)を識別し、非自己を排除する生体維持機構で、ウイルス、病原細菌、花粉といった自分以外のものが体に入ったとき、免疫反応を起こします。免疫の力が生活習慣やストレス、高齢化などで弱くなると、風邪にかかりやすくなったり、皮膚炎、口内炎が治りにくくなったりします。ところが、がんは自己の細胞でありながら、免疫反応を起こします。例えば大腸がん細胞に、血液から免疫細胞の一種であるリンパ球を採取し活性化させて加えると、リンパ球ががん細胞を攻撃して死滅させてしまいます。リンパ球はがん細胞に接着して、攻撃対象かどうかを認識し、敵とみなしたら攻撃をはじめ、死滅させるのです。
最近では、免疫細胞から産生される抗体の作用を利用した、がんと戦うバイオ医薬品である「抗体医薬品」の開発も進んでいます。中でも最新の免疫チェックポイント阻害剤は、がんが表面にリンパ球の活動を停止させる物質を出して自分を守ろうとするため、その物質に結合し、リンパ球に攻撃対象であることを認識させる、という抗体医薬品です。肺がんや皮膚がんなど、いままで治らなかったがんの薬に応用されています。5〜10年後にはもっと新しい薬理作用を示すバイオ医薬品が開発されていくでしょう。このように、免疫学への理解を深め、健康維持、病気の予防・診断・治療に役立てるということを考えていくことが重要なのです。

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加藤 和則教授理工学部 生体医工学科 分子細胞メディカルサイエンス研究室

  • 専門:免疫学、腫瘍学、細胞工学、検査医工学、創薬科学