月別アーカイブ: 2016年10月

コンピューターの発達とインターネットの普及によって、データの収集が以前よりはるかに容易になり、「経済データ」についても利用がしやすくなってきています。例えばスーパーのレジでは、商品のバーコードから、いくらでどれくらい購入されたかといった経済データを収集しています。経済活動には、通常の一般的な購入活動だけでなく、国境を超えた為替レートなどの取引も含まれます。こうした複雑な経済活動を具体的に考えるために、集めた経済データを使って模型をつくり、分析し、理解していくのです。例えば、GDPと消費の関係について、所得が多いと消費が多くなることや、アベノミクスについて、掲げた政策が有効であるかどうか経済効果を測定することもできます。経済活動が活発になるかどうかの決め手の1つが、「所得や消費額の推移」です。政府による政策は、政府が民間企業に事業を発注するという形で行われます。受注した民間企業は生産活動を行い、仕事をした人には所得が入り消費活動つながります。新たな消費に対して生産、所得が生まれ、この繰り返しで所得が増加していくことが模型でわかってくるのです。
経済データは、実物がなく目に見えづらい経済を見るための情報です。経済データを基に、経済を模型によって理解し、問題点を考えるための学問として学んでいきましょう。

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隅田 和人准教授経済学部 国際経済学科

  • 専門:経済統計学、応用経済学

大学で学ぶ「化学」は、研究対象の物質によって分野が分かれていますが、「分析化学」とは、今まで調べられなかったさまざまな物質について、調べる方法を作ることを指します。近年「マイクロ流体デバイス」と呼ばれる、髪の毛ほどの太さの「マイクロ流路」を用いた、非常に小さな装置での研究が盛んに取り組まれるようになりました。その理由の1つに、装置が小さいため、分析に必要な時間が短く、試料・試薬・廃液が少なくて済むことが挙げられます。もう1つ理由としては、実際の血管とサイズや流れがほぼ同じなので、モデルとして適していることが挙げられます。その例として、ここではナノ薬剤の研究への応用を紹介します。正常であれば結合している細胞も、腫瘍の近くでは細胞に隙間ができてしまい、血管に穴が開いてしまう、ということを利用し、抗がん剤を含んだナノ薬剤が腫瘍のある箇所で血管外に漏れ出し、効果を発揮する、という研究をしました。腫瘍だけに薬剤が届くため効率がよく、また副作用が少ないのです。
こうした研究によって開発されたマイクロ流体デバイスは、新聞に取り上げられ、高い評価を得ており、近く実用化を目指しています。薬学や医学といった、化学とは異なる分野とも大きく関わる分析化学は、人類の未来を拓くといえます。これらの研究の成果を社会に還元し、世のため人のために役に立つことを視野に入れ、今後も研究を続けていきましょう。

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佐々木 直樹准教授理工学部 応用化学科

  • 専門:分析化学、物理化学、ナノマイクロシステム

地球は水の惑星と言われますが、生活用水や農業用水に使える河川や淡水湖の水は0.01%しかありません。世界が直面している水環境の問題は、地球温暖化によって深刻化しています。また、日本の年平均降水量は世界平均の2倍以上ですが、一人当たりの年降水量は世界平均の1/2以下と少なく、日本も水の豊かな国というわけではないのです。
そして、河川の占める割合が県土面積の3.9%と全国1位の埼玉県ですが、一方で、一級河川水質ランキングワースト1、2位も占めています。河川水質汚濁の最大の原因は、し尿を含まない未処理生活雑排水です。これを減らす手段として、節水トイレや節水シャワーなど、温室効果ガス排出量を削減しながら水の有効利用ができる節水機器の利用が挙げられます。さらに台所対策として「作り過ぎない、捨てない、流さない」、そして「節水意識」を持ち実行することで、水環境対策や地球温暖化対策を両立することができるのではないでしょうか。
埼玉県が直面している水質汚濁などの水環境の課題は、世界が直面している水環境の課題と同じです。埼玉県の水環境の問題解決は、世界の水環境の改善にもつながるのです。

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山崎 宏史准教授理工学部 都市環境デザイン学科

  • 専門:水環境学、衛生工学、排水処理設備への流入水の多様化および温室効果ガス排出量の評価

一般に「会計」というと、「企業会計」のことを思い浮かべがちですが、今回は「非営利組織の会計」について考えてみましょう。
「会計(財務会計)」とは、ある組織が行う経済行為を「記録・計算・報告」するプロセスのことです。企業の会計は、どれだけ利益を得、出資してくれた株主にどれだけ配当できるかを算出し、報告します。一方、公益の増進を目的としている非営利組織は、その組織に賛同した寄付者が寄付してくださったお金を使用し、必要とする受領者にサービスを提供するという活動をしています。非営利組織の会計は、掲げたミッション(理念)達成のための具体的な活動の目標を挙げ、実際にどのような活動をしたのか、どういった結果が得られたのかを「事業報告」としてまとめ、「決算」するのが特徴です。
利益や還元を求めるのではなく、その内容と、金銭的な記録や報告を対外的にし、活動を理解してもらうことが非営利組織の会計の重要な部分なのです。

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依田 俊伸教授経営学部 会計ファイナンス学科

  • 専門:会計学、財務会計論