月別アーカイブ: 2016年9月

「法の経済分析」は、法に関わる思想、活動、制度、現象を「経済学」の観点から考える学問です。法学では、法が正しく運用され、正義や公平に適合し、過去の判例に合致していると「良い法」であると判断されますが、経済学的には、法が社会にどのような影響を与えていて、世の中をより良くするものなのかどうかという考え方をします。そのため、経済学の観点から「良い法」を開発・導入するためには、社会について理解し、法の効果について分析する必要があると言えます。
例えば、多発する交通事故や悲惨な死傷者を減らすために「シートベルトの着用」が義務化されましたが、実際のデータによると、運転者の死亡率は下がったものの、歩行者の死亡率は不変かむしろ上昇しました。これは、シートベルトの着用で「自分は安全」と運転者が安心し、かえって危険運転の増加を招いたのではないかと分析することができます。
こうした「法の経済分析」は、法が見落としていた効果を明らかにするという側面を持ち、法に関わるあらゆる応用範囲で影響力を発揮しています。社会にとって本当に「良い法」を導入するためには、経済学の観点からの考察が重要です。経済を学ぶ学生には「法」もきちんと学び、やや難しいながらも非常に重要で面白い領域である「法の経済分析」について、知ってもらいたいものです。

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加賀見 一彰教授経済学部 総合政策学科

  • 専門:経済理論、制度の経済学

日本に現存する最古の歌集である「万葉集」をもとに、日本の伝統について考えてみます。万葉集には「春の長日、五月の短夜、秋の長夜」という言葉があります。こうした表現は、季節の変化への細やかなまなざしを通しての表現といえます。「秋の長夜」を恋心の表現に使った歌は、次の時代の「古今和歌集」にも広く受け継がれていきました。例えば、素性法師は、「今来むと いひしばかりに 長月の 有明の月を 待ち出でつるかな」と歌っています。男性ながら女性の立場で歌えるほど、表現の「型」があったことが分かります。万葉集にも、「長月の有明の月」と恋情を詠んだ歌があり、素性法師の歌が、万葉集以来の「待つ恋」の伝統を受けたものだといえます。古歌を受け継ぎ、型を学んで自らの思いを歌に託すといった享受と生産の繰り返しの中に日本の文学があるのです。
日本の文学には国の形を育み、それを国の文化として伝えてきた長い歴史があります。ですから古典を学ぶということは、国の形を明らかにし、日本の伝統を理解するということでもあります。それは、現在のあるべき姿をよりよく理解するためであり、豊かな未来を考えることにもつながります。古典の研究は、決して古めかしいものではなく、むしろ現在と未来を考える「現在学」であると捉えることができるのです。

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菊地 義裕教授文学部 日本文学文化学科

  • 専門:文学、日本文学

2016年9月23日(金)より、公募制推薦入試(10月実施)の出願登録及び入学検定料のお支払いが可能となりました。
また、センター利用入試・一般入試・総合問題入試・実技入試の入試要項も公開いたしました。
出願は、本学入試情報サイトからの受け付けとなります。冊子の願書は発行しておりませんのであらかじめご了承ください。
なお、出願書類の郵送は、それぞれの出願期間内に行ってください。

宮沢賢治は童話作家として有名ですが、今回は農業指導者としての側面に焦点を当ててみます。東北地方の農業は、冷害のたびに数々の不作や凶作に苦しみました。農民の救済を考えた賢治は、「自分だけでなくすべての人と一緒に幸せになる」という信仰を基にして、盛岡高等農林学校で「農」の基本を学び、稗貫(ひえぬき)農学校(のちの花巻農学校)教諭に就任し、子どもたちに「農」を説き、羅須地人(らすちじん)協会を設立して農民を教育し、無料肥料相談で現場を支援しました。また、賢治が推奨した、冷害や病気に強く味も良い稲の「陸羽一三二号」という品種は、東北大冷害時に強さを発揮し、それ以降東北のメイン品種となりました。のちの「コシヒカリ」「あきたこまち」のもととなっている品種です。
無理がたたって倒れた賢治は、病床で『雨ニモマケズ』を書きます。そして作品を通じて、体が丈夫でなければ自分の望みは果たせないこと、本当の幸せとは、自分がその場所で作っていくものであるということを訴えました。
歴史、地理、経済、福祉など、いろいろな分野の勉強をしたうえで文学作品を読み、作者が生きた時代や思いを学んでほしいものです。

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高橋 直美教授ライフデザイン学部 生活支援学科 子ども支援学専攻

  • 専門:日本近代文学

「あなたが3歳の子どもを持つ親だとしたら、A(自由、のびのび、遊び、体験・活動を重視)とB(勉強、お稽古、集団活動、ルール重視)のどちらの幼稚園に入れますか?」
この問いに対し、学生たちはそれぞれの意見を述べました。Aは「経験主義」、Bは「本質主義」といい、教育方法にはこの二項対立という構図があります。
日本の教育は、戦後まもなくは経験主義、高度経済成長期は本質主義で行われました。その後、詰込み型教育が非行やいじめの原因なのではないかという反省のもと、ゆとり教育が行われるようになりました。その結果、2000年代に子どもの学力低下が問題となったため、現在は、経験主義と本質主義の中間の地点に立った教育が、文部科学省の教育方針となっています。
では、経験主義と本質主義のどちらが効果的な教育方法なのでしょうか。これは教育の永遠の課題であり、その回答は、今ここにはありません。みなさんには、「大学での学び」のなかで、画一的なものの見方・考え方ではなく、複眼的かつ別の角度からも、見たり考えたりする力を身に付け、その答えを自分で見つけ出していってもらいたいです。

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下田 好行教授文学部 教育学科

  • 専門:教育方法学、学習指導論、教材開発論、教師教育

「社会を良くするためのアイデアをビジネスにする」をプロジェクトにした、経営学部会計ファイナンス学科の「ソーシャルビジネス実習講義」。授業では、学生自らが社会的課題を見つけ出し、その解決方法をソーシャルビジネスとして成り立たせる可能性を探ってきました。そして、その集大成として行われたプロジェクト報告会で、学生たちはグループごとに新規事業プランを発表。学生ならではの視点で提案される事業は多彩で、いずれも学生たちの熱い思いが込もった発表となりました。

取り組むのは「新規事業を提案する」というチャレンジ

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川﨑健太郎先生が担当する「ソーシャルビジネス実習講義」ではこれまで、ソーシャルビジネスを行うNPOの代表、ソーシャルビジネスに資金融資を行っている金融機関の融資担当者、さらにリレーションシップバンキングの専門家などを講師に迎え、ソーシャルビジネスの重要性や起業家精神について学んできました。また、学生自らがソーシャルビジネス機会の潜在性を探るため、授業はPBL(プロジェクトベースドラーニング:課題解決型学習)型で進めてきました。その学びを新規事業という形へつなげていくのが、「ソーシャルビジネス実習講義」のテーマです。

学生たちは取り組むべき社会的課題を定め、グループ研究やディスカッション、講義と演習を通じて、「社会を良くするためのアイデアをビジネスにする」というプロジェクトの実行に向けた新規事業プランを研究してきました。そして次のステップとして、テーマに対して、同じような事業や取り組みを行っているNPOを訪問し、事業の現状と課題や、新規事業プランに事業継続性を与えるには何が必要かを調査しました。また、自分たちの考える事業が可能であるか、NPOの方々からのアドバイスも受けました。ほとんどの学生がフィールドワーク未経験だったため、NPOへのアポイントメントから始まり、実際に訪問して担当者の話を聞くという一連の流れは新鮮な体験だったようです。

こうしたNPO訪問というフィールドワークを経て立案された新規事業プロジェクトの報告会は、これまでのゲストスピーカーや訪問したNPOの方を招いて開催されました。

研究の成果を発表する緊張のプレゼンテーション

事業継続性の観点から資金調達が可能となるような事業計画のプレゼンテーションは、学生たちにとっても何カ月も取り組んできた課題の集大成とあって、発表する側だけでなく、聴く側にも力が入ります。前回までの発表では、国際交流や環境問題、高校中退者支援など、さまざまなテーマが取り上げられました。この日発表するのは4グループです。

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最初のグループのテーマは「労働問題について」でした。学生たちはさまざまな労働問題を解決するために、すべての労働組合が登録するホームページを作成することを提案しました。川﨑先生は、職場でさまざまな問題を抱えている人々を直接支援するのではなく、受け皿となる労働組合の強化を図り支援するという点を、「このグループ独自の視点」と評価しました。

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2番目と3番目のグループがテーマに選んだのは、「待機児童問題」です。ひとつのグループは0~3歳児の集団保育を、もうひとつのグループは大学内に保育所を設置することを提案。最初のグループに対し、川﨑先生は「さまざまな保育のメニューをそろえることで、銀行から融資してもらいやすくなるのでは」と、次のグループには「大学だからこそできることをよりアピールするとさらにいいが、メッセージ性があるいい発表」とコメントしました。
最後のグループは「子供の貧困」をテーマに取り上げ、子供のための料理教室を開催することで、子供が食事を作れるようになるだけでなく、親子のコミュニケーションや健康的な食生活にも役立つと訴えました。企業や農家などの協力を得て食材や試供品を提供してもらったり、子供だけで参加できたりするアイデアが、高く評価されました。

発表後、川﨑先生は「社会の中のマイノリティを助けるのではなく、その人たちが自立して社会で活躍できる仕組みを作るということを、授業では重視してきました。みなさんのアイデアは、少しの変化を加えることで、実際に大きな力を生むことができます。ですから、どんな小さなアイデアでも小さな種であっても、外へ発信していくことを常に心掛けてください。そのアイデアにお金がつき、事業となって継続していくのです」と話し、講義を締めくくりました。

授業を通じて知ったフィールドワークの重要性

プレゼンテーションを無事に終えて、全15回の講義は終了。学生たちは、この講義を通してさまざまな学びや発見があったようです。報告会後、労働問題についてプレゼンテーションをしたグループのひとりである佐藤辰矢さん(3年生)は、「NPOの方がどのような思いで活動されているのかなどは、実際に訪問しなければ分からないことでした。インターネットで調べるだけでなく、直接話を聞きに行くことは大事だと気付かされました。私はイブニングコースから聴講生としてこの講義に参加しましたが、ほかのグループのプレゼンテーションも勉強になり、座学の授業よりも楽しく、深く学ぶことができたと感じます」と話しました。

同じグループの村上明日花さん(3年生)は、新規事業を考えるという課題を最初に聞いたとき、「そんな難しいことは、とてもできそうにない」と思ったそうです。しかし、研究を進めていくうちに、「座学で知識をインプットするだけでなく、そこで得られた知識を考えにつなげていくことが大切なのだと気付きました。そうしてメンバーで掘り下げて調べていくうちに、『自分たちにもできる』と思えるようになりました」と話します。

子供の料理教室について発表したグループのウィンナ・ナタシア・クリスティさん(3年生)は、インドネシアからの留学生です。「インドネシアには貧しい暮らしをしている子供たちがたくさんいますが、豊かな国である日本にも貧困に苦しむ子供がいることを知って驚き、テーマに選びました。この講義を受講したことで、これからもフィールドワークのある授業を受けたいと思うようになりました」と語りました。

そして、NPOに対するイメージが変わったという小笠原めぐみさん(3年生)も、こう続けます。「NPO法人は寄付に頼っているという認識でしたが、訪問したNPOはビジネス性が高く、事業で収益を上げることで再投資できるという仕組みがしっかりできていました。また、プレゼンテーションは大勢の人の前で行うので、いかに一方的な発表にならず、聴いている人たちの共感を得るかが重要だということも学びました」

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川﨑先生は、この講義を通して学生たちに「社会の問題を自分の問題としてとらえるようになってほしい」と考えていました。報告会が終了した後「実は社会が抱えている多くの問題は、学生自身が直面している身近な個人の問題とよく似ています。そこに気付くことができれば、すぐに助けや解決が必要な大切な問題として感じることができます。学生たちは授業を重ねるたびに、具体的で効果的な解決方法を見つけようと、真剣に向き合うようになっていきました。それは、困っている人々の立場を、自らに置き換えることができるようになったからかもしれません」と述べました。

学生たちはこの講義で、大学で学んだことを実際に生かしてひとつの形にするという、貴重な機会を得ました。今回の課題解決のためのさまざまなアイデアは、インターネットを通じて発信される予定です。

この動画は、2017年度「Web体験授業型入試(AO型推薦入試)」の課題動画として使用した動画です。
Web体験授業入試とは、動画を視聴し、レポートにまとめプレゼンテーションを試験当日に行う入試です。
この入試は終了しました。

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坂村 健情報連携学部 学部長

この動画は、2017年度「Web体験授業型入試(AO型推薦入試)」の課題動画として使用した動画です。
Web体験授業入試とは、動画を視聴し、レポートにまとめプレゼンテーションを試験当日に行う入試です。
この入試は終了しました。

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坂村 健情報連携学部 学部長

この動画は、2017年度「Web体験授業型入試(AO型推薦入試)」の課題動画として使用した動画です。
Web体験授業入試とは、動画を視聴し、レポートにまとめプレゼンテーションを試験当日に行う入試です。
この入試は終了しました。

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坂村 健情報連携学部 学部長

この動画は、2017年度「Web体験授業型入試(AO型推薦入試)」の課題動画として使用した動画です。
Web体験授業入試とは、動画を視聴し、レポートにまとめプレゼンテーションを試験当日に行う入試です。
この入試は終了しました。

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坂村 健情報連携学部 学部長

エアロビクスは音楽に合わせ、参加者が指導者の真似をしながら踊り続けるダンスエクササイズです。指導者は参加者と同時に同じ動きをしながら、口では次の動きを説明するという点が、重要な指導技術となります。授業では、エアロビクスの指導の特徴とエクササイズの効果を実際に体験することで、指導における特殊な技術を学びます。
まずは手拍子でカウントしながらバーバルキュー(言語的な指示)を出す、続いて音楽に合わせてビジュアルキュー(視覚的な指示)を出す指導練習を行いました。また、肩から上に手を上げる動作を入れると強度が上がること、1小節の中に2つの振りを加えると難度が上がることなども、実際に体験しました。
このように、エアロビクスはさまざまな対象者に合わせて、強度や難度を変えられる運動の財産です。そして指導者は、最初はさほど乗り気でない様子の参加者でも、体を動かしているうちにどんどん明るい表情になっていく姿に、大きなやりがいを得られるのです。みなさんにも、介護予防や学校体育などのいろいろな場面でエアロビクスを使っていただけたらうれしいです。

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鈴木 智子講師ライフデザイン学部 健康スポーツ学科

  • 専門:健康・スポーツ科学、スポーツ科学

2016年9月10日(土)、東洋大学の4キャンパスで、オープンキャンパスを開催します。
キャンパスを実際に見て、雰囲気を感じてみたいというみなさんに、キャンパスを大公開。実際に学ぶ教室、図書館、東洋大学自慢の学食など、大学生気分を味わえるイベントを開催します。
オープンキャンパスだけの特別プログラムも満載です!
各キャンパスでみなさんの来場をお待ちしております。

■オープンキャンパス日時
開催日:2016年9月10日(土)
時間:各キャンパス 11時より

AO型推薦入試Web体験授業型の課題動画を公開しました。
この入試は、指定された「Web体験授業」の動画を視聴し、レポートにまとめプレゼンテーションを試験当日に行う入試です。

本学で試験を受ける方法と、「Web会議システム」を用いて自宅等で試験を受ける方法のいずれかを選んで受験することができます。

対象学部・学科:
国際学部 グローバル・イノベーション学科
国際学部 国際地域学科(国際地域専攻)
情報連携学部 情報連携学科

詳細は、入学試験要項ページでご確認ください。