月別アーカイブ: 2013年6月

詳しくは下記リンクからご確認いただけます。

6月6日は東洋大学「学祖祭」のため、入試インフォメーションセンター「学びGallery」は閉室させていただきます。
皆様のご理解をお願いいたします。

東洋大学の白山キャンパスに開設されている「学びGallery」は、東洋大学や学びについて知りたい、入試情報や資料がほしい、大学生活について質問したいという、みなさんのための情報ステーションです。学生スタッフが一人ひとりに丁寧にご案内いたしますので、どうぞお気軽にお訪ねください。

学祖祭について

東洋大学創立者の井上円了は、大正8(1919)年の6月6日に、中国の大連において講演中に倒れて逝去しました。
東洋大学ではこの6月6日の命日に、創立の原点を振り返るために、この学祖祭を公開で開催しています。
場所は中野区哲学堂公園の向かいの蓮華寺で、法要と井上円了に関する講話を行っています。

オープン時間

月曜~土曜 9:00~17:00

  • ※:祝日、夏季・冬季休暇、大学休日等を除く
  • ※:事前予約は不要です。お気軽にお越しください。

“学び”LIVE授業体験を6月16日(日)に開催します。

11学部38学科(専攻)の101名の教授陣が大集合!

興味のある学科(専攻)の授業を体験して、あなたにぴったりの将来や学びがきっと見つかるはず。

白山・朝霞・板倉・川越の4キャンパスで同時開催します。

興味ある分野の授業を体験し、大学の学びの面白さに触れてみませんか。

中学、高校と陸上競技に打ち込んできた福田芽衣さんは、管理栄養士になる夢の実現と陸上競技の両立ができる環境を探し求めて、この春、東洋大学食環境科学部に入学した。人間が生きていくために不可欠な「食」について、健康と栄養の観点から学びを深め、スポーツ選手を「食」の面からサポートする仕事がしたいと意欲的に学んでいる。

スポーツ選手を食の面から支える管理栄養士に

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中学生のときにテレビで、マラソンの高橋尚子選手に専属管理栄養士がいるということを知ったのが、管理栄養士をめざしたきっかけです。幼い頃からスポーツをしてきた私は、長距離ランナーとして中学生の頃から陸上部で活動してきました。だからこそ、選手にとって、身体づくりのための栄養の大切さを身にしみて理解しています。私自身は身体が小さく、筋力も弱いため、ケガをすると治りが遅く、苦労してきました。だからこそ、栄養をしっかり摂ることが何よりも大切であると実感しているのです。そして進路を選ぶ際、陸上競技を続けながら、管理栄養士の資格取得をめざそうと考えるようになりました。

でも、実家のある関西にはそうした環境が整う大学がありません。視野を広げて、関東の大学を探したところ、東洋大学であれば、陸上と勉強が両立できる環境が整っていたのです。ここでなら夢に近づくことができると思い、志望しました。東洋大学の女子陸上競技部は創部2年目の若い部ですが、地元を離れ、新しい環境に身を置き、自分のことを誰も知らない場で新しい自分を見つけることができるのではないかと思ったのも、入学を決めた理由の一つです。

合宿所の食事でも栄養を学べる

私が在籍する食環境科学部がある板倉キャンパス内には陸上競技部の合宿所があり、私はそこで生活しています。陸上の練習は朝と夕方。朝は毎日5時に起きて、6時から1時間半かけて練習し、その後、合宿所で朝食を取り、授業へ向かいます。夕方は授業が終わった後、水曜と土曜は部としての練習があり、それ以外の日は、自分の体調に合わせて練習計画を立て、キャンパス内を走ったり、外を走ったり。19時半頃まで練習をしたら、寮で食事をとり、入浴して身体のケアをしています。合宿所では消灯時間も決まっているため、限られた時間のなかで、授業で出された課題や次の授業への予習などもしています。

合宿所での食事は、管理栄養士さんがメニューを考案してくださるので、走るのに必要な栄養素を取り込んだバランスの取れたメニューが毎朝、毎夕出てきます。毎日メニューには栄養表示がされていて、それを見るのも自分に取っては勉強になります。実家で暮らしていたときは、カロリーコントロールや栄養バランスを意識して食事することはなかったので、食に対する意識が変わってきました。合宿所生活により食事の面でサポートしていただける分、私は学業と部活に打ち込むことができるのもうれしいですね。

学ぶほどに理解が深まり、興味が深まる

大学生になりまだ数カ月ですが、高校までの学び方とは意識が変わりました。自分が興味をもっている分野を専門的に学べるということもありますが、内容は高度で難しくても、学びを深めるたびに自分の夢に近づける感じがして、さらに学びたいと意欲が高まっていくのを感じます。先生方の教え方も丁寧でわかりやすいですね。大学での学びはやればやるだけ理解が深まり、理解できた分だけ興味が深まるのだと思います。今は、学ぶことが面白くてたまりません。

管理栄養士になる、という具体的な目標があるからこそ、私は今、部活と学びというハードな生活でも両立することができていると思います。「食」は人間が生きていくために不可欠です。だからこそ、管理栄養士という職に就いて、スポーツ選手を「食」の面から支えられる人になりたいと思っています。スポーツ選手が海外遠征に出たときに困ること、それは食事だと言われています。だからこそ、海外遠征に同行して選手の栄養管理に携われるような管理栄養士になりたいという夢が、私にはあります。そのためには英語の勉強もがんばらなくてはと、英語の授業にも身が入ります。これからは実習の授業も増えてくるので、さらに学ぶことへの興味が深まりそうで、今からとても楽しみです。陸上を続けながら、夢の実現へ向けて努力をする毎日は、とても充実しています。

福田芽衣さん食環境科学部 健康栄養学科 1年

  • 兵庫県・私立須磨学園高等学校出身

絵を描くのは苦手。野球が好きで、デザインとは無縁の生活を送っていたが、偶然出会ったインテリア雑誌が、若月貴裕さんを東洋大学の朝霞キャンパスに引き寄せた。今ではコンピュータグラフィックス(CG)三昧の学生生活を送り、建築設計に没頭する日々。面白くてたまらないというそのCG技能が決め手となって、就職先も決まった。好きが高じて選んだ道で、柔軟な発想力が開花する。

偶然が重なって選んだデザインの道

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高校までは野球に夢中で、デザインにはまったく興味がありませんでした。そんな私が初めてインテリア雑誌を手に取ったのは、確か高校2年生のとき。部屋の模様替えをしようと思い立って、何となく眺めていたことを覚えています。

パラパラとページをめくるうちに、インテリアって面白いかも?と思うようになりました。それが、この学問と出会う最初のきっかけでした。

私は文系だったので、文系でも受験できるデザイン系の学科はないだろうかと探しました。そしてたどり着いたのが、東洋大学のライフデザイン学部人間環境デザイン学科でした。

こんな偶然の連続がこの学科へと私を導いたのですが、入学当初はなかなか授業にもついていけず、戸惑うこともありました。

コンピュータグラフィックス(CG)との出会いで目覚めた自分

「進路を間違えたかな」と、後悔しはじめていた2年次。ちょうどその頃、本格的に設計の授業が始まりました。そこで「自分の思い描いたものが実体化する」という面白さに目覚めなければ、別の道を探すことになっていたかもしれません。

絵も満足に描けなかった自分が夢中になったのは、なんとCGでした。画面の中で描いたものが形になるときの感動は、実際に味わうまで想像もつきませんでした。

建築は、構造的にも理論的にも「カタイもの」だと思っていました。しかし、先生方や先輩方は、もっと自由でいいんだ、もっと柔らかくていいんだと教えてくれました。カタイだけでは、人も建築も、もろく弱いものになってしまうからなんですね。

この学科は、文系の方でも挑戦できる学科だと断言できます。大学へ入学してからデザインを学び始めた学生だからこそ、柔軟で新鮮な発想ができることもあります。大学からスタートしても、決して遅くはないのです。

気軽に見て、体験してみる

この学科では、1・2年次にデザインの基礎を学び、3年次から「空間デザインコース」「生活環境デザインコース」「プロダクトデザインコース」と各専門コースに分かれてより学びを深めます。コース選択までの2年間は自分の好きなものを見つけ、進みたい道を探す時間に充てることができるのです。

「絵が描けないから」「デザインなんて難しそうだから」と構えずに、まずは好奇心の赴くまま、オープンキャンパスや“学び”LIVE授業体験などの入試イベントに参加してみるとよいでしょう。

朝霞キャンパスにある人間環境デザイン学科実験工房棟は、私が所属しているゼミの内田先生が改修した、言わば「作品」です。外側は古い校舎のままで、内側がリフォームされているのですが、その「ビフォア・アフター」ぶりがスゴイ! どこがどうスゴイかは実際に見ていただくとして、ここで学ぶ私たちは、建築家である先生の手の内を見せてもらいながら学んでいるようなものです。あまり意識しないままに、さまざまなものを吸収しているのだろうなと思います。

ヒントはいつも目の前にある。そう思えることは、とても心強いことではないでしょうか。

若月貴裕さんライフデザイン学部 人間環境デザイン学科 4年

  • 所属ゼミナール:内田祥士ゼミナール
  • 新潟県立長岡大手高等学校出身

「人生は一期一会。出会いやチャンスは逃したくない」という国際地域学科の深瀬翔子さん。高校生の頃からの夢だった留学を実現させ、ボランティア活動やインターンシップなどにも取り組んできたアクティブな学生だ。しかし、その積極的な姿勢の背景には、1年生のときに「自分の考えがぶち壊された」というある経験があった。

多面的なものの見方の重要性と面白さを知る

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世界でいま何が起こっているのかを学び、自分の目で見て確かめたい。他国の自分と同世代の人たちが、何を思い、どのような考えを持っているのか、直接聞いてみたい。高校生の頃からそのような思いが強く、大学に入ったら絶対に留学しようと決めていました。国際関係、特に発展途上国の支援に興味があったので、地域発展や異文化コミュニケーションについて学ぶことができる国際地域学科は、まさに私の希望にあった進学先でした。英語のプログラムが充実している点にも魅力を感じ、意気揚々と入学したのです。

当時の私は、「国際系の学問には文化的アプローチをするものだ」と当然のように考えていました。しかし、1年生のときに配属されたゼミの先生は、経済学の専門家。「経済学がやりたくてこの学科に入ったんじゃない」と、最初は納得がいきませんでしたが、その思いはすぐに驚きへと変わりました。同じ問題を別の観点から見ることの重要性と面白さを知ったのです。

たとえば、発展途上国の問題は、文化、経済、社会、政治、開発、環境など、多方向からアプローチすることができます。凝り固まっていた自分の考えがぶち壊された、そんな衝撃を受けたのです。それ以来、物事への取り組み方が変わりました。「食わず嫌いはやめよう」と思うようになり、自分の興味のあることだけでなく、いろいろなことに積極的に挑戦するようになりました。

違いを感じ、共感し、留学から多くのことを学ぶ

あこがれだった留学の夢が実現したのは、3年生の時。大学間の交換留学制度を利用し、カナダ・カムループスのトンプソンリバース大学に、3年生の8月から4年生の5月まで留学しました。留学生が多い大学で、出身国・地域も人種も多種多様な学生が世界中から集まっていました。彼らとの交流を通して異なる文化や価値観に触れ、自分の中にさまざまな感情が生まれ、多くのことを学びました。

たとえば、当時、日韓は竹島問題で揺れていました。留学先では韓国人の友だちも何人かいましたが、私にとってはこの問題は話題にしづらいものでしたし、あえて話題にする必要もないと思っていました。しかし、韓国人の友だちは、積極的に私の意見を尋ねてきたのです。その感覚の違いに最初は戸惑い、同時に、自分はこの問題についてしっかりとした考えを持っていないことにも気づかされました。

日本や自分自身との違いを感じたのと同時に、同世代としてお互い共感できることも多く、世界がぐっと身近に感じられるようになりました。また、留学を通して、前向きな姿勢が身についたと思います。「人生は一期一会。出会いやチャンスは逃したくない」と思うようになり、言いたいことがあればきちんと伝えよう、聞きたいと思ったらその場で聞こうと心がけるようになりました。

幅広い分野の知識を学べる国際地域学科

海外に出たことで、日本を客観視することができたのも、留学の成果の一つでした。良い面もそうでない面も見えてきましたが、素晴らしいと思ったことの一つに、日本のサービス業の質の高さがあります。まさに、世界に誇れるものだと思います。そして将来は、在学中に身につけた英語力を生かし、ホテルやフライトアテンダントなどのサービス業に携わりたいと考えるようになりました。仕事を通して、世界の人々に日本の魅力を伝えていくのが私の夢です。

私が1年生のときに受けた衝撃のように、予想もしなかった出会いがたくさんあるところに、大学での学びの面白さがあると思います。特に、国際地域学科は学びの幅が広い学科で、文系理系関係なくさまざまな分野の知識を学ぶことができます。未知の世界と出会いたい人、視野を広げたい人は、ぜひ国際地域学科で学んでほしいと思います。

深瀬翔子さん国際地域学部 国際地域学科 国際地域専攻 4年

  • 東京都・私立富士見高等学校出身

「野球部の顧問になり、甲子園をめざしたい」。久郷夢大さんが教員を志したのは、野球部の監督になるためだった。しかし、大学での学びを通して、学問の面白さに気づいたという。「イブニングコースだからと引け目を感じることはない」と力強く語る言葉からは、学びの質からキャンパスライフまで、イブニングコースの充実ぶりが感じられる。

学びへの強い意欲に刺激を受ける

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ずっと野球をやってきた僕は、野球部の顧問になって球児を育てたいと思い、学校の教員をめざすことにしました。公民が好きだったので、科目は社会を選択。社会の教員免許が取得でき、得意だった政治・経済の科目で受験できるイブニングコース法律学科に進学を決めました。

入学してまず驚いたのが、イブニングコースの学生の学びへのモチベーションの高さです。僕のように高校を卒業してすぐに入学した学生だけでなく、社会人として働きながら学んでいる人も多く、「学びたい」という強い意欲を持って大学に来ていることに大きな刺激を受けました。年齢も職業もバックグラウンドも、実にさまざま。いろいろな人のさまざまな意見が聞けるのが、イブニングコースの魅力だと思います。特に社会人の方々から聞く体験談は、まだ社会に出たことのない僕にとっては大変興味深いものです。

予想外の出会いも、大学の学びの魅力

幅広い知識を身につけたいと思ったことと、就職にも有利だと聞いたこともあって、中学校・高校の地理歴史の教員免許と、高校の公民の教員免許の取得をめざしています。教職科目は授業がたくさんあるので大変ですが、同時にとても面白くもあります。それは、自分の専門以外のさまざまな授業を取ることにより、新しい発見があるからです。たとえば、僕が履修している「倫理学」の授業では、法学という社会の規範を学ぶ学問とは違う、異なるものの見方や考え方に触れることができ、「こんな世界観もあるのか」と視野が広がりました。高校までは決められたことを学びますが、大学では自分の興味のある科目を選ぶことができます。自分で選択した授業はやはり面白く、取り組み方も主体的になると思います。一方で、僕が倫理学を知ったように、予想もしていなかった出会いがあるのも、大学の学びの魅力だと思います。

法律学科のイブニングコースでは、1部と同等の教育を受けることができます。授業のクオリティーも高く、「イブニングコースだから」と引け目を感じることはまったくありません。むしろ、昼間の授業よりも教室には緊張感があり、集中して講義を受けられると思います。

教え子を率いて、甲子園をめざしたい

僕は現在、昼間は飲食店のスタッフとプールの監視員のアルバイトをしながら、大学に通っています。授業は18時ころから始まり、終わるのは21時すぎ。自宅が遠いため、帰宅するのは夜中の0時近くになることもあります。アルバイトと学業の両立は決して楽ではありませんが、「教員になりたい」という夢があるから、がんばれます。また、イブニングコースではクラブやサークル活動には参加しづらいというイメージがあるかもしれませんが、僕はイブニングコースの野球サークルのほか、1部と合同のイベントサークルに所属し、キャンパスライフも楽しんでいます。

「教え子と甲子園に行くこと」。これが僕の夢です。大学では、たくさんの人との出会いを通じて、人とふれあうことの大切さを学びました。その経験を生かし、「この先生は、自分のことをしっかり見てくれているな」と、生徒に安心感を持ってもらえるような教員になりたいと思っています。

久郷夢大さんイブニングコース 法学部 法律学科 3年

  • 東京都立東大和高等学校出身

「アスリートを支えるトレーナーになりたい」。高校で陸上競技をしていた嶌田裕貴さんがそのように考えるようになったきっかけは、ケガをしてリハビリを受けたときのトレーナーとの出会いだった。高校までは文系だったが、「その気になればできる」と理系の要素が強い科目も克服。そんな嶌田さんは今、大学で見つけた新たな夢に向かって歩き出している。

大学での学びを通して見つけた新たな夢

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高校では陸上競技の選手として活動してきましたが、ケガをしてリハビリを受けたのをきっかけに、アスリートを支えるトレーナーになりたいと考えるようになりました。しかし、大学で学んでいくうちに、トレーナーよりも自分のやりたいことの幅がさらに広がる理学療法士へとめざす方向が変わってきました。健康スポーツ学科では、理学療法士の受験資格は取得できません。そのため、卒業後に専門学校へ行くことも視野に入れ、先輩に相談したところ、「リハビリテーションをやりたいなら岩本ゼミ」だと勧められました。岩本紗由美先生は、アスリートのトレーナーを長年務めた経験を持ち、アスレティックトレーニングを専門とされています。そこで迷わず、岩本ゼミを選びました。

学びを活かしたボランティア活動

岩本先生のゼミでは、アスリートだけでなく、幅広い世代の人々の健康をサポートするためのトレーニングの理論と実践法を学んでいます。そして、学んだことを活かせる絶好の機会となっているのが、運動指導のボランティア活動「Keep Active」です。これは、健康スポーツ学科の学生が中心となって毎年取り組んでいる活動で、朝霞市在住の40代~50代の方、50名ほどを対象としています。健康の維持と増進のために、運動法やトレーニング法を指導する全6回のプログラムで、その企画や準備には半年以上の時間をかけます。

私は3年生のとき、この活動の代表を務めました。全体の企画、運営、管理から後輩の指導まで、休む間もなく準備に追われる毎日。夏休みも返上でしたが、プログラムが無事終了したときには、大きな達成感を得られました。この経験を通して感じたのは、「一人ではできないことも、相談してみんなで共有すれば解決できる」ということ。人と協力することの大切さを改めて学びました。

本気でやれば、壁は乗り越えられる

大学での学びはカリキュラムにあるものだけとは限りません。自分で考え、積極的に行動すれば、世界はどんどん広がります。やりたいことがあり、それに向かって努力すれば、周りの先生や先輩、友だちが助けてくれるはずです。私は、高校まで文系でした。そのため、大学入学後は、解剖学などの科目や実験・実習など理系の要素が強い科目に、苦戦した時期もありました。しかし、授業をしっかり受け、わからないところは先生に質問したり、理系の友だちに助けてもらったりして、何とか克服することができました。「文系だから」と自分の限界を作っていては、何もできません。本気でやれば、壁は乗り越えられるのです。

私の場合は、大学で理学療法士という新たな夢を見つけましたが、それを叶えるためにはどうすればいいのか、大学での学びという枠を超えて、先生や先輩にたくさんのアドバイスをいただきました。卒業後は理学療法士の資格取得をめざして専門学校でさらに学びを深めます。将来は病院で患者さんの社会復帰支援に携わったり、スポーツ分野でアスリートのリハビリをサポートしたりと、専門知識とスキルを活かして幅広く活躍することをめざしています。

嶌田裕貴さんライフデザイン学部 健康スポーツ学科 4年

  • 所属ゼミナール:岩本紗由美ゼミナール
  • 埼玉県立所沢西高等学校出身

浪人生活の途中で進路を変え、以前から夢見ていた職業へと歩み始めた社会学科の柴田連太郎さん。「声優なんてなれるわけない」と逃げていた自分を奮い立たせて、昼間のバイト、声優の養成所、そしてイブニングコースの授業と忙しい毎日を送っている。自分で選んだ道に後悔はないと断言する柴田さんは、眩しいほどのエネルギーに満ちあふれている。

あらがえない夢、声優への道

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一浪して来年勝負!浪人生として10月ごろまでは本気でそう思っていました。普通に大学に行って公務員になる。それが平凡な自分の人生だと思っていました。

それがどうしたことか、幼いころからあこがれていた声優への思いがふくらみ始めて、どうしても断ち切れなくなってしまったんです。

「声優なんてなれるわけないよ」と、自分の気持ちをごまかしながらも、「この先、後悔せずに生きていけるだろうか。ほんの少しでも可能性があるなら、やらずに後悔するよりも、まずは挑戦するべきじゃないのか…」という気持ちを抑えられず、方向転換を図りました。

でも、声優になれなかったらどうするんだという不安はやはり大きく、大学には行こうと決心しました。声優になるための養成所に通うためには、親に頼らず自分で稼がなければなりません。でも大学には行きたい。そう悩む私に、親は「夜間に学べる大学があるよ」と教えてくれたのです。

将来を支えてくれる社会心理学

もともと大学では心理学を学びたいと考えていたので、2部で学べるところはないかと探してたどり着いたのが東洋大学でした。イブニングコースは「社会学科」ですが、第1部の社会学科、社会文化システム学科、社会福祉学科、メディアコミュニケーション学科、社会心理学科のそれぞれから、学科を横断して自分が中心的に学びたい科目を選んで、多角的に学んでいけるのが魅力です。

今年のゼミのテーマは「不思議現象を心理学で解明する」ということで、現在教科書を読み込んでいるところです。人が超常現象を信じたり、五感で感じてしまったりするのはこういう心理のメカニズムがあって…ということを掘り下げていくそうで、今から楽しみにしています。

人がどう感じてどう動くのかを学ぶ社会心理学は、声優として役になりきる上で、直接的に役立つ学問です。きっと将来の私を支えてくれるだろうと信じています。

学びを活かして演じたい

アルバイトでお金を貯めて、声優の養成所に通い始めたのは昨年からのこと。今年は授業が火曜の夜だけになったので、月曜~金曜の昼間は出版社でアルバイト、月曜・水曜・金曜の夜は養成所に通い、木曜の夜は劇団に顔を出しています。出版社では、朝から夕方まで編集部の補助的な仕事をしていますが、同じ職場に東洋大学のイブニングコースに通う学生が多く働いていることもあり、情報交換と称してよく一緒に遊んでいます。また、出版は芸能とも近いメディアなので、アルバイトとは言え、いろいろなことを吸収できています。

浪人していなかったら、きっと選ばなかったはずの道を歩いていることに、一番驚いているのは自分自身です。しかし、イブニングコースでの学びに後悔はありません。ここで学んだ社会心理学の知識を活かして、オールマイティに、どんなキャラクターでも演じられる声優になりたいと思います。

柴田連太郎さんイブニングコース 社会学部 社会学科 4年

  • 所属ゼミナール:大島尚ゼミナール
  • 千葉県立幕張総合高等学校出身

障がいのある人、高齢者など、社会的に不利な状況にある人の自立を助けるためのさまざまな社会福祉制度。社会福祉学科では、福祉に関わるさまざまな問題の現実を知り、その対応策を考えることを重視し、実務面を考慮した授業を充実させている。2年生の市川綾夏さんの目標は、社会福祉士の資格を取得し、子どもと直接関わる仕事に就くことだ。

学ぶほどに深い社会福祉

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高校時代にボランティア部で活動していた私は、老人ホームの夏祭りのお手伝いや、国際友好フェアの屋台のお手伝いなど、3年間ずっと、地域のボランティア活動に参加してきました。こうした活動を通し、「将来、福祉関係の仕事がしたい」「福祉のことをもっと勉強したい」と強く思うようになっていた頃に、ちょうど東洋大学の社会福祉学科のことを知りました。

学び始めてみて、自分が高校時代に見てきたことや経験してきた活動は、社会福祉のなかのほんの一部だったのだとわかり、驚きました。社会福祉が対象とする範囲はとても幅広く、学ばなくてはいけないことがたくさんあるのです。思っていた以上に奥深くて、学びがいがあります。

たとえば、今まで言葉だけでしか知らなかった「孤立問題」や「ホームレス」。深く学ぶうちに、そういった問題にはさまざまな要因があることがわかりました。お年寄りだけの問題、失業した人だけの問題ではなく、家族や地域のかかわり方、経済問題など、解決するためにはあらゆる視点からとらえる必要があります。苦しんで困っている人を助けるために、制度や法律、心の問題、経済のことなど、いろいろな視点や知識が求められるのです。そうして学ぶほどに、私は将来、福祉関係でやってみたいと思うことがどんどんふくらんできました。

サークルやバイトでも社会貢献活動

教室での学びも大事ですが、実際に福祉の現場で体を動かして、人と触れあうという学びも大切だと思います。そこで私は、大学のボランティアサークルで活動しています。今年の春休みには、メンバーと一緒に東北の被災地へ行き、3泊4日でボランティア活動をしてきました。集会所に寝泊まりして、宮城県の気仙沼市でイベント運営のお手伝いをしました。会場を盛り上げるため、着ぐるみの中に入るなんて経験もしました。そうした活動を通じて、東北の人たちが、少しでも笑顔になってくれたのを間近に感じられたのはいい経験でした。

ほかにも、普段は小学校の学童保育で指導員のアルバイトもしています。小学生はかわいくって仕方がないですね。話し相手をしたり、鉄棒や追いかけっこをしたりして、一緒に体を動かして遊んでいます。子どもたちを通じて学ぶことも本当に多いです。

社会貢献者賞で迷いが消える

高校時代からずっと、ボランティア活動に携わるなかで、正直なところ「ひょっとして偽善なのかな、自己満足なのかな」と悩むこともありました。私としては、その時々でお会いするお年寄り、小学生、外国の方たちと交流できることが純粋に楽しく、お手伝いできることがうれしいのですが、ただそれでいいのかなと、迷いもあったのです。

そんな時、所属していた高校の部活動の先生に、高校時代からの活動記録をまとめることを勧められ、その記録がこの春、「東洋大学社会貢献者賞」を受賞することができました。東洋大学に在籍している学生で、社会福祉や教育活動などの社会の各分野で貢献した人を表彰する制度です。今まで自分がしてきたことを認めてもらえた気がしてうれしく思い、迷いが吹っ切れた気がしました。

今はまだ2年生ですが、将来はやはり福祉にかかわる仕事をしたいと考えています。そのためには、卒業までに社会福祉士の受験資格が取れるようにしっかり勉強しないと。これからはゼミや実習など、いろいろな授業があるので、今からとても楽しみです。

市川綾夏さん社会学部 社会福祉学科 2年

  • 所属ゼミナール:後藤ゼミナール(前佐藤ゼミナール)
  • 埼玉県・私立大宮開成高等学校出身

たとえ消極的な理由で選んだ道だとしても、そこで何を学び、どう活かしていくかはその人次第だ。悩みに悩んでイブニングコースを選んだ牧野真也さんだが、「あのころの悩みなんて、今となっては笑い話ですよ」と一蹴する。経営学科で得られる幅広い学びの中で、牧野さんはじっくりと将来を見据え、自分の可能性を見極めようとしている。

悩みに悩んでイブニングコースへ

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小学校から、中学校、高校と野球を続けてきた私は、経営学科を積極的に選んだわけではありませんでした。やりたいことがはっきりと見えず、進路に悩んでいた高3のころ。何となく「スポーツマネジメント」という言葉に興味があったものの、数学は苦手。文系でマネジメントが学べるところはないかと探して、見つかったのが東洋大学の経営学部でした。

いくつかの大学に合格し、東洋大学のイブニングコースにも合格したものの、私はそこでまた悩むことになりました。本当にこのコースでいいのか、昼間に学ぶ一般的な大学生とは違う道でいいのかと、入学を決めるまでは高校の先生や先輩などに何度も相談しました。

大学は、自分で学び取らなければ何も得られない場所です。しかし、学び取ろうという意欲さえあれば、実に深い学びが可能となる場所でもあります。それを知っている今の自分なら、あのとき悩んでいた自分に自信を持って「大丈夫だよ」と言えるのですが、当時の私はまだ、大学生の自分というものがイメージできていなかったのだと思います。

多様な人と出会って目が覚めた

入学当初は昼間の時間を持てあまし、どう過ごせばいいのだろうかと弱気になり、視野も狭くなっていました。でも少しすると友達もできて、自分と同じ境遇の人から社会人まで、イブニングコースにはいろいろな人がいるんだと視野が開けていきました。勉強についても仕事についても、多様な情報を得られるというイブニングコースの利点に、そこでようやく気づいたんですね。

昼間の時間にはアルバイトを入れ、1年次は接客、2年次からは新聞社でアルバイトをして、自分の世界を広げようと努めてきました。また、現在はプロ野球球団のスタジアムでインターンスタッフとしても働いて地域営業などを担当するなかで、スポーツビジネスについての経験を深めています。

幅広い学びで幅広い将来像を描く

所属しているゼミナールでは、現在、民間企業への提案がテーマとして設定されています。どうすれば個々の会社がもっと良くなるかを考え、提案書を整えて、最終的には研究発表会で披露する予定です。私のグループが担当しているのはサービス業種ですが、世間にはどんなニーズがあるのかを探るため、ニュースや口コミなどに敏感になっています。

3年生になり、そろそろ就職も視野に入れて動き始めなければと思うのですが、私はまだ将来を決めかねています。この学科を選ぶきっかけとなったスポーツマネジメントはもちろん、公務員や民間企業にも興味があります。こうしてさまざまな分野に関心が持てるのも、経営学科の幅広い学びによるものと思います。

ゼミナールではこれから、OB・OG会が開催されますので、卒業生の話を直接聞く機会があります。先輩方がなぜその職種を選び、今はどんな仕事をされているのか、ぜひヒアリングしてみたいですね。

今年はまず簿記の資格を取り、さらに自分の稼いだお金で、短期の留学も経験してみたいと考えています。英語はあまり得意ではないですが、いろいろなものに刺激を受け、人前で話すことが苦手という弱点も克服していきたいと思います。

牧野真也さんイブニングコース 経営学部 経営学科 3年

  • 所属ゼミナール:土井隆司ゼミナール
  • 茨城県立水海道第一高等学校出身

先生とは異なる立場で、子どものためになる仕事がしたい。そんな思いで教育学科を選んだ山森正太さんは、教育系企業を将来の目標に据え、ゼミにサークルにと充実した日々を送ってきた。しかし、本当にそれでいいのかと自問することもあるという。今年は「人がよりよく生きるために、自分ができることは何か」を、あらためて考える1年となりそうだ。

素晴らしい先生に囲まれて

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先生ですと主に学校という場で教育に携わると思うのですが、学校という場だけではなく、幅広く“教育”とはどのようなものなのかが学べる「教育学」というものに私は興味がありました。そこで、幅広く教育学を学べる大学を調べ、東洋大学文学部の教育学科を知りました。

そもそも教育に興味を持ったきっかけは、自分が素晴らしい先生に恵まれてきたことでした。中学・高校と陸上部で、中学では部長、高校では短距離ブロックのリーダーを務めていた私は、顧問の先生とのかかわりも濃く、部員たちと真剣に向き合う先生の姿を間近に見ていました。また担任の先生も、人生の先輩として誇れるような方ばかりで、進路に迷ったときなど、よく相談に乗ってもらったことを覚えています。こういった素晴らしい先生に囲まれ、自分も大きく成長することができました。この経験から私も人を育てる「教育」について学びたい。学校にいる子どもだけでなく、多くの人たちの役に立つ仕事がしたい…と考えるようになりました。

ゼミで必要なのはプレゼン能力

教育学科人間発達専攻は、学校教育にとらわれず「生涯にわたる発達」という視点から教育を研究していく学科です。特別支援教育や環境教育、生涯学習や社会教育など、現代社会における教育について、多面的に学んでいきます。

もちろん教育学だけではなく、歴史、哲学、心理学、社会学などを幅広く学ぶことで、教育現場に潜んでいるさまざまな課題に対応する能力を身につけていくことも重要です。

また1年次からゼミナールがあり、入学したての早い段階から自分で調べ、発表し、同じゼミ生から意見をもらうというスタイルで学んでいます。

私が所属する須田将司ゼミナールでは教育史をテーマとしており、昨年は国歌の歴史について調べました。でも、高校までの私は「自分で調べてまとめ、発表する」という経験に乏しく、まったくの調査不足に終わり、反省しているところです。

そこで今年は、1つのことを調べるにもたくさんの資料に当たること、わかりやすくまとめること、自分なりの意見を持って人前でしっかり話すことなどを課題として、さらに研究を深めていきたいと考えています。

教育系の企業をめざしながらも

3年生になり、友達との話題も就職に関することが多くなってきました。私もキャリアセンターに通って業界に関する本を読んだり、企業についての資料を集めたりしています。

今のところめざしているのは、教材を作ったり通信教育を手掛けたりしている教育系の企業ですが、まだ自己分析の段階で、本当に自分がその分野に向いているのかどうかを探っているところです。もしかしたら、就活を続けていくうちに、まったく違う分野に興味が向くかもしれません。大学での学びを生かし、自分が本当に進みたいと思う道を自分の目で見極め、歩んでいきたいと思います。

山森正太さん文学部 教育学科 人間発達専攻 3年

  • 所属ゼミナール:須田将司ゼミナール
  • 東京都立南平高等学校出身

西洋史に魅力を感じて史学科を選択した白柳知咲さんは、現在、中世における楽師について研究を深めて卒業論文に挑む一方で、史学科で得た論理的思考力と英語力を武器に就職活動を実らせようとしている。史学の魅力は「自分の知らない時代・場所で、知らないままに積み重なっていく歴史をひも解いていくこと」にあると白柳さんは語る。

世界史が好き!もっと学びたい!

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高校3年生のとき、世界史の教科書を編纂したという先生が着任されました。夏休みに、その先生による世界史の補講を受けたことで、私はより世界史が好きになりました。「世界史って楽しい。もっと西洋史を学びたい」と思いが強くなり、私は史学科のある大学を探しました。でも、史学科のある大学はそれほど多くなく、選択肢もあまり多くはありませんでした。高校の先生からも「史学科はあまり就職に強くないんじゃないか?」と気になることを言われました。それでもやはり西洋史を学びたいという意欲は薄れず、東洋大学文学部の史学科への進学を決めたのです。

母からは「東洋大学で西洋について学ぶってどうなの?」と疑問視されましたが、入学して分かったのですが、東洋大学では西洋史を専門とする先生が多くいらっしゃるので、学習環境に抱いていた不安はすぐに解消されました。

「自分が知らない」ことの魅力

私は世界史の中でも特に中世が好きで、今は中世の音楽家である「楽師」について研究を進めています。中世はキリスト教が支配した世界。建築にしても芸術にしても、生活のすべてのベースにキリスト教が存在しているという、今の私たちからすると不思議な時代です。

そうした時代において、楽師はキリスト教とは関係ない演奏をすると、当然のように糾弾されてしまうのですが、それでもなお楽師として生き続ける彼らの中には何があったのか、当時の人と音楽とのかかわりをからめながら卒業論文としてまとめていきたいと考えています。

世界史の魅力は、何と言っても「自分の知らないところで、知らない歴史が積み重なっていく」ことにあると感じます。西洋史の文献をひも解いていくと、知らない時代に、知らない場所で生きていた人の息づかいを、確かに感じられるのです。

論理的思考力で就活に挑む

今は教育業界をめざして就職活動に励んでいます。大学の職員になれたら…という思いもあり、教職資料室のアルバイト募集をチェックしながら、塾業界など広く教育に携われる職種を探しています。

「就職に不利では?」と高校の先生に言われた史学科ですが、史学科の一番の強みは、論理的思考力が身につくことにあります。理路整然と、筋道を立てて考え、難しいことをわかりやすく相手に伝え、相手と協調していくスキルは、社会でも必要とされる力だと言われています。

そして西洋史を学ぶ以上、英語は必須です。西洋史の卒業論文では、西洋の論文を2つ読み、参考文献としなければなりません。英語で書かれた史料や原典が読めなければ話にならないので、自然と英語力も身につくのです。そう考えるときっとみなさんも、「就職に不利では?」と不安に思う気持ちも和らぐのではないでしょうか。

白柳知咲さん文学部 史学科 4年

  • 所属ゼミナール:鈴木道也ゼミナール
  • 東京都立小金井北高等学校出身

高校の現代文の先生に影響され、文学の魅力に引き込まれたという日本文学文化学科の熊崎徹典さん。毎月5冊は本を読むことを目標に、時間さえあれば本を読んでいる毎日だ。作品について「問い」を見つけ、先生や仲間と意見交換するという学びに初めは戸惑いを感じながらも、いまでは文学を通じて考える力や表現する力が身についたそうだ。

本はただ読めばよいのではない

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岐阜県出身の僕は、東京志向がありました。そして、文学作品やアニメ作品に興味があり、好きなことについてもっと深く学んでみたいという気持ちから、文学部を志望していました。志望校選びのなかで出会った東洋大学は、創設者である井上円了の考え方や、哲学や日本文学などを学べる落ち着いた環境が自分には合うように感じて、受験を決めたのです。

いざ、文学部での学びが始まると、ただ文学が好きで読むのと、文学を学ぶということは違うとわかり、最初は戸惑いを感じました。作品を読み、自分はどう感じたのか、他の学生はどう感じたのか。それを話し合うなかで、自分の読み方が浅いことに気づかされたものです。本がそこにあればいい、本を読んでさえいればいいという感覚ではいけないのだと感じました。それからは、作品のことや、作品が書かれた時代背景や社会情勢など、いろいろな事柄を調べて、自分なりの意見として発言できるように努力するようになりました。一つの作品について意見交換をするという活動は、今でも大変刺激を受けます。

また、自分の意見を論文に書いたり、ゼミナールでの発表のレジュメを作ったりという「書く」ことも慣れるまでは難しく大変でしたが、先生の論文を参考にしながら、論文の書き方というものを理解し、最近ではだいぶ書く力もついたように感じています。

文学好きにはたまらない恵まれた環境

私が日本文学文化学科をめざしたのは、高校生のときの現代文の授業がきっかけでした。枠にとらわれない自由な発想で教えてくださる先生の指導法に影響され、いろいろな文学作品に触れてみたいという気持ちが強くなったのです。

高校生のころまでは、太宰治など自分が好きな作家、有名な小説家の作品ばかりを読んでいましたが、大学生になり、これまで読んだこともない作家や、評論文に触れる機会も増え、読む本の幅がずいぶん広くなりました。

本を読むことにまとまった時間を割けるのも、大学生のうちだと思い、自分で毎月5冊は単行本を読もうと目標を立てていますが、書籍代で1カ月に1万円使ってしまうこともしばしば。私は1年生のころから、日本学生支援機構の奨学金をいただいていますが、そのほとんどを書籍代にしている時期もありました。

授業の空き時間や通学時間、休日など、時間さえあれば、本を読んでばかりの毎日です。白山キャンパスは本の街・神保町にも近く、新刊から古本まで、いろいろな専門書が手に入ります。時間があれば神保町へ行って、本を探すことができるのも、文学好きな私にはたまらない環境ですね。

国語好きな生徒を育てていきたい

今、所属している山本亮介先生のゼミナールでは、芥川龍之介や森鴎外などの重厚な作品を研究します。しかし、ゼミナールや講義ではそういった文学作品だけでなく、アニメ作品やテレビ番組、音楽などの身近な作品も学びの対象となっています。ただ鑑賞するだけでなく、作品に関する意見交換をしたり、論文を書いたりすることで、自ら「問い」を見つけ、それについて考え、相手に伝えるという力が身についてきました。

高校の現代文の先生に影響を受けたように、私も母校で国語科の教師になることをめざしています。近々、教育実習に行くことになっているので、今はそれが楽しみです。山本先生のもとで学んだことを生かし、生徒たちが国語を好きになってもらえるような指導ができる先生になれたらと思います。

熊崎徹典さん文学部 日本文学文化学科 4年

  • 所属ゼミナール:山本亮介ゼミナール
  • 岐阜県・私立高山西高等学校出身

韓国で生まれ、日本と韓国を行き来して育った李 受慧さん。哲学を学ぶなら東洋大学がいいと勧められ、進学を決めた。入学前は「哲学って何をやる学問なの?という感じだった」というが、哲学科での学びを通して、ものの見方や世界観が大きく変わったと言う。李さんにとって哲学とは、どのようなものなのだろうか。

哲学とは「目的」ではなく「手段」である

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表現することや芸術に興味があった私は、漠然と「芸術には何かがある」という思いを抱えていました。でも、それが何であるかは自分でもよくわからずにいました。そんなとき、尊敬している人が「東洋大学で哲学を学んでみてはどうか」と勧めてくれたのです。

哲学科に入学してわかったことは、哲学とはそれ自体を学ぶものではないということです。物事にアプローチするための方法、つまり、哲学とは「目的」ではなく「手段」なのだと思います。あらゆることに「なぜ?」「どうして?」と問いを投げかけ、考えることで、からまった糸を解いていく。そんな感覚でしょうか。

私は幼い頃から、韓国と日本を行き来する生活をしてきました。そのなかで、いろいろなことを感じ取り、気づいてはいました。しかし、自分の感覚に確信がなく、常に「わからない」という感情がつきまといました。哲学というのは、わからないことに答えを与えてくれるものではありません。しかし、哲学科で学ぶようになってから、わからないことをわからないなりに分析し、考え、理解しようとする力がついたと思います。そのプロセスのなかで、自分の感情や傾向を具体化し、自己を見つめ直すことができるようになりました。また、深く内省する一方で、広い視野と客観的な視点で世界を見ることができるようにもなりました。

いろいろな人との出会い、新たな発見がある

哲学科は、自分がやりたいことが何でもできる自由な学科です。逆に言えば、大学でやることを自分で見つけなければなりません。私は、「自分が夢中になれるものは何だろう」「自分の心が強く動くのはどんな時だろう」と自分自身に問い続けた結果、芸術表現や写真、文章執筆などの創作活動に取り組んできました。活動自体も楽しくやりがいがありますが、創作活動を通して、自分はどうありたいかという願望や感情を突きつめていくところに、面白さを感じています。常に問い続けること、そして、その問いから逃げずに向き合い、考え続けること。これが、私が哲学科で学んだことです。

いろいろな人と出会えるのも、哲学科の魅力です。哲学は本当に幅広い学問なので、先生の専門分野も多彩ですし、学生もそれぞれの興味・関心に従っていろいろなことに取り組んでいます。人により哲学の持つ意味は異なるので、そのアプローチ法もただ「哲学的」という言葉だけでは語れません。先生や友人の思いもよらない考え方や視点に触れ、日々新たな発見ができるのも、哲学科で学ぶ醍醐味だと思います。

哲学こそ、社会につながる「生きた学び」

哲学は他の学問に比べると、社会や仕事とのつながりが見えにくいですが、私は哲学こそ、「生きた学び」だと思うのです。大切なのは、大学での学びをどのように社会につなげていくかです。その下地をつくるために、大学ではできるだけたくさんのことを経験し、たくさんの人と出会いたいと思い、積極的に行動するよう心がけてきました。たとえば、英語学習支援プログラムSCAT(現:LEAP)に参加して、いろんな学部の人と交流したり、先生にお願いして他学科の授業に参加させてもらったりもしました。

進路にはとても悩み、まだ答えは出ていないのですが、「自分は何がやりたいのだろうか、何に向いているのだろうか」と考え抜いた結果、発展途上国のボランティア活動に携わりたいと思うようになりました。哲学を通して身につけた問題解決力を生かし、発展途上国の開発問題に潜む課題を見いだし、その解決に努めていきたいと思っています。

李 受慧(リー・スウヘ)さん文学部 哲学科 4年

  • 韓国・漢栄外国語高等学校出身

「人はどのような状況でどのような行動をするのか」を、理論と実験で学んでいく社会心理学科。「心理学という名前がついていたからこの学科を選んだ」という追杉麻菜美さんはいま、就職活動の真っ最中だ。社会心理学を学び「自分の行動が腑に落ちた」という追杉さんは、自己をどう分析し、どんな夢を抱いて将来の道を決めようとしているのだろうか。

社会現象のメカニズムを知る

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社会心理学を学んでいると言うと、よく「人の心を読めるようになるんですか?」と聞かれますが、答えはノーです。社会心理学を学ぶと、他人のことより自分のことがわかるようになります。

そう言う私も、最初は「人の心がわかったら面白いな」と思っていました。心理テストが大好きで、「心理学」という名前だけでこの学科を選んだようなものです。

社会心理学は、社会で起きる現象のメカニズムを知る学問です。たとえば「綱引き」。1人で引くより50人で引けばパワーも50倍!と思いますよね。でも、実際はそうなりません。

50人で引くときの1人あたりの努力量は、1人で引くときよりも圧倒的に小さくなります。これは意図的にせよ無意識にせよ「誰かがやってくれる」「自分1人ががんばってもムダだ」という心理が働くからなんですね。

こうした現象を「社会的手抜き」と呼びます。大勢の会議で意見が出にくいのも、選挙の投票率が100%にならないのも、そんな心理が影響していると考えると「なるほど!」と思いませんか?そうした「言われてみれば!」と思うようなことが、社会心理学ではきちんと定義付けされているんですね。

腑に落ちることの多い学問

社会心理学を学んだ上で自分の行動を振り返ると、「あ?!そうだったんだ!」と腑に落ちることが多くあります。

私は昔からプライドが高く、また規則を守ろうとする意識も高い人間でした。学校で「これを持ってきなさい」と言われたのにあっさり忘れ、気軽に他人に借りようとする人が許せないタイプだったのです。それがなぜなのかと考えたとき、「社会的望ましさ」という用語に行き当たりました。

これは「人は自然と、他人から見て望ましい行動をとってしまう」という現象を表したものです。つまり自分を良く見せようという傾向ですね。この傾向が強い人は、社会的に受け入れられている行動をとりやすいのです。

秩序を乱されることが嫌いで、しかもプライドの高い私は、まさにこの傾向が強いのだと、社会心理学を学んだことによって理解することができました。

私の笑顔でみんなを元気に

私は今、人から「ありがとう」と言われる仕事に就きたいと考え、就職活動に励んでいます。めざしているのは接客業。私の笑顔で人を元気づけてあげられたらステキだなと思います。

社会心理学科で学んだことは、接客に活かせることばかりです。人は、いきなり自分の意見を否定されると不快になりますよね。それはみんな経験として知っていることですが、学問としてあらためて人間の行動の法則性を学ぶことで、人とのコミュニケーションを円滑にすることが可能です。

以前は「私の話を聞いて!」と発信する一方だった私ですが、最近よく人から相談されるようになり、聞き役として重宝がられるようになりました。これも社会心理学を学んだ成果と言えます。

ちなみに、おもしろおかしい心理テストは根拠のないことばかりです。社会心理学科で学ぶと、そうした社会のウソも見えてきますよ。

追杉麻菜美さん社会学部 社会心理学科 4年

  • 所属ゼミナール:堀毛一也ゼミナール
  • 東京都立竹早高等学校出身

2カ月前にインドへ行ってきたばかりだという東洋思想文化学科の平野玲子さんは、「現在の自分の環境がいかに恵まれているかを実感できた」と語る。昼間は社会人として働き、夜間に学ぶなかで、ヨーガの教典を原典で読むという目標を掲げている。ヨーガに興味を持ち、それが大学での学びにつながるまでに、どのような経緯があったのだろうか。

ヨーガをもっと深く知りたい

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もう一度大学で学ぼう。私がそう決意したのは、東日本大震災がきっかけでした。

漠然と哲学に興味を持っていたのは高校のころ。しかし、深く学ぼうとはまったく考えず、大学進学後は数学を学び、そのままシステムエンジニア(SE)として社会に出ました。

社会人になって、少しは運動をしなくては、と思い立ち、気分転換のつもりでヨーガを始めました。それが、いつの間にかその魅力に取りつかれ、ヨーガをもっと深く知りたいと思うようになっていったのです。

ヨーガを少し勉強するとたどり着く「インド哲学」の文字に、哲学への興味が再びわき上がりました。インド哲学を本格的に学びたい。その思いは日増しに強くなっていきます。

そのころ、忙しいSE職から病院の広報へと転職しました。定時に職場を出て自宅に帰り、時間に余裕のある日々を過ごしていましたが、何となく過ごす毎日に、これでいいのかな、という疑問を抱くようになりました。そんなとき思い出すのは、決まって東日本大震災のことでした。

学びたいという気持ちに正直に

震災が発生し、自分が明日生きている保証は何もないのだと震えました。それなのに、自分は今のままでいいのか。学びたいのになぜ学ぼうとしないのか。時間がないわけじゃない。お金がないわけでもない。大学に行けないのと、行かないのは違う。行かずに後悔したくない…そうして私は、イブニングコースで学ぶことを決意したのです。

いざ入学すると、働きながら勉強するという大変さに直面しました。1年次は月曜~土曜の毎日が授業で、休みは日曜だけというハードスケジュール。ヨーガを深めたくて大学に通い始めたのに、そもそもヨーガをする時間がありません。これでは本末転倒ですよね。

そこで、2年次の今年は時間の使い方を考えようと、自分の生活を見直しているところです。

『ヨーガ・スートラ』を原典で読む!

今の私の目標は、単位を取ることや資格を取ることではなく、ヨーガの教典『ヨーガ・スートラ』を原典で読むことです。これはサンスクリット語で書かれているので、サンスクリット語の習得も必要となります。

ヨーガはそもそも古代インドが生み出した修行法で、さまざまな姿勢や呼吸法を実践していきます。今年はヨーガの実習授業もあり、みんなで楽しく学んでいます。

イブニングコースには、現役入学の人、私と同じように働きながら学ぶ人、そして今年定年退職したばかりという人など、幅広い年代の学生が在籍していて、お互いに刺激を与え合っています。普通に働いているだけでは出会えない人たちと一緒に学べるのは、やはりイブニングコースならではの魅力ですね。

卒業したその先で、いつかヨーガに関する仕事に就くことができれば幸せですが、それが叶わなかったとしても、インド哲学を学んだことはきっと、これからも私の軸となって支えてくれることでしょう。

平野玲子さんイブニングコース 文学部 東洋思想文化学科 2年

  • 所属ゼミナール:沼田一郎ゼミナール
  • 東京都・私立京華女子高等学校出身

文学部教育学科初等教育専攻では、2年次から小学校での実習を体験する「往環型(おうかんがた)教育実習システム」を取り入れている。「学年が違うと遊び方も話し方も変わるのだと、現場で実感しました」と語る後藤洋彰さんも、小学6年生と小学1年生のクラスと触れ合ってきた。「どの子もかわいく、早く先生になりたいです」とその日を夢見ている。

ピアノ実技に苦戦

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小学校の先生になりたい。それは、幼いころからずっと思い続けていた夢でした。中学や高校に進学し、大学受験を経ても、その想いが揺らぐことはありません。私が小学生のときに出会った先生方は、どの先生も自分にとっては素晴らしい先生ばかりで、いつか自分も小学生たちにとって「頼りになる先生」になりたいと思っています。

ただ、そうは言っても、東京都内の私立大学で小学校の教員免許を取得できるところは、多くはありません。東洋大学の文学部教育学科初等教育専攻に集まってくるのは、私のようにはっきりと「小学校の先生になりたい」と決意している学生ばかり。みんなが同じ志で小学校教育へと意識が向いていて、クラス全体でお互いのスキルを高め合い、刺激の多い毎日を過ごしています。

小学校で全科目を指導できるように各科目の教育法は必修ですが、音楽経験がカラオケ程度だったので、私は音楽実技に苦戦しました。ピアノなど触れたこともなかったのに、子どもたちの歌の伴奏ができるようにならなければならないのです。そのため、毎週のようにクラスメートとピアノ実習室に通い、励まし合いながら練習しました。そして、短い曲なら何とか譜面を見れば弾けるまでに上達したんですよ。

2年生から毎週、実習を経験

教育学科初等教育専攻の特長は、「往環型(おうかんがた)教育実習システム」です。一般的な教員養成課程は、1~3年生で教科指導法や教育についての専門科目を習得したあと、4年生で教育実習を行います。しかし、東洋大学では2年生から大学での授業の合間に、毎週1日、小学校に通って実習を継続して体験できるのです。文京区や北区、板橋区、練馬区、荒川区、さらに東久留米市の公立小学校とも連携し、同じ小学校に2~4年生の3年間、毎週通います。

小学校では、実際の授業の様子を見学しながら、先生方の補佐をします。「机間(きかん)指導」といって、机の間をぐるぐる回って、分からなそうにしている子どもに声をかけたり、集中力を切らしている子を励ましたりするのです。休み時間も、子どもと一緒に過ごします。どの子もみんなかわいくてたまりません。私は担任の先生とも立場が違うので、子どもたちが作るコミュニティに入れてもらえるのです。どの子も授業とは違ってリラックスしています。先生に見せるのとは違う表情を見ることができ、子どもなりの大切な話を聞くことができて、新鮮です。

体験活動を取り入れた授業をしたい

4年生になると、他の大学の教員養成課程と同じように、4週間の教育実習があります。2年生から「往環型教育実習システム」で毎週通った小学校で実習できるので自分にとっては安心して取り組めます。いよいよ教育実習に行くのですが、教育実習で初めての小学校で実習するのではないので、緊張しなくはないのですが、気持ちはいくらか落ち着いています。

就職するまでの間に、専門科目を決めなければなりませんが、私はまだ迷っています。英語が得意なので、外国語活動の専門の先生になろうかと考えているところです。もし担任クラスを持てるようになったら、体験活動を多く授業に取り入れられるようにしたいですね。教科書と黒板だけの授業だけでなく、いっぱい遊ばせたり、体を動かしたり、経験で学ばせてあげたいのです。子どもたちの興味の持ち方が、ぜんぜん違うでしょうから。子どもたちがのびのびと学べる環境を、さりげなく整えてあげられる先生になりたい。それが私のめざす教師像です。

後藤洋彰さん文学部 教育学科 初等教育専攻 4年

  • 東京都立国分寺高等学校出身

コンピュータや家電、自動車、人工衛星などあらゆる工業製品に活用され、発展の著しい電気電子情報技術。電気電子情報工学科では、電気・電子・情報の3分野を系統的に学習し、技術者に必要な知識と技術を身につける。モノづくりが好きで、回路に興味を持つ島崎裕美さんは「エンジニアとして生きていきたい」という夢を抱き、研究に熱心に取り組んでいる。

あらゆる工業製品に生きる技術

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中学校の技術科の授業で、音でライトがつくランタンを作ったことがあります。ハンダごての扱いが楽しかったこともあり、どちらかといえば、家庭科より技術の方が好きでした。高校では物理の勉強が楽しくなり、力学、熱、波、電磁気などに興味がわきました。そして、高校のキャリア教育を通じて半導体について学び、これから発展する分野だと興味を持ったのが、電気電子情報工学科を志望したきっかけです。

正直言えば、私にとって、電気電子情報工学科の勉強はとても難しいです。1、2年生では「電気」「電子」「情報」の3分野の基礎をしっかりと学びます。電気分野では高電圧や発電・変電のこと、進路によっては電気自動車についても学びます。電子分野は電子デバイスや携帯電話、電子回路、集積回路について学びます。情報分野はプログラミングなどで、コンピュータのシステムを作るシステムエンジニア(SE)を志望する学生には必須です。いずれの分野とも、あらゆる工業製品やシステムに活用されている技術なので、卒業生の就職先はさまざまです。幅広い分野で活躍している先輩たちに続こうと、私もがんばっています。

回路は機械の頭脳

電気電子情報工学科で学ぶ3分野のうち、私は「電子」が好きです。4年生になって配属された「回路システム研究室」では現在、新しい電子回路の研究をしています。たとえば、有機ELやLEDを用いた照明システムや、オーディオ回路の新しい方式の開発や性能向上を図るのです。3Dのディスプレイを使って視覚能力を鍛えるシステムを研究した先輩もいます。

回路とは機械の頭脳です。同じ機械でも回路を改善すれば、どんどん高性能になっていきます。たとえば同じ家電でも、回路を改善するだけで、大幅に消費電力を低減することもできるのです。まだ研究室に配属されたばかりなので、深いところまで理解しきれてはいませんが、優れた回路を創り出せたときには、きっと達成感を味わえるのだと思います。

エンジニアとして生きていきたい

電気電子情報工学科では、必要な単位を取ることで、いろいろな資格・免許を取得でき、試験科目の免除も得られます。電気主任技術者や技術士、電気通信主任技術者など、就職に役立つ資格ばかりです。中学の数学と理科、高校の数学と理科と工業の教員免許を取得することもできます。

私はこの学科に入ったからには、開発系の仕事をしたいと考えています。エンジニアとしてモノづくりの世界で生きていきたいですね。モノを作りだす時には、さまざまな工程がありますね。商品を開発したり、生産ラインを考えたりする仕事にずっと携わっていきたいです。

この部品がどうしたらそのように動くのか、ということを考えることに今、とても夢中です。モノづくりは、本当に楽しくて、たぶん性にあっているのでしょうね。私は音響系メーカーへの就職を考えて、今、就職活動に力を入れています。このような回路を作ったら、このように動く。原因と結果を見据えたモノづくりができるエンジニアになりたいと思います。

島崎裕美さん理工学部 電気電子情報工学科 4年

  • 所属研究室:回路システム研究室(佐野勇司研究室)
  • 埼玉県立熊谷女子高等学校出身

基礎理論をしっかり学んで、ものづくりを理論と実践の両面から学ぶ機械工学科。3年次に工作機械メーカーでのインターンシップを経験した高橋航平さんは、製品開発を通して現場の厳しさを体験し、自分なりに考え、理論を立てることの大切さを学んだという。「真剣に指導してもらい、励まして頂いたことは、本当にありがたい体験でした」と振り返る。

父と同じ大学で学びたい

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高校時代から数学は得意だったのですが、理科がどうしても苦手で、文系を志望していました。しかし、高校3年生の秋に父と進路について話し合いをし、父が学生時代に書いた卒業論文を見せてもらいました。父は東洋大学の、理工学部の前身である工学部応用化学科出身でした。卒業論文は、当時の自分には専門的すぎて全然理解できず、自分も大学を卒業するまでの4年間で、これくらいの論文を書けるようになりたいと強くあこがれを抱いたことで、「やはり理系に進もう。父と同じ大学で学びたい」と思い、東洋大学理工学部を志望しました。

現在はとても充実した毎日です。特に3年生の後期から、藤松信義先生の航空宇宙研究室に所属していますが、先生は気さくに研究の相談に乗ってくださるし、研究室の仲間もとても雰囲気がよく、お互いに刺激し合っています。

僕は1年生のとき、外部講師として来校し、流体力学などについてのオムニバス形式の講義をした藤松先生の講義を受講しました。そのときの内容が興味深く、流体力学について学びたいという気持ちが高まったのです。その後、藤松先生が東洋大学に着任すると聞き、ぜひ先生のもとで学びたいと、研究室に入室を申し込みました。

空気の流れを解析する

研究室では、数学を使って空気の流れを説明する研究をしています。これはマッハ数が5以上の時の空気の流れを可視化するための数値シミュレーションのことで、数値流体力学(CFD)といいます。飛行機が飛んでいる時の周りの空気の流れを見えるようにしようとする研究です。

研究方法は、文献を調べて空気の流れの方程式を探し、それに当てはめて数値をシミュレーションしていきます。飛行機など、空気の流れが速すぎるものは、機体の周りで化学反応が起こり、熱が発生してしまうので、方程式も変わっていきます。それを数字で検証し、データ化して可視化します。数学が好きなので、コンピュータで計算していくことには面白みを感じています。

数値シミュレーションで空気の流れを可視化することは、空気の流れが強く影響する、自動車や飛行機などの輸送機器のデザインや設計の改良に役立ちます。こうした研究を深めていけば、いつか東北新幹線はやぶさのような、高速の乗り物のデザインに繋がっていくだろうと信じて研究に励んでいます。

いつか三菱重工で働きたい

3年生の時に、自分と社会との距離を見極めたくて、工作機械メーカーの牧野フライス製作所でインターンシップを体験しました。工作機械の金型作りのための実験などをし、「間違いでもいいから自分の考えを伝えるように」としごかれました。わずか2週間の体験でしたが、社員でもない自分と真剣に向き合い、励ましてくれたのです。貴重な経験でした。その様子を事後報告会でプレゼンテーションする機会がありましたが、こちらでも思いがけず高い評価をいただき、理論の立て方や研究への取り組み方が身についていると、大きな自信になりました。

卒業後の進路は、大学院への進学を希望しています。今取り組んでいる研究は、4年間では足りません。大学院へ進み、流体力学や数値流体力学の研究をさらに深めていきたいのです。そして、いつかは航空機開発の最高峰である三菱重工業に就職したいという目標をもっています。業界最先端の現場で、安全で速い航空機の開発に携われる日を夢見て、これからもがんばります。

高橋航平さん理工学部 機械工学科 4年

  • 所属研究室:航空宇宙研究室(藤松信義研究室)
  • 千葉県・私立木更津総合高等学校出身

「今は写真研究会に夢中です!」という田代裕実さんは、大好きな女優さんの影響で小さいころから弁護士にあこがれ、法律学科を選択。しかし「今はまだ大学に入学したばっかりで、いろいろなことに興味がある。道は1本に絞らずに学んでいきたい」と言う。 やっとサークルが決まったばかりで、何もかもこれからの1年生。そんな彼女に、法学に対する学びの姿勢を聞く。

ドラマの弁護士にあこがれて

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私の大好きな天海祐希さんが主演されていた『離婚弁護士』というドラマの影響だと思うのですが、作中でも困っている人を法律で助ける姿を見て、弁護士に憧れをもっていました。その思いから、法律学科を選びました。

何しろまだ入学したてで、法律の基礎中の基礎を学んでいる段階ですから、法律学科ならではの学びはこれからなのですが、法律を勉強して思うのは、私たちの生活の根底には法律があり、人は人が決めたルールに守られて暮らしているな、ということです。 法律とは非常に身近な存在だということを日々感じます。

日々のニュースもフォローせよ

高校と大学の学びで異なるのは、何と言っても復習より予習の比重を高めた方がいいということです。先生も授業の最後には、必ず次回の予告をしてくださるので、必ず予習をする。そうすることで、授業の理解度がぐっと高まります。

そして、日々のニュースに関心を持つことも大切ですね。先生はよく実際の事件を例に授業を進めるのですが、「こういう事件があったよね」と言われて知らないと、「これを知らないのはマズイよ」と突っ込まれてしまいます。

高校生のころは受験勉強に精一杯で、世の中で起きている事件や事故などを知る余裕もありませんでしたが、やはり新聞などを読むクセをつけておくんだったなと悔やみますね。法律では、事件に対して、どのような判例が出たのかを把握するのが大切なので、今ではきちんとニュースを見て、実社会ではどんなことが起きているのかを調べるように努力しています。

そう言えば、昔は「何が起きたのか」という事件や事故の内容そのものが気になっていたのに、今は「事件や事故にかかわった人たちは、どう裁かれるのだろう」と、報道を見る視点が変わってきたように思います。

どんどん聞いて吸収しよう

法律を学ぶというスタートラインは、みんな一緒です。最初は専門用語などわからないことだらけですが、わからないのはみんな一緒。恥ずかしがらずにどんどん先生に聞いて、何でも吸収していきたいですね。先生も親切に答えてくれるので、遠慮はいりません。

先生には裁判を傍聴するのも勉強になるよと言われています。裁判は法の現場になると思うので、今から傍聴に行くのが楽しみです。

今はいろいろなことに興味があるので、さまざまな道を模索していきたいですね。4年間でゆっくり夢を探して、楽しみながら何を極めるか決めたいと思います。

ようやくサークルも決まって、いよいよ本腰を入れて学ぶ季節です。法律に沿ってバランス良く物事を見ていける目を養いたいと思います。

田代裕実さん法学部 法律学科 1年

  • 神奈川県・私立桐蔭学園高等学校出身

企業活動のあらゆる側面を研究対象とする経営学科では、基礎的な経営学を学びながら、社会人として通用する幅広い視野と考え方を身につけていく。「社会人3年目に負けない力を身につける」という中内ゼミで学んだ細川友里恵さんは、成長の先に多くの人の感動と喜びがあるような働き方をしたいと語る。

難関のゼミ試験を突破

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経営学部経営学科を選んだのは、正直なところ消去法でした。理系でもない、文学部も法学部もちょっと違うと感じると同時に、起業して自分が経営者になるということにもあこがれて志望しました。結局、起業するプランは未定のままですが、経営学科で企業経営の根幹に関わる組織論や、市場の動き方などを興味深く学ぶことができました。

経営学部は2年次からゼミナールに所属するのですが、私は経営戦略論や組織論を学ぶ「中内基博ゼミ」に入りました。経営学科だけかもしれませんが、ゼミに入る時に試験があるのですよ。倍率は毎年違いますが、私は50人受験して15人合格という難関を突破することができました。試験は書類審査と面接試験。面接試験では教授だけではなく、教授の後ろにゼミ生全員が並んで面接官として立ち会うので、緊張しました。無事にゼミに入ゼミした後、今度は自分が3年生、4年生となって後輩の面接をする側になるので、不思議な感覚です。学生の間に、面接をされることはあっても、面接官になる機会はまずありませんから、その経験は今、活動中の就職活動でも役に立っていると思います。

社会人3年目に負けない力

ゼミではさまざまなことを学びました。中内准教授の口癖は、「過去を超えろ」です。常にトップを超えていくことが求められる環境の中で、いつも誰かが順番に研究発表しなければならないので、その準備が大変です。発表資料を作成したり、先輩の発表を聞いたりすることで、物事を論理的に考える力、人の発表を何でも受け入れるのではなくて自分なりに考える力などを身につけることができたと思います。時に問題を疑う事も必要でした。

ゼミに入りたての2年生のころは、先輩たちがプレゼン用ソフトのパワーポイントを使って、スラスラと自分の考えを発表する姿を見て、驚き、あこがれたものです。そんな私ももう入室3年目ですから、パワーポイントで資料を作成する技術はだいぶ上達しました。

つい最近データを整理していて、ゼミに入る前に初めて一人で作ったパワーポイントの資料を見つけました。ただ、その資料が恥ずかしいくらいに何もできていなかったのですが、見ているうちに、どうしたらより良いものが作れるか客観的に考えている自分が居ました。今では、写真やアニメーションを挿入して飽きないように工夫したり、短い言葉を絞り込んで、相手にわかりやすい発表用資料が作れます。本当に、3年前の自分から大きく成長したことを実感します。

仕事を通して成長したい

今は就職活動の真っ最中です。この3年間で学んだ経営に関する知識は、就職活動での志望企業の選択にも役立っています。人の暮らしに役立つ仕事をしたいと思っているのですが、経営学で学んだ知識を活かして志望企業の事業内容を分析し、自分が挑戦したいこととの重なりを見つけています。

実は東洋大学には一浪して入学したので、大学生活で何かを残したいという焦りがありました。ゼミを通じて過去を超え続けた結果、自分には「社会人3年目に負けない力」が身に付いたと信じています。将来は、いろいろな働き方があると思いますが、ずっとバリバリ働き続けたいと思っています。ゼミでいろいろと学び、自信になったように、仕事を通して成長したいです。どんな職業でも、成長の先に多くの人の感動と喜びがあるような働き方をしたいと思っています。

細川友里恵さん経営学部 経営学科 4年

  • 所属ゼミナール:中内基博ゼミナール
  • 神奈川県立生田高等学校出身

イブニングコースは授業開始時間の違いこそあるが、学部間の相互聴講制度などで他学部の学生との交流チャンスは多い。経済学科3年生の島田直紀さんは自ら部長となりスポーツサークルを立ち上げ、第1部の学生と一緒に体を動かし、大学生活を満喫している。就職活動が始まる前の目標、それは部員全員でバレーボールの大会に出場することだ。

入門演習で、大学で学ぶ基礎力を体得

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高校時代に東洋大学のオープンキャンパスに参加し、明るい雰囲気が心地よく、「ここで学びたい」と感じました。イブニングコースは学費が割安なのに履修できる科目の幅が広く、特に経済学科は2年次に必要な単位を修得すれば、3年次から昼間の授業も受講できるということに魅力を感じました。

高校時代は勉強が苦手で、どちらかというと性格も内気な私は、大学生活について不安を抱いていました。イブニングコースの学生は社会人など年齢層が幅広く、高校を卒業したばかりの自分でも馴染むことができるか、勉強にはついていけるだろうか、と心配だったのです。でも、1年次に必修だった少人数クラスの「入門演習」で澤口隆先生に出会い、その不安が消えました。演習では、レポートの作成方法やディスカッションの方法、プレゼン用ソフトのパワーポイントの使い方や文献の検索方法などから、友だち作りの大切さまで、「大学で学ぶための基礎力」を身につけます。澤口先生のいろいろなアドバイスのかいがあって、この演習で最初の友人を作ることができました。

友だちができ始めると、自分の中に無意識に作ってしまっていた「第1部の学生との壁」も自然に消えました。1年生の6月には、新しくできたばかりの友だちと一緒に1部の学生にも声をかけ、いろいろなスポーツを楽しむサークル「ボナンザ」を立ち上げたのです。私自身が部長になり、澤口先生に顧問をお願いしました。私が昼間アルバイトをしているスポーツセンターを活動拠点に、1部の学生もイブニングコースの学生も一緒に、みんなで体を動かしています。

一番の魅力は幅広い知識を学べること

イブニングコースの経済学科の魅力は、効率よく学べるカリキュラムが多く、どの科目も第1部と同じ先生が指導してくださるところです。たとえば、「現代経済入門」は、1年間で毎回別の先生がそれぞれの専門分野をオムニバス形式で教えるという授業でした。難しい専門用語をかみ砕いてわかりやすく解説する授業を通じて、経済学への関心が広がりました。

また、経済学とは直接は関係ないながらも、社会人として必要な教養を学ぶ「基盤教養科目」も充実しています。「入門演習」担当の澤口先生の専門は地学で、46億年の地球の変動を学ぶ「地球の科学」の授業は、壮大で圧倒されました。生命の進化の歴史や地球の誕生の様子を学び、人類が経済活動を始めた歴史と宇宙の歴史をつい比較してしまいました。

就職活動へのカウントダウン

3年次になると、専門科目がどんどん魅力的になってきて、時間が足りなく感じています。大学に入学する前は、昼間の授業を履修しようと3年次を心待ちにしていましたが、いざ3年生になってみると、イブニングコースで学びたい科目が多すぎて、困っています。

もうすぐ就職活動が始まります。先日受験した適職発見プログラムで、警察官が向いていると診断されたので、その勉強も始めました。サークル活動も、就職活動が始まれば活動休止です。それまでにみんなで一緒に大会に参加しようと、最近、週に3回ほど、バレーボールの練習を始めました。学びたいこと、やりたいことのポイントを押さえて、悔いのない就職活動に臨みたいです。

島田直紀さんイブニングコース 経済学部 経済学科 3年生

  • 所属ゼミナール:太子堂 正称ゼミナール
  • 東京都・私立修徳高等学校

「将来のことなんてまだ何も決めていないという人にこそ、さまざまな分野で応用が利く経済学科をオススメします」と青山麻衣さん。幅広く世の中のしくみを学べる経済学科の学生は、その就職先も多様。先輩方のさまざまな経験談に触れられるのも魅力だ。日々の暮らしとは決して切り離すことのできない「経済」を学ぶ中で、自分のやりたいことを見つけ出そう。

1年次からゼミが必修!?

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私が経済に興味を持つようになったきっかけは、数学が好きになったことでした。高校2年生のとき、不意に、パズルのピースがはまるように数学が解けるようになり、数字を扱う学科に進むのもいいなと思うようになりました。そこで、進路の選択肢として経済学科が急浮上してきたのです。

さらに高校の先生から「東洋大学の経済学部はいいよ」と勧められたことも手伝って、本学を受験。でも、恥ずかしながら、いったい何がいいのか、その理由も追究しないまま、あまり明確な目的意識も持たないままに大学生となりました。

経済学科では、1年次からゼミナール(ゼミ)を経験します。ゼミがどういうものかも知らないまま、全員が必ずゼミ生となるのです。高校まではゼミなんてありませんから、最初は戸惑うばかりでした。私の経済学科の入りは、本当に分からないことばかりでした。

大学生としての学び方を知る

ただ、ゼミが必修として用意されていることで、大学生としての学び方やレポートの作成方法、ディベートのルールなど、高校までとは違う学びのテクニックを、迷うことなく習得していくことができました。

大学ではいくらでも自由な時間を作れるので、ついつい自分を甘やかしてしまいがちですが、こうして最初からゼミを経験することで、大学生としての学習習慣が身につき、実際に自分で研究テーマを探す段階になっても慌てない「学ぶ力」を得られたと実感しています。

今なら、高校の先生が仰った言葉の意味がわかるような気がします。きっと、学ぶ力を得られる有利さを、早くから身につけることができるから、東洋大学の経済学部を勧めてくださったのだと、今の私は感じています。

4年次には卒業論文が待っていますが、私は女性が働くことの意味や意義、女性が働くことによる社会への影響などを研究してみたいと考えています。

多種多様な先輩方も財産

経済学とひとくちに言っても、その範囲はあまりに幅広く、先輩方の就職先も多種多様です。経済と直結する金融業から、不動産、建設、製造、小売、公務員、情報通信、メディアなど、思いつく限りのさまざまな分野で活躍していると言っても過言ではないほどです。

どんなに小さなお金の動きでも、物と物との交換でも、それは経済です。私たちの暮らしは、経済活動なしには成り立ちません。そう考えると、これだけ就職先が幅広いのも納得できることでしょう。

幅広く学べるということは、むしろ、さまざまな分野で活躍できるということでもあります。私もそうでしたが、むしろ将来像が明確に描けていない人ほど、いろんな分野が研究対象である経済学部が向いていると思います。

大学の4年間でじっくりと学び、自分の将来を描いてください。私も今、就職先が公務員か報道関係かでまだ揺れていますが、先輩から「公務員の広報という手もあるよ」と教えられ、なるほど!と視野を更に広げているところです。

青山麻衣さん経済学部 経済学科 3年

  • 所属ゼミナール:吉田明子ゼミナール
  • 愛知県立岡崎北高等学校出身

もともと文系学部を志していた森本貴大さんは、情報処理の、実はシンプルなしくみを知り、「かっこいい」と一気にひかれた。いきなり文系から理系に進路変更するのはハードルが高いのではないか。そんな不安を解消する文理融合の学部の存在は、とても心強かったと振り返る。4年生の今なお、学びの対象範囲は広がるばかりだ。

理解した先を追求することが大事

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就職活動を始めて気づいたのですが、「自分で理解し、そこから何を考え、発展させようとしているのか」という、企業面接でも問われるこのことこそ、大学における学びの特徴ではないでしょうか。大学では、外に足を運び、手を動かし、体験することで自分がどう感じるか、そこにどんな課題があるのかを意識するということが経験できます。しかしそこでは、高校での学びのように「教えてもらって理解する」のではなく、自分で考えて行動し、「わかった、だからその先はどうなのか」というところまで、学びの質を高めなければなりません。何かを選択する際には必ず理由があるように、それを学ぶことで何を知りたいのか、自分なりの解釈が求められるのです。

私は、ゼミ活動で訪れた「みなみかぜ いきいき田んぼの会」という地域の交流会で、学内とは違う世代や経験を持つ人々に出会い、そこから何かを始めたいという思いに強くかられました。自分自身でも驚くほどのめり込めたこの経験も、自ら動くことによって得られたものです。まさに自ら動くことの意義を実感できました。

文理融合の奥深さを実感

総合情報学科には、「情報科学」「環境情報」「心理情報」「メディア文化」という4つの専門分野があります。私は、情報科学と環境情報を軸にして学びました。

ゼミ活動はまさに環境情報系。「みなみかぜ いきいき田んぼの会」は、社会福祉法人みなみかぜが運営をし、農作業を中心とした活動を通して地域の交流を深める地域交流会です。世代を越えた交流の活性化を図るイベントに参加し、お手伝いをしているうちに、この団体の5周年記念イベントを研究室でのテーマとして取り上げることになりました。今まさに、企画立案をして研究に広げていこうという段階です。

情報科学分野では、コンピュータの原理や画像処理を学び、単純な考え方から複雑な結果が導かれるコンピュータの奥深さに触れています。

このように文理融合の学びはとても興味深くて、他の2分野に触れていないのが悔やまれるほど。学べば学ぶほど、他の分野を知りたくなってくるのです。

自分を限定しないで向上したい

将来は、「困ったら森本に聞けばいい」といわれるような人間になりたいです。自分を限定せず、どんな場面においても頼りになるような幅広い知識を持ち合わせたい。仕事においても、もしソフト開発関連企業に就職できたら、企業システムを開発したいと考えています。企業から依頼されて、どんな要望にも応えられるような万能スキルを身につけるためには、常に学び続けなければなりません。そのための努力の第一歩として受けたのが、「情報処理技術者試験」です。ITパスポート試験、基本情報技術者試験、応用情報技術者試験という試験に毎年一つずつ挑戦し、本学科で得るべき必要な知識をきちんと押さえていることが確認できました。

自分にできることを決めつけずに、幅広い学びのフィールドに飛び込んで良かったと今では痛感しています。

森本貴大さん総合情報学部 総合情報学科 4年

  • 所属ゼミナール:環境コミュニケーションゼミナール
  • 東京都立調布南高等学校出身

木の香り立つ研究室で、木造建築への熱い思いを語ってくれた建築学科の高岩裕也さん。高校時代から建築を学び、数々のコンテストで受賞。東洋大学には「松野教授に師事したい」という確固たる目的で入学した高いモチベーションの持ち主だ。そんな彼が今も追いかけているのは、心を突き動かすような家を建てた祖父の背中だった。

尊敬する教授のもとで木造を学ぶ

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僕の祖父は大工でした。祖父の建てた家は、大工ならではのこだわりを持って造られており、子どもながらに惚れ惚れしていました。高校生の頃から専門的に木造建築を学んでいるのも、祖父の影響が大きいですね。

東洋大学の建築学科を選んだのも、木にフォーカスした建築の研究をしている数少ない大学の一つだったからです。なかでも、伝統的な木造建築から今日の「新木造」までをテーマにしている松野浩一教授の研究室に入ることが、入学当初からの目標でした。

「新木造」というのは木材だけでなく、その他の材料を組み合わせて、昔ながらの木造建築よりも耐震性や耐火性などに優れた造りを実現した構造のこと。僕自身は古い木造建築を残していくほうにも興味がありますが、そのためにも木造の構造(しくみ)をいろいろな角度から知っておかなければいけないと思い、松野教授のもとで学びたいと考えていました。

本来、研究室には4年生から配属されるのですが、授業中に常に質問していたからか、2年生の初め頃に松野教授に声を掛けていただき、以来、研究室の活動に参加するようになりました。

中尊寺境内の庫裡耐震改修プロジェクト現場に参加

古い木造建築に魅力を感じるのは、祖父の記憶も大きいのですが、純粋にデザインそのものも好きなんです。

最近、訪れた奈良の唐招提寺には圧倒されました。お堂の正面に連なる8本の柱が、ギリシャのパンテオン神殿の柱とそっくりなんです。このお寺は鑑真に由来していますが、ギリシャと同じ思想がシルクロードを渡ってやってきたんですね。さらに大屋根の反りに日本人独特の美意識も盛り込まれている。いにしえの人の営みのダイナミックさに思いをはせながら、いつまでも眺めていたくなる建物でした。

研究室でも企業とタイアップして、平泉にある中尊寺境内にある庫裡の耐震改修設計を現在進行中ですが、古い建物はできるだけデザインを変えたくないと思います。新しい建物はいくらでも建てられますが、その時代時代の技術や様式を残すことも文化として大切なことだと思うからです。そこで、木造の古建築の構造的な再評価と補強工事方法の検討をしています。

人の心を動かす建物を造りたい

僕がこの大学で一番学んだのは、「建築に携わるものであれば、思想や哲学を持たなければいけない」ということでした。建築にはルールはあるけれど、正解はなく、様々な視点での判断が必要です。これは建築の分野であれば全てにおいて共通して言えることです。例えば、建築家であれば、自分の美意識や周辺環境との調和、そこに暮らす人に与える影響などに思考を巡らせなければいけないということです。

僕が木にこだわるのも哲学の一つと言えるのかもしれません。二酸化炭素を溜め込む性質がある木の建物は、環境の面からも最近は需要が高まっています。特に法改正後は、公共建築には多く取り入れられるようになりました。

でも、国内外の建築家の本を読んだり、教授たちの話を聞いたりすると、もっと深い思考のもとで木造建築を考えなければいけない、と思います。この大学には松野教授をはじめ、哲学を持った素晴らしい先生がたくさんいます。

卒業後は大学院に進みますが、その後は建築設計の現場に出ようと考えています。僕にとっての祖父の家のように、人の心を突き動かすような建物をいつか造ってみたいという夢があるんです。

高岩裕也さん理工学部 建築学科 4年

  • 所属研究室:構造設計+木造建築研究室(松野浩一研究室)
  • 都立総合工科高等学校建築・都市工学類型出身

3・11の大震災をきっかけに、「自分にできることは何か」と考えた人も多いだろう。再生可能エネルギーの可能性に挑んでいる上松和樹さんもその一人だ。出身地である風光明媚な観光の町で、ほのかに芽生えた環境への意識。そして大学という奥深い学びの場を経験した今、その視線は世界へと向けられるようになった。

これから注目すべき「小水力発電」

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海と山に囲まれた自然豊かな観光地に生まれ育ったこともあって、環境には以前から興味がありました。一方で、地図を眺めるのも好きだったので、高校時代には「道路や橋など、自分の手掛けた仕事が地図に記されたらいいな」と考えたこともあります。

現在、所属している研究室は「再生可能エネルギー」などをテーマにしていますが、もしも将来、発電所の設置などに関われたら、二つの夢が同時にかなうことになりますね。

3・11の大震災以降、再生可能エネルギーへの注目が高まっています。なかでも僕が今注目しているのは「小水力発電」と呼ばれるシステムです。これは農業用水路など、水の落差が小さいところでも発電できる技術なのです。

主な水力発電はダムですが、「小水力発電」はダムと違い、周囲の生態系への影響もなく、農業や上下水道などに使われている水力を応用できるので一石二鳥と言われています。もちろん「小水力」だけで日本の電力をまかなうのは難しいと思います。でも、複数の再生可能エネルギーをうまく組み合わせれば、きっと何かできるはず。卒業後は大学院に進みますが、引き続きこの課題に取り組んでいくつもりです。

水がもたらす豊かで快適な暮らし

理工学部のキャンパスがある川越は、東京のベッドタウンらしい繁華街もあれば、江戸の町並みが保存された蔵町、そして少し離れれば自然豊かなエリアもある広大な地方都市です。地下水も豊富で、戦後しばらくは深井戸で水をまかなっていたと聞きます。

演習の一環として、市内の水インフラについて調査をしたことがあります。中心街はまさに都会という感じなので、水源の河川からどのように水道を引いているのか興味がありました。調査では、川越市役所のみなさまに、いろいろとお世話になりました。

僕自身も川越市に3年間住んでいますが、暮らしやすくていい町だと思います。水に恵まれていると、都市環境もよくなるのだということが、川越市を例にとってみてもわかります。

小水力発電も含めて、「水」が人の生活にもたらす影響については、これからもっと深く追求していくつもりです。

基本は人と環境を大切にすること

将来はやはり環境に携わる仕事──それも人の暮らしの基盤を支える職種として、公務員になりたいと考えています。

環境と共生した都市づくりは、日本だけでなく世界規模で取り組むテーマです。そのため、英語力をつけようと、イングリッシュクラブに参加しています。また昨年からは、学生向けに英語の補習をサポートする「英語学習支援室」でアルバイトを始めました。キャンパスの中でアルバイトができるのはありがたいですね。

僕が研究しているテーマは環境ですが、ほかにも道路や橋づくり、防災システムの整備など、さまざまな都市づくりを研究している学生がいます。

テーマは人それぞれですが、どんなアプローチにしても最終的に大切なのは「人を大切にすること」だと感じています。つい最近もトンネル崩落事故がありましたが、ずさんな工事やメンテナンスは命を奪うことにもつながってしまいます。そうした都市づくりをめざす者としての倫理観も、大学で養えた大きな財産の一つです。

上松和樹さん理工学部 都市環境デザイン学科 4年

  • 所属研究室:循環評価システム研究室(村野昭人研究室)
  • 静岡県立下田高等学校出身

理工学部は男子が多数派だ。しかし、なかには富澤茉佑香さんのように、女子ならではの切り口で「化学のものづくり」に挑んでいる学生もいる。実験などでチームを組むことも多いだけに、女子はみんな仲良しなのだという。暮らしの中の「もっとこんなモノがあったらいいな」という気づきや発見は、案外ガールズトークからも見つかるのかもしれない。

敏感肌の悩みが応用化学の入口に

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私の悩みは敏感すぎる肌。ちょっとパッケージがかわいいな、と思って適当に化粧水などを選ぶと、すぐに肌荒れを起こしてしまうんです。そのため、今はきちんと成分をチェックしてから買うようにはしていますが、敏感肌用の化粧品は選択肢が少ないし、値段もけっこう高いんです。

きっと、私と同じような悩みを抱えている人はたくさんいるでしょうし、もっと手頃な価格の敏感肌用の化粧品が増えたらみんなうれしいですよね。だったら私が作ります!今はまだムリですが、将来は化粧品会社の開発部に入ることを目標に定めて、応用化学科で学んでいるところです。

身の回りを見渡すと「もっとこうだったらいいのに」というモノってたくさんありますよね。友人の一人は土に溶けて環境に戻るプラスチックの研究をしていますが、「応用化学」というのは「もっと人の暮らしをよくしたい」という思いがベースにあると思います。今は生活の中のほとんどのモノに化学物質が使われていますから、私のように「こんなモノがほしい!」という個人的な望みもかなうかもしれない、とても面白い学問なんですよ。

教科書だけでは得られない学び

中高生の頃から化学は好きでしたが、実践を通して学べるのは大学ならではの学びではないでしょうか。器具や薬品もずらりとそろっていて、本格的な実験をする授業もたくさんあります。もちろん、基礎として覚えなければいけない化学の専門用語などもグンと増えますが、入学当初は高校の復習から入るので特に心配はありません。しかも、高校では教科書で覚えることしかできなかった実験を、実際に体験できるのが楽しいんです。

たとえば教科書で、「こういう実験をすると、こういう結果が得られる」と書いてあったことも、正しい手順を踏まなければ、正しい結果は出ません。大切なのは「実験と結果」ではなくて「プロセスと考察」。器具や薬品の扱いに慣れることも、結果までの過程について深く考えることも、大学ならではの「教科書では得られない学び」です。

応用化学科では、中高の理科と数学の教員免許、工業高校の教員免許を取得することもできます。私は今、中学と高校の理科の教職課程を履修しています。実験や講義など、やることがたくさんあって大変な毎日ですが、がんばって学んでいます。大学ではがんばればがんばっただけ成果が得られ、達成感が得られるため、“学ぶことが楽しい”と思える学生生活を送ることができると思います。

夢は人生を豊かにするコスメ開発

現在の目標は少しでも早く研究を始めること。研究室には4年生から配属されるのですが、3年の春学期中に一定の単位を満たせば仮所属ができるので、今はとにかく単位取得に集中しているところです。

入室したいのは化粧品にも関係する、有機合成の研究室です。実験の講義も楽しいのですが、研究室では1年間かけて一つのテーマを追究できるだけに、より大きな達成感が得られるのでは、と今からワクワクしています。

最近はアレルギー体質の子どもが増えているので、これからは敏感肌用の化粧品の需要が高まると思います。肌が弱くなってきている高齢者の方々も、お化粧を楽しみたいはずです。肌に優しくて誰もが手に取りやすい。そして人生まで豊かにできる化粧品を、いつか自分の手で生み出したい。それが私の夢なんです。

富澤茉佑香さん理工学部 応用化学科 3年

  • 群馬県・私立東京農業大学第二高等学校出身

祖母の介護や犬の保護活動を通して、「食」について考えるようになったという、食環境科学科の杉磨彩子さん。「食事は大切な人を、幸せにも不幸にもするんです」と語る大きな瞳は、フードスペシャリストとしての使命感にあふれている。念願のペットフード業界への就職も決まり、現在は4年間の集大成としての研究に没頭中。はつらつと学会デビューする日も近い。

大切な人に安全で美味しい食事を

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食に興味を持つようになったきっかけは、認知症を患っていた祖母の存在でした。晩年は言葉もうまく話せなくなっていましたが、食事がおいしければ笑顔を見せてくれたし、まずいと吐き出してしまう。「食」って人を素直にさせるんですね。

おいしい、まずいというのは人それぞれの好みもありますが、体に安全か、健康的であるか、という観点からも食を考えたい。そんな思いから、食環境科学科を選びました。

食品添加物のことは何となくは知っていたものの、実験で目の当たりにするとビックリするばかりです。たとえばお菓子などに使われている色素も、天然由来のものはキレイに消化されるのに、合成色素の中にはいつまでも体の中に残ってしまうものもあるのです。

調理実習で自分たちで炊いたご飯と、コンビニなどで売っている保存料が入ったご飯の味の違いを、科学的に比較したこともありました。

食品表示の見方も学んで、買い物をするときには必ずパッケージを見るようになりましたね。大切な人たちには安全なものを食べさせてあげたいし、自分も安全なものを食べたいですから。

食から考えるペットの幸せ

就職活動はフード業界でも、健康意識の高い企業をピックアップして回りました。最近は大手企業でも、添加物をなるべく減らしていこうとしている企業が増えていますね。いくつか内定をいただいた中で決めたのは、第一希望だったペットフードの会社。私は犬の保護活動をずっとしているんですが、食事が悪かったせいで痩せているだけでなく、毛が抜け落ちてしまっていたり、中には失明していたりする犬にもたくさん出会ってきました。

また、最近はペットもどんどん高齢化が進んでいますが、家族として「少しでも、健康で長生きしてもらいたい」というのはすべての飼い主さんの願いだと思います。

ペットは自分で食事を選べません。だからこそ飼い主さん、もっと言えばペットフード業界の責任は大きいと思っています。1匹でも多くのワンちゃんが幸せになれるようなペットフードを世の中に送り出すこと。それが来年からの私の目標になります。

大学4年間の集大成を学会に

大学生活もあと1年。最後に私が研究テーマに選んだのが、「睡眠と栄養の関連性」です。睡眠も食も健康を決める大切な要素ですが、その二つが密接に関係し合うことで、人体にどんな影響があるのか、東京大学の研究室と共同で解析しています。

食生活や栄養状態などについてのデータを1万人近く集めましたが、なかなか興味深い結論が出そうなんです。

今は、とにかく研究に没頭できるのが楽しいですね。社会に出たら、掘り下げたいテーマを、時間を気にせずに追究することもなかなかできなくなるでしょうから。

今、めざしているのはこの研究をまとめた論文を学会に発表すること。できる限りの精度の高い結論を出して、大学生活の集大成を飾りたいと思っています。

杉磨彩子さん生命科学部 食環境科学科 4年

  • 所属研究室:食品栄養学研究室(太田研究室)
  • 東京都・私立中央大学杉並高等学校出身

「脳の不思議を解明して、心の病に悩んでいる人を助けたい」。そんな夢を語ってくれた生命科学科の岡丈郎さんは研究にも熱心ながら、バドミントンサークルにアルバイトにと大学生活を存分に満喫している。人と触れあう時間が何よりも好き。そんなフレンドリーな彼がめざすのは、研究室にこもりっきりにならない「アクティブな研究者」だ。

広い学びが深い研究に導いてくれた

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範囲のとても広い生命科学の世界。なかでも僕が興味を持っているのは「脳科学」の分野です。脳は、知れば知るほど不思議なんです。豆腐みたいに柔らかいあの脳が、なぜ人間のすべてを支配できるのだろうと。

うれしいとか悲しいとか、ストレスを感じるとか解放されるとか……。そんな感情を支配しているのも脳の働きです。「心」って実は脳にあるんじゃないかと、僕は考えています。

でも、これだけ大切な器官なのに、いまだ解明されていないことがたくさんあって、だからこそ興味が尽きないのです。4年生になったら脳科学の研究室に入りたいと考えています。

とは言っても、脳にフォーカスしようと決めたのはつい最近のことです。僕はもともと「生命の不思議」のようなことに漠然と興味があって、生命科学科に進みました。でも「生命科学」は、細胞学や神経科学、再生医療、遺伝子工学、微生物学など、ここにあげきれないくらい広い学問なんです。

僕もようやくこの2年間で総合的に学んだことで自分が追究したいテーマが見えてきたという感じです。広い学びから深い研究へ、というステップを踏めるのが、この学科のいいところだと感じています。

好奇心を刺激してくれる教授たち

実験が好きな人だったら、この学科は絶対に面白いですよ。そして、生物学全般に興味があり、まだ学びたい分野が定まらない人にも向いていると思います。生命科学はとても幅広い学問なので、きっと在学中に自分が学びたい分野が見つかるはずです。

入学すると、1年生から週1回は実験の授業があります。最初は教授がついて説明を聞きながら取り組みますが、器具や薬品の扱いにある程度慣れると、学生のチームだけで実験をする機会も増えます。午後から始まって、外が暗くなるまで実験に没頭することもよくありますよ。

高校までは実験と結果で終わっていたけれど、大学ではその先の「考察」が大切になってきます。教科書に載っていることを、ただ確かめればいいということではないのです。

さらに教授から教わるだけでなく、自分で考えることも求められます。大学が「研究機関」と呼ばれるゆえんだと思います。

教授にはとてもオープンな方が多くて、学生と同じ目線で問いかけてくれるので、興味がどんどんかき立てられていきます。研究室も訪ねやすい雰囲気で、教授と学生がともに研究するという一体感があります。そして、勉強だけでなく、いろいろな相談に乗ってくださる教授も多く、とてもよい環境だと思います。

心の病に脳科学からアプローチ

卒業後はまず大学院に進んで、「脳科学」についてさらに深く追究したいと考えています。興味があるのは「脳と心の病」の関係性。心が痛んだり、さらにそれが病気に発展したりしてしまうのも、まだわかっていないことは多いですが、人間の司令塔である脳が関わっているのは確かであると言われています。

僕らは直接、患者さんを治すことはできませんが、「なぜ心が病んでしまったか」のしくみがわかれば、医療も進みますよね。短い大学院生活で果たしてどこまで解明できるのかはわかりませんが、悩んでいる人が一歩でも希望が見えるような発見をしたいですね。

その先は大学に残るか、企業に入るか、まだハッキリは決めていません。でも、自分の性格からすれば、研究室に閉じこもっているタイプではないでしょうね。一人でも多くの患者さんの話を聞いたり、症例を見たり、臨床に参加したり、そんなアクティブな研究者になることが僕の夢です。

岡丈郎さん生命科学部 生命科学科 3年

  • 埼玉県・私立春日部共栄高等学校出身

高校まで長距離走に専念していた近藤なつみさん。しかし、これ以上の成長は難しいかもしれないと自身の限界を感じたとき、自分を前進させてくれたのは「子どもが好き」という幼い頃からの純粋な気持ちだった。現在、幼稚園の先生をめざして資格取得に狙いを定める近藤さんが、子ども支援学専攻を選んだきっかけとは何だろう。

子どもと関わる仕事に就くために

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高校までは陸上に打ち込んでいましたが、あらためて自分の実力を計ると、このままスポーツの道で生きていくのは厳しいかな……と行き詰まり感を抱いていました。

進路を決めるにあたって、将来の自分の姿を真剣に思い描いたとき、脳裏に浮かんだのは、親戚の子どもと遊ぶ自分の姿でした。もともと子どもが好きだった私は、そのとき初めて「子どもと関わる仕事がしたい」という目標を漠然とつかんだのです。

保育や児童支援について学べる学科を探すうちに、東洋大学で「“学び”LIVE授業体験」という入試イベントが開かれることを知り、足を運んでみることにしました。そのときに受けた講義は、里親制度についての模擬授業でした。親の愛を受けられなかった子どもたちの現実と支援方法について、わずかでも触れることのできた私は、子どもと関わる仕事の具体像が見えたような気がして、生活支援学科 子ども支援学専攻に将来を託すことを決めました。

恵まれた環境を活かして

専門学校で保育士の資格を取り、すでに社会に出て働いている友達もいます。そんな友達と話をすると、どんどん先へ進んでいる彼らに比べて自分は……と、焦ることもあります。しかし、4年制の大学だからこそ学べる「学問・知識の深さ」は、きっとこれからの私の力になってくれるはずです。

大学はとても自由で、自分から積極的に学び取らなければ何も得られない場所です。しかし、一方で興味を持って掘り進めれば掘り進めるほど、いろいろなものを探り当てることができます。

入学してしばらくは、先生方がどれだけプロフェッショナルな方々なのか、大学の施設がどれほどに意味を持つものなのかわからず、その恵まれた環境をまったく活かすことができていませんでした。しかし、保育実習室や図書館など、自分次第で活かせるものがたくさんあることに気づき、今では自らすすんでそれらを活用するよう心掛けています。

子どもと関わっていくために

私は今、絵本の読み聞かせをテーマに研究を進めています。子どもたちはみんな絵本が大好き。保育実習でも、先生が「絵本を読むよ」と声を掛ければ、子どもたちは一斉に先生のそばに集まってきます。好奇心いっぱいの目で、ページをめくる先生の手元を追い、絵本を読む声に耳を傾けます。

思えば私も、絵本が大好きでした。今でも心に残っているのは『はじめてのおつかい』です。みいちゃんの声がなかなかお店の人に届かず、不安に苛まれるシーンなど、思い出すだけで胸が苦しくなります。

子どもたちに人気の絵本は、なぜ人気なのか。そもそも絵本の役割とは何なのか。絵本の読み聞かせによって、親子はどんなコミュニケーションを図っているのか。そんな疑問を探りながら、卒業論文へとつなげていく予定です。

卒業後は幼稚園の先生になりたいと考えています。そのためには越えなければならない壁もありますが、幼稚園実習など子どもたちと触れ合う機会を重ね、「絵本を読んで」と言われるような理想の幼稚園の先生をめざします。

近藤なつみさんライフデザイン学部 生活支援学科 子ども支援学専攻 4年

  • 所属ゼミナール:嶋﨑博嗣ゼミナール
  • 千葉県船橋市立船橋高等学校出身

いつもサッカーの応援に来てくれていた祖父母のために、お年寄りに貢献できるような仕事に就きたい。そして豊かな自然に囲まれたキャンパスで、心穏やかに勉強に打ち込みたい。そんな思いから東洋大学をめざし、生活支援学科 生活支援学専攻で学ぶことになった後藤貴行さん。現在は、社会福祉士の資格取得に向けて全力を注いでいる最中だ。

豊かな自然に囲まれて学びたい

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高校時代、サッカーに明け暮れていた私を、一番応援してくれていたのは祖父母でした。試合があると聞いては会場まで駆けつけてくれ、声援を送ってくれたことを思い出します。

そんな2人のために何かできないだろうかと考えたとき、将来の道が見えてきました。「お年寄りのために役に立つ仕事がしたい」そう考えて、福祉について学べる大学を調べ始めました。

今はさまざまな大学で福祉を学ぶことができます。私はそれぞれにどのような違いがあるのだろうかと、オープンキャンパスなどに足を運びました。

そして出会ったのが、ライフデザイン学部のある東洋大学の朝霞キャンパスです。自然が豊かで、穏やかな、落ち着いた空気感。都心にある数多くのキャンパスと違い、いい意味でのんびりとした環境に、言わば一目惚れしたようなものでした。ゴチャゴチャしていて人が多い、にぎやかな場所よりも、緑に囲まれた静かな場所で勉強したい。そんな思いで受験しました。

自分の目標に応じて幅広く学べる

入学してあらためて感じたことは、ここにあるのは豊かな自然だけではないということでした。

生活支援学科 生活支援学専攻では、社会福祉士・精神保健福祉士・介護福祉士などの資格に関する科目はもちろん、健康スポーツ学科や人間環境デザイン学科の科目を含めて横断的に学ぶことができます。社会福祉だけでなく、健康づくりや生活環境などを組み合わせて学んでいくことで、自分の将来の目標を明確にし、より専門的に学びを深めていくことができるのです。

また、実際にお年寄りと触れ合ったり、疑似的に障害を体験したりするなど、体を動かす実習や演習の授業が充実していることも特徴です。実習は大変ですが、経験することでより知識が身につきやすく、実習を終えると自分がグッと成長したことを実感できます。

豊かさの根底は「思いやり」

現在、私は福祉機器を扱う会社から内定をいただき、さらに社会福祉士の資格取得に向けて猛勉強中です。幸い、今も元気でいてくれる祖父母は、私の選択を聞いてとても喜んでくれました。

生活支援学科は、人が豊かに暮らすために欠かせないことを学べる学科です。自分なりに学んできた結果、その根底にあるのは「人に対して思いやれること」だと思うようになりました。

人がどんなことで困っているのかよく見て、どうすればそれを改善できるのか、自分には何ができるのかを考える。みんなが今よりもほんの少しずつ他人のことを思いやれれば、社会はもっと温かく、誰もが生きやすいものになるだろうと思います。

将来、私が企画・製作した福祉機器を、祖父母が喜んで使ってくれたらうれしいですね。そのときまで、2人にはずっと元気でいてほしいと心から願っています。

後藤貴行さんライフデザイン学部 生活支援学科 生活支援学専攻 4年

  • 所属ゼミナール:山本美香ゼミナール
  • 東京都立城東高等学校出身

中高時代は強豪校の野球部員として日本各地を遠征。そしてアメリカ留学を経て、佐藤潤一さんは東洋大学の国際地域学科地域総合専攻に入学した。国内外さまざまな地域を見て回った彼が行き着いたのは、生まれ育った町・仙台に貢献すること。イブニングコースの凝縮した授業に出席しつつ、地域活性プロジェクトに日本各地への旅にと、その学生生活はまさしく「充実」の一言に尽きる。

仙台の魅力を日本中に伝えたい

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生まれ育った町・仙台の発展に役立てる人間になりたい。それが、僕がこの学科を選んだ理由でした。

昔から行動派なほうで、部活の遠征に、留学に、旅行にと、国内外のいろいろな地域を訪れてきましたが、仙台に帰ると「やっぱりいい町だなあ」とあらためて思うんです。まず自然が豊か。そして食べ物が美味しい。歴史・文化的な見どころもたくさんある有数の観光地です。

ところが、大学に入って周りに聞いてみると「仙台?行ったことないなあ」という人が意外に多く、魅力が伝わりきれていないのが残念でした。

あの震災から2年。仙台の中心街はだいぶ復興も進んでいます。でも、農村部や山間部はいまだ手つかずの地域も多く、さらには農家の後継者不足や過疎化といった深刻な問題も抱えています。

卒業後は公務員として、観光だけでなくさまざまな形で仙台に人が集まるようなしくみづくりに取り組みたいと考えています。

地域と外国人住民をつなぐ活動に参加

僕が思うこの学科の特徴は「頭で考えるよりまず行動」という現場主義の教授が多いこと。僕自身、行動から学びたいタイプなので、その点でもこの学科はピッタリでした。

昨年から教授の紹介で、横浜市鶴見区のまちづくり活動に参加しています。鶴見には外国人、なかでも最近はブラジル人が多く住んでいるんですが、なかなか地域住民との交流ができていないようなんです。理由は生活習慣や国民性の違いなどいろいろあるようですが、せっかく同じ町に住んでいるのだから、お互いが歩み寄れたらもっといい町になりますよね。

先日は、地域の方々とブラジル人の方々、そして活動メンバーもそろった第一回目のシンポジウムを開きました。思ったより雰囲気も和やかになって、お互いの理解に一歩前進できたのでは、という手応えもありましたね。ただ、具体的な解決にはまだ時間がかかるでしょうし、在学中は僕も精一杯のお手伝いをしたいと思っています。

日本各地を回って

大学生活の思い出としては、とにかくたくさん旅行したことです。有名な観光地だけでなく、過疎地域や住環境、被差別部落など、地域にまつわるさまざまな問題とその現状を自分の目で確かめるために、日本各地を回りました。

資料を読むだけよりも問題意識も高まったし、この経験はきっと将来にも生きてくると思います。

イブニングコースは夕方から夜の2コマだけ。1~3年まではほぼ毎日みっちりと授業が入っていてそれなりに忙しかったのですが、昼間も含めて自分でスケジュールを組み立てながら、時間を有効に使えたのが良かったですね。

ちなみに、仙台と言えば牛タンが有名ですが、意外と地元の人は食べないんですよ。今は帰省するたびに1回は食べますが、さすが仙台を代表する名産だけにどの店も美味しい。地元を離れてみて、あらためて地元の魅力に気づきました。そういう意味でも東京の大学で学べたのは有意義でした。この記事を読んだ方にもぜひ一度、仙台に遊びに来てもらえたらうれしいですね。

佐藤潤一さんイブニングコース 国際地域学部 国際地域学科 地域総合専攻 4年

  • 宮城県・仙台市立仙台高等学校出身

得意分野だった社会科目をさらに深く勉強するために、社会学部社会学科へ。好きなこと、興味のあることを追求していく大学の学びに満足し、面白みを感じている。入試課の仕事を手伝う学生スタッフとしての活動、就職活動に必要な知識とスキルの習得といったことへの挑戦は、「成長し続ける人間でありたい」という彼の想いをまさに体現したものだ。

身の回りすべてから学べる学問

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高校時代から社会科が得意で、特に好きだったのは政経です。「レシート一つからでも社会がわかる」ということを知り、ぜひ大学で深く学びたいと思いました。買い物、家族のあり方、結婚、都市や限定する地域における変化など、何をとっても社会学としてとらえて考察できる。何て自由度の高い学問なんだろうと感じています。

特に人が関わる問題は、身近なこととして考えられるところがいいですね。たとえば、都市における住まい方。少し前までは「ドーナツ化現象」という言葉が生まれたように、郊外型が主流でしたが、現在は都心に住む人が増えてきています。こうした事例は、調査・分析すること自体がすごく面白いのです。一見何か関連性がありそうなことが、実はそうでもなかったりするという“意外な”発見をすることもあります。

自分を作り上げるグループワーク

授業で特に印象に残っているのは、「社会調査および実習」です。課題に対してアンケートを取り分析するもので、5、6人構成の班に分かれて実践しました。僕たちの班が取り上げたのは「若者の幸福度」でした。学生を対象に「ほしいものは何ですか」「何があったら幸福だと思いますか」などの質問を用意し、回答を得ました。学内を中心に活動し、500人ほどの学生から集めたデータをパソコンに入力し、分析ソフトを使って解析したのですが、結論として得られたのは「幸福度は一概に決定づけられない」ということです。

アンケートを作る知識やインタビューの方法、分析する力を身につけるには絶好の機会でした。また、仲間の足を引っ張らないように自分自身がしっかりしなければ、という意識が強まったことも、グループワークだからこそ学べたことだと思います。

自由に学びながら成長し続けたい

大学の学びは手足を動かすものだという感じがしています。高校までは机上の勉強で、「覚える」ということが中心でした。つまり、教えられたことは、そのまま鵜呑みにできたのです。でも大学では、本を読んで覚えることもたくさんありますが、そこから「自分で考える」というステップが加わります。しかも、先生方の考え方もそれぞれ違いますから、学生もそれを理解した上で自身の考えを導き出さなければなりません。

その一方で、自分で好きなことや興味のあることは、どんどん追求していけるのが大学の学びです。卒業論文のテーマも自由に決められますから、好きなことにはどんどん挑戦していくつもりです。

現在は、入試課の業務を手伝う学生スタッフとして、高校生の学内ツアーを担当しています。大学の信用にも関わりますし、責任感が求められ、通常のアルバイトとは少し違う感覚がある仕事です。大学を広報する意味でも、必要最低限の知識を持ってしっかり務めたいと思っています。

自分が希望する企業が求めている資格や技術力についても、今のうちにしっかりと身につけておかなければという思いです。必要なことには努力を惜しまず、いつまでも成長し続ける人間でありたいですから。

吉川昌宏さん社会学部 社会学科 4年

  • 所属ゼミナール:西澤晃彦ゼミナール
  • 東京・私立正則高等学校出身

はにかんだ笑顔がかわいらしい谷由以さんは、もともと数字と無縁な文系女子だ。そんな彼女が会計ファイナンス学科を選んだのは「就職に役立つ知識を養うために」との堅実な理由からだった。しかし今では、掘り下げるほどに奥深い会計の世界に夢中だという。グローバル社会を視野に「国際会計」検定への挑戦をめざしている、チャレンジ精神溢れる女の子なのだ。

数字の見方はひとつじゃない!?

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「会計はビジネスの共通言語」という言葉があるそうです。どの学科を受験するか迷っていたときに、「会計を学んでおけば、どんな会社に就職しても役に立つんじゃない?」と先輩にアドバイスをもらったのが、会計ファイナンス学科への入学を決めたきっかけでした。

会計というと数字が並んでいるイメージだったので、どちらかというと文系な自分に「ついていけるかな?」と最初は不安でした。でも数字って、見る角度によっていろんな読み解き方ができるんですね。入学してみて面白かったのが「統計学」の授業です。あるデータを示すときに、たとえば「このテストの平均点は40点でした」と言われると、みんながみんな40点だったように聞こえますよね。でも、実際は100点の人もいれば0点の人もいるはず。平均点の中身をよくよく調べたら、もしかしたら60点くらいの人が一番多いかもしれない。そういった点数の分布をグラフや図にすれば、単に「平均40点」と言うより、もっとリアルなことが伝えられます。

視点を変えると違うものが見えてくる。そんな面白さを知って、会計だけでなく、統計についてももっと追求したくなりました。

知識の蓄積をニュース報道で実感

決算書とは企業の業績を報告する書面のことで、インターネットなどで一般に公開されています。会計の知識があると、この決算書の見方がわかるようになります。

授業でもよく、さまざまな企業の決算書を読む機会があり、「この企業は業績が上がっているな」とか「ちょっと傾いているかも?」といった経営状況がここから見えてきます。まだ先のことだけど、就職活動にも役立ちそうだと、みんなでよく話しています。

数年前、企業の粉飾決算事件がニュースをにぎわせたことがありましたが、その当時は何が問題の本質なのかがピンと来なかったんです。最近、この事件があらためて取り上げられることが増えて、「そういうことだったのか!」とわかったときはうれしかったですね。いろいろな場面で知識が生きていることを実感できるのも、「会計学」という学問の魅力だと思います。

国際会計資格をめざします!

将来は大学での学びを生かして、企業の経理部門で働きたいと考えています。会計ファイナンス学科は、資格に強い学科でもあるので、在学中になるべく取得するつもりです。2年生のときには、簿記2級を取得しました。

東洋大学は英語にも力を入れていて、英語学習の環境も整っています。私もTOEFL®やTOEIC®の特別集中プログラムを履修しています。

そして、今よりもっと英語力をつけたら、「BATIC(国際会計検定)」にチャレンジしようと考えています。今は多くの企業がグローバル化しているだけに、将来的に英文会計の知識とスキルの需要はもっと高まるでしょうし、就職活動する際の強みにもしたいと思います。

入学した頃は自分がこんなに「会計学」にハマるとは思ってもみませんでした。大学には、勉強だけでなく、自分の知らなかった世界に出会う機会がたくさんあります。今は被災地支援の学生団体にも参加していますが、時間のたっぷりある学生時代だからこそできることに、これからもどんどんチャンレジしていきます。

谷由以さん経営学部 会計ファイナンス学科 3年

  • 所属ゼミナール:増子敦仁ゼミナール
  • 千葉県立鎌ヶ谷高等学校出身

幼い頃から、文房具店を営む両親の姿を見て育ち、将来はお客さまが喜ぶ何かを販売する仕事に携われたら、と考えてきた野上悠さん。物が売れるしくみを学ぶためにマーケティング学科に入学し、現在は、学びの面白さを感じながら日々を過ごしている。東洋大学に入学してから、学び、留学、サークル…とやりたかったことをすべて自分の力で実現してきた行動派だ。

データ分析やプレゼン力を切磋琢磨

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実家が文房具店を経営しているので、幼い頃から両親がモノを売る様子を見て育ちました。そして、将来はお客さまが喜ぶ何かを販売する仕事に携わりたいと思い、そのためにまず「売れるしくみ」を学ぼうと、マーケティング学科を選びました。でも、学び始めてわかったことは、マーケティングとは単純に企業の販売方法を知ることだけではないということです。もっと幅広く、社会のさまざまなシーンに当てはまるものでした。販売するモノやサービスを介して、どうすれば企業とお客様がより良い関係を築くことができるのか、そのしくみのすべてがマーケティングであり、学ぶほどに面白さを感じています。

2年次から、国際マーケティング論を学ぶ「李炅泰ゼミ」に入りました。このゼミは2~4年生を合わせて30人ほどのアットホームな雰囲気。毎週交替で誰かが発表するため、先輩方のプレゼンテーションの様子も間近に見て学ぶことができるのは、自分にとって良い刺激となっています。李先生からは研究方法からプレゼン方法まで、優しく丁寧に、そして的確に、アドバイスしていただいています。2年次は数人でグループを作り、テーマを決め、1年間かけて共同研究してきました。

私は2人の同級生と「iPhoneの囲い込み戦略」をテーマに、研究しました。図書館で文献を探し、マーケティング論の枠組みを調べ、データを読み解きました。ソフトバンクモバイルにインタビューの依頼もしましたが、残念ながら実現はできませんでした。でも、その経験も含めて、3人で意見をぶつけながら研究をまとめたことは、大きな自信になりました。3年次は個人研究をするので、現在はテーマ選びをしているところです。市場アンケートや企業インタビューなど、フィールド調査も取り入れた研究に取り組みたいと考えています。

春には念願の短期留学も実現

私は高校生の頃から、大学に入学したらやりたいと考えていたことが3つありました。

1つは企業の経営についての勉強です。まさに希望通りの経営学部に入学でき、現在は毎日楽しく学んでいます。

2つ目は海外留学です。英語が好きで、いつか海外に行って直接英語を学びたいと思っていました。そして、ついに2年次の春休みに国際交流プログラムの「短期集中語学セミナー」を利用し、1か月間のオーストラリア短期留学に行くことができました。参加するにあたっては、事前準備として、大学のSCAT(現:LEAP)プログラムを受講していました。その練習のかいがあってか、ホームステイ先のホストファミリーとの会話も楽しむことができました。こうしたせっかくの学びの成果を大切にするため、現在は東洋大学で学ぶ外国人留学生と交流するなどして、英会話の勉強を続けています。

3つ目はフットサルです。中学生の時、女子サッカーチームに入っていたので、またサッカーをやりたいと思っていました。女子もマネージャーではなく、自分でプレーできるフットサル・サークルを大学内で見つけることができました。週に2回練習し、現在は女子部の代表をしています。

人と接する仕事がしたい

東洋大学には、私のやりたかったことが実現できる環境が整っていました。高校時代に思い描いていた3つのことがすべて実現でき、毎日が充実しています。将来についてはまだ漠然としていますが、ゼミでの共同研究や留学、フットサルを通し、自分は人と接することが大好きなんだなと感じています。

たくさんの人と出会い、相手に自分の考えを伝え、相手の意見を聞き、気持ちよく交流する。友人の数は、高校時代とは比較できないほど増えました。将来は、マーケティングの知識を生かしつつ、お客様と接することができる職場で活躍したいと考えています。

野上悠さん経営学部 マーケティング学科 3年

  • 所属ゼミナール:李炅泰ゼミナール
  • 千葉県立千葉西高等学校出身

「大学に入るまでは周囲に流されがちだった」と語る久郷晴美さん。好きな分野を自分のペースで学ぶ楽しさを実感し、どん欲に新しい世界を見ようとしている。朝の授業を積極的に取って緊張感を保つ一方、twitterで経済新聞の情報を手軽に得るなど、経済知識を蓄積する日々はとても充実しており、海外への意識はますます高まる一方だ。

国内外の経済状況を理解したい

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私は以前から、ジャンルを問わず、海外で仕事をすることに関心がありました。そのためには英語力を身につけることが大切ですが、まずはそれぞれの国の現状を理解したいと思っています。海外を知るには、まず日本の経済事情を理解しておかなければ、比較することさえできません。国際経済学科では、世界各地の経済や社会がどうなっているかを学ぶことができます。

今の日本は国内での需要の拡大が見込めない、では、海外での需要をどう取り込むかが重要です。海外需要をどう取り込むかを考えるうちに、TPP(環太平洋パートナーシップ)や為替レートへの見方も変わってきました。2年生で履修した「国際貿易論」もその一つでしたが、国際経済学科は、「マクロ経済学」「国際金融論」「日本経済論」など、今まさに世界を揺るがしているニュースと関連した内容の授業が多く、たいへん刺激的です。日頃の報道で耳にする用語や新聞記事の内容とつながる事例を授業で学ぶことは、とても面白く感じられます。

人気のゼミでプレゼン力を磨く

益田ゼミはとても人気が高いと先輩から聞き、「そんなに魅力的なゼミなら、きっと充実した内容なのだろう」と思って参加しました。このゼミで学ぶには、日本の経済状況をしっかり把握していなければなりません。

2012年度は、政府が出した日本の経済に関する文書について調べ、プレゼンテーションを行いました。プレゼン経験は、みんなの前で発表する能力だけでなく、他の学生のプレゼンに対する「聴く力」も磨かれます。疑問に思うことや理解を深めたい点については、積極的に質問し、自分なりに消化することができました。

本当に学びたい分野を見極める

高校の勉強は先生から教わるという形でしたが、大学は自ら動かなければ身につけることはできません。そのためにも、進路を決める際には大学の名前ではなく、興味のある学部を選ぶべきだと思います。私自身、好きで選んだ学部学科だから、現在は周囲に流されることなく、自分のモチベーションを維持しながら真剣に取り組めています。本当に勉強したい分野に進んでこそ、“勉強”が生きるのではないでしょうか。そうして学ぶうちに、本当にやりたいことが見えてくるのかもしれません。

1年生の時に語学研修で1ヵ月間滞在したヨーロッパが、私にとって初めての海外でした。日本を飛び出し、広い世界を見ることで自分の価値観も変わるのではないかと思い研修に参加したのですが、やはり他人から話を聞くのと、自ら現地に赴き、様々なことを確かめるのとでは違いました。そしてヨーロッパを知ることで、アジアの魅力にも気づくことができました。アジアこそ、まさに、これから注目すべき地域です。最近は海外インターンシップ説明会に出席したことでアジアへの関心が一段と高まり、現地のボランティア活動に参加しようかなと考えているところです。今、自分が興味を持っていることが、本当に自分が希望する世界なのか、それを確認する意味でも、気になることにはどんどん挑戦していくつもりです。

久郷晴美さん経済学部 国際経済学科 3年

  • 所属ゼミナール:益田安良ゼミナール
  • 東京都立新宿高等学校出身

高校時代の恩師との出会いが、この学科に進むきっかけになったという、教育学科の清水まみはさんは中学教師志望。イブニングコースの学生として、昼間は3つのアルバイトを掛け持ちしてがんばっている。ニコニコと絶やさない笑顔からは想像できない意外な過去。そして大学での学びを通して理想の教育を見出した彼女は今、臨時職員として中学の教壇に立っている。

「やればできる」を教えたい

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中学の社会科の教師をめざしています。社会は暗記科目だとよく言われますが、私はちょっと違うと思います。歴史も確かに年号や人名を覚えれば点数は取れますが、詰め込むだけでは「テスト、大変だったなあ」という記憶しか残りません。でも、歴史の背景にあるもの、時代や事柄、人のつながりが流れになっていることを知れば、社会科の勉強がもっと面白くできると思うんですよ。

そのことに気づいたのは、大学での「外国史」の授業でした。教授の教え方が本当に素晴らしくて、講義に夢中になってしまったんです。実は私も、そんなに歴史が好きだったわけではないんですが、テストの記述ではお褒めの言葉をいただきました。

興味が持てばやる気も出るし、やればやっただけはね返ってくるものがある。それが社会という教科だと思います。そして生徒に興味を持たせるのは教師の役割。「やればできるんだよ」ということを、社会科の授業を通して生徒たちに伝えられる教師になりたいと思っています。

大学で養った教師としての軸

実は私、高校2年生のときに高校を辞めています。そのときにお世話になったのが、当時の部活の先生。高校を辞めて、生徒と先生の関係でなくなってからも、いろいろと相談に乗ってくれました。教師になりたいと思ったきっかけも、その恩師の存在が大きいですね。

教職課程は他の学科でも取れますが、教師になりたいだけでなく、教育そのものを学びたいと思ってこの学科を選びました。

教育の現場に出たら、さまざまな問題に直面することになると思います。そのときにブレないためにも、「何を目的に教育に携わるのか」という教師としての軸の部分を大学時代にしっかり養いたい。教師がグラグラしていたら、生徒までグラついてしまいますから。

イブニングコースは1部と同じ学びを得られますから、私のように学費を自分でまかなっている学生にはとてもありがたいですね。現在3つのアルバイトをしていますが、その1つが中学の臨時職員なんです。生徒たちに「清水先生」と呼ばれると、こそばゆくもうれしくなります。

生徒が勉強をあきらめないために

私は社会教育のゼミナールに入っていて、学校、家庭、地域の連携をテーマに研究をしています。私が特に取り組みたいのは「教育の不平等」です。家庭の事情など、さまざまな理由で進学や勉強をあきらめてしまう生徒はたくさんいます。でも、そこで「もういいや」と思ってしまったら、その子の可能性は閉じてしまう。それって悲しいですよね。

公立中学には勉強ができる子や苦手な子、スポーツが得意な子といろいろいますが、高校はある程度、同じような学力の子が集まります。つまり中学の終わりに、生徒たちは最初の分岐点に立たされるんですよね。

そんな大事な選択の時期だからこそ「あきらめるのは早い!」ということを伝え、やる気を引き出してあげられる存在になりたいんです。

教室ではなるべくニコニコしていたいですね。教師はビシッとしてないといけませんが、軸さえしっかりとしていれば、笑顔でいてもグラつくことはないと思いますから。

清水まみはさんイブニングコース 文学部 教育学科 3年

  • 所属ゼミナール:関直規ゼミナール

「高3のときの英語の成績なんて1でしたからね」と笑って話す廣中憲士さん。今では英語のみならず、中国語検定にまでチャレンジする語学力を誇る。高校時代から一転、廣中さんが学びに対する姿勢を切り替えたのは、ニュージーランドへの語学研修がきっかけだった。1年次の夏休み、廣中さんを変えたのはどんな経験だったのか。

英語ができたら世界が広がる

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英語は大の苦手。高校時代は遊んでばかりいたので、成績もひどいものでした。補習を受けてかろうじて卒業は果たしましたが、当時の私を知る先生や友達が今の自分を知ると、みんな一様に驚きます。

私が英語コミュニケーション学科を選んだのは、英語を自在に使えたらこの先有利だろうという安易な考えからでした。海外の人と英語でコミュニケーションが取れるようになったらカッコイイし、きっと世界が広がる。できることも増える……そう考えたのです。

英語コミュニケーション学科は、英語力を高めることはもちろん、英語を軸としたコミュニケーション能力を育むことを目標に掲げています。よく言われることですが、英語は単なるツールに過ぎません。重要なのは、英語で何を受け止め、発信していくのかという一点です。

ニュージーランドで打ちのめされて

正直なところ、1年生の夏まではあまり勉強にも身が入らず、決して誇れるような学生生活ではありませんでした。

ターニングポイントとなったのは夏休み。語学研修のため1カ月ほどニュージーランドへ行ったのですが、当然、自分の英語などほとんど通じません。しゃべりたいのにしゃべれないもどかしさ、辛さ、悔しさは想像以上でした。

「このままじゃダメだ」という「危機感」と、「英語ができれば人生が豊かになる」という「期待感」が生まれたのは、そのときでした。ニュージーランドから帰ってきてからは、英語に対して真剣に取り組むようになったのです。

もちろん、そうしたショック療法を期待して海外へ行ったという側面もあります。しかし、まさかそこまで辛いとは思っていませんでした。あのときの衝撃は、いまだに私の原動力となっています。

英語を学び、英語を使いたいなら

本気で学び、英検1級を取得するまでに英語力を高めた私は、2年次を終えて1年休学することに決めていました。その1年は、将来のライフプランを練る期間として、前半は海外を旅し、後半は生涯続けられる趣味の取捨選択に費やすことにしました。

旅した国は、韓国、中国、ロシア、イスラエル、パレスチナ、北朝鮮。さまざまな価値観に出会い、中国語の習得にも挑戦するなど、より豊かな暮らしをするための手段を手に入れられたのは収穫でした。

私の人生においては、選択肢が豊富にあることが幸せの条件だと考えています。「○○がしたいけれど、××ができないから無理だ」とあきらめる人生を送りたくないのです。何かを身につけることで世界が広がるとわかっているなら、積極的に身につけていきたいのです。

現在は言語論を中心として、コミュニケーションスキルを高めることを中心に学びを深めています。英語を学び、英語を使いたいなら、この学科はまさに最適と言えるのではないでしょうか。

廣中憲士さん文学部 英語コミュニケーション学科 3年

  • 神奈川県立氷取沢高等学校出身

生物と医学と工学の基礎を学び、医学と工学のかけ橋になる人材を育成する生体医工学科。12ある研究室のテーマも「ストレスが体に与える影響」などの医学系から、「医療福祉機器の開発」などの工学系まで幅広い。カエルが大好きという田口綾乃さんは、生物機械システム研究室で「カエルの飛び込みの動き」を研究している。

生物科学と工学を融合させた幅広い学び

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高校時代から物理が好きで、理科に興味があったのですが、数学が苦手で進路選びには迷っていました。そんな時に「東洋大学の生体医工学科は、生物と物理を合わせた面白い勉強ができるらしい」と知り、志望しました。

私は1年生のときから、生物機械システム研究室(望月修研究室)に通い、生物の構造や機能を工学的に利用し、医学などへの対応をめざす研究をしています。魚や動物、両生類、人間や植物など、生き物の体のしくみや性質、動きを観察・研究し、そのデータを機械の動きに取り入れることができないか、ということを研究しているのです。1年生のとき、私は同級生2人と先輩1人でチームを組み、機械学会の流体力学部門の「流れの夢コンテスト」に「水の舞踏会(ガラス面を伝う水の研究)」というテーマで応募し、優勝しました。まだ学科そのものが新しく、先生方は学生のやりたいと思う気持ちを大事に、幅広い分野の中から興味あるテーマの研究を応援してくれます。

研究室の同級生は「土の中の水の流れの可視化」を研究しています。土の中の水の流れ方はまだわかっていません。流れが予測できると、どんな土にどのように水をまけば効率的なのか、農業での水やりが機械化できますよね。また、研究室の先輩は「魚の尾ひれ形状と推進力」に関する研究をしており、さまざまな魚の尾ひれのモデルを作り、どんな形が流体を送りだす力が強いのか、それはなぜなのかを調べています。これは、人工心臓などのポンプや、水害時の探索に使われるような魚ロボットの尾ひれの形、混合機のヘラの形などに応用することができます。こうした尾ひれの研究では、後輩が文部科学省主催の第1回「サイエンス・インカレ」で研究奨励賞を受賞しています。このように、研究成果が上がれば、すぐに実社会に役立つような研究テーマが多いのです。

カエルの動きの秘密を解明したくて

そんななかで私がテーマに選んだのは、「カエルの行動と認知」でした。2年生のときには、可視化学会や日韓熱流体という国内外の学会で「カエルの行動」について日本語と英語の両方で発表もしました。現在は、水槽の中に水を張り、5センチの高さからカエルを飛び込ませる実験をしています。松尾芭蕉の「古池や蛙飛び込む水の音」という俳句がありますが、実はカエルが飛び込んだ時は、あまり水しぶきがあがらず、ポチャンという音もしません。実は、俳句に詠まれたような音はしなかったのではないか、と言われているのです。

水しぶきもあがらず、音もしないのは、泡の巻き込みが少ないということ。それだけ飛び込んだ時のエネルギーが逃げずに、前に進む力に使われているということです。その飛び込みの姿勢や、皮膚の形状の研究が進めば、競泳の飛び込みの姿勢や、水着の開発、船の底の改良などにも転用できるのではないかと思います。

さらに、カエルは飛び込む時に、水面や地面を認識して飛び込んでいるのか、という疑問もあります。人間なら着地点を見て飛びますが、カエルはジャンプする瞬間には、実は見えていないのではないか。見えないままにとりあえずジャンプして、どこかで体の形を変えて飛び込んでいるのではないか。そうした疑問を解明していきたいと思っています。

理科の面白さを伝えられる先生になりたい

生体医工学科の授業はいずれも実践的かつ体験的で、プレゼンテーションの技術も磨かれます。特に1~3年次の「プロジェクトⅠ~Ⅷ」では、医療機器や計測機器を実際に体験して、自分たちでお互いを計測しながらレポートにまとめ、発表します。また2年次からの「生体医工学実験」では、各研究室での実験・レポートを通して、自分が進む専門分野を見極めることができます。

卒業後の進路は、臨床工学技士や教員、医療・福祉機器の研究開発者や、製薬・食品業界の開発・製造・分析技術者などさまざまです。私の夢は、中学の理科の先生になること。生体医工学科では、専門科目以外に教職課程の授業を履修すれば、中学と高校の教員免許が取得できます。カエルやヤモリなど、生き物がたくさんいる理科室を作り、子どもたちに理科の面白さを伝えていきたいです。

田口綾乃さん理工学部 生体医工学科 4年生

  • 所属研究室:生物機械システム研究室(望月修研究室)
  • 埼玉県立熊谷女子高等学校出身

ディベートを重視し、社会問題の解決方法を学生同士で議論しながら学ぶ総合政策学科。卒業生からは「相手を説得する理論を組み立て、発言する方法が自然に身につく」と評判だ。2年生から学生起業家として活動する近藤珠理さんも「ディベートの力が事業を作る上で役立った」と実感している。

社会問題を経済で考える

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会社経営をする両親の姿を見て、私もいつか起業したいと思っていました。最初は経営学部を考えたのですが、両親に「まずは経済学部でお金の流れる仕組みを学ぶ方がいい」とアドバイスされ、経済学部を選んだのです。

いろいろな大学の経済学部を調べるうちに、見つけたのが東洋大学の総合政策学科でした。経済を学びつつも、社会の幅広い問題についてどう解決すればいいのか、政策立案を学ぶことができる。しかも、テーマは自分の興味のあるものを自由に選べる。「ここで学びたい!」と志望しました。

総合政策学科に入学できて、毎日が充実しています。1、2年次は基礎的な経済学を学ぶと同時に、1年生から所属する少人数制のゼミでは、ディベートの基礎を学びました。学科全体でもディベートを重視していて、1年次に開かれたゼミ対抗ディベート大会はとても盛り上がりました。学んだばかりの経済学を使い、育児休業制度や消費税増税のメリット・デメリットなどの社会問題について討論したのです。熱い議論を戦わす、手に汗握る経験でした。

学生と企業をつなぐ事業にチャレンジ

大学に入学し、私は自分でサークルをつくりたいと思いました。学内には女子学生だけのサークルがないので、女子学生専用のイベントサークルを立ち上げたんです。学内だけでなく、他の大学からも女子学生を集め、料理教室や女性の悩みを話し合うようなイベントをいろいろと企画してきました。

こうした経験を活かして、次は私自身も含めた学生が、社会人ととことん話す機会がほしいと考え、ITを使って学生と企業、専門家をつなぎ、大学では学べないビジネスマナーや仕事の本質を学ぶ学生団体を結成しました。普段、両親や先生と話すことはできても、社会人とじっくり会話する場は、あまりないですよね。私は、社会人からもっといろいろなテーマについて学びたいと思ったのです。そこで学生と、企業・専門家と、大学・教育機関が、連携して学生のレベルアップをめざす事業を立ち上げたんです。

そして、地方の学生や海外の学生と企業をUSTREAMで同時中継し、交流することができました。日本全国の学生と一緒に、普段は話すことができない社会人と話すことができたのは、楽しかったですね。

やりたいことを探す努力

東洋大学は私にとって、自由にやりたいことができるベースです。先生方との距離が近く、何か迷うことがあればすぐに相談することができます。学部学科に関係なく、どの先生も研究室に伺うと「それなら、こっちを勉強してみると、違う考えができるかもしれないよ」と気さくにアドバイスしてもらえます。何か悩んだときも、いろいろな先生が応援してくれました。東洋大学の自由な学風があったからこそ、私はやりたいことに存分に挑戦できたのだと思います。

大学生活は「楽しんだもの勝ち」です。大学の選び方はいろいろですが、ただ偏差値で選ぶのではなく、自分が何をしたいのかという基準で選ぶ勇気を持つことは大切だと思います。自分が何をしたいのかを見つけるための努力を怠らなければ、道は見えてきますから。

私は、年齢や住む地域にとらわれずに多くの人と出会い、話し合いたいと思い、ITを使った事業で実現してきました。これからも人と人をつなげることで、新しい価値を生み出していきたいと考えています。

近藤珠理さん経済学部 総合政策学科 4年

  • 所属ゼミナール:今村肇ゼミナール
  • 福岡県・私立九州女子高等学校(現・福岡大学附属若葉高等学校)出身

空港で搭乗手続きなどを行うグランドスタッフをめざしている国際観光学科の本橋由爽さん。国際線への対応も必要な空港勤務には、英語の勉強に積極的に取り組んでいる。今春には国際地域学部生だけを対象としたオーストラリアへの短期留学に参加。リスニング力が高まるなど、手ごたえを感じたそうだ。

友だちと一緒に夢をめざす

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幼いころから、空港で働くことが夢でした。今は空港での搭乗手続きや、搭乗口でご案内する地上勤務のグランドスタッフをめざしています。空港でグランドスタッフがきびきびと働く姿にあこがれて、旅行で空港を利用しても、サービスを受けるというより見とれてしまいます。昨年の連休には、グランドスタッフの方々が働く様子を見たい一心で、混雑する空港へ見学に行ったほどです。そんな将来像に近づく学びはどこでできるのだろうと志望校を探し、東洋大学の国際観光学科なら実現できそうだと思い選びました。

国際観光学科では、1年次はまず観光の意味や、観光という言葉の由来などをみっちりと学びます。2年次からは希望する進路によって選抜試験を受け、3つのコースに分かれます。「ツーリズム・マネジメントコース」で学ぶのは旅行業や航空業・鉄道業といった運輸業などを対象にした旅行業界についてです。JR運賃の計算方法や、航空予約のシステムなど、具体的に学びます。「ホスピタリティ・マネジメントコース」では、レストランやホテルなど、おもてなしの産業について学びます。調理実習などもあり、一番実践的で、今年は人気がありました。「レジャー&リゾート・マネジメントコース」は、観光地の整備や開発が、地域にどのような影響を与えるのかを、多角的に学びます。

私は空港で働きたいという夢があるので、「ツーリズム・マネジメントコース」を選びました。同じ夢を持つ友だちに囲まれて、最初は「同じことを考えている人がこんなにいるのか」と焦ったのですが、むしろ夢に向かって一緒にがんばれるので、今ではそれが強い励みになっています。

短期留学でリスニング力に自信

国際地域学部は、英語教育が充実しています。英語だけの専門科目の授業もあります。板書も、先生への質問もすべて英語なので、体の中に英語が染み込んでくる感覚です。グランドスタッフは国際線業務もあるので語学は必要ですし、高校時代から英語が好きだったので、しっかりと英会話をマスターしたいと思っています。

学部全体の語学意識が高く、留学経験のある学生も多いです。私もこの春、国際地域学部生だけを対象にしたオーストラリアへの短期留学に参加しました。38日間の日程で、最初の3週間はみっちり英会話を学び、後半の2週間はフィールドワークでした。日本の町とパースの町の違いを見て学び、現地の学生との意見交換もしました。辞書で引いた英単語を英語で説明しなければならないなど、英語漬けの日々で、リスニング力をはじめ、英会話の力があがった感覚があります。

ゼミ内に「エアライン特進ゼミ」誕生

2年生のときに、選択授業で「北米ツーリズム論」「欧州ツーリズム論」の授業を受講して島川崇先生に出会い、旅行業の奥深さに触れました。島川先生の旅行業への情熱に魅力を感じて、「島川ゼミ」に入ろうと決めました。ゼミには、私と同じように航空会社や空港での仕事を希望する学生が多く、ゼミの中にさらに「エアライン特進ゼミ」が誕生し、そちらにも入っています。航空業に就職するためには、どんな能力が必要なのか。お互いに勉強しあっています。

国際観光学科には、私が将来やりたい仕事に直結する学びがぎっしり詰まっています。第一志望だった大学に入学できずに東洋大生となった私ですが、今は、東洋大学に入って良かったと思っています。国際観光学科でいろいろな経験を積んだ今、毎日が充実し、夢に近づいている手ごたえを感じています。

本橋由爽さん国際地域学部 国際観光学科 3年

  • 所属ゼミナール:島川崇ゼミナール
  • 東京都・私立桐朋女子高等学校出身

「走ることが楽しくてしかたないんです」。佐藤真帆さんは、人懐っこい笑顔を咲かせる。中高時代は有望なランナーとして数々の大会を駆け抜けつつも、ケガの絶えない選手でもあった。あこがれの駅伝部で活躍するため、そしていくつになっても走る喜びを味わうためにスポーツを科学する。彼女の新たなチャレンジは始まったばかりだ。

自己管理はスポーツ選手の基本

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中学、高校と陸上競技の中長距離選手として活動してきたので、東洋大学の駅伝部で走るのが夢でした。今はまだ入学したばかりなので、大会出場は先のことですが、初めて板倉キャンパスのトラックを走ったときは感激しましたね。

食環境科学科を選んだ理由は、ランナーとしてもっと上のレベルをめざしたいから。高校生の頃も、筋肉を作るためにタンパク質を多めに摂ったり、ウエイトコントロールのために間食を控えたりと、自分なりに工夫していました。でも、それはあくまで自己流でしかなかったし、しかも、ひたすら練習に明け暮れていたせいか、肉離れや疲労骨折といったケガも繰り返してばかりでした。

たとえ、サポートしてくれる存在が身近にいても、自己管理はスポーツ選手にとっての基本。そのためにも体の構造や栄養についての正しい知識を養いたいと思っています。

まだ授業は始まったばかりですが、先日は化学の実験をやりました。この学科は化学をとても重視しています。「スポーツは科学だ」ということを、学びを通して今まさに実感しているところです。

寮生活で発見した学びのチャンス

入学式に先立って、3月の初めに陸上部合宿所寮に入寮しました。寮はキャンパス内にあって、授業や練習が終わったらすぐに帰れるのがありがたいですね。

ルームメイトは2年生の先輩です。大学の部活の雰囲気は高校と比べて大人な感じ。先輩も、部員同士ということで、同じ目線で語ってくれます。最初は寮生活への不安もありましたが、先輩もいろいろと相談に乗ってくれますし、何より走るのが大好きな子ばかりが集まっているので、みんなとても気が合って、毎日がお泊まり会みたいな気分で楽しいです。

朝食と夕食は管理栄養士さんが作ってくれます。カロリーや栄養素もメニューに書いてあるので、これも栄養学の勉強だと思ってきちんとチェックするように心掛けています。

お昼は学食で食べることもありますが、ほとんどは部のみんなと一緒に自炊しています。みんなは料理が上手なので、自炊デビューしたばかりの私も頑張らなくては、と思っています。

いつか現役を引退する日に備えて

現在の目標は、全日本大学女子駅伝の選抜選手に入ること。毎日の早朝練習と、午後は週2日の部活動の合同練習日のほか、自主練習で毎日ロードを20kmほど走っています。

そして、いつか現役を引退する日に備えて、大学での学びも大切にしたいと思っています。在学中には資格もいくつか取るつもりです。将来のことはまだはっきりとは決まっていませんが、スポーツを通して人と関われる仕事に就きたいですね。

現役でなくなっても、走ることはずっと続けたいと思っています。市民ランナーがエントリーできる大会も多いし、最近は会社帰りにランニングする社会人も多いと聞きます。走るのってストレス解消にもなるし、本当に気持ちいいのですよ。

いくつになっても走る喜びを味わっていたい。そのためにも、大事なのが健康。この大学で学ぶことは、私にとって一生の財産になると思います。

佐藤真帆さん食環境科学部 食環境科学科 スポーツ・食品機能専攻 1年

  • 岩手県立花巻北高等学校出身

就職活動を終えて、来年は教育業界へ羽ばたく山田遥さん。残り1年の大学生活は「研究とフィールドワークを思う存分やりたい」と語る。生物の不思議を追いかけた先に行き着いたのは、環境を守ることの大切さ。子どもを育む道を選んだのも、幼い頃から魅せられていた生物たちが息づく自然を未来につなげてほしいという思いからだった。

生き物の不思議に魅せられて

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幼い頃から虫や植物が大好きで、図鑑が愛読書でした。生物の世界はワクワクするような不思議でいっぱい。本を読めばわかることもあるけれど、専門的に学んで、もっとたくさんの不思議に出会いたい。そんな思いから、生命科学部の応用生物学科に進みました。

「応用」とついているだけに、この学科は生物の知識や研究を人の生活に生かすことがテーマ。4年生になって配属された研究室では、「アオコ」と水処理の関係について研究しています。

「アオコ」というのは汚染水に発生しやすい藻の一種のこと。浄水場などで増殖してフィルターを詰まらせてしまったり、中には肝臓ガンの原因となる毒まで発生させてしまったりする悪質なものもいるほどです。

アオコは化学薬品で除去することもできますが、そうすると周りの生態系に影響を与えてしまいます。そこで私たちは、アオコを食べて水をキレイにしてくれるバクテリアの研究に取り組んでいます。

アオコ問題はすでに研究が進んでいる分野ですが、まだ解明されていないことも多く、大学生活最後の1年間も、生物の不思議と向き合いながらワクワクと過ごせそうです。

生活レベルから見直す環境問題

環境に関心を持つようになると、生活の面でもいろいろと変化があります。たとえば、夏に欠かせない消臭スプレー。最近は、銀の消臭効果をうたったものも増えていますが、銀の粒子って実は環境にとってあまりよくないものなんですよ。そのため、私はなるべく銀の含まれていないものを選ぶようになりました。

アオコの大量発生も生活排水が原因となり、生活の便利さを追求すると、結果的に人間を苦しめていることって多いと気づかされます。

こうして生物の不思議に触れるたびに、人間はやはり自然にはかなわない、という思いが強くなりました。だからこそ、環境は大切に守っていかなければいけないと思うのです。

「人間の知恵」と「自然の力」を上手に組み合わせれば、もっといい社会が実現できるはず。そんな理想を持っている人なら、この学科での学びはきっととても充実すると思いますよ。

小さな科学者をたくさん育てたい

就職活動も終わり、卒業後は教育業界で働くことが決まりました。自分が幼い頃に感じた生物の不思議にワクワクする気持ちを、一人でも多くの子どもたちに伝えたい。そしてその子どもたちの中から、未来の生物学者が巣立ってくれることが、私の夢。教育という側面から、日本の科学の進歩に貢献したいと考えています。

私もそうだったように、理科を好きになると環境にも興味を持つようになるものです。全員が理系に進まなくても、生活レベルで環境について考えられるような心を育みたいですね。環境問題は、終わることのない、人間がこれからもずっと向き合っていかなければいけないテーマなのですから。

山田遥さん生命科学部 応用生物科学科 4年

  • 所属研究室:システム分子生態学研究室(清水和哉研究室)
  • 埼玉県・私立春日部共栄高等学校出身

昼間はアルバイトながらも要職についてバリバリ働き、高いヒールの靴もスタイリッシュにきまっている愛川優衣さん。そんなイマドキな佇まいの彼女の口をついて出てきた言葉は、意外にも「古典文学が好き。季節ごとのお節句も大切にしています」だった。雅な世界を堪能した大学生活もあと1年。4年間の集大成に、王朝文学の最高峰『源氏物語』の読み解きに挑む。

雅の世界を読み解く面白さ

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日本の王朝文学の雅やかな世界に惹かれて、大学で学ぶなら古典と決めていました。

卒論のテーマに選んだのは、古典文学でも一番好きな『源氏物語』です。王道の作品だけに物語の面白さは折り紙付き。和歌で恋のかけ引きをするなど、現代の感覚とはぜんぜん違うだけに、世界観に引き込まれるんです。

でも、ただストーリーを味わうだけでなく、深いところまで「読み解く」のは大学ならではの学び方ですよね。その時代の社会背景や登場人物たちの身分、そして物語に色濃く流れる仏教思想……。『源氏物語』は高校の頃も少し読んだことはありましたが、学科で得た知識を持って読むと、また違った世界が広がるんです。

今は現代語訳と原文の両方が載っている本をテキストにしていますが、古文の言葉表現についても学んでいるので、原文で読む方がより楽しめますね。わからないところは教授に質問したり、本で調べたり。資料が豊富に揃っている図書館は、大学のお気に入りの場所の一つになりました。

古典を味わい、日本の心を知る

私は古典文学を専攻していますが、学科名に「文化」とついているだけに、この学科では広く日本文化についても学べます。なかでも私が好きなのは、民俗学的なアプローチから日本の年中行事とその背景にある歴史や文化を学ぶ授業。お花見はもともと、花の咲き具合を見て、その年の穀物の出来具合の神意を占う行事だったそうです。日本人なのに日本について知らないことって多いんだなとあらためて思います。

その他、日本の行事はお花見やお月見、お節句など基本的に四季の自然と結びついています。古典にも日本の美しい自然風景がたくさん描かれていますし、そういうことを知ると、花が咲いたり、月が満ち欠けしたり、雪が降ったり、そんな季節がうつろうさまの一つひとつに風流を感じるんです。心を豊かにしてくれる学問。それが古典や日本文化を学ぶ魅力だと思います。

もともとお節句などの行事ごとは好きでしたが、意味を知ってもっと大切にするようになりましたね。3月3日には一人暮らしの部屋に小さなおひな様を、桃の花を添えて飾っています。

学びで培った豊かな心は一生モノ

高校卒業後、2年間の新聞奨学生を経て大学に入学しましたが、現在も学費や生活費は自分でまかなっています。昼間のアルバイトはもう3年ほど同じところで続けていて、企画などにも携わるようになりました。就職先としても誘われていますが、もう少し広い可能性を考えて、公務員試験をめざしてます。

イブニングコースには、いろいろな背景を持った学生がいます。現役学生もいれば、社会人として働いている人、年配の女性までいて、ここでなければありえない意外な交流が生まれるのも、イブニングコースの面白さですね。また1部と比べて少人数なので教授との距離が近くて、やる気さえあればより深い学びが受けられるのもイブニングコースならではなのかな、と感じています。

古典の世界に浸れるのもあと少し。この学科で培った教養や感性は一生の宝物です。残り1年の大学生活で、古典文学を存分に味わい尽くしたいですね。

愛川優衣さんイブニングコース 文学部 日本文学文化学科 4年

  • 福島県立いわき光洋高等学校出身

メディアコミュニケーション学科での学びを通じて、視野が広がり、学ぶ意欲が高まったという佐原亜璃沙さん。ドキュメンタリー映像制作の実習では、教室を出て街で学んだ。そんな彼女は現在、希望として住宅業界で働きたいと考えているそう。一見メディアコミュニケーションとは畑違いな業界に思えるが、何がきっかけでそう考えるようになったのだろうか。

学びたい意欲があればどこまでも深く

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高校生のときに東洋大学のオープンキャンパスに参加して、学生の明るい雰囲気、キャンパスの開放的な空気に魅力を感じました。では、その東洋大学で何を学ぼうかと考えたとき、もともとは経済学部への進学を考えていましたが、大学案内でいろいろな学部の内容を知るうちに、映像制作の授業の写真がふと目に留まりました。そして、自分はインターネットやSNSといった新しいメディアについて興味があるのだとわかり、メディアコミュニケーション学科でメディアについて深く学んでみたいと思ったのです。

入学して感じたのは、大学の学びは高校までの勉強とは違うということでした。高校生のころの私は、教科書を読み、板書をして、内容を覚えるという受け身の学び方をしてきました。でも、大学では自分の興味に応じて、いろいろな授業を受けることができるし、興味のあるテーマについて研究を進めることができます。そして、自分が学びたいと思うことに対して、その内容を専門とする先生からアドバイスを受けることもできるのです。学びたい意欲があれば、いくらでも深いところまで掘り下げて学ぶことができるという面白さを、大学生になって初めて感じました。

印象に残っているドキュメンタリー制作の実習

メディアコミュニケーション学科で学ぶ領域は、情報学、社会情報学、マスコミ学という3つの学問分野です。

1年生では講義形式の授業が多いのですが、2年制以降は実習が多くなります。文章を書いたり映像を編集したりと、興味がある人なら、どんどん学びたくなる内容ばかりだと思います。

私は3年生のときに演習で、ドキュメンタリー映像の制作をしたことが印象に残っています。ドキュメンタリー映像の制作に携わってきた経験豊かな先生の指導のもとで、4人グループで作品をつくりました。自分たちでテーマを決め、取材撮影し、編集するのですが、私たちが選んだテーマは「東京スカイツリー®完成後の周辺商店街への影響」でした。スカイツリー効果で地元商店街も活性化していると報道されていましたが、実際にはどうなのかを探ってみようと、地域の方々への取材を進めました。教室を出て、街へ向かい、そこで初めて出会う人々にお話を聞いて、いろいろな意見を聞きました。賛成の意見もあれば、反対の意見もある。なかには「ソラマチの中に生鮮食品店が入ることなど事前に知らされていなかった」と怒っている方もいらしたぐらいです。報道の裏に、私たちには知らされていない事実があることを知り、観光地と地元商店街がいかに共存していくか、その配慮の必要性を痛感しました。こうした学びを通じて、社会問題について身近に感じ、考える力がつきました。

お客さまの気持ちに寄り添って夢をかなえる仕事を

4年生となった現在は、住宅業界への就職をめざして就職活動中です。ゼミナールでメディアを通じて人がどんな影響を受けるのかといった、心理的な側面での研究を深めたことがきっかけで、モノを売る仕事に興味がわきました。特に家を買うということは、恐らく人生において一番大きな買い物ですので、簡単には決断できないと思います。だからこそ、お客さまの気持ちを考え、希望を引き出しながら、理想の家を購入してもらうという、夢をかなえるお手伝いをしていけたらいいですね。

メディアコミュニケーション学科では、幅広いテーマの中から興味を掘り下げていくことができるので、大学生活を通じて、私もずいぶん視野が広がりました。現在は、就職活動と並行して、卒業論文の執筆指導も始まりました。4年間の学びの集大成となる論文を書き上げたいと取り組んでいます。

佐原亜璃沙さん社会学部 メディアコミュニケーション学科 4年

  • 栃木県立宇都宮北高等学校出身

社会文化システム学科の髙澤悟実さんの大学生活は、インターンシップなしには語れない。幅広く自由に学びたいと、フィールドワークにインターンシップにと、教室を飛び出して学んできた。現在は、休学制度を利用して岐阜県の料亭で住み込みのインターンシップに挑戦中だ。地域に生きる人たちのためにできることを考える毎日で学んだこととは。

社会や人とつながる学びの面白さを実感

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社会学部を志望したのは、幅広いテーマで学ぶことができそうだと感じたからです。そう感じたのは、社会学部出身の父の影響もあるかもしれません。英語が好きで、国際関係系を学べる大学への進学を考えていましたが、志望校を選ぶ際に、英語だけや国際関係だけと視野を狭めたくないという思いから、幅広いテーマから自由に学べる社会学を学ぼうと決めたのです。いろいろな大学に社会学部があるなかで、東洋大学の社会文化システム学科を選んだのは、カリキュラムを見て、興味深い講義名がいくつもあったこと、そして、フィールドワークが多いことが決め手となりました。私は部屋でじっとしているより、外に出て活動することが好きなので、自分にぴったりの学科ではないかと思ったのです。

入学して間もなく、ゼミナールでフィールドワークがありました。長津一史先生の指導のもと、どのように浅草で老舗店が続いてきたのかを調査するという活動でした。1年生のうちはゼミナールに費やす時間が多く、社会とのつながりを重視したフィールドワークを通じて、手応えを感じながら学んできました。

2年生では、夏休み中に岐阜県のNPO法人G-Netを通じて、地域協働型のインターンシップを経験しました。鉄道が好きな私は、岐阜県の長良川鉄道を活性化させようというプロジェクトを掲げたNPO法人ぶうめらんをインターンシップ先に選び、そこで6週間にわたって、長良川鉄道のPRや町づくりについて考え、フリーペーパー発行の仕事に携わりました。長良川鉄道について2ページの記事を書くため、1日中電車に乗り、乗客に「長良川鉄道への想い」をインタビューして回りました。取材した記事はフリーペーパーとして発行したほか、9両の鉄道の車内にも貼り出す企画も実現させることができました。聞けば聞くほど、いろいろな人の人生に鉄道がかかわっていることを知り、鉄道の仕事や広報の仕事に興味がわきました。そして、夏休み明けにこの経験について、1年生に向けてプレゼンテーションをしました。

岐阜の料亭で1年間のインターンシップ

こうして社会や人とつながることへの興味がふくらんだ私は、3年生になるにあたり、一つの決断をしました。1年間休学して、今度は長期のインターンシップを挑戦することにしたのです。すっかり岐阜県のとりこになってしまい、2年生の夏休み同様にG-netが募集している地元企業でのインターンシップに申し込みました。主に東海地域から同期として20名の学生が集まり、それぞれが違ったインターン先を選ぶのですが、私は料亭を選択し、おもてなしの心を学んでいます。

毎朝9時30分に出社し、午前中はオフィスで営業や企画の仕事を担当し、午後は15時から和装に着替えて、料亭で席の準備をします。インターンシップが始まったばかりのころは、女将さんに「あなたは接客が苦手でしょう?」と言われ、自分では人と接することは得意だと思ってきただけに打ちのめされた気分でした。でも、思い返してみれば、お客さまと話すことに緊張してしまい、なかなかうまく会話を運べていなかったのです。最近ではだいぶ場の空気にも慣れ、常連のお客さまの顔も覚え、会話を弾ませられるようになってきました。

ローカル線の仕事に魅力を感じて

卒業後は、地元・千葉県でローカル線の運転士になりたいという夢を描いています。鉄道業界には漠然としたあこがれがあり、長良川鉄道で地域の人々とふれ合ったことから、ローカル線の良さを実感したのです。都会では電車は移動手段にしかすぎませんが、地方では鉄道が人々の人生を運んでいる感覚があると思うのです。入社したら、イベント列車の企画などもしてみたいですね。

「私の大学生活=インターンシップ」といっても過言ではないような日々を過ごしていますが、大学時代だからこそできる経験をたくさん積んで自分を磨き、これからも可能性をどんどん広げて学んでいきたいと思います。

髙澤悟実さん社会学部 社会文化システム学科 3年

  • 千葉県立幕張総合高等学校出身

英文科受験も考えたほど英語が好きで、将来は海外で働きたいと希望している企業法学科の諸越祐大さん。法律はもちろん、英語学習にも力を入れており、英語だけで平和学や国際政治学など専門科目を学ぶことができる、企業法学科の充実した英語科目に満足しているそうだ。

暮らしとビジネスの細部に宿る法律

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高校時代から英語が好きで、将来は海外で働きたいと思っています。英文科など、英語を学ぶことのできそうな学部の受験を考えていたのですが、高校3年生の時に、海外企業との取引が多い仕事をしている父に相談すると、「今は会社内部がしっかりしないといけない時代だから、企業コンプライアンスを勉強することも大切だ」と勧められ、企業法学科を志望しました。

今はまだ2年生なので専門科目は少ないのですが、「民法」や「会社法」など企業実務に欠かせない専門科目は、これまで知らなかった学びの領域で、すべてが新鮮です。「モノを買う」といった日常のことから、「会社を起業する・経営する」というビジネスの世界まで、幅広く細かな法律が介在しているのです。特に2年生から受講を始めた「会社法」の授業では、会社とはどういうものなのか、という初歩の部分から始まり、どういった事業展開をすると違法行為になってしまうのか、企業活動を支える制度にはどのようなものがあるのか、と具体的な内容ばかりで、引き込まれています。

充実した英語の授業に大満足

企業法学科では、思っていた以上に選択できる科目の中に英語関係のものが多く、英語を学びたかった自分にとっては、とても魅力的です。英語で開講されている「平和学」や「国際政治学」などの専門科目も受講しています。自分の英語力ではまだ、先生の英語が聞きとれないこともあるのですが、耳が慣れてきたのか段々聞き取れるようになってきました。一緒に受講している学生には留学生も多く、平和についてどう考えるのか、などについて留学生も含めた学生同士で英語でディスカッションしています。高校までの英語の勉強とはまったく違う実践的な学びです。

在学中に1年くらいワーキング・ホリデーに行きたいと思っているので、自分なりに単語や文法などの高校時代の英語の勉強の復習をしています。実は大学受験の際も塾には通わず、独学で行いました。英語の勉強も、会話は無理ですが、自分でできる範囲は独学でやってみようと思っています。

まずは英語を身につけ、アメリカやカナダなどの外国で働きながら、いろいろな体験をしたいと思っています。外国の友だちと、英語でジョークを言い合ったり、洋画を字幕なしで楽しんだりできたらいいですね。留学ではなく、ワーキング・ホリデーでの渡航では休学せざるを得なくなるかもしれませんが、現役で入学できたので、1年間の海外体験をして卒業年が少しぐらい遅くなっても構わないという気持ちでいます。

英語を自在に操りたい

将来は、外資系企業に就職して、海外で働くのが夢です。父がよく海外へ出張し、英語を使って仕事をしている姿を見て、あこがれてきました。また以前ハワイで、外国の人が日本語を自在に操っている姿を見て、逆に日本人の自分が英語を使いこなせて働けるようになりたいと思ったのです。英語と法律の知識を身につけ、英語を自在に操って外資系企業で企業法務などを担当できたらいいですね。3年次からは、「国際法」や「外国法」が本格的に受講できるようなので、今から楽しみにしています。

諸越祐大さん法学部 企業法学科 2年

  • 東京都・私立佼成学園高等学校出身

夢を追いかける主人公の姿に共感し、卒業論文のテーマとしてアメリカ文学の名作『グレート・ギャッツビー』を選んだ英米文学科の中村幸子さん。「私も、いま挑戦しなかったら後できっと後悔するから」と就職活動はせず、漫画家をめざしてオリジナル作品を描いている。

SCAT(現LEAP)プログラムで英語に自信

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大学受験時に英語の勉強で、やればやるほど身につく手ごたえを感じ、社会に出る前にもっと英語を身につけたいと、英米文学科を志望しました。それにもかかわらず1年生の時は、英会話の授業なのに日本語を話してしまうなど、英語の勉強を少しサボっていました。

でも、これではいけないと思い、2年生から大学の英語学習支援プログラムSCAT(現LEAP)の受講を始めました。講義式の授業ではなく、ネイティブスピーカーの先生とのやり取りで英語を学ぶプログラムで、授業中は英語しか話せません。週4日も授業があり、英作文や英文法も自然に学ぶことができました。このプログラムは全学部生が受講できます。事前の選抜試験と時間割調整によって20人程のクラスに分けられ、他学部にも友だちがたくさんできました。

SCAT(現LEAP)には留学をめざす学生が多く集まります。でも、私は留学ではなく、英語を勉強している人が集まる海外サイトにアクセスしてみました。そのサイトの情報もSCAT(現LEAP)で教えてもらったのです。スペイン人やドイツ人など、英語が母国語でない人たちが集まり、英語で交流していたので、私も同じ趣味の人を探し、メールのやり取りをするようになりました。留学ではありませんが、国内にいながらにして世界が広がった感じがしています。

繊細で一途な主人公に共感

英米文学科では、1年次に「フレッシュマン講読セミナー」という講座が必修です。この講座は少人数で英文を精読するものですが、私はこの講座を通じて寺島照明先生に出会いました。高度な内容の授業でしたが、しっかり予習や復習をして臨むと、先生もそれをわかってくださり「あなたは常識を持っているから大丈夫」と、穏やかに励ましてくれることがうれしくて、寺島先生のアメリカ文学ゼミナールに入室し、現在、卒業論文の執筆指導も仰いでいます。

卒業論文に向けた演習は、1~2年次で基礎を固め、3~4年次は応用となり、4年生で卒業論文を執筆します。寺島先生のゼミでは、月に1回、4000字のレポートの提出があります。それ以外にも授業内でヘンリー・ジェイムズなどの短編を扱い、毎回自分で翻訳し、コメントをまとめています。

私は卒論のテーマに、F・スコット・フィッツジェラルドの『グレート・ギャッツビー』を選びました。この夏、映画化される名作ですが、2年生の授業でこの作品を読んだときに、主人公・ギャッツビーが周囲に翻弄されながらも、夢を追い続ける姿に強くひかれました。論文の執筆にはこれから取りかかりますが、人物描写などに注意しながら、まとめていきたいです。

やりたいことをあきらめたくない

私は4年生ですが、就職活動はしていません。将来のことを考えた時に、自分のやりたいことを優先しようと考えたからです。私は高校時代から漫画が好きでした。大学と漫画制作の専門学校のどちらに進学するかを迷ったのですが、高校の先生に「大学は4年間も時間があるから、その合間で漫画を描けるのでは」とアドバイスを受け、大学に進学しました。でも、もう4年生になったのに、まだ納得できる作品が描けていないのです。

卒業後にどうすべきかを寺島先生に相談すると「若いうちは、何でもやっておきなさい」と励ましてくれました。また、就職・キャリア支援課の方も「期間を区切って挑戦したら」と応援していただきました。もし、今あきらめたらきっと後悔してしまう気がします。就職・キャリア支援課の方と約束した期間は少し延びてしまっていますが、絶対に描きたいと思っている作品の構想があるので、満足がいくまで描いて、一つの作品として仕上げたいと思っています。

中村幸子さん文学部 英米文学科 4年

  • 所属ゼミナール:寺島照明ゼミナール
  • 埼玉県立久喜高等学校出身

2013年1月28日、ライフデザイン学部の「人間環境デザイン学科 卒業制作・卒業研究発表会 選抜講評会」が朝霞キャンパスにて開催されました。

この「卒業制作・卒業研究発表会 選抜講評会」は、建築やまちづくり、生活支援のための機器からオリジナルの製品まで、人々の生活を豊かにするためのアイデアをかたちにした作品や研究を、学生自らがプレゼンテーションし、優秀作品を選抜するものです。

学生たちの4年間の学びの集大成を動画にてご覧ください。

総合情報学部 総合情報学科 メディアデザインコース第1期生の「卒業制作展2013」が2013年3月15~17日、日本科学未来館(東京都江東区)にて開催されました。

「卒業制作展2013」は未来の豊かな社会づくりにつながることをめざして研究制作したICTコンテンツの発表会です。グローバル化や情報化が進む現代において、新しいメディアを活用して、学生が未来のビジョンを社会に向けて発信しようと取り組んできた研究の成果を披露しました。

動画をご覧になり、学生たちの研究への意気込みを感じてください。

教師になるためのカリキュラムや講座が充実

中学生のころから憧れていた小学校の教諭。東洋大学を選んだのは、小学校の教員免許が目指せる数少ない私立大学だったからです。教師になるためのカリキュラムや講座がとにかく充実。3年次には、就職・キャリア支援課主催の教員採用試験対策講座が行われています。資格スクールの講座なので分かりやすく、さらに低料金で受講できるのも魅力です。このほかに、大学での学習と平行して4年間継続的に小学校の現場を体験できる、東洋大学独自の「往還型教育実習システム」があります。この実習では大学で学んだことを現場で検証したり、現場で発見した課題を大学でさらに詳細に研究するなど、教員になるための知識を深め、スキルを高めることに役立ちました。将来の教師像もより明確になりました。

現場を数多く経験して、人間として大きく成長

大学4年間の集大成として臨んだ教育実習。最後に研究授業として選んだのは、国語の授業で「自分流枕草子をつくろう」というもの。古人の季節の楽しみ方を自分流にアレンジして体験。子どもたちは興味津々で、夢中になって取り組んでくれました。終了後に「中学校で枕草子を学ぶのが楽しみ!」という感想をもらい、先生としての手応えと充実感を得る授業となりました。2年次に初めて行った模擬授業は緊張の連続でしたが、そのときと比べると、この2年間で大きく成長したと思います。「往還型教育実習システム」で多くの現場を経験できたことが役立ちました。子どもたちの目線を大切に、これからはオリジナリティあふれる授業を作っていきたいと思います。

4年間の学び

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ライフセービングクラブの仲間たち

1年次

サークル活動で、コミュニケーションについて深く学ぶ
ライフセービングクラブに所属。他大学との交流や社会人の方々とのつながりも増え、敬語の使い方から人との関わり方まで、コミュニケーションについて深く考える機会になりました。

2年次

児童の立場で授業を体感し、教え方を再確認
先生役となる通常の模擬授業のほかに、生徒の立場になって授業を体験。図工の授業ではものづくりに挑戦したり、家庭の授業では調理実習を行ったりと、どのように教えれば、児童が授業に興味を持てるのかを再確認しました。

3年次

大学主催の講座を活用し、試験準備も万全
春期休暇を利用して行われる就職・キャリア支援課主催の「教員採用試験対策講座」を受講。8日間の集中講義。同じ教職を目指している参加者たちと触れ合うことで、「自分も頑張らないと」という気持ちにさせられました。先生という仕事への思いも、さらに強くなりました。

4年次

大学からの推薦で、講演会など様々なプログラムを体験
埼玉県教育委員会主催の教員養成セミナーを受講するための推薦をいただき、様々なプログラムを体験しました。このプログラムでは教育実習のほかに、元校長など、教育のプロによる講演会や小学生との自然体験学習などがあり、将来、教員になったときに現場で役立つ知識や実務を学ぶことができました。
高校時代のわたし
小学生のころから、地元のスイミングクラブに入って水泳に取り組んでいました。中学時代には水泳指導員のサポートボランティアを経験し、子どもたちと触れ合う楽しさや教える喜びを実感。高校生になっても指導を続けたことで、教師を目指したいと強く思うようになりました。

アドバイス

知らない世界に飛び込んで、視野や人脈を広げてみよう
自分の行動ひとつで世界は大きく広がります。積極的に自分の知らない世界を体験して、視野を広げてみましょう。サークルや実習などを通して、いろいろな世代の人との交流もできるので、社会人になっても必ず役立つはずです。また東洋大学は教員採用試験対策講座などサポートが充実しているので、目標を持っている人にも最適な環境です。

森下 賢人さん文学部 教育学科 初等教育専攻4年

  • 内定先:埼玉県小学校教諭
  • 埼玉県立熊谷高等学校出身

自分自身の感性が磨かれた、アルバイトでの接客

1年次にカフェでのアルバイトを始めました。常連さんもいますが、新規のお客様も多く、休日には1時間に約150件を対応します。その方にしかないタイミングがあり、お客様一人ひとりによって好みが異なります。それを一瞬に察知して提供するのが、わたしたち接客スタッフの仕事。かける言葉ひとつにしても、お客様によって変えます。そんな積み重ねが「また、あの店に行ってみよう」というお客様の信頼へと結びついていくことを実感する日々です。このアルバイトを通して、多くの人に出会い、様々な価値観に触れることができました。それにより、自分自身の対応力や感性を磨く機会になったと思います。このことはわたしが学んでいる、多文化理解に取り組む社会文化システム学科の学問にもつながります。

就職・キャリア支援課を活用して、不安を解消

CA(客室乗務員)を目指し就職活動を始めたのは、3年次の夏。大学の就職・キャリア支援課を利用すれば、就職活動に関するほとんどの情報を入手することができます。わたし自身も自習室のように毎日活用しました。外部講師の方が来校され、自己PRの書き方というテーマでセミナーを行っていただいたとき、終了後に「CAになれるかどうか不安なんです」と相談。すると「大丈夫だから」と航空業界で活躍する先輩を紹介してくださり、その方にお会いして、わたしも将来こういう女性になりたいと強く思いました。それからは、企業研究や自己分析を重ね、面接やグループディスッカションなどでも徐々に満足のいく自己PRができるようになりました。大学生活で学んだ感性を大切にして、あらゆるお客様を笑顔にできるように、この仕事に取り組んでいきたいと思っています。

4年間の学び

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語学の勉強に使った参考書

1年次

大学での学業と目指していたアルバイトを両立
目指していたカフェでのアルバイトを経験。常に笑顔でお客様と接することで、笑顔の輪が広がっていくのを実感しました。スタッフ教育制度が整っており、接客だけでなく企業のしくみや社会を知る機会になりました。

2年次

TOEICの無料受験制度を活用し、今の英語力を把握
CAを目指して、TOEICを受験しました。東洋大学にあるTOEICを無料で受けられる制度を利用。現在の英語力を把握でき、リスニングなど苦手分野の対策にも役立ちました。

3年次

ゼミの経験が、生き抜く力を養うきっかけに
フィールドワークが主体のゼミを履修。わたしたちが取り組んだのは、日本における東南アジア文化の浸透事例として、日本のタイブームに関する考察です。調べては壁にぶつかり、仮説を立てて考えては、またそれを乗り越える。トライ&エラーの連続で、くじけないハートと問題解決力を得ました。

4年次

内定後は、就活アドバイザーとして後輩をサポート
就職・キャリア支援課のスタッフの方は学生一人ひとりをよく見てくれていて、困っていたときにアドバイスや励ましの言葉を受けたことが度々ありました。わたしも何か力になれればと、内定後は就活アドバイザーとして、後輩の就活のサポートに注力しました。
高校時代のわたし
昔から好きなことには熱くなるタイプ。毎年学園祭では応援団に入団して、太鼓の音に合わせて舞いを踊りました。3年次には、応援団長に推薦され、250人もの団員をまとめ、皆の前で演舞を披露。この経験が人を楽しませる空間づくりに興味を持ったきっかけです。

アドバイス

どんな時にも、感謝の気持ちと謙虚さを忘れずに
大学はいろいろな人に出会ったり、初めての学問を学ぶことで、新しい知識や考え方を身に付けることができます。しかし、それだけに留まらず、謙虚さと感謝の気持ちを忘れずに、何事にも挑戦することが大切。学生生活に慣れてくると、この姿勢はおろそかになってしまいがちですが、その気持ちがあるのとないのとでは、その後の自己成長が大きく異なります。ぜひ意識して取り組むようにしてください。

面家 理慧さん社会学部 社会文化システム学科4年

  • 内定先:日本航空株式会社
  • 佐賀県・私立佐賀清和高等学校出身

現場を体験しなければ分からない大切なこと

3・4年次の保育実習でお世話になった保育園や幼稚園をはじめとして、現場を数多く体験できたことは、わたしにとって大きな財産となっています。4年次の実習で幼いころの体験と授業で学んだことをもとにパネルシアターを提案しました。パネルシアターとは、パネルを舞台に見立て、キャラクターなどの絵を貼ったり、動かしたりして物語を展開するもの。子どもたちは、大喜びの様子でした。子どもたち一人ひとりには個性があり、身体的、精神的な成長度合いも様々。そんな状況で、それぞれの能力を伸ばしていくことは簡単ではありません。そのため保育士には、臨機応変に対応できる判断力と行動力が必要。現場で得たことを忘れずに生かしていきたいと考えています。

就職に大いに役立ったキャリア支援室の情報

保育園か幼稚園か、公立か私立か、地域はどこかと検討する中で、悩むこともありました。そんなとき、多くの情報をくださったキャリア支援室の方には本当に感謝しています。その地域の幼児教育の特徴から制度の充実ぶり、保護者の特性まで教えていただきました。最終的に、東京都港区立の保育園に絞ることができたのもそのおかげです。公務員試験対策講座なども利用し、晴れて合格することができました。実は、母も地元の幼稚園で働いていました。あるとき、母が園児に絵本を読んで聞かせている姿を同僚の方がご覧になって「先生、楽しそうにしてますね」と言われたそうです。わたしもそう言われるような保育士になりたいと思っています。

4年間の学び

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実践的なスキルが身に付いた模擬保育

1年次

長期休暇を利用して地元の幼稚園でボランティア
長期休暇時には、地元茨城の幼稚園と保育園で保育補助のボランティアに参加。子どもの成長する姿だけでなく、保育者の仕事というものを具体的に知ることができました。

2年次

多くの観点に立つことの大切さを教えてくれた模擬保育
保育士役と園児役に分かれて模擬保育をするという授業が増え、より実践的なスキルを身に付けることができました。ほかのグループの学生から意外な指摘をされることもあり、保育方法についても多くの観点から考察することの大切さを実感しました。

3年次

レッジョ・エミリア市の手法に見た子どもの創造性を伸ばす教育
イタリアのレッジョ・エミリア市が取り組んでいる先進的な幼児教育「レッジョ・エミリア・アプローチ」*をゼミの研究テーマに。私が実習で行ったのは、椅子をつくることでした。指導するというスタンスは決してとらず、あくまで一緒につくっていくというスタンスで臨むことがポイント。適切なガイドをすることによって、子どもたちの創造力が確かに育まれると感じました。
  • ※:イタリアレッジョ・エミリア市の幼児教育の現場において、永年実践されている教育手法。子どもたち一人ひとりの意思を尊重し、各々の感性を生かすことが重要という理念に基づき、子どもの想像力と創造力の向上を追求する点に特徴がある。

4年次

一緒に過ごした子どもたちが卒園していく姿に感激
ボランティア先の保育園や幼稚園の運動会や卒園式に参加したのも良い経験となりました。特に、1年間見てきた子どもたちが卒園していく姿には感激しました。
高校時代のわたし
志望大学を決めるための情報収集を始めたのは、3年次の春ごろのこと。東洋大学に決めたのは、4年制大学の中でも福祉や教育の分野に力を入れている大学と知ったからです。先輩が進学していて、親しみを感じていたこともきっかけの一つです。

アドバイス

雰囲気を直接感じることが大切できれば日常の大学の姿も
お勧めしたいのは、気になる大学があったら、直接足を運んで自分の目で確かめてみること。わたし自身、高校の先生からアドバイスをいただいて、いくつもの大学に行きました。オープンキャンパスや文化祭といったイベントを利用するのももちろんですが、普段の大学の姿を見ることも参考になると思います。

糸川 黎さんライフデザイン学部 生活支援学科 子ども支援学専攻4年

  • 内定先:東京都港区立保育所
  • 茨城県・私立鹿島学園高等学校出身

実験に携わる中で見えてきた自分らしさ

生命科学部の場合、1年次から実験の日々となるわけですが、意外におもしろかったのが、協力して実験をするパートナーとのコミュニケーションでした。適切な手順を正確に踏んでいくことが実験成功には欠かせません。実験は、2人1組で行いますので、2人の間の意思疎通がしっかりできていることが鍵となります。そして僕自身、黙々と試験管に向かうより、相談したり、議論することの方に自分らしさが発揮できると感じるようになりました。授業とは別に、3年次の半ばには就活がスタートします。当初はエントリーシートの書き方も分からないような状況でしたが、就職支援室の方にアドバイスをいただき、訴えたいことをうまく伝えられるものに仕上げることができました。

人のためとなり自分の能力も活用できるMR

友人に誘われて某医薬品企業の特別セミナーに参加し、知ったのが医薬情報担当者(MR)という仕事でした。自社の医薬品について、情報を医師などに提供するとともに利用していただき、副作用情報などを収集するMRにとって、医薬品情報に精通していることは前提条件となります。そして、さらに幅広い知識をベースにしっかりコミュニケーションすることが求められることを知りました。大変だと思う反面、人の役に立てる仕事であることに魅力を感じました。また、自分のコミュニケーション力を生かすことができるのではないかとも感じ、挑戦してみたいと思うようになったのです。

4年間の学び

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コミュニケーションが大切な2人1組で行う実験

1年次

アルバイトで塾の講師を体験。無気力な子どもとどう向き合うか
勉強にやる気を見せない子どもの中には、親や先生からほめられた経験がないという子どもがたくさんいます。まずは、何でもいいからほめることから、徐々に良い関係を築き、やる気を育んでいくことを学びました。

2年次

組織をまとめることの難しさをサークルの役員として実感
1年次に10人程度で発足したサークルが、2年次に一気に50人ほどまで増えました。すると、数人程度の仲良しだけで集まることが多くなり、サークル全体の結束力が低下してしまいました。サークルとはいえ、組織をまとめていくのは大変だと感じました。

3年次

通学時間を利用して簿記の資格を獲得
通学に1時間半ほどかかるので、行き帰りの電車の中で簿記の勉強をして資格を取りました。「理系なのになぜ?」と思われそうですが、社会に出る前に、企業の中でどのようにお金が流れているかを理解しておきたかったのです。必ず役立つことがあると思っています。

4年次

就職が決まった後は、乳酸菌の研究がラストスパートに
5月に内定をいただいた後は、研究テーマである乳酸菌の研究に力を注いでいます。研究内容は、乳酸菌の中でも、抗菌作用が強く、食品に添加しても安全なものをぬか床から取得するというもの。将来、食品の安全性をより高めることにつながればと思っています。
高校時代のわたし
3年次から受験勉強に取り組みました。当初は自分の苦手な点を見つけ、補強するように。中盤は、苦手克服に加えて得意科目で安定した点数をとれるように。終盤は、過去の問題を解き実践的な力をつけるようにと、時期を分けて計画的に勉強しました。

アドバイス

何をしたいのか、強固な意思はあるかと常に自分に問いかけること
高校とは違って、大学生活は基本的に自由です。ただ、その分自分の意志を持つことと、行動力が大切になってきます。自分が何に挑戦したいのか、その挑戦を成し遂げる強い意思を持ち合わせているかということを常に自分自身に問い、貴重な4年間を有意義に過ごすようにしてください。

原 遼太郎さん生命科学部 応用生物科学科4年

  • 内定先:持田製薬株式会社
  • 埼玉県・私立大宮開成高等学校出身

3年次の就業体験で、将来像を描けるようになる

小学生のころから、プラモデルをつくるのが好きだったので、将来はモノづくりの仕事に関わりたいと漠然と考えていました。1年次は基礎的な理論や知識を学び、2年次からはグループ実習などで、今までに学んだ技術や知識を実践さながらに活用して習得。しかし、学びの範囲が広いため、具体的な将来の仕事として考えるまでには至りませんでした。それが3年次に入って、仕事として実感できるようになったのは、授業の一環として行われたインターンシップ研修です。2週間という短い期間でしたが、それでも組織の中での従業員の役割や責任の大きさを痛感。仕事のやりがいと同時に、社員がのびのび働ける職場環境の重要性も学ぶことができました。

手厚い就職支援で、苦手を克服

3年次の12月には就職活動をスタート。この時期は、大学の就職支援室を頻繁に活用し、履歴書やエントリーシートの書き方などを添削してもらいました。また、特に苦手だったグループディスカッションでは、ワーク形式の模擬グループディスカッションに参加。当初は何も発言できなかったわたしが、何回か経験を重ねていくうちに、グループディスカッションでの役割が見えてくるようになりました。本番のグループディスカッションでも慌てることなく、チームをまとめることに成功。面接も合格することができました。東洋大学は、就職活動を支援するプログラムが充実しているので、活用すれば将来の目標にも手が届くはずです。将来は、大学で培った知識やスキルを生かして、日本が誇る時計づくりに関わっていきたいと思っています。

4年間の学び

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研究に打ちこめる充実の環境

1年次

授業で学んだ語学力を、海外で実践
英語が好きだったことから、予習・復習をかかさず行い、長期休暇には海外へ行き、異国文化に触れ、広い視野を身に付けるようにしました。

2年次

テニスクラブに参加して、コミュニケーション力を高める
地元山梨のテニスクラブに所属。後輩や社会人、シニアの方々という、幅広い世代の人たちとの交流を通じて、コミュニケーション力を高めることができました。

3年次

インターンシップで、仕事の役割や責任感を学習
医療機器メーカーの工場に、インターンシップ生として参加。2週間という短期間でしたが、それでも組織の中での従業員一人ひとりの責任の大きさを痛感できた就業経験でした。

4年次

充実した研究環境で、卒業研究に取り組む
酸化グラフェンという物質から酸素を取り除き、太陽電池へ活用する。その実用化に向けた研究が、わたしの研究テーマです。東洋大学には、充実した最新設備が備わっており、研究に専念することができました。
高校時代のわたし
3年間一番力を入れていたのは部活動です。軟式テニス部に所属し、インターハイで山梨県6位に入賞したことも。受験準備は3年次の夏から。夏休みは1日8時間を目標に勉強。2学期になると授業終了後に自宅で毎日2時間くらい問題集や過去問に取り組みました。

アドバイス

積極性と行動力があれば、4年間で大きく成長できる
自分のやりたいことや、好きなことを追求できる大学や学部を勧めます。そうすれば勉強が辛くても苦にならないし、頑張っていけるはず。そして、大学では積極的に何にでも取り組むことが大切です。積極性と行動力があれば、4年間であなたは大きく成長できます。

桑原 泰斗さん理工学部 機械工学科4年

  • 内定先:シチズン時計河口湖株式会社
  • 山梨県立桂高等学校出身

授業やバイトを通して理想のマネジメントを学ぶ

1年次に体調を崩し、前期は1日も授業に出席できず、後期からのスタートでした。当初は必死で勉強しました。それが実を結び、2年次からは生活のリズムも整い、学業と共にアルバイトにも力を入れられるようになりました。全国に店舗展開するカフェで接客を担当。3年次には店舗のリーダーとして、新人の教育やスタッフのマネジメントを任されるなど、運営業務を経験。2年次に履修した「サービスマネジメント」の授業で学んだ、従業員満足度を高めることが、良質な顧客サービスの提供に直結するという考えを、現場で実践することができました。また、このアルバイトを通して、将来の自分の働き方を考えるようにもなりました。

実践的な実習で、得意分野を生かす

3年次に履修したゼミでは、学園祭での出店事業に取り組みました。ニーズの調査から、商品の選定・開発、事業の資金を得るためのOB・OGへのプレゼンテーション、調理・接客まで、店舗運営のすべてを学生だけで行います。この中でわたしは副社長として、すべての工程を管理。各担当者と密に連絡をとって調整を行う仕事です。この実習でも、スタッフのモチベーションを意識したマネジメントを心がけました。最終的には目標額を達成し、株主にも利益を還元。初めてのことばかりで、事業の難しさを痛感しました。大学生活で学んだ、従業員が仕事を本気で楽しめる組織づくりやマネジメントという視点を大切にして、スタッフやお客さまから信頼されるホテルマンを目指していきたいと思います。

4年間の学び

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本格的な事業運営を初めて経験することとなった学園祭の出店事業

1年次

授業で学んだ語学力を、海外で実践
前期で休んだ遅れを取り戻すため、後期は「観光学概論」「ホスピタリティマネジメント」など基礎となる科目を履修。通学中の電車なども利用して復習に力を入れ、1年次に必要な単位数を取得しました。

2年次

インターンシップから自分の働き方を模索
授業の一環であるインターン実習に参加。ホテル業界の厳しさやホスピタリティの大切さを実体験することで、卒業後の自分の働き方もイメージできるようになりました。

3年次前期

アルバイトでリーダーを経験し、マネジメント業を学ぶ
アルバイト先でリーダーとして店舗運営を担当。スタッフとのコミュニケーションに注力し、すべてのスタッフが仕事を本気で楽しめる環境づくりに取り組みました。スタッフの離職率も改善し、実践からマネジメント業を学ぶことができました。

3年次後期

実践的なゼミ研究で、ビジネススキルを高める
ゼミ研究の「学園祭の出店事業」で、学生だけで本格的な事業運営を経験。事業のしくみの理解はもちろん、プレゼンテーションスキルも身に付けることができました。

4年次

支援体制を活用し、積極的に就職活動に取り組む
就職活動中は、面接対策や履歴書の添削などで就職・キャリア支援課を利用。落ち込んだり、悩んだりしたときには、個別相談で親身なアドバイスを何度もいただきました。それが心の支えとなり、就職活動を着実に進めることができました。
高校時代のわたし
オーケストラ部の一員として3年次の11月まで活動していました。部活動が理由で勉強がおろそかになるのが嫌で、3年次の春から受験勉強をスタート。進学塾にも通い、受験科目の英語、国語、世界史については基礎から復習。本番は、焦ることなく取り組めたと思います。

アドバイス

自分に問いかけながら、常に全力で取り組もう
大学では、高校時代では考えられなかった世界の広がりを実感します。アルバイト、インターンシップ、そしてゼミの研究など、様々な場面で社会とつながっていて、精一杯取り組むことで、その先にある夢をつかむことができます。また、どんな働き方をしたいのか自分に問いかける作業も必要です。そのプロセスを経ることで、さらに成長した自分に出会えるはずです。

柴田 拓也さん国際地域学部 国際観光学科4年

  • 内定先:株式会社ニュー・オータニ
  • 千葉県立幕張総合高等学校出身

サークル活動で身につけたPDCAサイクル

高校時代には部活をしていなかったので、入学したらサークル活動をしようと決めていました。入ったのは学園祭実行委員会。板倉キャンパスで行う学園祭を企画運営するサークルです。当初は人数が少なく、特に学園祭が迫ってくると息つく暇もないほどの忙しさでした。先輩の指示を待って動くようでは、とても回りません。すると、次第に自分たちで行動計画を立てて動けるようになってきました。仕事をする上で、PDCA(Plan Do Check Act)サイクルが大切だとよく言われますが、自然にそんな動きができるようになったと思います。仲間とともに、地域の様々な世代の方々にも楽しんでもらえる良い学園祭にすることができました。

エントリーシート通過率に大学の力を見た

就職活動はとても大変でした。食品メーカーに進みたいという希望はあったものの、本当に自分は向いているのだろうかという疑問も常に頭にありました。就職支援室には頻繁に足を運んでいろいろと相談させていただきました。精神的にも支えていただき、感謝しています。特に、エントリーシート(ES)の通過率の高さには驚きました。就職支援室で添削してもらって提出したESは、そのほとんどが通過。適切な指導のもとに、自分らしさが一番伝わるものにできたことが功を奏したのだと思っています。キユーピー株式会社から内定の連絡をいただいたときは、多くの人たちのサポートとともに進んできた道が間違っていなかったと感じる瞬間でした。

4年間の学び

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就職活動対策だけでなく、精神的にも大きな支えとなった就職支援室

1年次

毎週のレポート提出を通じて理解した実験の適切な進め方
良い学園祭をつくり上げるという一つの目標に向かって、サークルの全員が力を合わせることができたのは、本当に良い経験だったと感じています。成長した後輩に後を託したときのさわやかな気持ちが忘れられません。

2年次

学園祭成功を花道にサークルは後輩にバトンタッチ
授業の一環であるインターン実習に参加。ホテル業界の厳しさやホスピタリティの大切さを実体験することで、卒業後の自分の働き方もイメージできるようになりました。

3年次

就職を視野に食品微生物の研究室に進み、研究に没頭
食品メーカーへの就職を念頭に、食品微生物研究室を選択しました。担当したのは、食品の安全を脅かす細菌の性質を探る研究。殺菌剤を効果的に使うノウハウなど、実際に仕事に生かせる研究をすることができたと自負しています。

3年次夏休み

他分野の人たちと協力して仕事を進める姿に感銘
埼玉県の産業技術総合センターでインターンシップを経験しました。感銘を受けたのは、違う分野の技術者が協力しながら仕事をする姿。専門分野に長けていることはもちろん、専門以外の分野についても知識を持ち、理解し合う中で仕事を進めていくことが大切だと感じました。

4年次

就職活動で悩む中、先生方の励ましも大きなエネルギーに
研究室の先生は、実際に企業で食品の品質管理に携わって来られた方。そんな先生から具体的な職場の話を聞くうちに、品質管理の仕事の理解を深めることができました。「毎日着実に実験を進めることができる新井さんなら大丈夫」という先生の言葉も、就職活動を進めるうえで大きな力になりました。
高校時代のわたし
受験をはっきりと意識するようになったのは、3年次からです。授業だけでは追いつかないと思い、相談した先生に良い参考書を教えていただきました。当時は、理系を目指している女子は少なく、みんなで団結して頑張ったことは良い思い出です。

アドバイス

人と良い関係を築くことが自分の可能性を広げてくれる
人と良い関係を築くことが、社会に出て仕事をする上でのベースになると就職活動をする中で強く感じました。大学生活では様々な人たちと出会うことになりますが、ぜひ一つでも多くの良い関係を築いていくようにしてみてください。必ず力になると思います。

新井 杏奈さん生命科学部 食環境科学科(現 食環境科学部 食環境科学科 フードサイエンス専攻)4年

  • 内定先:キユーピー株式会社
  • 埼玉県・私立大妻嵐山高等学校出身

インターンシップを通して、魅力ある企業を発見

もともとは公務員志望でした。でも、唯一憧れだった東日本旅客鉄道(JR東日本)だけは入社試験を受けました。JR東日本との出会いは、3年次に参加したインターンシップでのこと。ちょうどJR東日本から鉄道工事を受託している企業へインターンシップ研修することになったのがきっかけです。線路の上に桁橋の架設工事を行う現場で研修を行いました。深夜のうちに工事は終わりますが、万一の場合に備えて臨時ダイヤを考えているというお話を聞きました。細かい所までお客さまのことを考えて取り組んでいる会社であることを具体的に知り、また、そうした誠実な姿勢に心を惹かれました。JR東日本の社員の方とも交流が生まれ、生活を支えるインフラ整備という仕事のやりがいや、多くの人を統率して数億円というプロジェクトを完成させる仕事の醍醐味を実感することができました。

先生方の親身なサポートが、心の支えに

都市環境デザイン学科の先生方は、研究内容だけでなく試験対策や進路なども相談できる、とても身近で心強い存在です。例えば、通常の授業とは別に公務員試験向けの講義を週に1回開催。夏期休暇にも先生が交代で指導してくださいました。就職活動の際には、企業研究について様々なアドバイスをいただき、それによりポジティブに取り組むことができました。また、研究室と企業との共同研究テーマだった「液状化側方流動防止工法の開発」では、企業相手にプレゼンをするなど充実した研究を行うことができました。新聞に掲載されるほど注目を集める新工法で、現在実用化が検討されています。世の中の注目を集めるほどの研究に関われたことは、わたしの自信にもつながりました。将来は、災害に強い鉄道づくりに取り組みたいと思っています。

4年間の学び

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企業の方々への展示会でのプレゼンテーションは大きな自信につながった

1年次

熱意のある指導で、苦手の物理学にも興味がわく
数学、物理学、化学、生物学などの基礎知識を中心に幅広く学びます。苦手だった物理学は、オリジナルの教材を使った分かりやすい授業と、つまずいても理解するまで教えてくださる先生の熱意ある指導で、一気に興味がわく学問になりました。

2年次

学実践に即したグループでの共同実習を体験
2年次になると、1年次に学んだ基礎力を確認するため、実践型のグループワークの授業が増えました。履修した「都市環境デザイン学演習」もその一つ。グループ内では測量結果を書き留める記録係を担当。設計図の作成が迅速に着手できるように、記録表のまとめ方に苦心。そのおかげで情報整理力が鍛えられました。

3年次

インターンシップでコミュニケーションの重要性を学ぶ
鉄道工事を請け負っている企業にインターンシップ生として参加。施工管理は、現場のスタッフが円滑に仕事を進められるように、報告・相談・連絡のコミュニケーションが大切な仕事だと学ぶことができました。また、測量を任された時に手渡された設計書に、知っている計算式を見つけたときは、講義で学んだことが現場で生きることを実感しました。

4年次

新聞にも掲載された新技術を研究
わたしが所属していた研究室で取り組んでいた「液状化側方流動防止工法の開発」。これを、他の企業に広めるために展示会に参加しました。実用化も検討されており、新聞にも掲載されました。この研究に関われたことで、将来は災害に強い鉄道をつくりたいという目標も生まれました。
高校時代のわたし
高校生のころから、街づくりには興味がありました。いつもの光景として眺めている建物や街並など、一つひとつに施されている細かい工夫を知れば知るほど自分もやってみたいと思うように。受験勉強を始めたのは2年次から。センター試験の問題を一つの基準に、安定して点数が取れるよう基礎を大切にしました。

アドバイス

一生懸命に取り組み、人との出会いを大切に
熱心に指導してくださる先生方との出会いや、仕事の面白さを教えてくれた社会人の方との出会いなど、気がつけば、いろいろな人との出会いによって、自分の目指すべき道を見つけられたと思います。人との縁を大切にしながら、目の前のことに一生懸命取り組めば、必ず誰かが見てくれています。何事にも、全力でチャレンジしてください。

谷川 真里さん理工学部 都市環境デザイン学科4年

  • 内定先:東日本旅客鉄道株式会社
  • 埼玉県立春日部女子高等学校出身

自ら問題点を探し、自ら解決法を模索する研究活動

わたしの研究テーマは「気象情報を付加した星座表アプリの開発」です。星座表に気象情報を付加して、自分の位置する地点から何分後に星が見えるかを調べられます。昨年ペルセウス座流星群を見ようとしたときに、雲に遮られて、なかなか流星群を見ることができなかった苦い経験からこのアイデアを思いつきました。先生にも着眼点は面白いと褒められたのですが、課題が多く、心が折れそうになったことも。それでも仲間からのアドバイスを励みに、様々な開発の不具合を解消しながら完成させることができました。総合情報学科の一期生ということもあって、研究テーマは自分たちで課題を見つけ、試行錯誤をしながら追究したものばかり。そのため主体性や問題解決力が養われたと思います。これからも世の中が少しでも便利になるよう貢献できればと考えています。

自分の可能性を信じて、第一志望に挑戦

最初は、大学院に進学するつもりでした。ただ1年次に、学内の講演で出会ったマイクロソフトに入社した先輩の姿が忘れられずに、難関であることを承知で採用試験を受けることにしました。講演の具体的な内容も魅了的な内容でしたが、自身の仕事について生き生きと話されていた先輩の姿は強く印象に残っていました。3年次に外資系企業のインターンシップに参加する機会があって、そのときに大きな裁量と責任が持てる仕事に携わりたいという、わたしの仕事観も明確なものに。就職活動時には、生き生きと仕事に向き合うあの先輩に、自分の将来の姿を重ね合わせるようになっていました。入社後には、全国で実施するセミナーで、マイクロソフトの新技術や新サポートを人々に分かりすく説明する「エバンジェリスト」という仕事に就く予定です。失敗を恐れず何事にもチャレンジして、一日も早く周囲から頼りにされる一人前になりたいと思っています。

4年間の学び

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3年次から養護教諭の採用試験に向けて本格的な学びをスタート

1年次

ものづくりの醍醐味や、情報を取扱う作法や知識を習得
1年次では「総合情報学基礎演習」「映像メディア制作」などの実習を通して、情報を取り扱う作法や知識を学ぶほか、「総合ゼミナールA・B」では絵画や立体物の制作を経験して、ものづくりの面白さに目覚めました。

2年次

授業で、シミュレーションの有益性を実感
「コンテンツ作成のためのCG」の授業で地震などの災害シミュレーションを見て、その有効性と有益性を実感。災害と同じ状況を実際につくり出すとなると、膨大なコストや時間が必要に。社会に貢献できるシミュレーション技術を研究したいと思うようになりました。

3年次

個性が尊重される自由な社風への憧れ
授業の一環として約3週間のインターンシップ研修に参加し、外資系ソフトメーカーで就業を経験。外資系企業ならではの社風を知るとともに、最終日には役員へのプレゼンテーションなど、貴重な体験が得られました。

4年次

自らの研究テーマを探究し、自ら考える力を習得
研究は約1年半を掛けて計画的に進めていきます。仲間や教員とのディスカッションを通じて、内容や手法を常にチューニングしていき、アプリ開発の精度を上げました。一連の研究活動を経験することで、思考力を養うことができました。
高校時代のわたし
プログラムさえつくれればビジネスになる。そう思って、IT系に興味を持っていました。高校2年次からオープンキャンパスに参加。東洋大学の総合情報学部を選んだのは、ITだけでなく、メディアや心理など幅広い分野を学べる点が魅力でした。

アドバイス

失敗に臆せず、前を向いて進んでいこう
大学生活の4年間は新しいことにどんどん挑戦してください。挑戦すれば、その分失敗もついてきます。でも、臆することはありません。失敗した経験を生かし、次の機会には改善をして取り組めば、その分だけ技術や知識が身に付いてくるはずです。前を向いて進んでください。楽しみながら、いろいろなことにチャレンジを!

山本 明日美さん総合情報学部 総合情報学科4年

  • 内定先:日本マイクロソフト株式会社
  • 埼玉県・私立栄東高等学校出身

雑貨のデザインから建築設計へと方向を転換

人間環境デザイン学科に進んだのは、好きな雑貨をデザインしてみたいと思ったからです。デザインの経験がなかったわたしにとって、特に1・2年次は制作物提出の課題も多く、大変でしたが、個別の作業スペースをはじめとする充実した環境の中、夢中で取り組みました。そうして学んでいくうちに3年次のコース選択では、少し方向修正をすることにしました。選択したのは、建築士の資格が目指せる空間デザインコース。建築設計の仕事をしている父の影響もあって、もののデザインから空間のデザインへと興味の対象が変わってきたのです。1・2年次に幅広く学び、3年次に専門コースへというステップは、とてもありがたいものでした。

誰もが使いやすく、その人らしい住宅を

ゼミでは、秋田県の廃校舎の利活用の実態と今後の方策を研究テーマにしました。調査をして分かったのは、体育館や教室など、学校の造りを企業などがそのまま引き継いで使っているケースが多いこと。もっと多様な活用法が考えられるのではと思ったのですが、過疎化が進む中、新たに施設展開をしても十分な集客が見込めないなどの課題も見えてきました。建物を設計する際、利用者や利用法を想定し、それに則して設計するのは基本です。しかし、調査を通して、様々な用途に活用できるように設計した方がいいケースもあるのではないかと考えるようになりました。将来は、誰もが使いやすく、住む人のことを考えた個性あるユニバーサルデザイン(すべての人が快適に利用できるようなデザイン)住宅を設計したいと思っています。

4年間の学び

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仲間と励まし合いながら取り組んだ、多様なテーマの課題制作

1年次

課題制作に追われる日々 上手く表現できないもどかしさ
デザイン経験ゼロからスタートして、課題制作に悪戦苦闘。思い描くことを形にできないもどかしさを感じました。しかし、このときに鍛えられたデザイン力は、必ず仕事に役立つと思っています。

2年次

アルバイトで文具雑貨を販売 大学での学びを店づくりに反映
雑貨が好きだったこともあって、文具や雑貨、洋服を扱う店でアルバイトをしました。POPや陳列棚の制作など、大学での学びを生かして、商品が見やすく、楽しい店頭にすることができました。

3年次

自由な設計の背景に求められる一貫したコンセプト
3年次になると「祈りの空間を設計しなさい」など抽象度の高い課題に取り組みます。設計は自由ですが、なぜそう設計したのかを「祈り」の捉え方から論理的に説明することまでもが求められるのです。思いつきではなく、地に足の着いた提案、設計ができるようになったと感じています。

4年次

学内で開かれた講座を利用し二級建築士の資格取得を目指す
二級建築士取得を目指すための集中講座が4月から7月まで開かれました。学外の講座と変わらない質の高い内容を、学内で移動時間のロスなく勉強でき、非常に助かりました。受講料も低く抑えられていてありがたかったです。
高校時代のわたし
高校で大学進学を目指すコースに在籍していたこともあって、受験は1年次から準備していました。自分の興味の対象はどんなところにあるのかを自覚することが大切だと教わったことを覚えています。そのころから、雑貨のデザインを意識するようになりました。

アドバイス

今の状況で頑張ってみる そのことが次の扉を開く力に
大学入学後には様々な壁があり、悩むことも少なくないと思います。わたしもすべてが順調だったわけではありません。一つ言えることがあるとしたら、今、置かれた状況で全力を尽くすことでしか、次のステップへは進めないということです。ぜひ、頑張ってください。

薄田 志伸さんライフデザイン学部 人間環境デザイン学科4年

  • 内定先:城南建設株式会社
  • 秋田県・私立聖霊高等学校出身

学部主催の講座を活用して一次試験に合格

知識を身に付けてから、社会に出たいという思いで大学進学を決意。経済的に負担が少なく、カリキュラムや支援制度が充実している点で選んだのが東洋大学のイブニングコースでした。入学して、授業とサークル活動とアルバイトとだけの生活に転機が訪れたのは、大学2年次のとき。「経営に興味があるなら、一緒に資格を取ろうよ」と社会人の同級生に薦められて、中小企業診断士の講座を受けました。経営学部の主催で、資格の専門学校のカリキュラムを使い、その分野のスペシャリストである専任の講師が教えてくれるというもの。一般で受講すると、何十万円もかかるカリキュラムを非常に安価で受けることができるのには驚きました。この日から、平日は毎晩23時の閉門まで自習するという、受験に向けた生活を続けました。そのかいあって、難関資格と言われる中小企業診断士の一次試験をストレートで合格することができました。

インターンシップの経験を、企業選びに活用

就職活動中は、この業界に就きたい、という特別な思いがあったわけでなく、金融や人材、コンサルティング、環境などの幅広い業界を見て、企業を探していました。その中で、帝国データバンクを志望したのは、業種問わず横断的に様々な企業を見ることができ、中小企業診断士の資格も活用できると考えたからです。さらにインターンシップに参加した際に出会った社員の方が、向上心にあふれる魅力的な人ばかりだったのも決め手になりました。自分の将来の姿を、生き生きと働く社員の方たちに重ね合わせることができたのです。まずは中小企業診断士の二次試験に合格し、その資格を生かして経営者のパートナーになるのが、今のわたしの目標です。

4年間の学び

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中小企業診断士1次試験に晴れて合格!! 今は、2次試験合格を目指しています。

1年次

授業で学んだことを、アルバイト先で実践
『経営組織論』の授業で学んだ組織をマネジメントする考え方を、リーダーを任されていたアルバイト先の飲食店で実践。経営を社会に生きるものとして実感できました。お昼まではバイトに専念し、夕方以降は勉強に集中できる環境なので、仕事と学業の両立も想像以上に図れました。

2年次

中小企業診断士の勉強を通して、幅広い経営の知識を習得
社会人の友人の薦めで、経営学部が主催する中小企業診断士の取得講座を受講。この勉強を通じて、経営戦略だけでなく、企業の財務や労務、生産など幅広い経営の知識を身に付けることができました。

3年次

現役の中小企業診断士とのネットワークを就職活動に活用
一次試験の合格を機に、現役の中小企業診断士のネットワークが広がりました。またイブニングコースに通う社会人の方や、セミナーで知り合あった経営者の方々との交流も増え、就職活動での参考になる意見やアドバイスを得ることができました。おかげで、将来の働き方を考えることにもつながりました。

4年次

今までの知識をさらに深める研究テーマを選択
中小企業診断士の勉強と関連性の高いテーマ、『中小企業における環境マネジメント』に着手。併せて学ぶことによって、相互の理解を深めました。さらに、将来の仕事に役立つ、中小企業のあり方を模索する研究に取り組むことができました。
高校時代のわたし
高校2年生までは部活動が中心の高校生活でした。しかし3年生になって、もっと知識を身に付けたいと意志を持って進学を選択。社会に出たときに即戦力として役立つ学問を学ぼうと選んだのが経営学です。勉強を始めたのは3年生の4月。進学塾には行かず、学校の勉強と通信教育で、受験科目の基礎力を徹底して身に付け大学受験に臨みました。

アドバイス

大学入学がゴールではなく、これからがスタート
大学入学が、わたしたちのゴールのように思いますが、これはあくまでスタートです。自分が希望する大学や学部に進学できなかったとしても、その先に目標があるなら、まだまだ挽回することは可能です。そのために大学4年間を有意義に過ごすことが大切だと思います。出会いの縁を大切に、納得できる大学生活を楽しんでください。

須山 碧水さんイブニングコース 経営学部 経営学科 4年

  • 内定先:株式会社帝国データバンク
  • 神奈川県立相模大野高等学校出身

未熟さを打破するため、様々なことを経験

高校時代は、これをやり遂げたと実感できることがなく、毎日をメリハリなく過ごしていたと思います。そんな自分を変えていきたいと思い、大学ではいろいろなことにチャレンジ。一つはサークルの創設。自分たちから周りに関わりを持とうと始めました。今ではほかの学部とのネットワークもできました。またアルバイトでは『マネージャー』という責任ある立場を通じて世代や立場の異なる同僚たちとのコミュニケーションや組織運営など、社会人になるための基礎力を培いました。4年次にはイギリスに短期留学も経験。帰国後は、英会話クラブに所属し、フィリピンからの留学生の学習・生活支援を行い、英語力を磨く活動にも積極的に取り組みました。大学では高校時代には想像もしなかった数々の経験を通して、主体性や自立心を高められたと思います。

大学の支援制度を活用し、就職活動を有利に進める

3年次の後期が始まると同時に、就職活動の準備をスタート。何をすればよいか分からなかったので、まずは就職支援室を訪問して企業研究やSPIなどに取り組みました。中でも一番自分の力になったのは『1day就職合宿 面接』という実践的なグループワークです。川越キャンパスのOB・OGの方にも協力いただいてグループディスカッションなどを徹底的に練習。これを機に自分が話し合いをまとめるリーダー的な役割が得意なことに気付くことができました。その後も就職支援室をほぼ毎日訪れ、親身にアドバイスをいただき就職活動に自信を持って臨むことができました。将来は、大学での様々な経験を生かして、海外と日本をつなぐ仕事に関わっていきたいと思っています。

4年間の学び

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留学先のイギリスで英語に触れた経験は、帰国後も英語力を磨くきっかけに。

1年次

主体的に行動することで、視野が広がり成長を実感
周囲への関わりを増やすために新たなサークルの立ち上げや初めてのアルバイトに挑戦。また地元・川越のバスケットボールクラブにも参加して、価値観や世代の異なる人たちとの関わりを通して様々な考え方を学び、自分の視点も広がりました。主体的に行動することで、自己の成長を実感。

2年次

発変電工学という学問を通して、エネルギー分野に傾倒
1年次で身に付けた基礎知識・技術を生かし、2年次にはエネルギー・制御、エレクトロニクス、情報通信など幅広い分野を学習。ここで、発変電工学という授業で水力発電と火力発電との違いを知り、エネルギー分野について興味を持つように。次世代のエネルギーの供給バランスなどを考察したりするようになりました。

3年次

早くから就活準備を行い、自己分析に注力する
就職支援センター主催の『1day就職合宿 面接』に参加し、面接やグループディスカッションを練習しました。自分の得意・不得意な点が明確になり、就職活動には自信をもって臨めました。

4年次

日本と世界のパイプ役を目指し、内定獲得後にイギリス留学
研究してきた環境エネルギー系の中から、事業をグローバルに展開する実力主義の企業を志望。内定後も語学運用力を高めるために日常的に英語に触れられるように努めました。
高校時代のわたし
高校時代は部活動や勉強などで「やりきった」という達成感をなかなか持てませんでした。そういう点では、少し中途半端な高校生活だったと思います。だからこそ大学では新しいことに臆せず挑戦して、自分のやりたいことを必ず見つけようという思いが人一倍ありました。

アドバイス

幅広く挑戦して、自分の進路を見つけてみよう
貴重な4年間。この時期しか体験できないことも数多くあると思います。1・2年次にはいろいろなことに挑戦してみる。3・4年次にはやりたいことを絞ってそれに一生懸命に取り組んでみる。そんなふうにして将来の進路を見つけていくのも一つの方法だと思います。夢中で取り組めば無駄なことなど何一つありません。

高田 秋成さん理工学部 電気電子情報工学科4年

  • 内定先:住友電装株式会社
  • 埼玉県・私立川越東高等学校出身

大学にある豊富な資源。生かし方は自分次第

入学して感じたのは、学びに関してはもちろん、就職に関しても、一連のキャリア形成支援プログラムなどを通じて幅広く情報が得られるということでした。そんな大学を活用しない手はないと思い、1年次の夏を過ぎたころから、積極的にセミナーやガイダンスなどに参加するようになりました。また、学習面では元々興味があった民法だけに偏らないよう、幅広く履修するように心がけました。就職・キャリア支援課主催の『仕事フォーラム』に参加したのも1年次のこと。将来は、教育関連の民間企業に進もうと思っていたのですが、卒業生からリアルな仕事の話を伺ったことによって、より広く可能性を模索してみようと考えるようになりました。

人生の先輩との出会いが公務員志望を後押し

マラソン大会で知り合った40代の女性に、教育関連の仕事をしたいこと、それ以外にも幅広く経験したいことなどを相談しました。「じゃあ、公務員がいいんじゃない?」とおっしゃってくださって、真剣に公務員の道を考えるようになりました。都庁を受けると決めたのは3年次の12月と遅く、正直あせりました。それでも、公務員試験対策講座に参加して、力をつけることができました。特に、時事問題と教養論文の講座は役に立ったと感じています。おかげで、合格することができました。まずは、教育関連の業務に就きたいという思いはありますが、これまで以上に幅広い視野を持ち、自分の可能性にブレーキをかけない働き方をしたいです。

4年間の学び

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就職キャリア支援課前の掲示板をこまめにチェックして情報を収集

1年次

本当にやりたいことは何? 将来につながる模索がスタート
夏ごろまでは、ただ授業に出ているだけという状態でした。これでは駄目だと思い、心機一転。他学部の授業を受けたり、就職・キャリア支援課主催の就職関連のセミナーやガイダンスに参加したりする中で、本当にやりたいことを真剣に考え始めました。自ら求めれば大学はしっかり応えてくれます。単純なことですが、大きな気付きでした。

2年次

塾講師のアルバイトで課題解決力を身につける
塾講師のアルバイトを通じて、教育の難しさ、奥の深さ、そして大切さを感じました。なかなか成績が上がらない生徒について、どうカリキュラムをつくるか。そして、保護者にどうご説明してご納得いただくか。常に、見直しと検証をする中で課題を正しく把握し、対策を立て、プレゼンする力がついたと感じています。

3年次

視野を広げてくれた出会い。公務員への志望を固める
マラソン大会で出会った女性はご自身が公務員だったこともあって、具体的な仕事のことを織り交ぜてアドバイスしていただきました。特に、都庁のような大きな自治体であれば、部署間異動をすることによって、本当に幅広い業務に携われることを教えていただいたことが大きかったです。

4年次

1日13時間の受験勉強。出遅れを挽回して見事合格
公務員試験の受験勉強を始めたのが3年生の12月と遅かったこともあり、大学の公務員試験対策講座によって効率良く勉強できたことは、本当に良かったと感じています。同じ目標を持つ仲間と励まし合うことによって頑張ることができました。
高校時代のわたし
毎日、部活のバレーボールに打ち込んでいました。そんな中でも、オープンキャンパスに参加し、大学ごとの違いを自分の肌で感じたり、学部で学べる内容をしっかり調べ、キャンパスライフのイメージをふくらませていました。受験勉強を始めたのは、部活を引退した3年次の夏から。過去問題をひたすら解いて弱点を補うようにしました。

アドバイス

知りたいという気持ちを大切に。可能性を追求すること
大学の4年間は、大いなる成長、大いなる変化の時間。興味の対象は広がったり移り変わったりしていくことでしょう。そんな変化も総合大学である東洋大学はしっかり受け止めてくれます。ですから、知りたいという気持ちを大切に貪欲に知識、情報を求めるようにしてください。必ず応えてくれると思います。

宮原 一菜さん法学部 法律学科4年

  • 内定先:東京都
  • 埼玉県立蕨高等学校出身

見守ってくれた近所の方々に恩返しをしたい

わたしの地元は埼玉県の小川町というところで、まだまだ昔ながらのご近所付き合いが残っている土地柄です。わたし自身、近隣のおじさん、おばさんに優しく見守られる中で育ちました。福祉に興味を持ったのは、お世話になった方々に少しでも恩返しをしたいと思ったからです。3年次に社会福祉協議会のご協力のもと行った1ヵ月に渡る実習が印象に残っています。社会福祉協議会職員が人と地域のつながりを強めるため、サロン活動や小地域福祉活動を提案・支援したときには、自治会役員や民生委員等を中心に、主体的に参加してくださる方が続出。地域のためになりたいという強力な住民パワーを感じました。そんなパワーを結集することができれば、時間はかかるかもしれないですが、きっと地域の問題は、解決していける。そう確信しました。

大学で学んだことを地域のために生かしたい

3・4年次のゼミでは、『住民ボランティアが行う配食サービスの意義と可能性』を研究テーマにしました。高齢者や障がいのある方に住民ボランティアが食事を自宅に届けるサービスなのですが、配食だけにとどまらず、安否確認などそこから多くの可能性が広がるのではないかという仮説を立て、アンケートやインタビュー、参与観察といった手法も取り入れ、研究しました。ボランティア側も多くは年配の方々で、ご自分の楽しみや社会参加となっている面もあるなど、様々な要素を考え合わせると、福祉のまちづくりそのものにもつながっていく可能性があることがわかってきました。わたしももうすぐ社会福祉協議会の職員。学んだことをフルに生かして地域のためになる仕事をしていきたいです。

4年間の学び

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実習で体験した障がいのある方とのスポーツレクリエーション

1年次

目的を見失っていたときに出会った福祉の専門誌
大学入学後、関心のあった”福祉”を学び始めましたが、知らないことの多さに驚き、戸惑い、「これから、何を頑張ればいいんだろう?」と壁にぶつかってしまいました。一人で自分を見つめ直すため図書館に足を運ぶようにしたところ、福祉関係の専門誌『Juntos』を発見。興味を持ち、ファイル作成をするうちに、そんな悩みはすっかりなくなりました。

2年次

育児放棄の母親を題材にした映画を分析し見えてきたこと
映画『誰も知らない』の中で描かれていた育児放棄をした母親の姿は、衝撃的でした。そのような状況になってしまった家族が近所に住んでいても、見て見ぬ振りをする社会や環境、周りとの関係性がそこには影響していると感じました。ご近所同士、自然と声をかけ合うことができる”お互い様”の社会を取り戻すために頑張っていきたい。そう思うようになりました。

3年次

美術創作のサークル長となり作品展示会も実施
『Nebula』という美術創作のサークルに所属し、3年次にはサークル長になりました。メンバーみんなが楽しめる空間を作りたい!一人ひとりの得意なことを生かしたい!そんなことを目標にしていました。ときに励ましながら、ときに一緒に作品をつくりながら、はじめての学外展示会開催にこぎつけることができ、みんなで成長することができたと感じています。

4年次

福祉関連の2つの資格を取得。今も社会福祉士の資格を目指す
高齢者や障がいのある方に対して、生活しやすく住環境を整備する際、関係機関と利用者を結ぶ役割となる福祉住環境コーディネーターと、介護技術やその考え方を学ぶことができるホームヘルパーの資格を取得しました。いずれも、福祉の仕事をする上で役に立つ知識を得ることができました。
高校時代のわたし
具体的な目標を決めないと頑張れない性格で、2年次には東洋大学志望を固めていました。オープンキャンパスにも参加して感じた朝霞キャンパスののんびりした雰囲気も気に入りました。受験勉強は、過去問題を解くことを中心に、試験の特徴に慣れることを重視しました。

アドバイス

好奇心を持って生活すれば必ず新たな発見があるはず
毎日、どんな気持ちで大学生活を送るかによって、4年間の意味はまったく違ってくると思います。わたし自身、入学直後スランプに陥ってしまいましたが、自分をよく見つめ、興味あることに向かって進んでください。必ず新たな発見があるはずです。

島野 明日香さんライフデザイン学部 生活支援学科 生活支援学専攻4年

  • 内定先:社会福祉法人鶴ヶ島市社会福祉協議会
  • 埼玉県立熊谷女子高等学校出身

実践的な授業を転機に、新たな進路を見出す

入学当初は、将来スポーツ医学の分野に進みたいと考えていましたが、3年次に前川透先生の「非線形の科学」を受けて、その進路が大きく転換。「公式は必要なときに使えること。そして重要なポイントを押さえてメモをとることが必要不可欠である」として、ノート持ち込みの試験を行ったり、「重要なのはプレゼンテーション力」ということから、他の授業より多くの発表する機会が設けられていたりして、とても斬新で刺激的な授業でした。この実践型授業を機に、前川先生の「ナノサイエンス研究室」を選択。研究室では英語の論文を読めることが求められましたが、先輩の親身な指導や復習に力を入れることで、少しずつ研究の理解も深まり、電磁波をシャットアウトするガラスへの応用などナノファイバーの可能性を実感しました。生活の向上に貢献できる科学の研究を通して、就職先はヘルスケア業界をリードするロシュ・ダイアグノスティックスを志望。自分としては一つの挑戦だったので、内定をいただいたときは涙が出るほどうれしく思いました。

出会った人たちに支えられた大学4年間

大学時代には視野が広がったり、自分の進路を決める機会になったりと、いろいろな場面で転機があり、出会いがあります。アルバイト先のアミューズメントパークでは、ホスピタリティと呼ばれる「心からのおもてなし」のサービスに専念し、お客さまが何を求めているか、その人の目線や姿勢だけで気付き、応えていく接客に取り組んでいました。結果、これからの仕事にも活用できるコミュニケーションスキルを学んだほかに、人の為になることに大きなやりがいを得られることを実感。またバイト先の上司や知り合いの社会人など世代の異なる人たちと広く交流をしていくことで、学生という立場ではなかなか気付かないような就職観や人生観などを学ぶことができました。おかげで、就職活動にも気後れせずチャレンジできたと思います。振り返れば、いろいろな人に支えられた大学4年間でした。これからも人との出会いを大切にして、新たなことに挑戦し続けようと思います。

4年間の学び

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ナノファイバーの応用は奥が深く、様々な環境下で実験中

1年次

学業とアルバイトの両立に、主体的に取り組み世界が広がる
生物や生体そして医工学の知識を幅広く習得するため、今まで学んだことがない科目を精力的に履修。プライベートでは高い顧客満足度が求められるテーマパークで、初めての接客に注力。そんな環境だからこそ、人の為になることに喜びを感じられる気付きを経験し、世界が大きく広がりました。

2年次

リーダーとしての経験が、問題解決力を養うきっかけに
アルバイト先でリーダーを任され、新人スタッフの教育やマネジメントを担当。自由な裁量権のある環境で、自分のスタイルでメンバーの指導に挑戦。壁にぶつかりながらも、上司からのアドバイスをもとに乗り越えてきました。この経験は、今の自信につながっています。

3年次

斬新な授業を通して、プレゼン力の重要性を実感
「非線形の科学」の授業を受けて、プレゼンテーション力や要約力の重要性を実感。この授業を機に、ナノサイエンス研究室を選択しました。

4年次

基礎知識や技術を生かして、データ採取
卒業研究は「レーザーとベンゼン環によるナノファイバーの生成」。ナノファイバーを医学的に応用できるかどうかについて探りました。まだ基礎研究の段階なので、目下のところ様々な環境下での実験データを採取中です。
高校時代のわたし
わたしの所属していた野球部は、部員数が多く、実力主義の環境でした。このときに学んだのは結果を出せるプロセスにこだわること。真面目に練習をしているだけでは、求めるスキルや技術が身に付かないことを痛感しました。今のわたしの考え方のベースになっています。

アドバイス

焦らなくていい!自ら行動すれば、夢や目標は見えてくる
わたしもそうでしたが、多くの大学生の場合、高校時代の目標と、大学卒業時の目標は変わってくると思います。今、決まった夢や目標がないからといって、焦る必要はありません。そのときに、自分がベストだと思う選択をしていけば、必ず目指したいものは見つかるはず。大学では、興味のあることに取り組める時間が豊富にあるので、いろいろ挑戦して、その中で、自分の夢を見つけてください。

濱洲 良太さん理工学部 生体医工学科4年

  • 内定先:ロシュ・ダイアグノスティックス株式会社
  • 千葉県・市立松戸高等学校出身

サークルの代表を機に、主体性を身に付ける

今しかできないことをしようと、以前から興味のあった国際ボランティアサークルに入部。フィリピンの貧しい人たちの支援活動に取り組んでいるサークルで、2年次には代表を務めました。これを契機に、現地の女性たちがつくっているオーガニックの石けんを買い付けて、学校内のブースや文化祭で販売する新たな活動を実施。何事にもあまり積極的でなかったけれど、徐々に主体性が芽生えてきました。石けん販売で得た売上金を、セブ市のデイケアセンター建設資金の一部にし、今では地元の子どもたちの授業スペースとして活用されています。現地の貧困状況を目にしたときは「わたしたちにいったい何ができるのか?」と疑問を感じたこともありましたが、完成した建物を見て、行動を起こせば、少しでも現状を変えられることを実感しました。

自分を見つめ直し、新たな進路を模索

フィリピンなどを訪れて、改めて日本という国の素晴らしさを実感しました。またわたしにとってのやりがいは、目の前にいる一人ひとりの支えになることだという、自己分析やこれからの進路を考える良い機会にもなりました。三井不動産商業マネジメントでは、各テナントの店長さんの悩みを一緒に解決していくことが仕事になるので、今までフィリピンの人たちに取り組んできたことを違ったカタチで生かすことができるのではと思っています。ボランティア活動は、時間を見つけて続けていきます。学生にしかできないことがあるように、社会人だからこそできる活動もあるはずです。サークルの後輩たちをサポートしながら、新たなステージでも、主体的にチャレンジしていきます。

4年間の学び

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フィリピンでの多くの出会いから行動こそが明日につながるということを教わりました。

1年次

グローバルな視点に必要な基礎知識を習得
「開発とNGO」「国際環境計画入門」「地域文化B」などの授業を通じて途上国支援、環境問題、地域文化などを総合的に学習。グローバルな視点で、海外の地域社会を研究するための基礎的な知識が身に付きました。

2年次

フィリピンへの留学を通じて、貧困の現状を知る
学部のプログラムである語学留学に参加。選んだのはフィリピンのサウスウェスタン大学。異国の文化に触れ、多様な価値観を学べただけでなく、貧しい子どもたちへの炊き出しのプログラムにも参加して、貧困の現状を自分の目で知ることができました。
サークル活動を通して、リーダーシップ力を養う
30名が在籍するボランティアサークルの代表となり、フィリピンの貧しい人の支援活動を行いました。やりがいを感じるとともに、人をやる気にさせるコミュニケーションの大切さを強く学びました。

3年次

国際機関でのインタビューは、語学力を生かす機会に
ゼミでは国連ミレニアム開発目標を研究。インドのUNICEFなど14の国際機関を訪問し、英語で議論を行いました。事前準備や事後報告のために200ページもの資料を皆で協力して作成。語学力を生かす機会になったのはもちろん、これからの就職活動の自信にもつながりました。

4年次

授業やゼミで学んだ知識を、サークルで実践
代表最後の仕事として、1年次生を連れてフィリピンを訪問。現地の子どもたちと触れ合う機会を増やすなど、興味が持てるようプログラムを工夫。最終日には後輩から「帰りたくない」という声も。授業やゼミで学んだ知識を、サークルで実践した4年間でした。
高校時代のわたし
最初は就職希望でしたが、2年生の英語の授業が楽しくて、もっと勉強したいという思いが強くなり大学を目指すことに。東洋大学のオープンキャンパスに来て、以前から興味のあった国際問題を学べる学部があることを知り、進学を決意しました。

アドバイス

学び、行動すれば、未来は広がる!
大学のイメージだけで選ぶのではなく、自分が学びたい内容で、進学先は決めてほしいと思います。そのためには、興味あることを明確にすることです。入学後の行動も大切。どう行動すべきかを考えて、あとは実践するのみ。東洋大学には、同じような志を持った学生が集まっています。刺激のある環境で、自分の思いを実現してください。

花澤 美佳さん国際地域学部 国際地域学科4年

  • 内定先:三井不動産商業マネジメント株式会社
  • 千葉県立君津高等学校出身

子どもの無限の可能性をボランティアで知る

元々、養護教諭になりたいという希望があり、3年次から取り組み始めたボランティア活動によってますますその気持ちが強くなりました。活動内容は、学習アドバイザーとして土曜日に学校へ勉強に来る子どもたちを先生とともに見守るもの。各自宿題をすませた後、そろばんやカルタなど、普段あまり学校でしないことを楽しみながら学習してもらいます。そこで感じたのは、子どもたちの無限とも思える成長力。一つ教えるとどんどんできるようになって「もっと問題をください」と言ってくるのです。なんて素晴らしいのだろうと思いました。3年次には教員になったゼミの先輩から、大学で話を伺う機会もあり、本格的に採用試験に向けて勉強を始めました。

キャリア支援室で鍛えられた小論文と面接

4年次に入ったころ、教育実習中に養護教諭の先生に大きなけがに出くわすこともあるというお話を聞き、命を預かる責任の重大さを思うと、自分は教員としてやっていけるのだろうかと不安が膨らみました。そんなとき、同じ教員を目指す友だちと多くのことを語り合い、たどりついたのは「教師って、やっぱり本当にやりがいのある仕事だよね」という結論。改めて、養護教諭になりたいと強く思いました。3年次から通ったキャリア支援室にも、大変お世話になりました。週一回、校長先生を経験された方に小論文や面接の仕方などを懇切丁寧に指導していただき、そのおかげもあって、晴れて合格。理想として思い描いている「お母さんの目線を持った先生」となれるよう頑張ります。

4年間の学び

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3年次から養護教諭の採用試験に向けて本格的な学びをスタート

1年次

あまりに自由な大学生活に戸惑いながらも徐々に順応
校則の厳しい高校からとても自由な東洋大学に来て、とても戸惑ったことを覚えています。しかし、同じ目標を持った仲間や熱意を持って教えてくださる先生方に囲まれ、自分の目標に向かって歩みだすことができました。

2年次

お母さん目線での授業に感銘。養護教諭への思いを強める
教職課程は教員経験のある先生が担当されることが多く、実際にあったエピソードを交えて教えていただくことで、教育現場をリアルにイメージできました。特に印象的だったのは、40代の女性の先生の授業。視点が先生ではなく母親のものでした。おかげで、思い描くあるべき教員の姿がより明確になりました。

3年次

保健体育の教諭となったゼミの先輩からアドバイス
主に試験勉強の方法を教えていただき、とても参考になりました。実際に、合格した先輩からの話を聞いて、身が引き締まる思いでした。指導の後、すぐに参考書を買いに行ったことを覚えています。

4年次

早々と就職を決める友を横目に採用試験に向けて一直線
7月の一次試験に向けて、先輩に薦められた参考書をひたすら勉強する毎日でした。学習アドバイザーとして接した子どもたちの姿や、自分が教員として教えている姿をイメージしながらモチベーションを保ち、頑張りました。
高校時代のわたし
部活でソフトテニスに打ち込んでいました。本格的な受験勉強は、その部活を引退した3年生から。基礎をしっかり固めることを徹底しながら、過去の問題を集中的に解いていきました。

アドバイス

自分は何にワクワクするのか日常生活の中で観察すること
目標が定まっている人はその目標に向けてまっすぐ頑張ってほしいと思います。そうでない人は、毎日の生活の中で何が楽しいのか、どんなことをしているときにワクワクするのかという観点で自分を観察してみてはどうでしょう。きっと進むべき方向が見えて来ると思います。

石川 梨絵さんライフデザイン学部 健康スポーツ学科4年

  • 内定先:さいたま市養護教諭
  • 埼玉県・私立星野高等学校出身

基礎から着実に技術が身に付くカリキュラム

父親と同じ施工管理の仕事に就きたいと思い、建築学科に入学しました。1年次は幅広い分野を学び、2年次にはMyアトリエと呼ばれる製図作業スペースを一人ずつ与えられ、図面制作に専念することができます。おかげで建築に関わる技術を着実に身に付けることが可能に。3年次は実習中心で、柱や梁に何本の鉄筋が必要なのかを計算し、それをもとに構造図を作成する実践さながらの内容は、ゼネコンの技術者に必要な工程監理や図面を読み解く技術を身に付けるのに最適な内容です。後期には研究室に所属し、卒業研究では新しい耐震構造の研究にも着手。様々な実験を行い、既存の工法を上回る耐震強度の実現も見えてきました。これらの経験を通して施工管理の仕事の難しさを知るとともに、着実に目標に近づいている手応えを感じています。

先生の的確なアドバイスやネットワークが就活の支えに

3年次から所属した研究室は、わたしにとって非常に心強い存在でした。産学連携プロジェクトを通して、新たな耐震技術への取り組みに参加できたことはもちろん、担当教官の松下吉男先生には将来の進路決定において、様々なサポートをいただきました。それまで施工管理技術者という目標はありましたが、どこの企業に就職しどんな建築物を手がけたいのかという具体的なビジョンまでは全く描けていませんでした。そこで先生から必要なスキルや業界の特長、企業の違いなど詳しいアドバイスをいただき、次第に自分が目指す進路が明確になりました。また研究室にOB・OGの方々が来られ、就職説明会を開いていただいたのも良かったです。企業との接点が少ない中で、身近なOB・OGの方々が、志望する業界や企業にいるのはとても心強いものです。説明会後も、再度お会いして社内の雰囲気や具体的な仕事内容などをお聞きし、さらに内定先で働きたい思いが強くなりました。

4年間の学び

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研究室仲間と耐震強度の確認

1年次

刺激的な授業に触れ、建築への学習意欲が向上
ご自身の作品をもとに、建築の目的などについて教えてくださった工藤和美先生の「空間計画」の授業を受講。廊下と教室を隔てる壁をなくした、今までに見たこともない建築物で、驚きと同時に建築への可能性を感じ、建築への学習意欲がさらに高まりました。

2年次

施工管理の基礎を養うため「構造解析学」などを履修
建築物を建てる際に必要な基礎知識を「構造解析学」「鉄筋コンクリート構造」などの授業で学習。目指している施工管理技術者には、必要不可欠な知識のため、苦手分野については、復習や先生への相談を繰り返し行うことで、理解を深めました。

3年次

将来の夢を目指して、「構造設計演習」を選択
2階建ての鉄筋コンクリート製の建物を設計する「構造設計演習」では、これまで学んだ基礎知識を具体的な建物に応用。構造図をゼロから作成するので、実践的な知識・スキルを身に付けることができます。

4年次

新たな耐震構造の研究が、将来の目標にもつながった
新たな耐震構造で小学校の耐震性を高める研究を企業と共同で行いました。従来のものと比べて、耐震強度も上がり、今は実用化に向けて取り組んでいます。この研究を通して、耐震性にこだわった建築物を手がけたいという目標を見つけることができました。
高校時代のわたし
「あれが、お父さんのつくった道路だよ」と、母が新幹線から見える高速道路を指差してくれた記憶が、いつまでも残っています。いつかは自分も父親のような仕事をしたいとずっと思っていました。受験勉強を始めたのは、部活を終えた3年生の7月。試験まで残りわずかだったので苦手な英語を中心に、全体の底上げに努めました。

アドバイス

将来やりたいことを、まず定めよう!
大学は専門知識を追求する場です。複雑な考え方を身に付けたり、難解な課題に挑戦したりするので、やりたいことでないと長続きしません。だからこそ高校生のときから、将来どんなことをしたいのかしっかり考えることが大切です。東洋大学には、あなたの望むことを実現できる環境が整っています。目標を決め、モチベーションを高く取り組んでください。

佐藤 駿一さん理工学部 建築学科4年

  • 内定先:大成建設株式会社
  • 東京都・都立雪谷高等学校出身

たった一人の行動が世界を変えることも

バングラデシュでボランティアをしたのは、3年次のとき。理論だけでなく、現実に起きていることを自分の目で確かめる必要があると思いました。驚くことに、現地の人たちにはゴミをゴミ箱に捨てるという習慣がありません。道端はゴミだらけで劣悪な衛生環境です。そこで、日本の学生100人とダッカ大学の学生100人が中心となって、この悪習を変える活動をすることになりました。3ヵ月の準備期間を経て、最終的には地元住民を含む約1000人もの人たちが参加。別れ際に一人の学生が言ってくれた「ゴミ拾いの大切さを知りました」という言葉が今も強く心に響いています。行動を起こせば、わずかであっても世界を良い方向へと変えて行くことができると確信しました。

素晴らしい先生との出会いが夢を現実に

2年次に入った佐野聖香先生のゼミに3年、4年と続けて在籍しました。本当に熱心に教えてくれる先生で、12名のゼミ生全員の就職活動についても、エントリーシートの添削や面接をはじめ、細かくご指導いただきました。週一回の就職活動報告会では、各自が定めた目標に向けてモチベーションを高く持ち続けるよう叱咤激励していただき、頑張ることができました。翌日は、いよいよNTT東日本の最終面接という日に先生からいただいた電話は忘れられません。面接で話そうと考えていた内容を伝えたところ、「それじゃ駄目」と具体的にアドバイスしてくださいました。ゼミ生全員が早い時期に就職を決めることができたのも、先生のそんなご指導があってこそ。本当に感謝しています。

4年間の学び

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ゴミ箱へ捨てる習慣のないバングラデシュで地元の皆さんとゴミ拾い

1年次

語学研修旅行に参加したことから徐々に積極的な姿勢に変化
高校時代は、何にも挑戦しない受け身な生徒でした。しかし、大学では少しでも興味のあることに挑戦しようと思い、英語語学研修プログラムに参加しました。研修をきっかけに自ら意志を持って行動しないと何も身に付かないと考えるようになりました。

2年次

すべて自分で手配しエストニアへ。積極的な交流で広がる世界
航空券から宿泊するホテルまで、すべて自分で手配して友人と2人でエストニアへ行き、国立公園100周年を祝うワークショップをお手伝いするボランティアに参加しました。1年次の研修では、日本人の友だちがたくさんいる状況でしたが、エストニアでは、各国の人たちと積極的に交流。自ら動くことで、どんどん世界が広がっていくことを実感しました。

3年次

バングラデシュのゴミ問題に地元住民とともに取り組む
その地域の課題を把握し、地元の皆さんと改善に向けてともに行動する。小さな変化かもしれませんが、良い方向へと動き出すきっかけにすることができたのは、本当にうれしいことでした。

4年次

ゼミの先生の強力指導のもと志望企業から見事内定を獲得
ゼミで、BOPビジネス(貧困地域の様々な問題の解決に貢献する活動を事業として行うこと)を学ぶ中、援助という一方的で一時的な形ではなく、持続可能な企業活動を通じて、地域に貢献することに大きな意義を感じるようになりました。NTT東日本を志望したのは、世界でそのような活動ができる企業だと考えたからです。
高校時代のわたし
貧困問題に関心を持つようになったのは、ゴミの山で働いている少女の姿をテレビで見たことがきっかけです。頑張ろうとしてもチャンスすら与えられない途上国の現実にショックを受けました。そんな問題について学べる国際経済学科を目指して受験勉強をスタートしたのは、3年次の夏のこと。国語、英語、数学に絞って勉強しました。

アドバイス

興味の持てる分野を選ぶことが充実した大学生活を送る鍵に
「何を学びたいかわからない」という悩みを持つ人は、案外多いのではないでしょうか。そんな場合は、日々の生活の中で自分が何に驚き、何に感動するのかを考えて、少しでも興味のある分野に進むようにしてください。そうすれば、大学での学びに意義を見いだすことができ、充実した大学生活が送れると思います。

山岡 由季さん経済学部 国際経済学科4年

  • 内定先:東日本電信電話株式会社
  • 茨城県立藤代高等学校卒業

幅広い選択肢が東洋大学の大きな魅力

東洋大学の特徴の一つに、授業でも、ゼミでも、サークルでも、選択肢が非常に幅広いことがあげられると思います。これは、総合大学で学生数も多いというところから来るのでしょう。わたしは、1年次から所属しているマーケティングを研究するゼミの一環で工場見学に行き、ものづくりに対する興味を持つようになりました。日々、消費者のニーズを把握し、商品の改良につなげていくところに魅力を感じたのです。もちろん、食品メーカーに就職することになったのもその延長線上にあります。幅広い選択肢に触れる中で、学生が興味を持った分野を深く追究していくための資源や機会が豊富にあることが東洋大学の大きな魅力なのです。

揺れる心情を就職・キャリア支援課に相談

就職活動は比較的順調に進み、故郷山形の企業と森永乳業株式会社から内定をいただきました。しかし、故郷に帰って親を安心させたいという気持ちと、やりたい仕事をとことんやってみたいという気持ちがあり、悩んでいました。親は「好きなことをしろ」と言うものの、本心ではないと感じていました。そんなとき、就職・キャリア支援課で何度も相談にのっていただきました。「親孝行の仕方はいろいろあると思うよ。若いうちは好きな仕事を追究してみたら」という言葉をいただき、決断しました。就職・キャリア支援課主催の就職関連イベントには、1・2年次から参加していましたので、心情的にも実践的な部分でも大変お世話になったと感じています。

4年間の学び

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悩んだときには就職・キャリア支援課で何度も相談

1年次

サークル、アルバイト、もちろん勉学にも全力投球
大学で目標を見つけたい! という強い思いから、時間も機会もフルに活用して、何事にも全力を尽くして挑戦するように心がけました。

2年次

講師を招いて開かれる講座を利用し、販売士の資格を取得
自分が学んだことを何らかの形にしたいと思い、販売士2級の資格を取得しました。そのために、学外の講師を大学に招いて行われる講座を1年間受講。学外の講座とまったく遜色のない質の高い講座を移動時間のロスもない学内で受けられ、効率良く勉強することができました。受講料も一般より安く設定されていて、助かりました。

3年次

ゼミ長となり、組織のまとめ方を身をもって経験
ゼミには、1年生から4年生までが在籍し、その個性も様々。ゼミ長としてまとめていくことは、大変な仕事でした。心がけたのは、なかなか発言できない人たちと個別に話をし、意見を述べてもらうこと。その人の発言で、より一層ゼミの場が活発になっていくのです。

4年次

就職活動支援のイベントを活用し、5月には内定を獲得
就職・キャリア支援課主催のイベントには必ず出席しました。興味のある分野にどんな会社があり、どんな仕事があるのかという外部の情報と、自分はどういう人間で、どんな適性があるのかという、いわば内部の情報の両面で認識を深められたことが、早期内定につながったと感じています。
高校時代のわたし
部活で野球をしていたので、普段なかなか勉強の時間がとれませんでした。そこで、授業を集中して受けることを心がけました。極力、授業内で理解する。わからないことがあればその場で質問し、解決することを徹底しました。受験勉強を本格的に始めたのは3年次の夏休みから。過去問題集を中心に勉強しました。

アドバイス

短いスパンの目標設定で一歩ずつ着実に向上を図る
将来の大きな目標を持つのも大切だと思いますが、わたしが勧めたいのは、例えば1日単位の細かな目標を設定すること。わたしの場合は「今日はゼミで5回以上発言する」というような目標をその日の予定に応じて設定していました。そのようにして、少しずつでも着実に向上していくことが大切だと思います。

伊藤 大樹さん経営学部 マーケティング学科4年

  • 内定先:森永乳業株式会社
  • 山形県・私立鶴岡東高等学校出身

教師にとって何が大切か、再確認したボランティア

学生時代にしかできないことをやってみようと、カンボジアのボランティア活動に参加したのは3年次のこと。内容は、小学生の子どもたちに体育を教えるというもの。先生不足により、学校は読み書きや計算の授業のみで、子どもたちは体育の授業を受けたことがありません。そこで私たちは、オリジナルの準備体操や種目を取り入れた、全員参加型の運動会を企画。運動会という行事を先生と生徒が一緒に体験してもらうことで、みんなで一つのことに取り組む大切さも伝えることができ、充実したボランティア活動になりました。言葉がなかなか通じずに一つの種目をやるにしても相当な時間を費やしましたが、それでも皆で最後までやり抜くことができました。この経験を通して、子どもが理解できるまで、あきらめずに寄り添う姿勢が先生には大切だと、再確認できました。

父親の後押しや生徒の励ましで、教師を決意

就職活動中は食品・化粧品メーカーの就職説明会などにも参加。将来何をやるべきか、大いに迷っていた時期でした。そんなとき、教師の道に背中を押してくれたのが中学校の教員だった父親でした。人見知りしない性格や、塾講師・家庭教師として中学生を教えている姿を見て、教師の先輩としてアドバイスをくれたのだと思います。これを機に就職活動を辞め、埼玉県の教員採用試験を受験。母校の高校で行った教育実習では、生徒たちに理科という科目が面白いと思ってもらえるように、工夫を凝らしたプリントを用意して、分かりやすい授業を心がけました。最終日には、担当したクラス全員から色紙に激励の言葉までいただき、中には一度も話したことがない男子生徒から「先生がいなくなるのは寂しい!」と心温まるコメントも。そのおかげもあって、教師としてやっていくことに自信をつけることができました。生徒の理系離れが進む今、一人でも理科に興味を持ってくれる生徒を増やせるような授業をしていきたいと思っています。生徒はもちろん地域や保護者の方からも”信頼される教師”になることが目標です。

4年間の学び

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先生として大切なことが学べたボランティア活動

1年次

将来のキャリアに向けて、幅広く理科の知識を習得
将来、教師という道も考えて、化学系だけに特化せず、生物、地学、物理など幅広い科目を履修。中でも、苦手科目だった物理と地学は、何度もノートやテキストを読み返し、基礎知識習得の徹底に注力しました。

2年次

実験を通して、面白さと難しさの両面を体感
有機化学や無機化学の数多くの実験を通して、思い通りの結果が出ない研究の難しさと、失敗もまた貴重な研究データにつながるという考え方を得ました。また物性測定や分析技術などの専門研究に欠かせない技術も習得。

3年次

ボランティア活動での他大学生との交流が、自分の世界を広げるきっかけに
念願だったカンボジアのボランティア活動に参加し、現地の子どもたちと触れ合う機会を体験。この活動には全国各地にいる他大学生も加わり、彼ら彼女らとの出会いや交流も、自分の世界を広げるきっかけになりました。

4年次

生徒の立場に立った、わかりやすい授業を展開
母校の高校での教育実習。専門用語は、分かりやすい表現にたとえて授業を展開。オリジナルのプリントを用意して、大切な用語はそこに書き込めるように工夫もしました。生徒たちの立場に立った授業を心がければ「理系嫌い」の生徒はもっと少なくできる。そんな手応えを得られた授業でした。
高校時代のわたし
実験機会の多い、化学に力を入れている学校でした。入学当初は化学が苦手だったのですが、授業に好奇心を刺激され、次第に好きな科目に。3年生になるとセンター試験の過去問題が宿題として毎週出され、受験前には化学が得意分野に。センター試験の化学では高得点が取れました。

アドバイス

充実したキャンパスライフは、あなたの心がけ次第
大学時代は、自分が大きく成長できる時期だと思います。納得のいく進学ができなくても、気持ち次第で大学の4年間を充実したものにできるはず。だからこそ、何をするかが大切になってきます。たくさんの情報を集めて、その中から自分がやりたいことを選択し、行動すること。そうすれば、自然と進路は見えてきます。

須田 慶子さん理工学部 応用化学科4年

  • 内定先:埼玉県教諭(理科)
  • 埼玉県・私立東京農業大学第三高等学校出身

積極的に飛び込んだ世界で、先生という目標を見つける

入学時には、将来の目標は何も決まっていませんでした。ただ人生で一番自由な時間が持てるこの時期だから、何か始めたいとは思っていました。それで飛び込んだのが学習支援ボランティアでした。学校がつまらないと思っている子どもたちを相手に教えることで、子どもたちが興味を持てる授業の重要性を知るきっかけになりました。先生になりたいと強く決意したのは、大学3年次に参加した大学主催の『東日本震災復興ボランティア』です。宮城県東松島市で被災した子どもたちと触れ合う中で、辛く悲しい出来事を体験しながらも、寂しい気持ちを少しも見せず話しをする姿を見て、将来を担う子どもたちの力になりたいという思いがふつふつと湧いてきました。それからは、教育課程の授業はもちろんのこと、学部の授業でも何か子どもたちに生かせないかという視点で積極的に取り組むようになりました。

大学主催のセミナーは、教育の現場で役立つ内容

大学の就職・キャリア支援課では、教員を目指す学生向けに「教員養成骨太セミナー」というプログラムを行っています。引退された元・校長先生などが講師として、教師としての人となりや、現場で経験したエピソードも交え話してくださる内容には、新たな発見と説得力を感じました。個別の相談にものってもらえ、保護者のクレーム対応など現場で生かせるノウハウも教えていただきました。卒業後は、自分が理想とする授業を実現するため、大学院へ進むことにしました。子どもたちがなぜだろうという、興味・関心が持てるような授業をつくるには、どのように生徒に発問したり、授業を構成していくのかを、2年間かけて、じっくり研究して、内容を深めていきたいと考えています。

4年間の学び

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課題がたくさん見つかった教育実習

1年次

学習支援ボランティアに参加し、教える楽しさを学ぶ
子どもが好きだったこともあり、以前から興味のあった学習支援ボランティアに参加。週3日、学校に好感を持てていない子どもたちと真剣に向き合い、話しをすることで、元気になっていく姿を見て、教える楽しさが次第に芽生えてきました。

2年次

大学での学びの大切さを再認識する
教職課程の科目の一つ『教育相談』で、カウンセリングを体験。人とのコミュニケーションで、意識せずに行っていた話し方やしぐさが、いかに意味があることかを学び、子どもたちと関わるときには、より意識して取り入れるようになりました。

3年次

授業研究会に参加し、自らの進路を決意
現役の先生向けの授業研究会に学生ながら参加しました。子どもたちが活発に意見を交わす、その授業スタイルに感銘を受け、大学院への進学を決意。進学先では、そうした授業づくりを模索したいと考えています。

4年次

教育実習を通して、現場で学ぶ重要性を実感する
教育実習では、最初は苦戦しましたが、徐々に生徒たちとの距離も縮まり、目指している双方向の授業にもチャレンジ。課題や気付きがあり、現場で学ぶことの重要性を実感しました。
高校時代のわたし
野球部に所属して、3年間練習漬けの毎日。東洋大学の附属高校だったので推薦入試を受けたいと思い、2年生の夏から勉強しました。定期考査の得点アップを目指し、一日単位、一週間単位で、確実に進められる計画を立て、実施。最後には苦手科目を克服するまでになりました。

アドバイス

興味のあることに専念すれば、目標や夢も見えてくる
入学するまでは目標や夢がなくても、焦る必要はありません。大学時代は、自由な時間もあり、何でもできる時期。何かを始めるには最適です。興味のあることに、一生懸命取り組むことで、本当にやりたいことは必ず見えてきます。東洋大学はサポート体制も含めて、充実した環境が整っているので、何か始めなきゃ損です。

西尾 冬馬さん法学部 法律学科4年

  • 進学先:筑波大学大学院 修士課程 教育研究科
  • 茨城県・私立東洋大牛久高等学校出身

作家になる夢をかなえたくて日本へ留学した李眞善さん。文学部日本文学文化学科での学び、指導教員との出会いにより、日本文学への興味の扉が大きく開いたそうです。卒業後は韓国へ帰国し、いつか自分の経験を生かした作品を世に送り出したいと夢はふくらみます。

なぜ日本を選んだのですか?

作家になりたいという夢があり、韓国で高校卒業後に一度、文芸創作の大学に入学しました。しかし、思い描いていた学びとは内容が違い、さらに創作活動をするにはまだ自分が若く経験が浅いということに気づき、学校を辞めて、日韓中の貿易会社に就職しました。日本とのやり取りには初め、英語を使っていましたが、日本人とは英語よりも日本語で話せた方がスムーズにやり取りできるとわかり、独学で日本語を学ぶようになりました。韓国では日本文学が翻訳されているため、いろいろな作家の作品を読むことができます。私は近現代文学、なかでも川端康成が好きで、彼の作品を日本語で読んでみたいという気持ちから、日本文学への興味がわき、文学を通じて、韓国と日本の文化の違いを知りたいと思うようになりました。

東洋大学で得たものは何ですか?

山崎甲一先生との出会いが何よりも大きかったです。東洋大学を志望したのも、山崎先生のもとで学びたいと思ったからです。日本語学校で学んでいるとき、都内の大学で近現代の作家について書かれた論文を調べたところ、東洋大学の先生の論文がとても多く、なかでも、私は山崎先生のもとで学びたい、自分が求める学びはこの先生となら追究できると思いました。厳しい先生だという評判でしたが、とても優しく温かくご指導くださり、先生の価値観にはずいぶん影響を受けました。4年間先生のもとで学びましたが、まだ学び足りないぐらいです。

勉強していて楽しいこと、難しいことをそれぞれ具体的に教えてください。

勉強とは、単に知識を得るではなく、人間として他人に優しくするためにすることなのだと、文学を通じて学びました。また、私たちがつまずいたとき、文学から学ぶことはとても多いと思います。人は何故書くのか、そこには作者の思想や読み手に伝えようとするメッセージがあるのです。近現代の日本文学を学んでみて、時代が大きく変わろうとしているなかでどのように生きるべきかと葛藤している日本人の姿を垣間みることができました。

将来の目標は何ですか?

作家になる夢はいまでも変わりません。東洋大学を卒業した後は一旦、韓国へ帰ることにしました。卒論で日本と韓国の文学を比較研究しましたが、日本の研究だけでなく、韓国の文化や経済事情についてもしっかり理解を深めることが大切だと痛感しました。日本と韓国の文化を客観的に見つめられるような力をつけて、再び日本に戻ってくるつもりです。そして、自分のさまざまな経験を活かして、いつか作家として作品を世に出すことができればと思います。

これから大学に進学を予定している留学生にメッセージ(アドバイス)を伝えてください。

私は韓国にいる際に大学選びを一度失敗しているので、日本で大学を選ぶときにはとても慎重になり、自分に合う大学を選ぼうとよく調べました。ですから、みなさんには私のような失敗はしないでほしいと思います。自分に合う大学とはどんな大学かを考えて選んでください。
東洋大学は私にとって、親のような存在でした。大学の教職員のみなさんは面倒見がよく、在学生たちもやさしく接してくださいました。自分がどうしたいのかを見つめさせ、成長させてくれる場所だったと思います。東洋大学で4年間学ぶことができて、ますます日本という国が好きになりました。

李 眞善 Yi Jin sunさん文学部 日本文学文化学科4年

  • 出身国:韓国
  • 出身日本語学校:国書日本語学校

日本の技術や文化に興味があり、英語以外の言語を学びたいと来日したカマラ・ママドウ・ラミンさん。東洋大学の総合情報学部総合情報学科に留学し、かけがえのない仲間と学び合いながら、メディアについての専門性を深めました。母国の未来のために、経験を生かしたいと夢を描いています。

なぜ日本を選んだのですか?

留学生には大学の情報がほとんど入ってこないため、自分自身でさまざまな大学をリサーチし、研究しました。情報処理や画像処理、プログラミングを学びたいと考えていたので、大学選択で最も重視していたのは、何が学べるのかなど、カリキュラム内容でした。そして出会ったのが、東洋大学の「総合情報学部」だったのです。自分のやりたかったことに、まさにぴったりでした。同時に、とても魅力的だったのが、学費の安さです。留学生にとって、経済的な負担が少しでも減ることはとても大切なことです。

なぜ東洋大学を選んだのですか?

得た中で最も価値あるものと考えているのは、日本の仲間たちです。彼らと出会えたことは、私の宝になりました。留学したばかりの頃は「まったくの新しい世界」に大きな不安を感じていました。そんな私に、ある日、学食で声をかけてくれた学生たちがいました。一瞬、驚きましたが、とてもうれしかったことを今でもはっきり覚えています。それから彼らと仲良くなっていき、いつも一緒に過ごしていました。授業など大学内はもちろん、学外でも身のまわりのことを親身に世話してくれました。かけがえのない仲間の存在は、私にとって大きな支えになっています。

勉強していて楽しいこと、難しいことをそれぞれ具体的に教えてください。

日本語はとても難しいのですが、心理学や哲学の授業で使われる言葉はさらに難しいです。日本人の友人たちでさえ、難しいと言ってるのですから、私にとっては理解することが非常に大変でした。一方、もともと受けたいと希望していた画像処理などのメディアに関する授業には、熱中しました。好きなことは、覚えることもスムーズにできます。卒業制作ではwebサイトの制作にチャレンジしています。

将来の目標は何ですか?

私の母国セネガルやアフリカ諸国の未来のために貢献することが私の最も大きな目標です。東洋大学で学んだこと、日本での経験を活かして、母国やアフリカのために少しでも役立ちたいと考えています。

これから大学に進学を予定している留学生にメッセージ(アドバイス)を伝えてください。

私もそうでしたが、きっと皆さんも、言葉の問題や文化の違いなど、大きな環境の変化に不安を感じていると思います。しかし、友人が増え、授業が楽しくなるにつれて、そんな不安はいつの間にか消えていくはずです。日本や日本人の皆さんに愛着も感じていくはずです。目標を持っているのなら、チャレンジしましょう!挑み続ければ、いつか夢は叶うと信じています。

カマラ ママドウ ラミンさん総合情報学部 総合情報学科4年

  • 内定先:パナソニックシステムソリューションズジャパン株式会社
  • 出身国:セネガル
  • 出身日本語学校:翰林日本語学院

私たちの生活と世界との結びつきは、「国際化」や「グローバル化」という言葉であいまいに語られることが多い。その結びつきを身近なところから学んでほしい。東南アジアの少数民族を研究する長津一史准教授が、フィールドワークの重要性を説く背景には、そんな強い思いがある。国際社会で市民としての役割を果たすためには、世界各地の現象とそのグローバルなつながりを具体的に知ることが必要だ。まずは既成概念にとらわれず、現場を起点に柔軟な視点を持つことから始めよう。

国境にとらわれない地域の形

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「地域」というと、国民国家や国家連合を単位としてその枠組みを想像するのが一般的ですが、そうではなく、生態環境や社会や文化のつながりを軸にその範囲を考えてみるほうが健全ではないでしょうか。私が研究を通じて探ろうとしているのは、そうした国境にとらわれない地域のあり方です。とりわけ強い関心を抱いているのは、東南アジアの海で結ばれた人びとの世界です。東南アジアでは、人びとが海をわたる移動と移住を繰り返す過程で、その生態環境に適した生活様式を生みだし、同じような社会文化的特徴を備えるようになりました。そうした海に生きる人びとを私は「海民(かいみん)」と呼び、かれらが生活圏としてきた地域を海域世界とみなして、その成り立ちと現代における変化をフィールドワークを通じて探ろうとしています。

具体的には、東南アジアの3つの国家の国境にまたがって住んでいる「バジャウ」という人びとに関する調査を長い間おこなっています。近年、特に注目しているのは、かれらのアイデンティティの柔軟さです。かれらは特定の地域に集中して住むのではなく、拡散的に居住地を築き、海や森の資源を巧みに利用しながら海を基盤とする独自の生活世界をつくりあげてきました。その過程ではかれらは、異なる言語、文化、出自の人たちをゆるやかに受け入れて、バジャウとしてのアイデンティティを創りあげてきたと考えられます。そこには、いわば自生的な共生がみられる。このことは、将来に向けて、世界に向けて、大いに発信できることだと思っています。

グローバル化に潜む現実を知る

授業のうち講義では、こうした東南アジア的な共生のあり方、つまり、現代の日本とは異なる東南アジアの社会・文化のあり方を題材にすることが多いです。ただ、ゼミ(演習)や社会調査実習では、東南アジアに目を向けつつも、「グローバル化」を足もとから見直す作業に力点をおいています。

「グローバル化が進む」という表現を日常的に耳にするようになりました。それは、実際に生じている歴史的プロセスです。けれども、私たちの多くは、グローバル化を、たとえば首都と首都の関係、政府首脳どうしの会談、大企業どうしの交渉としてしかイメージしません。私たちの創造力が、スーパーマーケットで安売りされているバナナと、フィリピンのバナナ農園で低賃金で働く人びとの関係にまで及ぶことは、まずありません。世界中から安く買いつけられて食卓に上るエビと、それを養殖するために伐採されるマングローブ林、そしてそこに暮らす人びととの関係に私たちが目を向けることも、まずないでしょう。こうした身近な生活と関連したグローバル化の現実を、私たちはもっと知るべきだと考えています。ゼミや実習では、そうした「グローバル化」のあり方を、具体的な事例を取り上げて調べ、まとめることが課題になります。その学びの手法として、私はフィールドワークに重点をおいています。

草の根から理解し行動しよう

現場に行く、自分の足で歩く、見る、聞く、フィールドワークに基づく教育実践は社会文化システム学科の売りのひとつです。学科全体に関わる活動としては、2007年度から学科教員と学生がともに取り組んできた「紙プロジェクト」があります。東洋大学の白山キャンパスが位置する文京区には、印刷・製本業が多くあります。「紙プロジェクト」は、こうした「紙」に関わる産業とそこに生きる人びととの生活、社会のあり方をフィールドワークを通じて知ろうとする教育研究プログラムです。これまで学生たちは主体的に現場での調査に取り組み、地域社会との連携を図り、その成果をシンポジウムで発表し、報告書にまとめてきました。

世界と関わるなかで市民としての役割を果たしていくためには、自らが生きる地域を足もとから知ることが不可欠です。東南アジアのボルネオ島では、紙や洗剤など私たちの生活を支えるモノの原料を生産するために貴重な森林が伐採されてきました。その現場から、紙のリサイクルを中心的に担っている荒川区の古紙回収業の現場に至るまで、「紙プロジェクト」の学生は自ら足を運び、フィールドワークをおこなってきました。

フィールドワークを通じて学生たちは、調査地の人びととなんとか信頼関係を築き、試行錯誤しながらも、かれらから話を聞かせてもらってきました。こうした現場での学びの過程で、かれらのコミュニケーション能力も大いに向上しました。ただ、自らの生活と世界との結びつきを現場から理解しようとするフィールドワークの経験は、コミュニケーション能力の向上に資するだけでなく、そのすべてが学生のみなさんの今後の人生にも大いに役立つと信じています。なお、「紙プロジェクト」や他の実践的な教育活動を発展させるかたちで、2013年度から社会文化システム学科は「社会文化体験演習」という新たな学びのプログラムをスタートさせました。身近な生活のレベルで、草の根の関わりあいを通じてグローバル化の実際を理解したい、私たちの生活と世界との結びつきをより健全なものにするために自ら行動したい、そうした学生の参加を期待しています。

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長津一史准教授社会学部 社会文化システム学科

  • 専門:文化人類学、東南アジア地域研究

人はなぜ移動し、どうやって移動先の地域社会で生活を組み立てていくのか。人の流れに注目し、長らくフィールドワークを続けてきた社会学科の西野淑美准教授は、大災害発生後の人の流出入についても調査を重ねている。動く人、動かない人、さまざまな人の思いをどうすくい上げることができるのか、都市と地域の社会学の、今後の課題だ。

さまざまな節目で移動する人々

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あなたは引っ越しをしたことがありますか? あるとしたら、それはいつ、どんな理由によるものだったでしょうか。

私の研究テーマは「人の移動」。分野としては都市社会学や地域社会学に含まれます。進学、就職、結婚など、人はさまざまな節目で住まいを移し、県境、国境を越えます。

もちろん、一生同じ場所に住み続ける人もいます。従来の都市社会学ではそうした「動かない人」から見た研究が盛んでした。動かない人の方がその土地のことをよく知っていることも多いですし。

私が人の移動に着目するようになったのは、従来の研究が動かない人や、動き終わって定着した人に拠っていたことが1つ。もう1つは、大都市の多くの人と同じように、私のルーツも動く人にあったからかもしれません。

私の父は新潟から東京に出てきた人です。動く人がどんな理由で移動先を選び、人生を組み立てていくのか。それまでの研究では得られていなかった動く人の思いを追いたいと考えたのです。

動かざるをえなくなる人の思いも

災害が起きたときにも人は動きます。1995年に発生した阪神・淡路大震災から3年後、大学院生だった私は、研究グループで現地調査に赴きました。

調査に入った神戸市灘区では、震災後、道路を広げて狭い路地を減らそうという都市計画が持ち上がっていました。そのため、事業区域内で被災した人たちは、家を失っていても何年も建て替えられないという状況に陥っていたのです。

土地はあっても住めないからと神戸を離れる人。仮設住宅で辛抱強く待つ人。子どもの学校を変えないために近くで住まいを探す人。戻る、戻らないにかかわらず、一人ひとりが厳しい事情を抱えていました。

2011年に起きた東日本大震災でも、これから多くの都市計画事業が行われます。それぞれの事情に対して、きめ細かい支援がなされれば、と思います。しかし、多くの仕事を抱えた被災地の行政には、細かい把握や対応が難しいことも、見えてきました。私は震災以前から岩手県釜石市をフィールドに調査を行っていますが、異なる事情の人たちが、どのような思いを持ってこれからの人生を組み立てようとしているのか、少なくとも、丁寧に記録に残したいと思っています。

多様な価値観を認められる人に

現代人が一番移動するのは、進学や就職と重なる10代後半~20代です。昔は就職による移動が一番大きなもので、女性は最初の移動が結婚によるものというケースも多く見られました。

基本的に、首都圏生まれの人は「動かない人」です。なぜなら移動しなくても求める機会を得られるからです。移動しないと機会を得られない地方の人は、機会が提供されている場所まで移動しなければなりません。大学進学率が上がっている今、自分の学びたいことを求めて移動する大学生の数は、この20年くらい、昔より一段と高い水準が続いています。

大学は、動いて機会を得た人と動かずに機会を得られた人が出会える場です。それぞれが多様な価値観に触れることで、自分とは違うものを認められる人になってほしいと思います。

社会学そのものは、問題を解決すること自体が直接のゴールではありません。その裏で本当は全体として何が起きているのか、どんな立場がぶつかりあっているのか、しっかりと見極めていく目をはぐくんでください。

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西野淑美准教授社会学部 社会学科

  • 専門:都市社会学、地域社会学

企業活動に関係する様々な出来事について研究する経営学。どうしてあの企業は儲かっている/儲かっていないのか。企業間競争において勝敗が分かれた理由はどこにあったのか。「経営戦略論」を専門とする経営学科の山口裕之講師は、物事の理由を考える力を身につける指導に力を注ぐ。

企業活動に関わる現象の理由を探る

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経営学とは、企業活動に関わる様々な現象の理由を探る学問です。企業が利益を上げるためには、様々な活動をうまく進める必要があります。たとえば、製品の開発・生産・販売をはじめ、ライバル企業との競争、従業員のやる気やチームワークを引き出すことなど、挙げていけばきりがありません。そうした様々な活動をうまく進めている企業もあれば、そうではない企業もあります。

ある活動の失敗や成功の背後には、必ず理由が存在します。その理由を探れば、企業活動をうまく進める手がかりが見えてきます。うまくいく原因を採り入れ、うまくいかなかった原因を取り除くという具合にです。

絶対的な正解がない面白さ

しかし、現実はそんなに簡単ではありません。企業活動に関する現象の理由はとても複雑だからです。いろいろな要因が絡み合っているため、「これをすれば必ずうまくいく」という方法は存在しません。絶対的な正解は存在しないのです。

たとえば、ある企業が、商品を迅速に作れることで、競争で優位に立っていたとしましょう。では、迅速に作れれば、常に競争で優位に立てるかというと、そうとは限りません。迅速に作れるということだけではだめで、迅速さがお客さんに求められていることも必要なのです。さらに、このペアがそろったとしても、ライバル達が同じ速さで商品を作れるようになれば、いずれ優位に立てなくなります。

このように、お客さんのニーズやライバルの動向によって、うまくいく方法は違ってきます。一度うまくいった方法でも、次は通用しないかもしれません。企業をとりまく状況をきちんと把握しなければ、うまくいく方法は見えてきません。それぞれの状況のなかで、物事の理由を踏まえ、これから採るべき方法をうまく考えられるか。この腕の善し悪しが問われるのです。そこには、絶対的な答えはありません。さまざまな視点から、自分の答えを組み立てることが、面白さの1つだと思います。

物事の理由を考える力を鍛える

企業活動をうまく進める方法を提供してくれるのが経営学だ、と思われがちなのですが、これは誤解です。経営学が提供してくれるのは、企業活動に関する出来事を理解・整理するための道具や方法です。

では、経営学を勉強し、その道具や方法を知れば、うまくいく方法を考えられるようになるかというと、そうでもありません。バットやその振り方を知っているだけでは、ボールを遠くに飛ばせないことと同じです。道具や方法を使いこなす訓練が必要なわけです。

私のゼミでは、この訓練を行っています。まず、経営学に関する本に基づきみんなで議論します。本を読むことで考える方法や道具を勉強するわけですが、これは宿題です。ゼミの時間では、本の内容について「それはどうして?」と議論を重ねていきます。論理的に考えを重ねる能力を鍛えるためです。

これと並行して、おもしろい出来事を見つけ、その理由を実際に探ってもらいます。2~3年生は4~5人のグループで、4年生は個人でおこなっています。これも宿題で、そこで終わりではありません。ゼミの時間では、発表してもらい、その発表内容に基づきみんなで議論します。

宿題がいっぱいでとても大変そうですが、実際に大変です。そういう声も聞こえています(笑)。でも、真剣に議論するためには、準備することが必要です。

真剣な議論では、自分の考えのあらや、自分が思いつかなかった考えが明らかになったりします。学生と一緒に議論に参加している私も、そうした発見にしばしば直面します。そのたびに、出来事の理由を考えることの難しさを痛感します。それと同時に、少しずつその難しいことができるようになっていることが実感できます。こうした成長を感じられることも、おもしろさの1つだと思います。

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山口裕之講師経営学部 経営学科

  • 専門:経営戦略論、イノベーション・マネジメント

「経済学のスタンダードを着実に修得できる本学科の学生たちには、理論も実証もしっかりと学んでほしい」と語る鮫島裕輔准教授。「ゲーム理論」という、いかにも楽しい響きの講義を担当し、戦略的思考を分析する面白さを説きながら、互いに有益な関係を築くための方法を考える建設的な視点に気づかせてくれる。

ミクロの視点で社会を捉える

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経済学には、「マクロ経済学」と「ミクロ経済学」の2つの基礎理論があります。景気動向を見るなど、国の経済を大きなカタマリとしてとらえて分析するものをマクロとすると、個人や個々の企業といった小さな経済主体の行動をとらえて分析するものがミクロ。私の専門でもあるミクロ経済学では、ミクロの視点の分析を積み上げて経済現象や市場経済を分析します。

日本もですが、市場経済の国では、一人ひとりが好きなものを消費し、企業はそれぞれが利益を大きくしようとしています。みんなが自分勝手に行動しているようにも見えますが、実は社会全体でみると、資源が無駄なく配分されているという意味で望ましい状態にたどり着きます。これは、ミクロ経済学で示される重要な結果です。分権的な社会でみんなが自由に行動しているけれども、それが効率的ないい状態をもたらす。私たちが生きている社会の良さを示しています。こうした興味深い結果に出会えることが、ミクロ経済学の魅力です。

“個”の行動を読むゲーム理論

ミクロ経済学論の一分野である「ゲーム理論」が私の担当する講義です。ゲーム理論とは、複数のプレイヤーが互いに影響を与え合う状況において、一人ひとりがどのように意思決定をするのかを分析するもので、戦略的思考を分析する理論とも言えます。

たとえば、将棋やオセロなどをイメージしてください。相手がこちらを出し抜こうとするのを、こちらはさらにそれを上回る手を考えます。ゲーム理論を学ぶと、相手の出方を予想しながら自分にとっての最適な戦略をあれこれと思考するようになるので、“考える力”が身につきます。

私がゲーム理論に関心を抱いたのは、大学院生になってからでした。じっくり考えることに楽しさがあるのですが、意外な結論が見出せることがある点も見逃せません。予想が覆えるというか、一見正しくないと思われることが実は正しいとわかったりする、そこにも面白さを感じるのです。

ゲームのルールを作る面白さ

ゲーム理論がどんなところで使われているかを紹介しましょう。たとえば、オークション。普通のオークションでは、骨董品などの出品に対して、最高値で入札した人が自分の入札額を支払って買い取れるのですが、最高値で入札した人が2番目に高い入札額を支払って買う、というオークションもあります。これは「セカンドプライスオークション」というものですが、「入札額を戦略的に操作しても得にならないので、自分の評価金額で正直に入札することが、実は一番いい戦略なのだ」というしくみになっていることを、ゲーム理論で証明できます。

セカンドプライスオークションは「正直が一番」という特徴を持つルールです。望ましい特徴を備えた「ゲームのルール」を設計するという研究分野は「メカニズムデザイン」といい、私の研究テーマでもあります。複雑なメカニズムを考案したこともありますが、現実に応用できそうなものも考えることが今後の課題です。ただ、ジグソーパズルを組み立てるように、“考える”ことは、本当に面白いものなのです。

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鮫島裕輔准教授経済学部 経済学科

  • 専門:ミクロ経済学、ゲーム理論

日本の古典芸能の研究家である原田香織教授。イブニングコースの授業には、現役だけでなく幅広い世代の学生が集う。「退職後に再び大学生を始める方もいて、違う世代が出会うことによって、学びのモチベーションが高まります」。そんなアカデミックな空間で、情緒あふれる古典の世界を学びながら、現代を生き抜く知性を養うのが原田教授のめざす「学問の世界」である。

世界に影響を与えた世阿弥の思想

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「初心忘るべからず」。よく知られた故事成語ですが、この言葉を世に広めたのが南北朝時代のカリスマ、世阿弥でした。彼が著した『風姿花伝』や『花鏡』には、このような現代にも通じる教えがたくさん書き残されています。

世阿弥というと「能・狂言」を大成した芸術家として知られていますが、それと同時に大変な思想家でもありました。

能の装束や能面、舞いはもちろん美しいものです。しかし、もし能が見た目に華やかなだけの芸術であったら、長い歴史の波に洗われて風化してしまっていたでしょう。明治以後、世阿弥の「能楽論書」は世界各国で翻訳されています。例えばフランスのアーティストや芸術の研究家にファンが多くいます。それというのも、能という芸術の根底にある世阿弥の思想や精神論が優れているからです。

2013年は世阿弥の生誕650年の記念の年に当たります。さまざまなイベントが催されています。東洋大学でも秋に毎年新入生教育プログラム「能楽鑑賞会」のほか、今年は井上円了ホールで「入門世阿弥と能の世界」の展示をおこないますので、興味のある方はぜひいらして下さい。650年もの長い年月にわたって受け継がれてきた言葉の一つひとつに、きっと「学問の力」を感じていただけると思います。

日本の美と知を凝縮した能・狂言

芸術家であり、思想家であり、さらにクリエイターでもあった世阿弥がめざしたのは、日本人が古来から紡いだ「知恵と美を立体的に表現すること」でした。「能・狂言」には、『源氏物語』をはじめとする古典文学や『古今和歌集』などの和歌、さらに故事成語や仏教思想までが盛り込まれています。

つまり「能・狂言」を鑑賞したり、その台本である「謡曲」を読み解いたりすることで、古典文学の特に洗練されたものを、幅広く総合的に学べるのです。

古典は実はとてもシンプルな世界観です。そこには情緒に満ちた美しい風景とともに、思いやりや情け、繊細な情愛、礼儀正しさといった日本人本来の生きる姿が描かれています。最近は古いものを顧みなくなっている傾向がありますが、実は古典の中にこそ複雑すぎる現代社会を生き抜くヒントがあると思います。

今なお色あせない「古典の知」

卒業生たちは実にさまざまな道に巣立っていきます。国語教員や図書館司書を志望する学生が多いですが、なかには日本文学文化学科とは直接的にはつながらない職業分野を選ぶ人もいます。しかし古典文学や芸能、日本文化の学びを通して育んだ豊かな人間性と教養は、どの道に進んでも必ず役立つ一生の財産となります。

学祖井上円了先生のお言葉どおり、学問というのは、実社会の役に立たなければいけません。学生のみなさんには大学での学びを教養で終わらせず、知性としてさまざまな場面で応用してもらいたいと思っています。

「秘すれば花なり」。これも世阿弥が残した言葉で、当時の戦国武将たちの戦術に通じるものです。今も昔も時代のトップを走る人は、相手に打ち勝つ「秘策」を大事にしており現代のビジネスパーソンにも、これを実践している人は多くおります。

形あるモノはいつか古くなりますが、学びや教えは決して色あせることはありません。ちょうど世阿弥の言葉が、650年経ってなお人々の心に響くように。日本文学文化学科で古典の知を共に学んでいきましょう。

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原田香織教授イブニングコース 文学部 日本文学文化学科

  • 専門:中世文学(能楽分野の研究)

かつて手術ロボットの開発に携わるなど、一貫して「医療と福祉を支える工学技術」に取り組んできた山内康司教授。国内最高峰のモノづくりの拠点「産業技術総合研究所」などでの豊富な実績から今、学生たちに伝えたいのは「真に役に立つモノづくり」だ。教授とゼミ生たちは今日もラボを飛び出し、社会を見ていることだろう。

工学のアプローチで名医を育成

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すべてのお医者さんをスーパードクターにしよう。これが私の研究室が取り組んでいる「命を支えるモノづくり」の一つです。

よくテレビ番組などで高度な技術を持ったお医者さんが紹介されますが、なぜ取り上げられるかというと、やはりそのような医者の数が少ないからなんですね。難しい手術ほど、経験を積まないと技術は向上しません。とは言え、手術や治療というものはスポーツのように繰り返しトレーニングができない。スーパードクターがなかなか育たないのは、こうした練習のチャンスの少なさにも原因があります。

そこで私たちが開発しているのが、手術で使う器具とコンピュータを連動させた手術のトレーニングシステムです。コンピュータ上に表示した内臓を、実際に手を動かして切るなど、手術のシミュレーションができる装置なのです。

この装置を使えば何人もの手術に携わらなくても、経験豊富な医者にも等しいスキルを磨くことができます。

工学の技術と柔らかい発想で、医療や福祉の現場で働く人たちを支援すること。それが私の研究室が掲げているテーマです。

街の優しさを計る車椅子センサー

生体医工学科には福祉に関心のある学生が多く、私の研究室の学生にも福祉サークルでボランティア活動をしているメンバーがいます。彼らも気にしていましたが、日本のバリアフリーはまだまだ進んでいません。

駅のホームから車椅子が転落する事故もしばしば起こっています。原因はホームの微妙な傾斜。駅のホームは、水はけのためにほんの少し線路側に傾いたつくりになっているのです。街の中にはこうしたわずかなようで、実はとても危険な障壁が至るところにあるのです。

現在、研究室では街のバリアフリーを計るセンサーの開発を進めています。このセンサーは車椅子に取りつけて、道路の傾きや段差などを検証するものです。車椅子の利用者がなんとなく不便に感じていたことを、数値として明らかにしようという取り組みです。

高齢者や障がい者に優しい街というのは、健常者にとっても暮らしやすいはず。広い意味での「福祉に貢献するモノづくり」として、このセンサーを都市計画に役立てていただきたいですね。

真に社会に役立つモノづくりを

理工学部というとコツコツとモノづくりをしているイメージがありますが、私の研究室はわりと外に出ていくことが多いのが特徴でしょう。

福祉機器の研究では日本一の規模を誇る「国立リハビリテーションセンター」の見学は恒例行事です。また、筑波にある「産業技術総合研究所」にも、かつて私が所属していた縁でよくお邪魔させてもらっており、現在は私の研究室の4人の学生がここで研究を行っています。また、医療機器メーカーの企業見学や展示会などにもよく足を運んでいます。

とにかく学生たちにはいろんな立場の人と話をしてもらいたいと考えています。どんなに工学の技術を結集して素晴らしいモノを作っても、利用者が使いにくかったり、安全性に問題があったりしたら意味がありませんから。

いいモノを作るだけでなく、実際に役立つまでを考えるのが、私たちの使命です。

だからこそ研究室にこもらずに、どんどん世の中を見てほしい。そこで自ら課題を見つけ出し、解決するための開発に取り組めれば、一流の研究者への一歩を踏み出したようなものです。

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山内康司教授理工学部 生体医工学科

  • 専門:医工学、手術支援のための医療機器の開発

公務員試験では行政学は避けて通れない分野である。行政学は試験対策や理論重視の授業かと思いがちだが、フィールドワークなどの「現場で考えることが大切」だと稲生信男教授は語る。まちづくりの実際を見て歩くことは、行政学を体で学ぶことに等しいという。海外に向いている学生たちの眼を国内にも向け、日本の現状を知ることによって海外について考える土台を作り上げている。

海外に向いた眼を、一旦国内に

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「国際」と名のつく学部や学科の学生たちは、とかく海外に眼が向きがちです。もちろん、それ自体は素晴らしいことですが、海外について学ぶと同時に、自国についてもしっかりと理解を深めておく必要があると知っておいてほしいと思います。

私が専門とする行政学は、行政のしくみを学ぶ学問です。公務員が、どんな組織で、どのような仕事をし、そしてそこにはどんな問題があり、どのように解決していくのかを研究し、解決策を実践していきます。政治と行政は車の両輪のようなものです。行政は政治を支えるものであり、政治の世界がどう変わっても、行政は変わらぬサービスが提供できるよう、「堅固なしくみ」であることが求められます。

一方で行政は、時代に合った「柔軟な組織」であることも求められています。「お役所仕事」と批判する声を聞いたことがある人もいるでしょうし、実際に役所などでイライラした経験を持つ人もいるかもしれません。それは行政の柔軟性が欠けていることによるものです。

堅固で柔軟。一見すると矛盾しているように感じますが、行政についてはその静的な部分と動的な部分の両方からアプローチしていくことで、課題解決につながっていくのです。

そうして「行政を見る眼」を育てた上で、海外の行政について学びます。日本の行政を理解しているからこそ、比較し、検討する視点を持てるようになるのです。

理論だけでなく現場で考える大切さ

もともと国の政策金融機関である日本開発銀行(現・日本政策投資銀行)に勤めていた私は、地方のプロジェクトを金融でサポートする仕事を担当したり、国内の地域開発に関するレポートを作成したりしていました。再開発やまちづくりなど、地域に意味があるプロジェクトを、長い時間かけてゆっくり育てていく。そうした日本各地のプロジェクトを見る機会に恵まれ、だんだんと地域の行政に関心が移っていきました。

さまざまな地域のプロジェクトを、金融論や経営学を中心とする学問的な立場からサポートできないか。そう考え、アメリカ留学を経て東洋大学で教職に就くに至ったのです。

授業では、理屈ばかりを詰め込んでいっても身にならないので、時事ニュースなどの具体的なトピックを用いて、行政学の理論が現実の世界の中でどのように働いているかを見ていくように心がけています。

また、積極的に外へ出てフィールドワークを行うなど、現場で考えることの大切さも伝えています。昼間に時間を作ることが難しいイブニングコースの学生であっても、無理なく参加できるような枠組みをつくるよう、できるだけ心がけています。

幅広い学びで課題解決能力を磨こう

国際地域学部の理念は、“Think globally, Act locally. ”です。地球規模の視点で問題をとらえ、地域に根ざした活動をする人材の育成をめざしています。

第1部の学生も、イブニングコースの学生もその点に違いはありません。留学や現地研修の機会も昼夜問わず開かれています。2012年度だけをみても、学部独自に主催している海外研修には11名、長期の交換留学生として海外に渡った学生が1名おります。

昼間は仕事やアルバイトで忙しい生活を送っているイブニングコースの学生ですが、第1部の学生と同様に、国際地域学科と国際観光学科の科目を両方履修できます。また、第1部と比較すると、学費も安くなっています。幅広い分野から自分の将来を決めることができるのです。

積極的に外へ外へと学びの手を広げ、常に課題意識を持ち、理屈よりも課題解決能力を身につけて、国内外問わずさまざまな地域づくりに力を尽くしてくれることを願っています。

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稲生信男教授イブニングコース 国際地域学部 国際地域学科 地域総合専攻

  • 専門:行政学

障がいのない人にとっては何でもないことが、障がいを持つ人にとっては大きなバリアとなりうる。人は年老いたり、病気やけがをしたりして初めて身体や心の不自由さに気づくと丸山晃先生は言う。想像するだけでは気づくことのできないバリアの存在を理解し、実際に生きづらさを感じている人の声をすくい上げることで社会を変えていく。社会福祉学が担うのは、そうした役割だ。

みなさんが車イス生活になったら

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みなさんが突然事故に遭い、車イスで通勤・通学することになったとしましょう。自宅から会社、もしくは学校まで、果たして他人の手を借りずにたどり着けるでしょうか。

事故に遭うだなんて縁起の悪い……と怒らないでください。可能性としては誰の身にも起こりうることです。どうでしょうか。想像の中で、車イスのみなさんは目的地まで無事たどり着けましたか?

私が専門としている障害者福祉は、体や心に障がいのある人たち、また生きづらさを感じている人たちが、社会の中で自分らしく暮らしていけるように、具体的な支援策を考え、実践していく学問です。

車イスの人にとっては、世の中に段差がなければ暮らしやすくなりますよね。足を上げづらいお年寄りも、ベビーカーのお母さんも、身の回りから段差が無くなれば、きっと今より暮らしやすくなることでしょう。でも、白杖を使う目の不自由な人など、目印として段差が必要な人もいます。

想像では気づかないバリアがある

車イスを使っている人には、ちょっとした段差や傾斜、狭い道が簡単にバリアとなって立ちはだかります。さきほど車イスでの通勤・通学を思い描いたとき、回避したのは階段だけではなかったでしょうか。あの駅にはエレベーターがあるから大丈夫と、簡単に結論を出していませんでしたか?

歩道の段差はどうでしょう。電柱が歩道を狭めている場所はありませんか?放置自転車はなかったでしょうか。バスには1人で乗れますか?1人で駅のホームと車両との隙間を越えられるでしょうか。

障がいのない人はバリアに気づきません。バリアと感じないのですから当然のことです。もちろん想像することはできますが、完全に理解することは難しいと言ってもいいでしょう。

だからこそ、フィールドに入っていき実際に生きづらさを感じている人たちの声を聞くことが重要となります。社会福祉学は、社会とのかかわりがとても強い学問なのです。

多様な「知」に触れるチャンス

私は法学部の出身ですが、ボランティアとして障害者施設で働いた経験から、現場の職員となりました。そこから障害者福祉について深く学びたいと考えるようになり、働きながら東洋大学大学院の社会学研究科福祉社会システム専攻で学びました。私も夜間に受講していましたから、イブニングコースの学生たちには親近感を覚えます。

イブニングコースの学生たちは年齢層が幅広く、昼間は働いている人がほとんどです。会社員、ホームヘルパー、看護師といった社会人はもちろん、高校を卒業してまっすぐイブニングコースに入学してきた人もいます。多様な層がいることで、授業でのディスカッションで生み出される「知」も多様となり、学生たちは多面的なものの見方を得ることができます。

都心で、夜間に社会福祉を学べるところはなかなかないので、本学科は貴重な存在と言えるでしょう。また、社会学や社会心理学、メディア学などを横断的に学ぶことができるため、そうした知識を活かして、将来は幅広い分野での活躍が期待できます。

そして、言うまでもなく、学生たちが卒業後にどんな未来を選んだとしても、常に社会福祉の視点を持った社会人であってほしいという願いを込めて、私たちは日々、指導にあたっています。

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丸山晃助教イブニングコース 社会学部 社会福祉学科

  • 専門:障害者福祉、社会福祉教育

フランスのポルトガル系移民研究の第一人者である、イブニングコース社会学科の鈴木規子講師は、20代の半分をフランスで学んだ経歴の持ち主だ。「我が家はごく普通の日本家庭。娘を海外に出すのは大冒険でした」と振り返るが、今はそんな時代でもない。グローバル化社会の未来の同僚を知るためにも、「若いうちに海外に飛び出して」と学生たちの背中を押す。

移民と共生する社会をめざして

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高校時代に日本で知り合い、今も交流が続いているフランス人夫妻には2人の子どもがいます。夫妻は白人なのですが、子どもたちは黒人。聞けば、孤児院から養子として迎え入れたのだとか。肌の色の違う家族が仲良く連れ立って歩く光景は、私が「さまざまな背景を持った人々が共に暮らす社会」を意識するきっかけとなりました。

私の専攻は「政治社会学」と「国際関係論」ですが、なかでもEU、フランス、そしてフランスに暮らす外国人。この三者の関係を専門に研究しています。

あまり知られていないことですが、フランスには多くのポルトガル系移民が暮らしています。彼らはとてもマジメで働き者なので、フランス社会でとても信頼されているんですね。一方で先ほどの夫妻のように、フランス人も外国人の受け入れにとても寛容です。

移民というと何かとトラブルが取りざたされますが、彼らのようにうまく共生している例もあります。グローバル化の流れで、日本でも今後はますます外国人が増えていくでしょう。移民がいかにして現地で市民権を得ていくか、「フランスのポルトガル人」という存在の中にそのヒントがあるかもしれません。

映画で知るフランスの社会背景

イブニングコースでは授業のほかにも、国際問題を扱うゼミを受け持っています。私はフランスが専門ですが、アジアに関心のある学生も増えているので、そのときどきのトピックスを交えながら広く世界を見る視野を養ってもらいたいと考えています。

映画を撮っている学生が在籍していたときは、映画作品を通したディスカッションをしたこともありました。

昨年は、フランス人老紳士と移民青年のコミカルな友情を描いた「最強のふたり」という映画が日本でも大ヒットしましたね。また映画化もされた国民的絵本の「プチ・ニコラ」は、少し昔のお話ではありますが、フランスの初等教育がどんなものかがよくわかります。

学生たちにはなるべく新聞の国際面を読む習慣をつけるように指導していますが、映画や小説なども海外を知るいい入口になります。ストーリーを楽しむだけでなく、そこに描かれた社会背景や人々の営みにも注目して鑑賞すると、より世界が近く感じられるはずですよ。

よく遊び、よく学んで視野を広く

私が初めてフランスを訪れたのは大学時代、1年間の交換留学でした。現地の学生や留学生たちは本当によく勉強するんです。前日遅くまでパーティをしていても、翌朝はパッと切り替えて。課題も多いので授業の合間は図書館で勉強し、閉館時間まで多くの学生が残っていました。

また彼らは教授によく質問します。ビックリするくらい簡単なことも恥ずかしがらずに。でも考えてみれば、最も身近な専門家である教授に質問すれば、何冊本を読むよりずっと早く深く理解できますよね。

よく学び、よく遊ぶ。授業で積極的に発言する。シャイな日本の学生にもぜひ見習ってもらいたい姿です。そして感受性が豊かな若いうちに、旅行でもいいのでぜひ海外を訪れてほしいですね。できれば現地で友だちも作って。

もはや日本に住んでいるから、外国のことは関係ないという時代ではありません。日本企業もどんどん海外に進出していますし、日本でも外国人とともに働く職場はこれからさらに増えることでしょう。文化の違う相手を理解し、互いに尊重し合うこと。それがこれから社会に出るみなさんに養ってほしい意識なのです。

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鈴木規子講師イブニングコース 社会学部 社会学科

  • 専門:EU市民権、フランスとEUの政治・社会・教育、フランスの移民問題

法を学ぶ者は、論理的に考えて公平に判断する能力を身につけなければならない。この能力を「リーガルマインド」と呼ぶ。ある問題に対して法的に解決するならば、直感だけに頼るのではなく、公正な立場から問題を分析し、問題解決のためのルールを導く力が求められる。「1年生が全員受講する憲法や法学入門の授業で、その最初のステップを意識して伝えている」と語る武市周作准教授は、学生たちの社会に対する関心の高さに期待している。

憲法に始まり、憲法に終わる

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私が専門としている憲法は、とても奥が深い。学べば学ぶほど味わいが深くなります。憲法の授業では、国家のあり方・人権の保障について学びます。法学部の1年生が最初に触れる専門科目の一つですので、いかにわかりやすく伝えるかを重視しています。最新のニュースなどの多くの具体的な例を取り上げ、理解しやすくするためにPowerPointで図やグラフ、資料などを示して授業を進めています。

法秩序の根本に流れているのが憲法の原理・理念ですから、2年生以降、さまざまな法律科目を学んでいくなかでも、憲法は常に意識していなければなりません。他の法律を学んで改めて理解が深まることも多々あります。だからこそ、1年生という早いうちに憲法の理念や原理を身につけておかなければならず、それと同時に「法律の学びが進んだら、また憲法を振り返ってみなさい」とも伝えています。昨今、格差社会や教育問題、改正問題など、憲法に関わる話題があふれています。これらに対して、法的な思考に基づいて、緻密に論理を組み立てて、バランスを損なわずに考えていかなければなりません。

法学は大人の学問

本学の法学部は、公務員を志す学生が少なくありません。確かに公務員と法学部は結びつきやすいですが、しかし、法学で得られる知識は、どんな分野のどんな職業でも、活用できます。これまでに身内の相続など、法律の問題に少しでも触れた経験のある学生は、法律の知識の重要性を実感できるでしょうが、そういう例は決して多くはないでしょう。私自身も法学部に進学したときには、そういう経験はありませんでした。しかし、大学生活を送るうちに、あるいは、卒業して社会に出てから、経験を積み、さまざまな問題にぶつかるなかで、法律の知識は必要になってきます。また、法律の知識だけでなく、法的な考え方自体が大いに役立つと気づくはずです。そういう意味で「法学は大人の学問」なのです。

学ぶほどに社会への関心が高まる

実際に法律が使われているのを実感するために、裁判傍聴を勧めています。学生と共に裁判傍聴に行くこともあります。昨年度は夏休みに希望者を募って、知り合いの弁護士の協力も得て傍聴する機会を作りましたが、参加した学生はそれぞれ、さまざまな刺激を受けたであろうと思います。教室で学んでいることが、社会につながっていることを感じ、それを通じて社会に関心を持つことは、とても大切なことです。

ゼミでは、判例や現実の憲法問題を題材に、学生が自ら調べ、報告・議論をしています。議論が白熱すると、途中で私が口を出す隙もないほどです。みなさんはこれまでにも自分の意見を主張することは大事だと教えられてきたかもしれません。確かにその通りですが、法学部では法律学のフィルターを通して考え、議論することが求められます。法律の知識を用い、法的思考に基づいて、論理を組み立てていくことを「面白い」と実感するときが出てきます。問題を発見し、分析し、それをどう解決するか。そして、人を説得できる結論を導く知的な楽しさを味わうことが醍醐味です。

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武市周作准教授法学部 法律学科

  • 専門:憲法

身の回りにある制度に着目すれば、社会の実像や課題が見えてくる。制度の下で人はどのような行動をするのか。制度はどのようにつくられ、機能しているのか。どうしたらより良い制度をつくれるのか。「経済学とは役立つ学問」だと語る総合政策学科の加賀見一彰教授は、ミクロ経済学を利用して「制度」を分析している。

社会にあるさまざまな制度

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私たちが生活している社会には、さまざまな「制度」があります。たとえば、学校(教育)、企業、社会保障、法、マナーなどです。これらは特に意識することもなく当然のように存在していますが、実はそれぞれに特別な存在のものです。日本を一歩出れば、国・地域ごとに異なる制度があることに気がつきます。みなさんが今、当たり前のように使っているSNSやLINEだって、つい最近までは存在しませんでした。5年後には違う制度が登場しているかもしれません。

そして、「制度」をきちんと理解しなければ、現実社会を深く理解し、適切に改善することは難しいのです。「制度」の下で人々がどのように結びつき、どのように行動して何が生まれるのか。実際にどのように制度がつくられ、どう機能しているのか。どうしたらより良い制度をつくれるのか。こうしたことをしっかりと検討する必要があります。そこで、私は、現実社会を分析するツールとして確立されているミクロ経済学を利用して「制度」を分析することを研究テーマとしています。

制度に気づき、理解し、行動する

この分野の学びは、「制度」の存在そのものに「気づく」ことが出発点となります。なぜなら、多くの人々は「制度」についてほとんど意識すらしていないからです。つぎに、「制度」の構造や機能、成果を分析し、理解を深めていきます。ここでは、「制度」の形式的・建前的な内容ではなく、「制度」が人々の活動や関係にどのような影響を与えるのかに着目します。その結果として、現実の「制度」が適切に機能しているのか、どうすれば改善できるのかが見えてきます。そして、「制度」についての理解が深まれば、自分自身がどのように行動するべきかを具体的に考えることができるようになります。

「制度」について考えるための手法である経済学についても説明しておきましょう。経済学と聞くと、「難しそう」「非現実的でつまらなさそう」だと思う人が多いようですが、学びを深めるうちに、きわめて現実的で役立つ学問であることがわかるはずです。ただし、高校までの勉強や他の学問とは性質が違うので、最初は戸惑ってしまう人が多いようです。たとえば、法学は法を対象とし、経営学は企業・経営を対象とする学問として理解できます。しかし、経済学の対象ははっきりしません。じつは、経済学とは、社会について考えるための手法なのです。これが経済学の特徴的な――そして理解しにくい――性質だといってよいでしょう。

このような学びをすることで、みなさんは物事を単に表面的な事象だけでとらえずに、なぜ、その事象が起こったのかを考え、その背景には何があるのかを探ることができるようになるでしょう。現実社会の物事を多面的に掘り下げて考えられる観点が身につくのです。その意味で経済学は役立つ学問だと言えるのです。

問題意識を持ち、主体的に行動できる人に

私の研究テーマは、学科の教育とも密接に結びついています。総合政策学科がめざすのは、社会への問題意識を持ち、主体的に行動できる人材の育成です。このために、「制度」に着目した経済学の考え方が反映されています。そこで、この学科のカリキュラムを簡単に紹介しましょう。

1年次はまず、考えるための手法である経済学の基礎を学ぶと同時に、現実社会に関する問題意識を持つきっかけをつくります。具体的には、多数のゲスト講師も含めて毎回異なる担当者が、現実社会の多様なテーマを解説・議論する講義が用意されています。2年次は、より高度な経済学を身につけ、専門科目を通じて知識の幅を広げ、必修のゼミナールを通じて主体的に考える能力を強化します。3年次からは専門ゼミを通じて、個々の興味のあるテーマについて掘り下げて研究し、4年次には卒業論文か政策提言のいずれかを選択して、自分の「考えたこと」をまとめます。政策提言は社会の特定の問題について焦点を絞って、問題の背景を考察したうえで、望ましい対応策を立案し、さらには実施計画を提示します。これらの一連の学習を通じて、現実社会への鋭い問題意識、緻密な分析能力、主体的な思考・行動能力を身につけることができるようになっています。

4年間を通じて意欲的に学び、世の中を変えていきたいという強い意志を持って行動できる力を身につけた学生たちは、社会でも引く手あまたです。実際に、総合政策学科は、全学のなかでも就職率が高く、卒業生たちは幅広い分野で活躍しています。総合政策学科における「学び」を通じて、卒業生達が現実社会が求める能力をしっかりと身につけていることの証拠だといってよいでしょう。

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加賀見一彰教授経済学部 総合政策学科長

  • 専門:応用ミクロ経済学、法と経済学

「視察したロンドンにおける社会教育の場は、どんな人でも入りやすく使いやすいように、さまざまな工夫が凝らされていた」と語るイブニングコース教育学科の関直規准教授。日本では身体的なバリアフリー化は達成されていても、心のバリアフリー化には遠い施設が、ロンドンと比較するとまだまだ多い。高齢化社会を迎え、生涯学習に注目が集まる中、社会教育学がめざすものとは何だろうか。

社会教育にまつわる課題を解決する

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教育は、その行われる場所に応じて「家庭教育」「学校教育」「社会教育」の3つに分けて考えることができます。「社会教育学」とは、家庭と学校以外で広く行われる教育について、どんな支援が必要か、どんな環境を整備すればよいかなどを考える学問です。地域の子ども会を例に見てみましょう。

子どもの教育環境が学校と家庭だけでは、いつも決まった顔ぶれになりがちです。しかし子ども会に参加すれば、地域の大人たちや、同学年以外の子どもたちとも積極的に触れ合えます。いろいろな人と出会い、さまざまな価値観に触れることで、自然とコミュニケーション能力が備わっていきます。

しかし現在、子ども会を支えるボランティアスタッフには高齢化の波が押し寄せ、さらに慢性的な人手不足に悩まされています。スタッフ1人に掛かる負担が増え、子どもたちに対する満足な支援ができていないのです。

どうすれば地域の人々が興味を持ち、子どもたちにとって魅力のある子ども会になるのか。そうした課題を解決していくのが「社会教育学」の役割です。

理論を携え、現場を見て、考える

高齢化社会と声高に言われるまでもなく、ちょっと外を歩けば、お年寄りが多いことに気づくはずです。しかし彼らはとてもパワフルで、いきいきと毎日を過ごしています。

地域の公民館やカルチャーセンターに出掛けてみてください。年齢に関係なく、彼らが自分のやりたいことを追求している姿に出会えます。社会教育は、間違いなくこれから注目される分野であると言えます。

私は学生に、そうした現場をできるだけ見るようにと促しています。授業で理論を身につけ、現場で利用者や支援者の声を聞きながら実態を把握し、見つけた課題を教室に持ち帰って議論し、解決の道を探る。それを現場に提案し……という循環によって、学びが深まっていきます。

昼間は働いて夜間に学ぶイブニングコースの学生たちは、月曜から土曜まで毎日2時限ずつ授業が入っており、とても忙しい毎日を送っています。その上で現場を見ることは大変なことですが、学生たちは何とか時間をやりくりして現場とかかわっています。私たち教員も、精一杯フォローできるように体制を整えています。

イブニングコースならではの視点

授業の中では現場報告会を設定し、ディスカッションを取り入れるようにしていますが、昼間の学生たちは理論上の問題点を整理することが多いのに比べて、夜間の学生たちは「自分たちのこれからはどうなるのか」「今までこうだったのはなぜだろう」など、より生活に近いレベルでの議論が進みます。学校と家庭だけでなく、すでに社会の中で学んでいる彼らは、ものの見方がよりリアルなんですね。

昔は社会人が多かったものの、今は高校から進路の1つとしてイブニングコースを選ぶ学生が多く、カリキュラムも、教員も、教育の質も同等で、自分を磨くという意味では昼も夜も変わりません。

志を持って、強い気持ちを抱いて、しっかりと4年間学んでほしいと思います。努力する人の未来は明るいのですから。

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関直規准教授イブニングコース 文学部 教育学科

  • 専門:社会教育学、地域文化論

インドの古典を読み解くにはサンスクリット語の習得が欠かせない。しかし「難しくて、私もいまだスラスラ読めないんですよ」と沼田一郎准教授は笑う。仏教用語の多くはサンスクリット語が由来な上に、「旦那」「奈落」など日常に溶け込んでいる言葉も多く、文化・宗教的に日本と深いかかわりを持つ。インドの古典を学ぶことで得られるものとは。

インドの古典を学ぶ意味とは

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私が専門としている「インド学」は、古典の研究が中心です。時代としては紀元前10世紀~紀元前後。授業では、インドの哲学や宗教、文化、社会などの基本から学び、インドについて関心を持ってもらうことから始めています。

インドの古典を学んで、将来、どんな役に立つのだろうかと疑問に思う人もいることでしょう。では今現在、世界経済において重要な国を挙げるとしたら、あなたはどの国の名を挙げるでしょうか。アメリカ?それとも中国でしょうか。

インドの人口は12億人を超え、中国に次いで世界第2位です。また若年層人口が多く、人口ピラミッドは理想的な三角形を描いています。高齢化社会に突入し、若い人が少ない日本とは対照的です。

人口は増加の一途。経済成長率も高く、インドには世界中から人とお金が流れてきています。その大きな市場に進出したいと考えている経営者はたくさんいることでしょう。しかし、インドに進出したくても、行ってくれる社員がいなくて困っているという話を耳にします。せっかくの右肩上がりの市場を、指をくわえて見ているだけというのは何とももったいない話ですね。

現代人のベースは古典にあり

インドにも長い歴史があります。インド人の持っているメンタリティや考え方の基礎には、やはりインドの古典があります。

私たちが日本の古い時代のことを小中学校で習い、文化や歴史の流れを何となく知っているように、インドでも古い時代の文化や哲学が、現在の生活や行動様式に反映されています。そこを深く知っている日本人と知らない日本人では、どちらが現地の人に受け入れられやすいでしょうか。

単純にインドに観光に行ったことがあるという学生よりも、インド文化について正確な知識を持ってインドに行ったことがあるという学生の方が、インド市場を攻める人材としては強いと言えます。

ですから、この先、間違いなく世界経済の中心となるであろうインドについて、学ばない手はないと思うのです。

恐れることなく飛び出せる国際人に

私がインドに興味を持ったのは高校生のころでした。倫理の授業で仏教に興味を持ち、インド哲学を学べる大学を選んだことが、この道に入るきっかけとなったのです。

現在、私の授業を受ける学生たちは、基本的にインドが好きです。映画や音楽、服装、食べ物、美術など、さまざまな分野に興味を持ち、卒業論文でも多様なテーマに挑戦しています。たとえばインドの競馬の歴史を調べたり、インド政府の文化政策とインド映画との関連性を調べたり。なかには、マンダラについて興味を持ち、刺繍でマンダラを完成させた学生もいました。

東洋思想文化学科ではインドのみならず、アジア圏のさまざまな思想に触れることができます。また、語学教育にも力を入れており、英語はもちろん、中国語やヒンディー語など、実用的な言語を学ぶこともできるのです。さらにヨーガや座禅、写経などの実技講義、そして海外文化研修など、体験型の科目もたくさん設置されています。

経済成長著しいアジア圏の、その表面だけでなく、深層まで突っ込んで学び、恐れることなく世界へ飛び出し、国際社会で活躍できる人材となってくれることを期待しています。

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沼田一郎准教授イブニングコース 文学部 東洋思想文化学科

  • 専門:インド学

薪を背負って本を読む、勤勉な姿の像で知られる二宮金次郎。彼がのちに説いた「人は天・地・人の徳に報いるために、自ら徳行を実践しなければならない」という報徳思想を取り入れた学校の姿、地域との連携のあり方を、教育学科の須田将司准教授は探求する。はるか昔の教育のあり方を知ることで、今を生きる私たちが取るべき道が見えてくると確信する。

過去の事例に学ぶべきことは多い

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大学時代に仲間と教育談義をしていて、「こんなことは昔の先生がすでに考え、実践していたんじゃないか」と、ふと感じたことが、教育史を専門分野にするきっかけでした。もしかしたら、私たちは未熟な知恵をめぐらせているだけはないかと感じ、昔の教育というものをひも解いてみることにしたのです。

すると、現在の教育実践や教育上のさまざまな問題への対処などは、実は過去に同じような事例がいくつもあって、むしろ、それを参考にしたほうが良いのではないかと気づいたのです。今を生きながら思いつきで教育するには限界があります。それよりも、先人の到達点をたどり、それを受け継いでいったほうが、子どもたちのためにもいいのではないか。そういう意味でも、過去の事例を学ぶことには大きな意味があると感じました。それは教育の現場だけでなく、自分自身のあり方、人間としてのあり方を問う場面にも言えることなのです。

戦前教育の事実を確認したい

現在の研究テーマは、「昭和戦前期における報徳教育の展開」です。報徳教育とは、二宮尊徳(通称・金次郎)が晩年に説き広めた「報徳思想」を用いて生み出されたもので、神奈川県の南足柄市立福沢小学校がその実践校として知られていますが、私はそこにおける報徳教育の理論と実践を分析してきました。

実は、報徳教育がいつ始まって、どう広がったかはあまり知られていません。そのため、他にもあちこちの事例を比較しながら事実としておさえていこうと考えています。戦前の教育はあまり注目されていませんでしたが、実際に調べてみると、バリエーションがあったことがわかります。現在、世間で騒がれている教育現場の問題も、過去には多々あったことも、またわかります。「歴史は繰り返す」というのは、教育の現場でも言えることだと思います。

あこがれの「あの人」「あの先生」の生きざまに迫る

教育学を学ぶというのは、たとえば、自分のあこがれの人の背中を追いかけ、その生きざまに迫るようなものです。「どうしてあの先生はあんなふうに自分たちのことを見てくれて、そのひと言が胸に届いたのかな」と感じる、その教師の技や教え方の妙が、教育学科の授業科目を通じてわかってくるはずです。教育学とは、人間そのものが何であるかを追究する学問でもあり、学生たちもこれを学ぶうちに、粘り強く生きていける人になるのではないかと思います。

その一つの方法として、私は教育史にたどり着いたわけですが、探れば探るほど、今の教育のあり方や学校のあり方が当たり前だとは全然思えなくなるのです。教育はこれからいくらでも変えていけるものなんだ、と先人たちの思いや行動に触れるたびに強く感じます。

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須田将司准教授文学部 教育学科

  • 専門:教育史

大学院生のときに初めて触れた北アイルランドの詩。「北アイルランドに留学して暮らす中で、詩と社会の結びつきを強く感じた」と佐藤泰人講師は語る。以後、「北アイルランドの詩と社会」をテーマに研究を続けている。英米文学科での学びは詩を鑑賞するだけに止まらない。詩の書かれた国の歴史や文化を知ることで、理解が深まるのだ。

詩と社会のつながりを知りたくて

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私は現在、20世紀のアイルランドの詩を中心に研究しています。詩には「意味の隙間」ともいうべきものが多く、そうしたところに魅力を感じています。私が詩の世界に足を踏み入れたきっかけは、イギリスのロック音楽でした。英語の歌詞を通じて「詩」という文体の持つ表現力に引き込まれたのです。小説のように多くを語らない詩の言葉には、不思議と心に訴える力がありました。

大学院生のときにアイルランドの詩を読むサークルに入ることになった私は、北アイルランドの詩人の作品に初めて触れました。政治的な状況と文学的な表現とが混然一体となった詩は、日本ではなじみのない世界でした。このような詩が生まれる国を自分の眼で見てみたいと、北アイルランドの大学へ留学し、研究生活に入りました。実際に暮らしてみると、詩や文学が社会と密接にからみあって動くさまを目の当たりにすることがしばしば。詩人が公共機関に勤務し、密接に行政や社会に関わっている場合もありました。文学と社会、詩と社会がいかに結びついているのか。そのときから、私の研究は「北アイルランドの詩と社会」がテーマとなりました。

歴史的背景を知れば理解が深まる

詩を読むことは、詩の書かれた国の文化を理解することにつながります。ひとつひとつの作品が、社会的、歴史的にどんな背景のもとで作られたのかをひも解くことにより、内容理解が深まるものです。と同時に、自分が置かれている現状と詩の内容とが、どう響き合うのかを考えながら読むこともできるのです。

たとえば、芋掘りを描いた詩がいくつかありますが、アイルランド人ならば「大飢饉」のことが必然的に思い出されます。19世紀のアイルランドで主食のジャガイモが疫病により枯死したことで起こった飢饉で、死者は100万人ともいわれ、飢饉を逃れるために、さらに100万人がイギリスやアメリカへと渡りました。そうした歴史的な背景を知ると、詩の理解が深まる。いっぽう、そうした歴史を知らなくても、ひんやりした土の触感を私たちは覚えているでしょう。またはジャガイモに個人的な思いを持っているかもしれない。詩を読むなかでそうした個人感覚と未知の他者とがつながり、経験を豊かにします。

詩を通じて他者とつながる機会を

英米文学科では単に英語の勉強をするのではありません。文学で英語を深く学びます。なかでも詩は、凝縮された表現だけに、下手に日本語に訳しても意味不明です。音の響き、形、内に外に含む意味を英語のまま受け止めることで、英語という言葉の本質に迫っていくのです。

授業では、詩を読んで味わい、小論文を書く活動を取り入れています。小論文はインターネットを通じて提出し、他の学生もダウンロードして読むことができます。そして読み合わせをして、自分はなぜそう考えたのか、他の学生はどう考えるのかを話し合います。日本語や英語で詩を書く課題も出しています。自分で詩を書くことによって、詩の理解が深まり、読み方が変わってくるからです。また、授業中に詩の音声上の問題や意味上の問題について学生が発表し、その内容について意見交換する場も設けています。単に詩を読んで味わうだけでなく、その作品を通じて自分が考えたことを、口頭もしくは文字で表現することによって、相手に伝える力を高めていくのです。

詩など実社会ではなんの役にも立たない、と思われていますよね。でも英語の詩を真剣に読むことは、このように、さまざまな他者との真摯な関わりなのです。それがどれだけ自分の可能性を広げることか。英米文学科に入学しない限り、英語の文学や詩をじっくりと読む機会はあまりないでしょう。一生に一度の貴重な体験を、みなさんにもぜひ味わってほしいですね。

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佐藤泰人講師文学部 英米文学科

  • 専門:イギリス文学・アイルランド文学

居心地の良い公共施設を設計する工藤和美教授は、建築が持つ大きな力を教えてくれる。時間をかけてつくりあげた建物が、利用する人々の関係や社会のしくみまでも変えていく醍醐味は、設計士だけでなく、企画・施工、マネジメントなど、関わる者すべてが実感できるのだ。なぜなら、建築はチームで取り組むものだからだ。

建築の仕事は設計だけではない

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「建築の勉強」というと、設計者を志してやってくる学生が多いのですが、建築業の仕事は設計だけではありません。何もない白紙状態の土地に建築物を建てるわけですから、企画に始まり、構造や材料、環境、デザインなど、実に幅広い分野にまたがっています。それぞれの学生に何ができるか、何に興味を見出すか、可能性を発見して引っ張り上げるのが、実務者としての私の役割。建築学科には「計画・意匠コース」「構造・材料コース」「環境・設備コース」「企画・マネジメントコース」と4つのコースがありますので、学んでいくうちに学生たちは自分に合った進路が見えてくるでしょう。何ごとにも興味を抱き、実際に行って見てみたいと強い関心を示す学生は、建築というフィールドで大きく伸びると思います。

建築は社会のしくみまで変える

私は主に公共施設の設計を行っています。設計というと、形をつくることだけだと思いがちですが、法律・お金・材料の耐久性、構造の適性、表面には見えないことを次々に解決し、それを発注者に説明しなくてはなりません。長期にわたる仕事ですから、大変です。また、建築はアートやオブジェではなく、“実際に使ってみてなんぼ”の世界。完成したものがいくら素敵でも、使い勝手が悪くてはどうしようもありません。「でも、かっこいいでしょ」では許されない。特に、私がやっているのは公共建築ですから。常に先回りして細かくチェックし、使う人の身になって問題点を解消しています。

それだけに、完成して喜んでもらえる、モノが残る、クレームが出ないというのはあたりまえのこと。学校建築においては、子どもたちが喜んでくれるというのが何よりうれしい瞬間。やりがいにもなりますし、学校という施設が社会を変えていく力にもなるのだと実感します。学校は「学ぶ場」ですから、ベーシックな点はおさえます。水道の蛇口を閉めるのを忘れないように、自動水洗だけにはしない。勝手に閉まるクローザー付きドアより引き戸にして、閉めることも学ぶ。そういう点にはこだわります。

建築は、モノをつくるだけの仕事ではありません。建築が介入して初めてできることは、まだまだたくさんあるのです。

発展し続ける実践の場

本学科は今、都市計画にも関わることで大きな注目を集めています。埼玉県鶴ヶ島市の公共施設の老化に対し、新たな複合施設案を提案したプロジェクトには、授業の一環として学生たちが真剣に取り組み、町づくりへの興味を深めていました。次は、企業も交えた新たなプロジェクトを展開する予定です。今度は産官学で実際に建てます。学生たちにとって、本物の建築物をつくるプロジェクトに関われるというのは、とてもぜいたくなことではないでしょうか。

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工藤和美教授理工学部 建築学科

  • 専門:建築設計、建築意匠、建築・家具のデザイン及びプレゼンテーション手法

「食と健康」という私たちの生活に身近なテーマを科学的に実証する林清教授。学問分野としては、いまだに解明されていない事柄がたくさんあるからこそ、研究のやりがいもあれば、大きな期待も寄せられている。好奇心旺盛に、探究心を持ち続け、粘り強く研究に取り組む気持ちを持った研究者を育てていきたいという。

いまだに解明されていないことも多い分野

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何をどのように食べれば健康によいのか。私たちはこの問いの答えを見つけているようで、実は見つけることができていません。「食と健康」さらには「健康長寿」は、人間にとって昔から考えられてきたテーマでした。

人間の身体のつくりは、2000年前と現在とで変わりません。2000年もの歳月の間に、私たちはさまざまなものを食べ、その食と健康への影響を経験的に蓄積してきました。最近では、人間の身体についての研究が急速に進み、健康と食をつなぐ学問が生まれてきたのです。

たとえば、「ヨーグルトは身体によい」と言われますね。これはヨーグルトを食べると腸内にいる細菌の働きが助けられ、腸内の細菌のバランスが整うからです。細菌に関する研究が進み、腸内にはさまざまな細菌が存在することが明らかになりました。腸内の細菌は食べたものの一部をエネルギーに替えたり、毒素や有害物質を排泄し、代謝したりするなど、私たちが生きていくうえで欠かせない働きをします。しかし、身体に有益な善玉菌もいる反面、有害な悪玉菌もいます。近年では細菌を腸内から取り出すことなく、種類や働きによって分類する方法も研究できるようになりました。大腸における腸内細菌の研究はだいぶ進みましたが、大腸よりも重要な小腸に住み着いている細菌についてはまださほど解明されていません。いまだ確立されていない学問分野であり、これから解明されていくことも多いでしょう。

遺伝子研究の世界から食品の世界へ

私はもともと、微生物が生産する酵素の遺伝子について研究していました。遺伝子を換えると、その酵素は優れた働きをします。しかし、自然界に存在する酵素を人間がゼロからつくり出すことは到底できません。現代の最先端技術を駆使しても、人間が自然を超えることはできないのです。それだけ、自然とは複雑で奥深いものなのです。特に、「食と健康」の問題はその最たるものです。それまで研究していた分野とは対極的なところで研究に取り組む面白さを感じて、今では「食と健康」を科学的に実証する研究を進めています。

しかし、この分野の研究は人間を対象とするため、健康を損なったり、生命の危険を脅かしたりするようなことは避けなければなりません。実験は、医学的な視点や倫理的な規定に基づいて行わなければならないのです。動物実験では効果が検証されても、人間では効果が認められないこともあります。また、人間は誰一人として同じ人はいません。これからは、一人ひとりの特性に合わせた食品機能の研究が求められます。身体に良くておいしい食品とは何か、長寿のためにはどんな食生活が必要なのか。そのために必要な食品の機能を考えていかなければなりません。

これからの研究者に求められる姿勢

健康栄養学科で学ぶ人には、食への関心の高さが求められます。加えて、好奇心旺盛であること、深く考えるのが得意であることも重要です。研究に取り組んでも、答えがすぐに見つかるとは限りません。研究の成果が現れるまで長い年月を必要とする場合もあります。ですから、研究者には常に探究心を持ち続け、粘り強く答えを見つけ出していく姿勢が必要なのです。

絶えず進歩する研究の世界。その進歩の度合いが早まり、これからの研究者にはスピード感も重視されます。自分の研究が他の研究者に先を越されることがあるかもしれません。情報化が進み、インターネットを使えば簡単に世界中の情報にたどり着くことができるようになりました。過去の実験データも研究論文も、インターネットを通じていくらでも読むことができます。あふれるほどの情報の中から自分の研究に必要な情報を見極め、半歩先、一歩先に出るつもりで情報を収集・整理していく力を身につけていってほしいと思います。

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林 清教授食環境科学部 学部長 同学部健康栄養学科

  • 専門:食品科学

一般教養の体育でバスケットボールの指導にも携わる高橋珠実准教授。「体を動かしていないと元気が出ないのですよ」と、授業の合間に広大なキャンパスをランニングすることもある。かつてアスリートだった経歴と、その後の研究生活で導き出した「心と体の健康」の秘訣とは、何事も楽しむ精神だ。笑顔を生み出すそのユニークな授業とは。

すべての人に「心と体の健康」を

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駅伝で有名な東洋大学ですが、この学科にも陸上やサッカーなどスポーツに打ち込んでいる学生がたくさんいます。また、スポーツが大好きで、将来はアスリートをサポートする仕事に就きたいという夢を持って、この学科に来る人も多いですね。

私も大学時代までは、テニスに夢中になっていた競技者の一人でした。当時の私は練習の虫で、とにかくテニスが上手になりたい一心で体に負担をかけてばかりでした。その結果、貧血症状でパフォーマンス低下を招いてしまった。そんな苦い経験をしているからこそ、現役でスポーツをしている学生たちには、栄養や人体の機能についての正しい知識を持ってもらいたいのです。

もっと言えば「心と体の健康」はアスリートに限らず、すべての人にとって大切なテーマですよね。子どもから高齢者まで、あらゆる年齢の人が人生を笑って過ごすためのお手伝いをしたい。それが、私が競技者生活を経て、健康・スポーツ科学、そして保健学の研究者になった動機でした。

紙飛行機は奥深いスポーツです

ところで、幼い頃に紙飛行機で遊んだ方も多いと思いますが、実は紙飛行機って世界大会も開かれているスポーツなのですよ。

私が手にしているのは「ホワイトウィングス」という競技用の紙飛行機で、条件が合えば1分以上も飛ばすことができます。でも、ちょっとでもバランスが悪かったらうまく飛ばないし、風が強すぎてもダメ。シンプルだけど、実はとても奥深い競技なのです。

年齢を選ばないのも、紙飛行機のいいところ。意外なことに、高齢の方が上昇気流をうまく読んで飛ばしたり、もちろん子どもでも幼児から参加したりすることができます。一般的なスポーツは苦手な人でも、飛んでいった紙飛行機を追いかけながら、知らず知らずのうちに運動ができているのもいいところです。健康のために運動をしましょう、と言ってもイヤイヤながらでは意味がないですからね。

そして何より、紙飛行機を通して、笑顔やコミュニケーションが生まれることで、「心の健康」にもつながると私は考えています。

板倉キャンパスはグラウンドも広々とした素晴らしい環境が整っています。だからこそ、授業でもこの紙飛行機を取り入れたら、楽しく健康について学べるのではないかなと考えているところです。

笑顔あふれるキャンパスをめざして

社会問題の一つである「メンタルヘルス」もこの学科で取り組むテーマですが、みなさんにも身近なところでは落ち込んだり、心が元気を失ったりした経験はあるでしょう。何かに挫折して、前が見えなくなったこともあるかもしれません。

でも、みなさんの前には、まだまだ広い世界があるということを知ってもらいたいのです。私も現役の選手だった頃は、指導する側に立つなんて考えたこともありませんでした。それが、引退後にアメリカに留学していた頃に、たまたまテニスを教える機会があって、それがとても楽しかったのですね。視点を変えると今まで見えなかった世界が広がる。そんな経験を大学時代にたくさんしてもらいたいし、私の方でもいろんな選択肢が見つかる場を作っていきたいと思っています。

何より学生のみなさんには、たくさん笑ってもらいたいですね。笑顔は周りの人も自分も元気にしますから。どんなことでも楽しめて笑顔で取り組める、そんな精神が社会に出たときには一番の底力になるはずですよ。

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高橋珠実准教授食環境科学部 食環境科学科

  • 専門:保健体育

糖は、生命が生きていくうえで欠かせない物質だ。「単に甘いだけではない糖をひもとけば、生命の進化の過程が見えてくる」と語る宮西伸光准教授の研究は、「糖鎖」が生命にどのような関わりを持つのか、ということだ。生命の神秘に挑む学生たちとともに、糖鎖が語りかけてくるメッセージを受け止めながら、生命の進化の謎に挑んでいる。

生体内で重要な役割を果たす糖鎖

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「糖」と聞くと、みなさんは「甘いお菓子」や「エネルギー源」としてのイメージが強いかもしれません。しかし、私たちが研究しているのは、糖質がいくつも連なった「糖鎖」と呼ばれるものです。糖鎖が生命とどのような関わりをもつのかを解明していくことにあります。

糖質は大きく3つに大別されます。1つ目はエネルギー源としての糖。人間や動物はでんぷんを消化してエネルギー源としますが、このでんぷんにも糖が含まれているのです。2つ目はセルロースのような身体の支持体としての多糖類です。糖は単体では単糖類と呼ばれ、2つつながると乳糖などに代表されるような二糖類になり、さらに糖がいくつもつながると多糖類となります。そして3つ目は、細胞どうしの情報を伝達する物質としての糖鎖。インフルエンザウィルスは、細胞の表面の糖鎖の違いを見極めて感染してきます。本来、鳥インフルエンザはヒトに感染しませんが、それはヒトと鳥の糖鎖が違うからなのです。

私が研究している「糖鎖」は、DNAやタンパク質に並ぶ「第3の生命の鎖」として、生体内できわめて重要な役割を果たしています。最近では鳥とヒトの両方に感染する新しいウィルスが出現し、それらが爆発的な感染力を獲得するのではないかと不安視されています。つまり、ウィルスが標的とする糖鎖を解析することは、新しい薬の開発にもつながるのです。

進化のカギは糖鎖が握っている

「糖鎖」が語りかけてくる熱いメッセージを解読したくて、私はこの分野の研究に飛び込みました。目標としているのは、生命進化の謎を解き明かすこと。生命の進化と糖鎖は、実に深い関わりがあるのです。

私の研究室では「糖の本質に関する研究」を行っています。しかしながらそれは、私たちが生命の神秘を知りたくて、その探求の糸口が、たまたま「糖」というものであっただけだろう、と思う人がいるかもしれません。ですが、それはちがいます。私たちは、これまでの先駆者である多くの糖質関連研究者たちが得た膨大な「糖」に関する知見から、そこにはきっと生命誕生の瞬間や、一様ではない生命進化の場面の一つ一つが「糖進化」という言葉に置き換えられるかどうかはわかりませんが、そこには生命の神秘を知るに最も相応しい理解が、実に繊細かつ精密に、如実に存在していると信じてやまないのです。

太古地球において、「糖」と呼ぶにふさわしい形態のものは、おそらく、さまざまな状態で存在していたと考えることができます。そのような糖が、ある時、生命体(と呼ぶに相応しい形態のもの)によって取り込まれ(食され)、それらをより使いやすい状態に変換させたり、結合させたりして利用されるようになった。この、生命体(と呼ぶにふさわしい形態のもの)が外界から物質(エネルギー)を取り込んだ行為、つまり、その瞬間こそが「食」であり、食は生命の本質であると言えます。

そしてこれは、私たちの食環境科学科のテーマにも通じます。生物が最初にエネルギー源として取り入れたと考えられる物質こそが、糖なのではないでしょうか。その糖が生命の進化の過程のさまざまな場面において重要な役割を果たすようになったと考えると、それは当然なのかもしれません。そして、糖鎖を解析すれば、生命の進化の過程を垣間見ることができるかもしれません。

糖(の研究)は甘くない!?

「知の好奇心の大切さや、新しくモノゴトの理を理解する面白みを、学生たちに伝えたい」という想いで私は学生たちと一緒に研究しています。よく「糖は甘いものもあれば、甘くないものもある。けれど、糖の研究は常に甘くない!」と話していますが、糖とは生命のあらゆる場面で活躍する、不可欠な物質です。そのため、糖を研究することは、社会への貢献にもつながります。たとえば新しい薬の開発や機能性食品の開発などに研究を活かすことができるのです。

高校までの勉強は、先生から習うことばかりだったかもしれません。それは、高校までの授業が「学習」というものだったからです。しかし、大学での学びは違います。自分が研究したいと思うテーマについて積極的に取り組み、突き進んでいくモチベーションと能力を養うところ、「学習」ではなく「学問」を行うところこそが「大学」なのです。新しいこと、誰もやっていないことに取り組むのは、誰でも怖いと思うかもしれません。でも、そこで恐れずに、興味を持った分野に積極的に挑戦し、研究に没頭してほしいと思います。私の研究室では、「こんなことを研究していたら、おかしいかもしれない」なんて感じる必要はありません。自分の発想や気づきを大切に一緒に突き進んでいきましょう。夢を持って頑張れば、必ず何かが見えてきますから。

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宮西伸光准教授食環境科学部 食環境科学科

  • 専門:糖鎖生物学、バイオセンサ

極限環境で生きる微生物を発見し、産業応用する。道久則之教授が専門とする「応用微生物学」の研究は、実は私たちの生活に身近なところに生かされているという。「未知の領域に踏み込み、粘り強く研究を重ね、発見する興奮を学生にも味わってほしい」と願い、今日も優しいまなざしで学生たちの研究を見つめている。

微生物がつくる酵素の発見が生活を変えた

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地球上には、人間の目には見えない小さな微生物があらゆるところに潜んでいます。とても生物がすめるとは思えないような環境でさえ、生きていける微生物がいるのです。たとえば、人間が手を入れたら溶けてしまうほどの強い酸性やアルカリ性の環境、高い濃度の塩水の中、100℃を超える温水、凍りつくような冷水など、過酷な環境にすむ微生物(極限環境微生物)が、私の研究対象です。なかでも、有機溶媒といって、水に溶けない物質を溶かす液体のなかで生育できる微生物(有機溶媒耐性微生物)のメカニズムを調べ、研究しています。

こうした微生物のなかから、医薬品や食品工業などの分野で利用価値の高い物が多く見つかっています。そこで私は、微生物が出す酵素を取り出し、産業に応用する研究も進めています。

では、極限環境微生物の研究が、私たちの生活に身近なところで応用されている一例を挙げましょう。洗濯用の粉末洗剤には、アルカリ性の環境に耐性を持つ微生物の出すアルカリセルラーゼという酵素が配合されています。この酵素の発見により、従来の洗剤では落とせなかった、繊維の奥の汚れを落とす機能が高まりました。そして、酵素の配合によって少量の洗剤でも汚れを落とすことができるようになり、洗剤の箱もコンパクトになりました。微生物の研究が私たちの生活を一変させたのです。

未知の分野の研究に魅力を感じて

極限環境微生物が注目を浴びはじめたのは、1980年代のこと。それまで微生物学といえば、通常の環境にすむ微生物の研究が中心でしたが、高温や高アルカリ性といった環境に生息する微生物が発見され、研究が盛んになりました。極限環境微生物という新たな分野に興味を持った私は、今から25年ほど前、極限環境微生物研究の第一人者である堀越弘毅教授の研究室に入りました。

研究室では誰も踏み入れたことのない領域に足を踏み入れ、仮説に基づいて研究に取り組みました。仮説は必ずしも正しいとは限りません。外れたときは空しさも味わったものです。しかし、あきらめずに立ち向かい、苦労の末に、意外なところで発見に結びついたとき、研究者としてのやりがいを感じました。微生物がいるともわからない環境下で研究を重ね、実際にその存在を発見したときの興奮は、今でも忘れることができません。世界中の誰も知らない事実を自分だけが知っているというエキサイティングな体験を、この分野に飛び込もうとするみなさんにも、ぜひ味わってほしいと思います。

黙々と研究に没頭するだけではない

研究者に求められるのは、何より忍耐強さです。研究が好きという気持ちも大切です。私は研究室の学生たちに、自分の頭で考え、私が思いもよらないような発見をする“ブレークスルー”を成し遂げてほしいと思っています。入室当初は丁寧に面倒を見て、学びへの興味を引き出しますが、次第に自分でテーマを見つけ、自由な発想を大切に、自発的に研究するよう指導しています。時には企業の依頼に基づいた研究や外国の研究者にデータを提供することもあります。また、大学院生だけでなく、学部の3、4年生にも学会発表に参加する機会を設けています。

黙々と研究に没頭するだけが研究者の仕事ではありません。研究成果をまとめ、発表する能力に加え、共同研究者や研究依頼者とスムーズなコミュニケーションをはかる能力も求められます。大学卒業後は、大学院に進学して研究者としての道を歩むか、企業で研究職に就くなどの進路がありますが、大学での研究を通じて、自ら課題を見つけて粘り強く取り組む姿勢やプレゼンテーション能力、コミュニケーション能力を習得することが、社会で活躍していくカギとなるでしょう。

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道久則之教授生命科学部 応用生物科学科

  • 専門:応用微生物学(極限環境微生物と極限酵素)

「踏みならされた道は面白くない」。そう語る伊藤政博教授が足を踏み入れたのは、極限環境に生きる生物のミステリーの世界だ。人の行かない道を歩み続けたからこそ実現した、生物の常識を覆す微生物の新発見。そして今、この発見を社会に貢献する新技術へと高めるべく、学生たちとともに新たな道へと分け入り始めている。

最強の生き物のミステリーを追え!

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みなさんは地球上で最強の生き物は何だと思いますか?もちろん“最強”の基準によっても答えはさまざまでしょうが、私の専門分野である「極限環境生物」はまさに、最強の称号にふさわしいツワモノぞろいです。

「極限環境生物」とは、私たち人間を含めて一般的な生物ではとてもではないけれど生きられないような環境でこそイキイキする生命のこと。たとえば、インド洋の深海熱水環境には、摂氏122℃で生きる微生物がいますし、水圧が1100気圧もかかるマリアナ海溝の最深部、水深1万900mのチャレンジャー海淵にはヨコエビという小さな甲殻類が生きています。

そのほかにも塩度が飽和状態の岩塩の中や3キロメートル以上掘り進んだ金鉱山の地底深くの環境、空気の極めて薄い成層圏など、地球上のあらゆる場所に生命が存在することがわかっています。

とは言え、「極限環境生物学」は生命科学の中でも若い研究分野。まだ未解明・未発見な環境、生物もたくさんいます。踏みならされていないフィールドだからこそ、新しい発見の可能性もいっぱいあるのです。生命のふしぎ・深海・変わり者の生き物に興味のある人なら、きっとワクワクする研究分野だと思いますよ。

暮らしに役立つ極限環境生物たち

新しく発見された生物をいかに社会に応用するかを研究するのも、「極限環境生命科学」の領域です。

私がかつて教えを受けた研究室の教授は、好アルカリ性微生物の酵素を洗濯洗剤に応用し、少ない量で汚れ落ちのいい洗剤の開発に貢献しました。「バイオテックス配合」などと呼ばれるこうした洗剤は、今ではすっかり「あたりまえ」となりました。

近年、好アルカリ性微生物の漂白作用は製紙にも用いられるようになりました。一般的にパルプを漂白するためには塩素が使われますが、塩素漂白した紙ゴミを燃やすと極めて毒性の高い物質であるダイオキシンが発生してしまいます。塩素を使わない環境に優しいパルプは「エコパルプ」と呼ばれ、近年徐々に認知も広がっています。

新発見に比べたら、実用化に向けた研究・開発というのは地味な作業に見えるかもしれません。しかし、生物の特性をいかに新しい技術に生かすかはアイデア次第。クリエイティブな志向を持った人だったら、こちらの研究もきっと面白いはずです。

常識を覆した生物の新発見

2008年、私たちの研究チームがこれまでの常識を覆す微生物を発見しました。多くの微生物は、べん毛モーターと呼ばれる運動器官を利用して環境中を移動します。この駆動エネルギーとして、かつては水素イオンかナトリウムイオン、どちらかをエネルギー源とする微生物しか知られていなかったのですが、私たちの発見した微生物は環境に応じて2つのイオンを使い分けることがわかったのです。

現在はこのエネルギー源切り替えの仕組みの解明とともに、この作用を利用した人工のナノマシンの研究開発に取り組もうとしています。

東洋大学は、国内の大学や研究機関の中でも極限環境微生物の研究者が最も多くそろっているだけに、この分野に興味のある学生が学ぶには最高の環境です。また毎年夏には、私がかつて働いていたニューヨーク・マウントサイナイ医科大学の研究室に数名の学生たちを引率して短期研究留学することも恒例行事となっています。

学生たちには多くの研究者と交わり、見聞を広げてもらいたいですし、その上で誰もまだ踏みならしていない研究テーマに取り組み、研究者としての基礎を身につけるよう丁寧に指導しています。

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伊藤政博教授生命科学部 生命科学科

  • 専門:極限環境生命科学

電車のシートの座り方や行列ができる理由といった何気ない行動は、実はすべて社会心理学的に説明がつく現象ばかりだ。「街での人の流れは、決して無意識でないのですよ」と戸梶亜紀彦教授は語る。社会心理学を学ぶと、どうやら街の景色が違って見えてくるらしい。

他人の前での行動の変化

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心理学は、自分がどういう性格か、あの人は今どういう心理状態にあるのか、といった「一人の人間の心理」を学ぶ学問ですが、社会心理学は「他の人が一緒にいる状況で、人の行動はどう変わるのか」を研究する、心理学を応用させた学問です。

たとえば、自分一人だけの時には、誰の目も気にせずに気ままに行動するのに、他の人が一緒にいると、他人の目を気にして気ままな行動ができなかったり、違う行動をしてしまったりすることがありますよね。社会心理学では、その行動の変化を研究します。それは、一人対一人の関係の中での行動、集団・組織の中での人間の行動、親しい友人との行動、初対面の集団での行動など、さまざまな状態について考えるものです。人の心を目で見ることはできませんが、社会心理学では調査や実験などの科学的手法を使って、心の状態を推測していくのです。

社会心理学科では、心理学の幅広い分野を学ぶことができるようなカリキュラムが編成されています。いきなり社会心理学を学ぶのではなく、最初に基礎的な心理学を学び、自分自身や個人という一人の人間の心理状態について、まずはしっかりと理解します。その後、社会の中で起きている現象に目を向けます。人気店の前にできる行列、イベント会場での人の動きなどに人の心がどう関わっているのか、研究していくのです。

人の行動の謎に迫る

社会心理学を学ぶと、生活の中でよく見かける人間の行動や現象について、説明ができるようになります。人の行動が読めるようになるのです。たとえば通学途中で、電車のシートが、端から埋まっていく光景をよく見ませんか。なぜ、端から埋まっていくのでしょう。これには、ちゃんと理由があります。

人にはそれぞれ「パーソナル・スペース」という、他者がこれ以上入ってきてほしくないという心理的な空間があります。知り合い同士だと、その空間は狭くなりますから、近くに座っても気になりません。でも他人同士だと、一定の距離を保ちたいという気持ちが強くなります。電車の中に居合わせた人は他人同士ですから、シートの中央に座ると、自分の両側に知らない人が座ってしまいます。でも、シートの端に座ると、片側は誰も座らない空間を常に確保できるので、居心地がいいのです。これは、社会心理学的にきちんと説明がつく心理状態なのです。

社会問題解決のヒントに

最近はテレビ番組などで、心理学が取りあげられることが増えました。人の行動を社会心理学で説明することが、わかりやすく、面白く紹介されています。テレビをきっかけに、みなさんが心理学に興味を持つことに、私は大歓迎です。入口は何でもいいのです。入ってみれば、社会心理学の奥深さに触れ、テレビで取りあげていた以上に、さまざまな社会現象や人間関係の心理状況を自分なりに分析し、解説できるようになります。すると、今まで何気なく見てきた街の景色が違って見え、満員のエレベータで気まずい理由やその場所に人が集まる理由がわかってきます。きっと、現実社会がテレビ以上に面白くなりますよ。

心理学を学ぶということは、自分への理解が深まり、他者が理解できるようになること。良くも悪くも、人は互いに影響しあい、バランスをとって生きていることがわかるでしょう。その過程が意識でき、視野が広がるのです。それは、現代社会が抱える問題を改善していくヒントになるはずです。

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戸梶亜紀彦教授社会学部 社会心理学科

  • 専門:感情心理学、産業・組織心理学

インターネット上でふくらみ続ける情報の数々。それらを内容や形式で分類して、必要な情報をすぐに取り出せる仕組みを考えるのが図書館情報学という学問だ。この学問の世界では正解は○×では決められない。「観点によって分類の仕方も違います。自分なりの仮説を立て、自分で考える力を身につけてほしい」と栗山和子教授は語る。

一定のルールにそって情報を分類

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インターネット上には、計り知れないほど大量な情報が蓄積されています。近年では、ブログやSNSのような個人が情報を発信できるサービスが普及したため、情報の内容や質が多様化し、これまでのような数値や文字のデータだけでなく、音声や動画といったマルチメディアデータも増えています。

私が専門とする「図書館情報学」は、文献・資料の収集・分類・保存・利用などについて研究する図書館学と、情報の利用や情報そのもののあり方などについて研究する情報学を融合した学問です。情報化が進んだ現在では、従来の図書や雑誌のような印刷メディアのほかに、CD・DVDなどの音声・映像メディアやWebサイトなどのデジタルメディアも研究対象となっています。

最近では、インターネット上に蓄積され続ける膨大なデータのなかから、検索する人の目的に合う情報を、いかに素早く提供するかということが課題となっています。そのためには、蓄積されたデータの中から必要な情報を一定のルールで取り出す情報アクセス技術を考えなければなりません。ただ単に、検索結果を提供するだけでなく、たとえばamazonの「おすすめ商品」のような、ユーザーが自分で検索しなくても、それまでの検索・購入履歴に応じて興味・関心のありそうな関連情報を提供する「レコメンデーション」というサービスもその一つに数えられます。

情報メディアという観点では、3・11以降、Twitterなどのソーシャルメディアも情報源として注目されるようになりました。個々のユーザーから発信され、次々と蓄積されていく情報を、内容や形式に応じたタイプで分類する技術を開発することで、必要なときに必要な情報を取り出せるようになるのです。

統計学やプログラミングの知識が必要

情報のタイプの分類には、統計学やプログラミングの知識が求められます。本学では社会学部のなかにメディアコミュニケーション学科が置かれ、私はこの学科で指導にあたっています。図書館情報学で必要とされる統計学の知識は、社会学分野全般においても必要とされるものです。統計学やプログラミングと聞くと、文系志向のみなさんには難しそうに感じるかもしれません。しかし、入試では数学を受験科目として選択しなくても受験することができますし、データの収集や分析にはパソコンを使いますから、アンケート調査やインタビュー方法などの社会調査の基礎や統計解析ツールの使い方をマスターすれば、情報の分類や分析はできます。入学後には、社会調査法や統計学も基礎から学べますので、文系のみなさんも興味を持って安心して学ぶことができると思います。入学後は、人がどのように情報を選択したり、評価したりといった行動をするのかを考え、「情報と情報メディア」について学んでいきましょう。

自ら課題を見つけ、考える力を

私は現在、TwitterやQ&Aサイトなどのソーシャルメディアの投稿をタイプに分類する研究をしています。みなさんも一度はQ&Aサイトを利用したことがあるかと思いますが、例えば、質問には「事実を求める場合」と「他者の意見を聞きたい場合」があります。事実を求める質問の場合は、客観的な正解が存在します。質問者は寄せられた多くの回答のなかから自分にとっての正解であるベストアンサーを選びますが、事実かどうかによって客観的に正解を判断することができます。他者の意見を聞きたい場合は、質問者は一つの正解を求めているのではなく、いろいろな人の意見を聞いて判断材料にしたいだけであり、同じような質問であっても、質問者の好みや状況によってベストアンサーは異なります。

このようなサイトで蓄積されていく情報から、人間が自分に必要な情報を必要なときに取り出すのは難しいことです。そこで、コンピュータで分類して、自動的に情報を取り出すためのルールを考えるのです。作成したルールに基づき、コンピュータで分類した結果を、人の手で分類した結果と比較し、どれだけ人の分類に近づけることができるかを検証します。

情報の分類・分析にはいろいろな考え方や方法があります。観点が違えば、分類・分析の仕方も変わってきます。実際のデータから、自分なりの仮説を立て、それに基づいた分類・分析を行い、仮説を検証するという研究は楽しいものです。この分野の学問に興味を持ったみなさんには、ぜひ自分で課題を見つけ、自分で考える力を身につけて学んでいってほしいと思います。

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栗山和子教授社会学部 メディアコミュニケーション学科

  • 専門:図書館情報学

自身を「人と人との出会いを演出する裏方」と称する志村健一教授は、知的障がいのある人たちの支援活動に取り組んできた。活動を通して志村教授がめざしているのは、社会的に弱い立場にある人たちを支える地域のネットワークを作り、継続させることだ。そのためには、地域住民の理解と協力、そしてきずなが欠かせない。これらを生み出すことに、ソーシャルワークの醍醐味がある。

知的障がい者のためのスポーツイベントに携わる

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ソーシャルワークとは、「人と社会環境が接する場で発生する問題」を扱う学問です。といっても、イメージしにくいですよね。私のゼミの取り組みを例に、ソーシャルワークについて紹介しましょう。

私は「ソーシャルワーク」を専門にしており、ゼミでは伝統的に知的障がい者の支援活動に取り組んできました。昨年携わったのが、岩手県遠野市で開催された知的障がい者のためのスポーツイベントです。東日本大震災の後、避難生活をせざるを得なくなった知的障がい者の方々は、体を動かす機会が少なくなってしまって、ストレスを大好きなスポーツで解消できなくなっていたのです。

そこで私のゼミでは、知的障がい者のスポーツ活動支援に取り組んでいる公益財団法人スペシャルオリンピックス日本と協力して、レクリエーションやトレーニング、ダンスなどを行うイベントを開催することになりました。内容の企画から遠野市の地域の方々との交渉、人員配置などの運営まで、スペシャルオリンピックスのスタッフの方々と協力し、学生たちが主体となって準備を進めました。

社会的に弱い立場の人たちが地域の中で生きていけるよう支援する

9月に開催されたイベントは大成功。参加した知的障がい者の方々だけでなく、そのご家族や地域の方々にも大変喜んでいただき、たくさんの笑顔ときずなが生まれました。ソーシャルワークの魅力は、人と人が出会い、協力し、何かを一緒に創り上げていくことにあります。自分たちだけではできないことも、人が集まり、それぞれの能力を生かせば、可能になる。とても大きなパワーを生み出すことができるのです。このイベントの場合は、イベントの開催はもちろんですが、イベントを通して知的障がいのある人たちを支える地域住民同士のネットワークをつくるきっかけができたことが、何よりも重要なのです。

人と人と、人とコミュニティとの出会いを演出し、ネットワークの形成をデザインする。さまざまな人のいろいろな力を借りて、地域のネットワークを強化し、社会的弱者と呼ばれる人たちが地域の中で生きていけるよう支援するのが、ソーシャルワークの役割なのです。

学びの場は教室だけではなく現場にもある

「人と社会環境が接する場で発生する問題」の意味することが、何となく、つかめたでしょうか。ソーシャルワークでは、その問題に「人の力」「コミュニティの力」を使って実践的にアプローチしていきます。学びの場は教室だけではなく現場にもある。これは、ソーシャルワークに限らず、社会福祉学全般に言えることです。そのため、社会福祉学科では実習などのフィールド活動を重視し、授業やゼミ以外でも、学生の多くが地域の福祉施設などでボランティア活動やアルバイトをしています。

実際に地域の人々と接するなかで、学生たちはさまざまな困難を経験します。そんな学生たちに、私が伝えてきた言葉があります。

「人はみな、勇気の翼を持っている。勇気ある一歩を踏み出そう」

何事も、やってみなければ始まりません。人とコミュニケーションをとるのが苦手だという人も、大丈夫。演習や実習などを通して、いろいろな経験ができます。さあ、みなさんも、勇気ある一歩を一緒に踏み出しましょう。

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志村健一教授社会学部 社会福祉学科

  • 専門:ソーシャルワーク、障がい者福祉論、社会調査方法論

一度社会に出てから入学した学生、あるいは現役の社会人である学生など幅広い層が意欲的に学ぶイブニングコースで、個人個人と向き合い、磨きをかける土井隆司非常勤講師。米国で経営学修士号取得後、約30年間実業界でスタッフから最後はコカ・コーラカスタマーマーケティング株式会社の会長を経験し、学問と実業の融合を探求し続ける視点で、学生たちを社会の入口に導き、可能性を目覚めさせる。

人生をどのように設計するか

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米国のキャリア研究者、ドナルド・E・スーパーは、ライフキャリアというものを9つのカテゴリーを組み合わせた「役割」としてとらえています。職業キャリアもその中の一つです。「キャリア・デベロップメント」春学期授業ではこれを論じながら、学生たちの理解を深めて、社会に出てどのようにライフキャリアを形成していくか、仕事を探し、ストレスにどう対処していくか等解説しながら、自分に合った仕事を見つけていく理論とプロセスを解説し、どのように人生を設計していくかを説いていきます。秋学期では経済産業省が提唱する「職場や地域社会で多様な人と関わり成果を出していくために必要な社会人基礎力」を学習します。学生時代は昔も今も学生たちの多くが、人生をどう歩んでいいか考え迷っています。私は、2級キャリア・コンサルティング技能士として、毎週講義前の1時間、学生が希望し予約をすれば、一人ひとりとカウンセリングを行い、キャリア形成の支援をしています。「経営学」といっても、それは経営学のみならず経済学、会計学や統計学、さらにマーケティング学、そして心理学など多くの学問から成り立ちます。今後のキャリア形成の準備にあたり「経営学」を学ぼうと志した学生とのご縁を千載一遇のチャンスと捉え、「学生」という原石を磨くのが、私の役目だと思っています。

柔軟な視点で企業にアプローチ

演習(ゼミ)では、実際に企業へのアプローチを試みています。2012年度のあるチームは、東京ディズニーリゾートを経営する企業、株式会社オリエンタルランドに学生たちが、自分でアポイントメントを取り、どのようなサービスを提供しているのかを学んできました。実業社会でニーズが高いホスピタリティについて高い評価を得ている会社に、自分たちで働きかけ、実際にどういったことがなされているのかを探求するという体験は、学生たちにとってキャリア形成の大きな収穫となったはず。

2013年度はさらに一歩進めて、企業から学ぶだけでなく、学生のアイデアを提案していきます。企業・組織・業界の抱える問題を探り、ユーザー=顧客目線でそれに対する答えを導き出して企業に発表するのです。金融・広告・食品など学生が選んだジャンルは多彩で、全ゼミ生を8チームに分けて少数精鋭を目指した4~5人のチームで徹底的に議論し対象企業・機関を選定、仮説・検証・期待する成果物に関して私の許可を得てから、自分たちで対象企業と交渉し、半年掛けて検証・成果物を作成するというものです。大切なのは、顧客目線を持つこと。私も60歳までは実業界にいましたから、企業が新しい視点やアイデアをほしがっていることはよくわかります。学生は頭が軟らかいですから、チーム内での真剣な議論と指導で鍛えれば良い提案を作り上げるでしょう。

生き抜く力を自分で身につける

チーム提案を作り上げる過程は仮説の内容によりまちまちでしょうが、必要に応じて私の介入度合いもチームごとに違ってきます。提案先は大企業なのか中小企業なのか、交渉相手は担当者なのか幹部なのかわからないけれど、直に自分たちの提案を売り込む。こうした理論構築と結果を出す実学の融合を自分たちが主体的に学び・経験することにより、社会が学生たちに求めている「社会人基礎力」をしっかり身につけてほしいと思っています。一連の活動を通じて智恵を絞ればここまでできるんだと、学生たちに自信を持たせるのが私の役目です。成功すれば、実際の商品やサービスとして採用されるかもしれませんし、就職か何らかの形で将来につながる可能性もないとはいえません。考え抜く・やり抜く・達成感を味わう!自分で考えて真剣に取り組むことは、社会でしっかりと生きていく力を身につけることにつながります。学生と共に私自身もさらなる学びの世界を経験したいと考えています。

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土井隆司非常勤講師イブニングコース 経営学部 経営学科

  • 専門:キャリアデベロップメント

「文学研究は、豊かな人生を送るための知恵を探る作業である」と語る野間信幸教授は、20世紀の中国現代文学や台湾文学を専門に、文学の観点から東洋思想にアプローチする。日本人は古くから中国の文学や思想に親しんできたが、一方で、中国・台湾の現代文学は日本人にはなじみが薄い。中国文学の面白さや魅力は、どこにあるのだろうか。

中国人の美意識が織り込まれた漢字

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「国破れて山河あり」。これは杜甫の「春望」という漢詩の一節です。教科書などで一度は読んだことがあるでしょう。原文は「国破山河在」、五つの漢字からなる五言詩です。これを中国語で読むと、「グォー、ポー、シャン、ハー、ツァイ」となります。中国語特有の音と言葉が生み出すリズムから、日本語で詠んだときとはまったく異なる印象になりますね。私が担当する「文学演習」の授業では、このように漢詩を中国語で読み、解釈していきます。

文学は、言葉と密接な関係があります。言葉には、文化や歴史、思想などが色濃く現れます。ですから、どの国や地域の文学を学ぶにせよ、原典にあたることは基本中の基本であり、非常に重要なことなのです。中国文学の場合は、中国語、つまり漢字です。漢字は、中国人の美意識が織り込まれた表意文字です。たった一文字で登場人物の心理を表すことも可能なほど、豊かな表現手段なのです。

生きづらい世の中を生き抜く知恵を学ぶ

私は、中国文学の中の「中国現代文学」と「台湾文学」を専門としています。中国文学は古代から常に、政治に翻弄されてきました。この傾向は、特に20世紀の現代文学において顕著です。しかし、そのような状況のなかでも、政治と向き合い、足跡を残した作家たちがいるのです。

魯迅はその代表として知られていますが、私は巴金(パーチン)という作家を研究対象としてきました。彼は、中国の文化大革命の経験を語った『随想録』などの作品を通して、困難な時代においても、自分の頭で考え、勇気をもって発言することの大切さを訴えました。私たちは彼らの作品から、生きづらい世の中を生き抜く知恵を学ぶことができるのです。この知恵を現代の人々と共有し、次の世代に伝えていきたい。中国現代文学の研究者として、私はそう強く願っています。

一方、台湾の複雑な歴史や言語環境を反映している台湾文学も、研究対象として非常に興味深いものです。たとえば、日本の統治時代に幼少期を過ごした張文環という作家は、日本語で書きつつも、日常生活や家族史など台湾人のアイデンティティに関わる部分を描くという、複雑な事情を抱えた作品を残しています。ちなみに彼は、日本(内地)に留学した経験を持ち、一時期は東洋大学でも学んでいた、本学にゆかりの深い人物でもあるんですよ。

年を重ねるごとに深みが出る中国文学作品

東洋思想文化学科は、語学、文学、哲学、歴史学と、東洋思想を総合的に学ぶ学科です。東洋大学の原点は哲学にあります。そこにはもちろん、中国をはじめとした東洋の思想も含まれます。本学はまさに、東洋思想を学ぶメッカだと言えるでしょう。日本にとって中国とは、これまでも、そしてこれからも、密接に交流し続ける存在です。その中国について学ぶことは、将来的にも必ず生きてくるでしょう。

私自身が中国文学に興味を持ったのは、中学生の頃に読んだ魯迅の「故郷」がきっかけでした。その後、同作品を読み返すたびにまったく異なる発見があり、自分の受け止め方も変化し、すっかり魅了されてしまいました。人生経験は本の読み方を変えると言いますが、中国文学には特に、年齢を重ねるごとに深みが出てくる作品が多いと思います。

中国現代文学も台湾文学も、日本ではまだあまり知られていません。しかし、そこには「自己形成のためのヒント」や「困難を乗り越えて生きるためのヒント」がたくさんつまっています。若いときにこのような思想や文学に触れることで、みなさんがこれから豊かな人生を送っていくための知恵を得ることができるのだと、私は信じています。

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野間信幸教授文学部 東洋思想文化学科

  • 専門:中国現代文学、台湾文学

「開けてはいけないお土産とは、何を意味するのでしょう」。河本英夫教授は浦島太郎の昔話を例に、学生に哲学を説く。その姿は、全国を巡回して民衆にわかりやすく学問を説いた、東洋大学の創始者、井上円了の姿に重なる。東洋大学の原点であり教育の基盤となっている哲学とは、一体どのような学問なのだろうか。

カメはなぜ、ウサギを起こさなかったのか

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ウサギとカメの話をしましょう。「能力や素質が優れていなくても、コツコツと努力をすれば報われる」「能力がある人も怠けていてはいけない」という教訓は、表面的なものです。カメは、寝ているウサギの横を通り過ぎます。カメはなぜ、ウサギを起こさなかったのでしょうか。ウサギとカメでは、どう考えても身体能力に差があります。常識的に考えて、まともな勝負はできません。カメは、明らかに負ける勝負に参加していたのです。なぜでしょうか。実際に、すぐにウサギの姿は見えなくなり、カメは一人で歩き続けます。この時点で、カメはもはやウサギとは競争していません。そう、自分との戦いなのです。しかし、ゴールしたとき、まわりはカメの勝利を褒めたたえます。このとき、自分のためのレースをしてきたカメは、違和感を感じたのではないでしょうか。みなさんは、どう思いますか。

このような身近な物語でさえ、見方を変えるとこんなにもたくさんの「問い」が生まれます。大切なのは、「どこに問いの焦点をしぼるか」ということなのです。哲学とは、「問い」を持ち続けることです。問いへの答えは一つではありませんし、答えがない問いも無数にあります。問いとは、絶えることなく永遠に続くものです。「哲学とは何か」というのも、また一つの「問い」なのです。

哲学は、人が生きていくうえで必要なもの

「諸学の基礎は哲学にあり」というのは、東洋大学の創立者、井上円了の言葉であり、本学の建学理念の一つにもなっています。この言葉どおり、哲学はどの領域の学問においても成立するものです。哲学とは、特定の知識を指すものではなく、役に立つ、立たないという次元で語れるものではありません。「世界をどうとらえるか」という認識と行為の問題であり、実生活にどう役立っているかは明確ではありません。ただし、間違いなく、哲学は誰にとっても生きていくうえで必要なものであり、人生において何らかのかたちで経験を広げていくものなのです。

例を挙げて考えてみましょう。関節の動きが悪くなると、つまり、関節の可動域が狭くなると、体がうまく動かなくなります。哲学はまさに、経験における可動域なのです。哲学が欠けると、人間の思考を含む経験の幅は狭くなってしまいます。物事を多面的にとらえたり、思考を深めたりすることができなくなってしまうのです。

物語から精神病理学まで、すべてに通じる

哲学にもさまざまな分野があり、私は「システム論」を専門としています。たとえば、透明できれいな湖が汚染され、あらゆる手段を使ってこれを元の状態に戻すとしましょう。汚染のプロセスと浄化のプロセスは、単純な巻き戻しではありません。病気の治癒も、同様です。また、「北京で蝶が飛んだ」という事象と「フロリダでハリケーンが起きた」という事象の間には、何らかの関係があるかもしれません。システム論では、事象同士の関係性や影響、変化のプロセスなどを扱います。難しく感じるかもしれませんが、非常に面白い分野です。

一方、私が担当する「現代哲学演習」では、19世紀を代表する画家、ゴッホを例に、病跡学を扱っています。病跡学とは精神病理学の一つで、芸術家や思想家、科学者など、歴史的に傑出した人物の生涯や業績を、精神医学や心理学の観点から分析する学問です。一見、哲学とは別のジャンルのように感じられるかもしれませんが、精神領域を扱う学問と哲学は密接に関係しています。

このように、哲学とは、まさに諸学に通じるものであり、哲学科の授業は非常に幅広いものになっています。その根底にあるのは、「問い」を持ち続けるということ。みなさんも、身のまわりにある物事に問いを見出し、その問いについて自分の頭で考えてみてください。

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河本英夫教授文学部 哲学科

  • 専門:システム論、科学論

是枝喜代治教授の研究室は、色とりどりの遊具や玩具でいっぱいだ。壁には、子どもたちの笑顔の写真が飾られている。遊びを通して障害のある子どもの発達を支援する「ムーブメント教育・療法」に取り組み、特別支援学校で教員を務めた経験もある是枝教授が、優しい笑顔で迎えてくれた。

子どもたちとふれあい、経験的に学びを深める

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日本の総人口の約5.8%。これは、障害者手帳を保持し、何らかの福祉的なサービスを必要としている人の割合です。これらの人々が地域社会の中で安心して豊かな生活を送れるよう、法制度や利用できるサービス、個々のニーズに応じた支援のあり方を学ぶのが、「障害者福祉学」です。障害者福祉は、みなさんにとってあまり身近ではないかもしれませんが、先に述べた「国民のおよそ20人に1人」という数字を知ると、決して自分とは別の世界のことではないとわかるでしょう。

障害者福祉の中で、私が特に専門的に扱ってきたのが、「障害児教育」の分野です。障害児教育では、自閉症や発達障害などそれぞれの障害の特性を理解し、教育・療育の形態や方法を学び、一人ひとりの子どもの状態に応じた支援計画の作り方を、事例研究などを通して学んでいきます。

この分野の学びで重要になるのが、実際に子どもたちとふれあうフィールドワークです。私自身も、大学院生時代から、障害児を対象としたレクリエーション活動に取り組んできました。現在も、軽い運動や遊びを通して発達を支援する「ムーブメント教育・療法」という実践的な理論を用いて、障害児の社会性やコミュニケーション力を育てるための活動を続けています。

学生にも、積極的に学外に出て経験的に学ぶことを奨励しています。多くの学生が、児童デイサービスや特別支援学校など地域の障害児支援施設に出向き、ボランティア活動などの実践を通して学びを深めています。

障害者がより生きやすい社会体系を築く

障害児教育でもう一つ重要なのが、障害児をもつ保護者に対する継続的な支援です。本人と同様もしくはそれ以上に不安や悩みを抱え、ネガティブな思考をお持ちの方も少なくありません。そのような方々に支援者として寄り添ううちに、子どもに変化や成長が見え、保護者の方と喜びを共有できたときには、とても大きなやりがいを感じます。

障害を抱えた人々がより生きやすい社会を築き上げていくことが、この学問の社会的使命だと言えるでしょう。それぞれのニーズに応じて対策を考えていく当事者に寄り添った視点から、法律や制度、政策を考える大きな視点まで、社会的弱者を支える実践や研究は非常に意義のあるものなのです。

当事者の気持ちに寄り添い、ニーズに応える

私の授業では、障害者福祉や障害児教育の領域をより身近な問題としてとらえられるよう、さまざまな事例を挙げ、それについて学生自身に考えさせています。学生からは実にさまざまな意見が出てきます。人間を対象にした学問ですから、答えはひとつではありません。いろいろな考え方、価値観、倫理観があって良いし、そうあるべきだと私は考えています。大切なのは、当事者の気持ちに寄り添い、そのニーズに応えることです。授業ではその軸をしっかりと認識し、さまざまな支援のあり方を模索していきます。

生活支援学専攻では、介護福祉、精神保健福祉、医療福祉、児童や高齢者福祉、地域福祉などについて、幅広く学ぶことができます。入学時から「これをやりたい」と決めている学生は少数です。さまざまな学問に触れるなかで、自分の興味・関心に合ったものを見極めてほしいと思っています。そして、その過程を通して、自分自身の人間性や価値観をも確立していくことができると考えています。

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是枝喜代治教授ライフデザイン学部 生活支援学科 生活支援学専攻

  • 専門:障害者福祉、障害児教育

「労働法を知っておいて損はしません」と、鎌田耕一教授は語る。労働法を知らずに損をしている人は少なくない。会社から突然解雇を言い渡された、不当な転勤の辞令を断りたい、大学を卒業したが就職できなかった。そんなとき、どうすればいいのか。その答えはすべて、労働法のなかにある。

現代社会で働き、生きる人の基本知識

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みなさんの多くは、いずれは社会に出て働くことになるでしょう。そのときにぜひ知っておいてもらいたいのが、「労働法」です。労働法とは、職場で出会うさまざまなトラブルを解決するためのルールです。たとえば、解雇、内定取り消し、労働災害、転勤などについては、労働法の一分野である「雇用関係法」が細かくルールを決めています。私たちは働いて収入を得て、生活をしています。労働法とは、生きていく上で必要な知識、現代社会で働く人の基本知識だと言えるでしょう。

労働法は労働者と企業の権利と義務だけでなく、企業経営の仕組みや事業展開のルールについても定めています。労働法は、働く人だけでなく、会社の経営者にも必須の知識です。働くことについて、労働者と企業の両方の観点から見ることで、複眼的な思考力を養うことができるのです。

変化する社会のなかで、「働く」を追求する

今や、社会の仕組みは複雑になり、仕事に対する価値観も働き方も多様化しています。派遣社員や契約社員など、あえて正社員以外の働き方を選ぶ人も、若い世代を中心に増えています。激しく変化する社会状況のなかで、働くとはどのようなことなのか、労働者と雇用主の関係はどうあるべきなのかを考察し、個々の事例を用いて学びを深めていけるところに、労働法を学ぶ面白さがあります。

私が担当している「労働市場法」の授業では、人材派遣事業や企業のアウトソーシング(業務の外部委託)などの人材サービス、若者の雇用支援、職業訓練などについて講義をしています。これは労働法の中でも特に新しく、変化が激しい領域でもあります。労働市場法の授業を開講している大学は数少なく、東洋大学法学部の特色の一つとなっています。人材サービスや若者の雇用問題は、今後ますます重要になるでしょう。ですから、これらの分野について大学で学ぶことには、大きな意義があるのです。

さまざまな学生が学ぶイブニングコース

私は、イブニングコースの法律学科でも授業やゼミを担当しています。イブニングコースの最大の魅力は、学生の多様性です。10代の学生から、長年社会で活躍してきた管理職クラスの社会人まで、実にさまざまな人が集い、共に学んでいます。ゼミなどでディスカッションをすると、いろいろな観点から多彩な意見が出て、大変興味深い議論が展開されます。若者は年配者の経験や知識から学ぶことが多いでしょうし、年配者は若者のフレッシュな感性や視点から新たな気づきを得ることでしょう。自分とは異なる環境で培われた価値観に触れ、複眼的なものの見方を身につけることができるのです。

また、イブニングコースの学生は、学ぶ意欲が非常に高いのも特徴です。優秀な学生も多く、大学院へ進学する人もいます。1部(昼間)と同じカリキュラムで学ぶことができ、簿記や会計など経営学部の一部の科目も履修することができます。「働きながら学びたい」「多様な仲間と切磋琢磨して自分を伸ばしたい」という人はぜひ、イブニングコースの門戸をたたいてください。

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鎌田耕一教授イブニングコース 法学部 法律学科

  • 専門:労働法

古代、中近世、そして近代。現代日本からは想像もできないほど、不便で暮らしにくかった時代にも、人々は生きがいを見つけ、何かを遺している。歴史学とは、名もなき人々の積み重ねをひも解いていく学問だ。史学科の鈴木道也教授は、「歴史を学ぶことで、人とは何か、考えてほしい」と語る。

別世界をイメージする楽しさ

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もともと私は日本史が好きだったのですが、学生時代にヨーロッパを旅行し、古い建物や農村を見て、その美しさに魅力を感じました。この建物を建てた時代の人々は、どのような暮らしをしていたのだろう。美しい町や村では、もう何百年も連続して人々が暮らし続けてきたのだなと考えると、感動したものです。この地域の歴史をもっと研究したい、と思い、西洋中世史を専門に研究しています。

授業は、5世紀から15世紀にわたる、1000年間の中世ヨーロッパの歴史が担当です。ヨーロッパにはこの頃、現代の日本とはまったく別の社会がありました。歴史学は、現代に遺されている歴史的な手がかりを分析し、当時の社会や人々のくらしの様子を探って、自分なりに歴史像を組み立てる学問です。史料という根拠から、論理的に筋道を立てて説明していきます。しかし、中世ヨーロッパ社会の様子は現代社会とかけ離れ過ぎているので、まずはどんな社会だったのかイメージすることが大事だと思っています。授業では原典史料、建築物や芸術作品、音楽など当時が伝わるものを見せますので、五感をフルに活用して中世ヨーロッパを感じてください。

歴史学者の思いを感じる

授業とは別に、私が力を入れて研究しているのは、13世紀から14世紀のフランスです。世界のどの地域・どの時代でも、権力者は自分の政治を誇りたくて、学者に歴史の本を書かせることが多く、歴史学ではそういった歴史書を史料として読み解きます。当時の王朝でも『王の物語』という歴史書が書かれていて、私はこれを研究しています。

この時代はちょうど、読み書きに使う言葉が、古代から中世にかけて使われていたラテン語から、現代まで使われているフランス語に変わる時代でした。このため『王の物語』を書いたこの時代の学者たちは、それまでに書かれたラテン語の歴史書を、試行錯誤してフランス語に書き直しているのです。つまり、ラテン語で書かれていたそれ以前の歴史書と、『王の物語』を比較すると、歴史家たちが過去をどう受け止めていたのかわかります。彼らの悩みが伝わってきて、面白いものですよ。

全てのものに歴史がある

昔の歴史学者は「歴史を学ぶと未来が見える」と言いました。しかし、残念ながら未来を予測できた歴史学者は多くはありません。でも、歴史学を学ぶことの意味は、未来予測だけではないと、私は思っています。

すべてのものに歴史があり、人が関わっています。現代に比べれば、古代も中世も近世も、人々の寿命は短く、交通手段も悪く、生活に不便な時代でした。でも、人々はその時代なりに一生懸命工夫して楽しみ、何かを遺しています。歴史学の面白さは、それぞれの事件にどのような人々がどんな思いで関わってきたのかを研究し、関わりの様子をイメージしていくことです。パズルが完成すると、だからそういう結果になったのかと理解できます。

歴史をイメージすることを繰り返していくと、自然に「人とは何か」と考えるようになります。この「人」とは、歴史上の人物も、現代に生きる自分の周りの人も同じです。「名もなき人」こそ、歴史の主役です。「人とは何か」を考えると、人が好きになり、自分も他者も認めることができるようになります。それはこの先のみなさんの人生に必要な、大きな力になるはずです。

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鈴木道也教授文学部 史学科

  • 専門:西洋中世史

文学を学ぶとは、ただ作品を読み、感動することではない。作品の書かれた時代背景を探り、作品から浮かび上がる真実を探り当てる。そのための「問い」を見出し、自分なりの解釈を語り合う。そうした面白さがある学びだ。日本文学文化学科の山本亮介准教授は、学生と共に作品について考え、語り合いながら「問い」を積み重ねている。

実験的な小説作品に導かれた文学の世界

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中学、高校の頃から小説が好きで、特に安部公房などの実験的な作品を読んでいました。どうしたら、世界がそのように見えるのか。なぜ言葉は、そうした世界を現実のものとできるのか。「小説」というジャンルに知的好奇心を刺激された私は、大学の文学部へ進学して日本の近現代文学について学ぶようになりました。その頃、友人の家の書棚にあった文学全集の中から、何とはなしに横光利一の作品集を手に取り、その技巧的な作風に衝撃を受けたのを今でも覚えています。実験的な小説は読み慣れていたものの、新感覚派とされる横光利一の作品にはぎこちない文章がつづられていて、何だか読みづらいのです。それは未完成であり、まるで試作品を作っているかのようでした。これまで読んできた他の小説とは違った読み方をしなければ、本当の面白さは味わえないのではないかと感じ、さらに大学院で研究を深めました。

現在、私が専門としているのは、小説や批評作品を中心とした「日本の近現代文学」です。ほかにも、日本の文学作品の海外翻訳、文学表現と音楽の関係などについても研究を広げています。

「問い」を見つけることが重要

文学を学ぶということは、作品の理解を通じて、「現実世界をどのように見るか」「そこから見えてくる真実とは何か」を探っていくことです。文学といってもその幅は広く、学ぶ対象はたくさんあります。私が専門とする近現代文学でも、夏目漱石や森鴎外から現代の作家まで、作品はさまざまです。学びの軸となるのは、作品が作られた時代背景を学ぶことと、作品の読み方を学ぶことです。そこでは単に作品を好き嫌いで語るのではなく、作品について「思わず人と語り合いたくなるような解釈の方法」を見出していきます。

そのためにはまず、どのように表現が成り立っているのかという作品の「しくみ」を知らなければなりません。そして、文学のことばの「読み方」を身につけなければなりません。さらには作品と向き合い、「問い」を見つける力が求められます。文学を学ぶには、この「問い」をいかに見つけるかということが重要です。「問い」を見つけることができたら、それは答えを見つけたも同然。初めは素朴な問いでも構いません。たとえば、「主人公がこのように発言したのは何故だろう」でいいのです。それが、学びを深めるうちに、「主人公のそのような発言は、当時の社会でどのように受け止められたのだろう」というように、文学の世界から他の世界へと「問い」を広げることができるようになっていくのです。

文学とは社会に通じる学び

私の授業、特に少人数を対象とする演習では、学生に一人で考えさせるインプットの時間と、学生同士で話し合い発表するアウトプットの時間を大切にしています。自分の解釈を文章にまとめ、人前で発表し、他の人の解釈の方法を聞いて、さらに違った観点から作品を見つめ直す。そうして発見や刺激を受けながら作品理解が深まっていきます。インプットとアウトプットはどちらかに偏ってはなりません。二つの時間がバランス良く両立したときに初めて、研究欲がわいてくるものです。

このようにして文学を学ぶことによって、私たちは多様で柔軟な物の見方ができるようになります。自分の考えを人に伝える力も身につきます。本が1冊あれば、日本人同士はもちろん、異文化の方とも作品を共有し、意見を交換し合うこともできるのです。

文学は社会に直結する実学ではないため、文学を学んだことが社会に出たときにどのように役立つのかと疑問を抱く人もいるかもしれません。しかし、文学を通じて身につく論理的、批判的な思考力、そして多角的な視点は、今まさに社会で求められている力そのものなのです。

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山本亮介准教授文学部 日本文学文化学科

  • 専門:近現代文学・文学理論

「人間、元気でさえあれば最後はなんとかなりますよ」と、おだやかな笑みを見せる応用化学科の福島康正教授。化学の力を応用した「健康に役立つものづくり」に勤む一方で、自然をリスペクトするといった側面も持つユニークな化学者だ。そんな自身の姿を見せることで、何かと内向きな学生たちを化学の広い世界に誘っている。

化学のものづくりで病気を予防

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「応用化学」とは読んで字のごとく、「化学を応用して暮らしをもっと良くしましょう」ということをめざす学問です。特にこの学科は理工学部の中にあるので、主に化学をモノづくりに応用する研究に取り組んでいます。

応用化学の切り口はいろいろですが、私は健康の面で貢献したいと考えています。世の中ここまで豊かになったら、最後は健康でさえあれば生きていけると思うのです。

ここ数年、学生と一緒に取り組んでいるのが「ストレス」を数値化するセンサーの開発です。ストレスが貯まると血液中に出てくる物質がありますが、それを簡便に測定できる方法を研究中です。今後、さらに精度をあげて確実に判断できるセンサーをめざしています。

病気になってしまったら、お医者さんにお任せするしかありません。しかし、病気になる前、つまり予防医学で「化学のモノづくり」がお役に立てる場面はたくさんあるのです。

貝の接着剤が歯科医療の未来を変える?

私の主な研究分野は「人工機能性ペプチド」の創製です。ちょっと聞き慣れない言葉ですが、「ペプチド」というのは複数のアミノ酸が結合したもの。私たちの体を作っていくタンパク質もその一つですね。自然界にはさまざまな「ペプチド」が存在しますが、これを人工的に作ってしまおうというわけです。

たとえば、貝の接着剤の開発。一般的な接着剤というのは水にとても弱い性質があって、歯科治療の詰め物が取れるのも、口の中が常に濡れているからなのですね。

ところが貝というのは、水の中でもものすごい力で岩に張りついている。あの接着剤の成分を調べたら、強力で水に強い接着剤ができるのではないかと考えたのです。しかも成分はアミノ酸だから、口の中に使っても安全ですよね。

貝の接着剤の研究も数年目に入ったでしょうか。そう簡単には実現できませんが、考えてみれば貝は数億年かけてあの接着剤を“開発”したわけですからね。しかしそこになんとか追いつこうとするのが、「化学の知」だと思うのですよ。

応用化学はオールマイティな学問

応用化学が実現できることはたくさんあります。それだけに、私がちょっと気になるのは「食わず嫌い」な学生が増えていることですね。たとえば、バイオは興味があるけど、無機化学はどうでもいい、とか。しかし、自分が苦手だとか興味がないと思っていたものにこそ、意外な面白さを発見することは実は多いものなのですよ。

たいした例ではありませんが、私は小中高と絵を描くのが大嫌いでした。ところが40歳をすぎてちょっと描いてみたら、結構好きになりました。化学とはぜんぜん関係ない話ですが(笑)。

とにかく、せっかく大学で化学を学ぶなら、まずは何にでも手を出してみるべきでしょう。高校までの興味や苦手意識なんて、ほんの狭い世界の話。社会に出る前にいろいろなトライアルができるのも、大学で学ぶ意味です。私のほうも手を替え、品を替えで工夫して、学生の興味を広げるような授業を提供していきたいと考えています。

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福島康正教授理工学部 応用化学科

  • 専門:生物有機化学、機能性高分子、人工機能性ペプチドの創製、両親媒性高分子の自己組織化に関する研究

第18回BELCA賞ベストリフォーム部門で表彰された「東洋大学 朝霞校舎 実験工房棟」は、人間環境デザイン学科の内田祥士教授が改修に携わった建築だ。旧校舎を解体せず、外側はそのままに、内側のみリフォームを行い生み出された実験工房棟。内田教授はどんな思いを込めてそのデザインを描いたのだろうか。

朝霞キャンパスを見て学ぼう

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みなさんが人間環境デザイン学科に興味を持って、東洋大学の入試情報サイトにアクセスし、このコラムを読み始めたのなら、先へと読み進めるよりもむしろ、ここ、朝霞キャンパスに実際に足を運んでみることをオススメします。

人間環境デザイン学科実験工房棟は、ライフデザイン学部の新設にあたって改修したものです。この校舎は、1979年に研究室棟として建てられ、改修前には倉庫として使われていました。少しくたびれて見えるものの、構造的には何ら問題ない状態でしたので、その外側は活かして、中身をリフォームすることで再利用できないかと考えていました。幸い、やってみようということになり、このようなかたちになりました。

以前は中庭だった中央部分に、屋根を設けることによって生み出された吹き抜けのアトリウム。その自由な空間を、工房やスタジオなどの小部屋が取り巻く、スタジオに設置されている作業机は、ロッカーと共に、学生がそれぞれに「自分のもの」として使える、そんなイメージで進めました。外観は古いままですが、一歩中に入ればその印象は覆されるはずです。

人の暮らしをデザインする

人間環境デザイン学科は、製品デザインから建築設計、都市計画や地域づくりに至るまで、人の暮らしにかかわるさまざまなデザインを総合的にかつ、深く学べる学科です。「快適で質の高い生活空間を創り出す人材の育成」を目標としています。

3年次からは3つのコースに分かれ、より専門性を高めて学んでいきます。建築やまちづくりについて学ぶ「空間デザインコース」、バリアフリーや、よりユニバーサルなデザインをめざす「生活環境デザインコース」、家具や製品、さらにはよりインタラクティブなデザインを学ぶ「プロダクトデザインコース」が用意されています。

本学科の学生には、学生のうちにできるだけたくさんのものを見ておくよう伝えています。それは、みなさんについても同様です。社会に出れば、たとえばゆっくり建築を眺める時間などそうそう作れなくなります。時間に余裕があるうちに、国内外、有名無名を問わず、いろいろなデザインを見て、自分の中に蓄積していっていただきたい。そのストックが多ければ多いほど、のちのち、みなさんの思考を助ける強力なアシスタントになってくれるはずです。

競い合い、高め合う学びの場

演習の授業では、特に私は、学生に競うことを恐れないでほしいと言っています。少子化の進む、競争の少ない現代に生まれた世代は、社会に出ていきなり競争の渦に巻き込まれると、心が折れてしまったり、実力を発揮しきれなかったりするのではないかと考えるからです。

デザインの現場は競争の場でもあります。最低限「好き」でなければやっていけません。同時に、一人きりでは、打ち勝っていくことは難しいでしょう。自分のデザインを客観視し、そのデザインを使う側はどう思うか、デザインを選ぶ側はどう考えるのか、多面的にモノを見る力を仲間と競ったり協力したりしながら養っていただきたいものです。

自分がデザインに参加した場所で、学生と共に制作に没頭できるのは、大変幸せなことですが、学生諸君にとっても記憶に残る場所になってくれればと思っています。

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内田祥士教授ライフデザイン学部 人間環境デザイン学科

  • 専門:建築学

法学部の学生は、憲法や刑法に興味を持つ人と、民法に興味を持つ人の2種類に分かれることが多いという。大坂恵里准教授が心引かれたのは、私人間の取り引きに関する規律である「民法」の世界。公害訴訟にかかわったという恩師の影響が大きく、「環境法」を専門とするに至った大坂准教授は、東洋大で唯一、環境法を教える教員だ。

高校までとは違う学びを

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大学では何か新しいことを学びたい。そう思って飛び込んだのが法律の世界でした。民法ゼミの先生が公害訴訟にかかわっていた人で、その影響を受けて私も「環境法」を専門とするようになりました。

最近でも患者認定などのニュースでその名を聞く水俣病。みなさんが生まれるずっと以前の、いったい何年に発生した出来事だったでしょうか。

水俣病が公式に確認されたのは1956年のことです。もう半世紀以上の歳月が流れているのに、いまだに司法の場では過去の事件としては扱われていません。

東日本大震災においても、原子力損害についての賠償問題が大きく横たわっています。放射性物質による土壌汚染や水質汚濁、汚染された廃棄物の処理問題など、現代は環境法によって対応しなければならない事象が山積みです。

法の面白さは「わからないこと」

環境法に関する授業では、四大公害病をはじめとする過去の公害や環境問題について、まずその歴史から学びます。公害はなぜ引き起こされたのか。それに対して、法律はどう対応したか。さらに被害者はどのように救済され、訴訟の結果どうなったのか。前期の授業ではそうした「起こってしまった」出来事について学びます。

後期の授業では、「環境破壊の防止」という側面について環境基本法などの個別環境法を学んでいきます。環境を守っていくために、企業は何をしなければならないのか。環境方針などの目標を決めて取り組む、「環境マネジメントシステム」についても学んでいきます。

法律を学ぶ面白さは、「わからないこと」にあると思います。人が作ったルールなのに、解釈の仕方はさまざまです。環境法も日進月歩で、その変化を追っていくのが楽しみでもあるのです。

社会の中にさまざまな問題点が潜んでいるからこそ、法律があります。みなさんもぜひ、「今、世の中にどんな問題が起きているのだろう?」と、好奇心の眼で世の中を眺め、日々のニュースに触れてください。社会における法の役割を意識することで、普段のニュースが違った側面を持って見えてきます。

めざす将来像を明確に描いて

最近の学生は、「これをやってください」と言えば器用にこなす人が多い反面、「自分でテーマを探してください」と言うと苦労する人が多いと感じています。テーマを自分で探し出すためには、普段から課題意識を持ち、自分だったらこうすると「仮説」を立ててトレーニングするのも良い方法です。

将来像がハッキリしている学生ほど、飲み込みが早いというケースが多々あります。「ゲームに出てくる弁護士のように『異議あり!』と言ってみたかった」「ドラマで見た検事さんがカッコ良くて」など、法学への第一歩は安直なものでも一向に構いません。めざしている姿がしっかりと見えている学生は、総じて勉強熱心ですから。

企業法学科は、リーガル・マインド、つまり物事を公平に判断する力を養い、ビジネスの場で必要とされる法知識を身につけることを主な目標としています。企業のコンプライアンス(法令遵守)が重要視される今、適切な企業活動と社会貢献のために、その力を役立ててください。

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大坂恵里准教授法学部

  • 専門:環境法、不法行為法(民法)

川越市のかわごえ環境ネット理事長をはじめ、数多くの社会活動に携わる総合情報学科の小瀬博之教授。「パソコンの前より外にいるほうが多いですね」と笑うそのアクティブな姿から学生たちに伝えたいのは、目の前にあるリアルを感じ取る能力だという。社会で求められる「情報のスペシャリスト」とは、現実に立ち向かえるタフな目線を持った人材なのだ。

パソコンを消して外に出てみよう

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私の専門は環境や地域活性化、景観など。コンピュータ的な「総合情報学科」のイメージからは、ちょっと意外に思われるかもしれないですね。

「プログラミングを学びたい」「ゲームや映像を作ってみたい」など、この学科に興味を持つ動機はさまざまでしょう。しかし、この学科で育みたいのは、単にコンピュータを巧みに操れる能力だけではありません。大切なのはそのスキルを活用して問題を解決したり、人の暮らしに貢献したりといった、いわば「目的意識」を持つこと。私の専門分野も、そうした「目的」の一つなんです。

だからこそ「情報のスペシャリスト」をめざす学生には、コンピュータと向き合ってばかりでなく、もっともっと現実に興味を持ってもらいたい。そんな思いもあって、私の授業は教室の外で行うことも多いんですよ。

情報で大切なのはスキルより中身

学生たちにもよく話すのですが、今の時代、環境に取り組んでいない企業はありません。私の授業でも、企業とタイアップして屋上緑化に取り組んだことがありました。昨年夏はキャンパス内の壁にグリーンカーテンを育てました。光を遮る効果があり、エアコンを使わなくても部屋を涼しく保つグリーンカーテンは省エネにもなるし、環境への意識をビジュアルにアピールする効果もあります。

こうした環境や地域での取り組みを、世間に広くアピールするときに生きてくるのが、この学科で学ぶ「情報発信のスキル」というわけですね。

しかし、あらためて言いますが、情報発信で大切なのはスキルよりも「中身」です。学生たちには自分の手や足を動かして、充実した中身を作っていくところから学んでもらいたいと思っています。

現代社会はすべてのインフラ(基盤)が情報で動いているだけに、情報の技術を環境の面で生かす場は今後さらに増えていくでしょう。情報分野で環境について学べる大学はまだ少ないですから、この学科の卒業生たちの活躍に期待したいですね。

インターネットに飲み込まれるな

ここ数年は、3年生を中心に「地域活性化プロジェクト」にも力を入れています。商店街の衰退や住民の高齢化といった、日本中の至るところで起きている問題に、情報の技術がいかに貢献できるか。その答えは私もまだ見つかっていませんが、学生たちと一緒に自治体や地域のみなさんと話をしたり、イベントを開催したりして、この大きなテーマに取り組んでいます。

今の社会で私が気がかりに思っているのは、身近なコミュニケーションがどんどん減っていることです。インターネットで場所も時間も関係なくつながれるからなのか、逆に身の回りのことが見えなくなっている気がします。

しかし、社会に出てみなさんが取り組むのは、目の前にある「現実」なんです。インターネットを含む情報の技術はあくまでツール。それに飲み込まれるのではなく、うまく使いこなして「現実」に生かす。この学科で学んだ学生だったら、きっとそれができるようになると思うのです。

緑豊かなキャンパスや、江戸情緒が漂う川越の町、そして地域のみなさんが暮らす住宅街を目で見て、耳で聴いて、鼻でかいで。そこから感じるリアルな情報は、インターネットでは得られません。「小瀬の授業は足が疲れる」と学生は思っているかもしれないけれど、パソコンに向かう時間も多いだけに、リフレッシュにもなっているはずですよ。

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小瀬博之教授総合情報学部 総合情報学科

  • 専門:水・緑・熱環境デザイン、景観学、ICT活用と環境コミュニケーション・地域活性化

「マーケティングは企業が活動する世界の永遠のテーマ」と語る李炅泰准教授。顧客との良い関係づくりを科学的に調査・分析し、戦略的に企画するマーケティングは、どの企業にも欠かせない活動だ。マーケティングの重要性を認識し、全組織で取り組む企業は成長し、怠れば淘汰される。企業経営に直結する実学なのだ。

企業が市場と良い関係を築く方法

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企業があり続けるためには、ある年だけヒット商品が出るのではなく、毎年確実に売れ続けることが大事で、そのためには長期的に顧客と「良い関係」を築くことが重要です。この関係づくりが「マーケティング」です。つまり、企業は自社のモノやサービスを買ってほしい、消費者はほしいモノやサービスを手に入れて満足したい。その両者の欲求が上手に重なる仕組みがあればいい。両者が満足する関係を、どう築くかを考えるのがマーケティングなのです。

継続的に売れることは、企業にとって成長の原動力で、より発展するための基盤となります。企業が発展すれば、より良い商品やサービスが手頃な値段になりますから、それは消費者にとっても喜ばしいことであり、逆に、売れ続けなければ倒産します。だからこそ、マーケティング戦略を練ることは、企業にとって最重要事項なのです。

実務的な価値のある学問

数年前の、ミネラルウォーターのボルヴィックの「1L for 10Lプログラム」を覚えていますか。ボルヴィック1Lを購入すると、アフリカに10Lの清潔な水が送られるプログラムです。売り上げの一部がユニセフに寄付され、井戸作りやメンテナンス費用に充てられる仕組みで、売り上げを大きく伸ばしました。これは社会貢献と販売を結びつけたキャンペーンで、「コーズ・リレーテッド・マーケティング(CRM)」と言います。募金と購買という値下げとは相反する内容でも、消費者が満足するならヒット商品になる。私のゼミではこのCRMを卒論テーマにした学生もいました。

マーケティング学とは、実際の企業経営に直結する、実務的な価値のある学問です。消費者は、年齢・性別などの個々人の事情や、流行・経済状況などの周囲からの影響によって、ほしいモノが次々と変化します。今は要らないと言っても、次の瞬間にはほしくなる。変化する消費者の深層心理を把握することは難しく、的確な分析力と新しい戦略を提案する力が求められます。戦略がはまれば、大ヒット商品も誕生するでしょう。意図せずに誕生したヒット商品もあります。何が起こるかわからないながらも、それを探っていくことがマーケティング学の面白さです。

論理的に自分の考えを説明する力

みなさんは今、主に消費者の立場にありますが、企業に就職したら、企業の目線で考えなくてはなりません。消費者のニーズを的確にとらえる方法と、その分析方法。企画、消費者との接し方。ゼミでは学生が自分でテーマを選び、研究発表します。説得力のあるプレゼンテーションのためには、問題意識をもって市場を観察し、科学的に分析し、改善策を練り、企画を組み立てなければなりません。お互いにプレゼンテーションを繰り返すことで思考力が高まり、自分の提案を論理的に相手に伝える能力が身につきます。

マーケティングは、トップや一部門だけの取り組みではうまくいきません。組織の諸部門で考えることが大切です。また、従業員が満足しなくては顧客を満足させることなど、到底できません。株主やマスメディアとよい関係を築くことも重要です。つながりのあるすべての人と一緒に成長する方法を探ること。マーケティングは、あらゆる組織に当てはまるのです。

マーケティングを極めた企業はどれだけ成長できるのか。関係を持つ両者が互いに得をしなくては意味がありません。マーケティングとは企業が活動する世界では永遠の課題であり、主要なトピックなのです。

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李炅泰(い・きょんて)准教授経営学部 マーケティング学科

  • 専門:国際マーケティング論

「電気機器」と「パワーエレクトロニクス」が専門の堺 和人教授が取り組むのは、電気自動車や自然エネルギーの有効活用などだ。より良い未来の実現をめざしたそのテーマの数々は、理系志向の人にはきっとワクワクするものばかりだろう。堺教授もまた「理系の力が輝けば、日本はもっと元気になりますよ」と、次世代のエンジニアや研究者にエールを送る。

我慢しない省エネの実現に向けて

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ここ数年、夏になると「消費電力を削減しましょう」というメッセージをあちこちで聞きますね。「省エネ」をうたった家電も増えました。しかし、こうした家電の弱点は「基準の設定のとき省エネになる」こと。たとえば25℃を基準に設計されているエアコンの場合、30℃にすると、とたんにエネルギー効率が悪くなるんです。

これは家電に限らず、電車にしろ、自動車にしろ、電気で動くモータを使ったものすべてに共通した弱点です。(※モータの消費電力は国内消費電力の約1/2)

従来設計というのは、一つの基準しか設定できないため、この課題は解決できないものとされ、これまではいかに「基準の設定」の効率をあげるかが開発のテーマになっていました。しかし、電車も家電も、標準運転のときばかりではありません。

現在、私の研究室ではどんな状態でもムダなくエネルギーを電力に変換できるモータシステムの研究に取り組んでいます。設計で最高効率をめざすのではなく、設計より大元の「原点」を見直すことにしたのです。

省エネを意識するのは大切です。しかし、電気を切ったら困るところもあります。命を預かる病院は、その最たる例です。新たな電気システムが、「我慢の省エネ」をしなくてもいい社会の実現に貢献したいと思っています。

電力インフラにもなるエコカー開発

研究室では自動車メーカーとともに、ハイブリッド車の共同開発もスタートしました。

今、クルマ業界で最も注目されているのが、家庭用コンセントでも充電できる「プラグイン・ハイブリッド車」と呼ばれるクルマと電気自動車です。現状のハイブリッド車は充電ができないため、減速時のブレーキで発電した電気とガソリンを併用していますが、このクルマは家庭で充電して電気自動車として走行できます。

家庭用コンセントは電力会社の電力網とつながっていますから、たとえば、家庭の太陽光発電で作った電気をクルマのバッテリーに蓄えて、使用しない場合にコンセントを通して電力会社に売ることもできるので、エネルギーをムダなく共有して利用できます。自ら発電するだけでなく、充電できるのも非常時にはとても心強いですね。

また、自然エネルギーをムダなく活用できる点でも、このクルマは大いに役に立ちます。自然エネルギーは、人間の都合通りには発電してくれません。夜中に強風が吹いて風力発電所がフル稼働しても、使う人がいなければ、捨てるしかないのです。

こうした余った電力を大きなバッテリーに蓄えておけるのも、このクルマのメリットですね。電力とクルマが一体化した、まさに「動くエネルギーシステム」。そんなクルマが普及すれば、社会は相当大きく変わりますよ。

理系の力が日本を元気にする!

今のところ、電力網は国内でしかつながっていませんが、将来的には通信ネットワークのように世界でつながって、必要なところに必要な電力を送ることも想定されています。

たとえば、太陽光発電は夜には稼働しませんが、日本が夜のときに地球の裏側は昼間です。そうしたシステムの開発にも、私の専門である「電気機器・パワーエレクトロニクス」の分野は携わっています。

日本の電気システムや社会インフラシステムの技術は世界でもトップレベル。大手メーカーが世界的に業績を伸ばしているように、日本の技術は世界各国に貢献しています。

取り組むべき課題もたくさんあるだけに、理系志向の人にはきっとやりがいがあるはず。みなさんの理系の力で、未来の日本を元気にし、世界のエネルギーと環境問題に対して科学技術で貢献しましょう。

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堺和人教授理工学部 電気電子情報工学科

  • 専門:エネルギー変換(電気機器、パワーエレクトロニクス)

「日本はまだまだ世界から期待されている。繁栄へのカギは、モノづくり(製造)だけでなく、医療や福祉、教育など、世界のかけ橋となるようなものをつくり出していくことだ」。そんな熱い思いをのぞかせる中北徹教授の言葉からは、この国を愛する気持ちが伝わってくる。これこそが、錯綜して先が見えない時代にも希望を抱かせる、大切な学びの志だ。

日本に、世界に、関心を持とう

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国際経済をなぜ学ぶのか。私は学生のみなさんにぜひ問いたい。今の世の中、国内に格差はまだまだあるけれど、不況だ不況だと言っても、みんな生活はそれなりにきちんとできています。むしろ昔の日本の方が貧しかったのに、多くの人は海外にあこがれ、企業は技術を磨き、一人ひとりが夢を語っていました。しかし、もっと日本のことを知ろうとしなければならない。今それが感じられないのは、世界への関心の薄さを物語っているのではないかと思うのです。日本のことをわからないと、世界を見てもきっとわかりません。それと同時に、日本を外側から見ることも大切です。日本の内側ばかり見ていると、金太郎飴のような同一のことしか言えなくなってくるでしょう。

「国際」というからには、日本のことも、海外のことも、もっと関心を高めて知ってほしいと思うのです。

社会の動きをまとめる知識として

限られた国々の間において、これまでずっと貿易や資本を自由化しようと進められてきました。無条件にというわけではなく、安全基準を明確にして、参加国を広げて自由競争していくのは良いことだと思います。中国もアメリカも自国の利益、つまり国益に対する動きはすごい。日本国内だけを見ていると、問題点がクローズアップされることは少ないけれど、もっと「このことは問題じゃないか」という意見がでてきてもいいはずです。

社会の動きや将来についてしっかり議論することはなかなか難しいものです。みんな考え方やコトバも違いますから。私が経済学に関心を持ったのは、そうした社会の様々な動きを整理して考えていくための共通言語がいる、と考えたからです。経済学というのは、その最たるものではないでしょうか。社会に関することは、利害調整もからんでくるし、それぞれ人の反応も違ってきますが、「社会のしくみを考えるために必要な共通の道具」として経済学があると思うのです。

“健全なる懐疑心”を持つ

今話題のTPP問題については、ゼミナールでも取り上げています。現段階では交渉の内容がまだ発表されていませんが、問題なのは、関係国間で交渉しているというのに、どんな交渉をしているかが外に報じられないという点です。解決に至るにはまだまだ先は長いでしょう。しかし、この交渉を通じて、国内で普段目に見えていなかったものが浮かび上せるようになったことも事実です。医療や経済安全保障(食料、衛生など)に関することなど、取り上げてほしいと思うことがクローズアップされてきました。安全基準を明確にして、生活の質や健康についてフェアに考える共通の枠組みを持つことが必要ではないでしょうか。

違う主張があってこそ、対応性や強さが育まれるもの。みんなが一斉に同じ方向を見てしまうと、この国は弱くなってしまいます。意見を一つにまとめないと社会がまとまらないかのように言われがちですが、必ずしも私はそうは思いません。むしろ、もっと個々に、“健全な懐疑心”を持ち、「それはどうしてなのか」「本当に事実なのか」という気持ちを持って、自分の生き方を育てていくことが大切です。それは学びにおいても同じですね。

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中北徹教授経済学部 国際経済学科

  • 専門:国際経済学、産業組織論、金融論

誰もが、本を読んで心を揺さぶられた経験があるだろう。文学作品はもちろん、アニメもマンガも大好きと語る髙橋直美教授は、さまざまな作品に触れ、感動することが「人間力」を高めることにつながると説く。さらに、その作品が描かれた時代や背景を知ることで、作家の生きざまを知り、自身の生き方をも考えるきっかけを生み出すことができるのだ。

文学とは「生き方を考える」こと

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みなさんは今年に入って、何冊の本を読みましたか? 絵本でも、ライトノベルでも、マンガでも構いません。もし、まだ1冊も手に取っていないとしたら、それはとてももったいないことです。

私の専門は日本近代文学。特に宮沢賢治です。彼がどのような時代に生き、何を求め、何を考えて数々の作品を生み出してきたのかを研究しています。

文学とは、書かれたものの背景にあるさまざまな要素をひも解き、「人はいかに生きるべきか」を、作品と作家の人生を通して考える学問だと言えるでしょう。他者の生きざまを知ることで自分自身を見つめ、生き方の幅を広げたり深めたりすることができると私は考えています。

今、社会ではさかんに「人間力」が問われていますが、「人間力」は人間が生きる上で必要不可欠な要素です。読書はみなさんの「社会人としての基礎力」「自分が生きる力や自分も人も活かす力」を高める糧となってくれることでしょう。

今日的な難題に直面する中で

生活支援学科は、支援を必要とする人々をサポートするプロフェッショナルを育てる学科です。生活支援学専攻は社会福祉分野、子ども支援学専攻は保育を中心とした福祉に関する分野の高度な専門知識や最新技術を学び、現場での実践力を身につけていきます。

私は子ども支援学専攻の学生を受け持っていますが、みんな子どもが大好きで、将来は子どもに関係する職業に就きたいと明確な目標や目的意識を持っている学生が多いように思います。

しかし保育の現場は、子どもが好きという気持ちだけで乗り越えられるものではありません。保育の現場には、さまざまな課題が横たわっています。日々流れてくる児童虐待や育児放棄などの悲しいニュース。また、友だちと自由かつ安全に遊べる場所も少なくなり、携帯ゲームで一人遊びをすることが当たり前であるような子どもを取り巻く環境。そうした今日的な難題に直面する中で、自分自身の心が疲れてしまうこともあるでしょう。

そんな時に心のよりどころとなるのは、「自分自身の豊かさ」です。それはもちろん、金銭的な豊かさではありません。「心」の豊かさ=生きる力・未来を拓く力です。

子どもたちに伝えたい文学の功績

心の豊かさは、さまざまな経験をもとに積み重ねられていくものですが、文学作品もまた、みなさん自身の豊かさを支える一部となってくれます。小説の一節のみならず、暗記した短歌や俳句、好きなキャラクターのあのセリフ、幼いころに読んでもらった絵本の挿し絵などを思い浮かべることができるあなたは、今、とても豊かな心を育んでいるのです。

長い人生において、つまずいたり、立ち止まったりしたときに、新たな道を示し、勇気づけてくれる。それが文学の功績です。子どもたちにも、そんな文学の素晴らしさを伝えていってほしいと思います。

文学作品とは時代も国境も人種も越えて感動を与えるものです。一度読んだ作品を何年、何十年と時間をおいて、あらためて読み返してみてください。その時にはきっと、自分の人生をもとに違った読み方ができるはずです。なぜならば、文学の楽しさはその時その時の状況により心に触れるものが変わることだからです。子どもでも、大人でも、いつでもどんな時にでも新しい発見と学びと喜びがある。それが文学の魅力なのです。

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髙橋直美教授ライフデザイン学部 生活支援学科 子ども支援学専攻

  • 専門:日本近代文学

地形を分類し、都市の人工物を調査・分析して防災対策を考える研究結果を情報提供することで、「安全で快適な生活」を支える一役を担う鈴木崇伸教授。始まりは、地震被災地で感じた「なぜ?」だった。だからこそ、この学びの意義を認識し、納得できるまで追求してほしいと学生たちにも強く望んでいる。

地震被害に備えた構造物の研究

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学問でいう「都市」とは、人間が集合して住んでいる場所のことです。東京都心のような大都会ばかりを指すのではありません。その「都市」において地震や台風などの自然災害が起きた場合、不具合が生じないようにするにはどうすればいいか。もともと人間は少しでも高い場所に住み、低地は水田のように利用される場所であったと想定されます。たとえ過去に被害がなくても、平野部は洪水や地盤の液状化という危険性をはらんでいるととらえ、対策を考えておくことが重要です。情報提供とともに、構造物の強化やライフラインにおける復旧対策など、十分な準備をしておくことが必要なのです。

私の研究では、橋やトンネルなどの構造物の構造計算をし、防災上どのくらいの効果があるかを調べています。東日本大震災の後にも、東北地方に足を運び、どのような状況で構造物が壊れたかを分析しました。

「被害のほどは地震が起きてみないとわからない」というのではお粗末。あらゆる場所が持つ被害の可能性に対して、準備となる策を考えています。

地元住民に必要な情報として提供

私が初めて「地震被害調査」に携わったのは今から30年前のこと。1983年の日本海中部地震で現地調査に行き、被害のある場所とない場所の差はどこにあるのだろうと考えました。1995年の阪神淡路大震災後の調査でも、倒壊した家屋と残った家屋の分かれ目となる要因がわからず、関心が深まったことがこの研究のきっかけです。

直近では、川越キャンパスが所在する川越市役所からの依頼を受けて、直下型地震の被害想定を行いました。学生たちと一緒に地盤の条件や標高差からデータを取り、計算し、分析結果として、震度が大きそうな場所や液状化が発生しやすい場所、住宅被害が発生しやすい場所を想定したほか、避難者数や満杯になりそうな小中学校を想定しています。2012年度には学内講演で一般市民にも結果報告を行いました。もしかしたら不安をかき立てるだけかもしれませんが、実際に地震が起きた際に冷静に行動できるよう、今後も住民の方々に必要な情報を提供していきたいと考えています。

地域社会の問題解決を担う学び

同じ理工学部でも、建築学科は商業ビルや個人住宅など屋根のあるものが対象で、都市環境デザイン学科は屋根のないものを扱うといえば、研究内容がわかりやすいかもしれませんね。つまり、都市環境デザイン学科では、道路・橋・トンネルなど交通計画や環境問題も含めて、都市生活全体をとらえ、役所や建設会社とも関わりながら住みやすくするための策を練るのです。自分が納得できないことはとことん追求してみることが大切。地域社会における問題を解決していくという意味でも、社会に貢献できる学びといえます。

研究成果としての「川越市の地震ハザードマップ」は、現在、防災マップとして公開されています。リスクを抱える地域への注意喚起ができて良かったですし、学生たちも、社会貢献できる大切な勉強をしたのだと認識してほしいと思っています。

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鈴木崇伸教授理工学部 都市環境デザイン学科

  • 専門:地震工学・構造工学、構造物の健全性評価、ライフラインの防災対策

工学分野の学びの対象は幅広い。自動車から鉄道、家電からロボット、そしてロケットまで、私たちの身の回りにはさまざまな機械が存在する。宇宙へのあこがれからロケット開発を夢見てきたという機械工学科の藤松信義准教授は、ロケットが飛ぶしくみを研究し、学生たちと小型ロケットの打ち上げに挑戦しようと考えている。

宇宙は遠い夢ではありません

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もし「宇宙に関わる仕事をしたい」と思ったら、どうしますか。小惑星探査機「はやぶさ」の帰還や、日本人初の宇宙での長期滞在を成功させた宇宙飛行士・若田光一さんの活躍など、宇宙の話題は胸が躍るものばかりですよね。宇宙は、決して遠いあこがれの世界ではありません。必要な知識を身につけ、熱意をもって挑戦すれば、近づくことはできるのです。

宇宙に関する仕事はいろいろありますが、子どもの頃から工作が大好きだった私は、「ロケットを作りたい」という夢をずっと抱き続けてきました。そのためには、何を勉強すればいいのか。一つひとつ考え、調べ、一貫して取り組んできました。

もちろん、ロケットの開発は簡単なことではありません。まずは次のような学問を学んで知識を得ることが必要でしょう。それは、ロケットのボディの強度を調べる「材料力学」、熱エネルギーと推力を調べる「熱力学」、空気抵抗を調べる「流体力学」、ロケットの運動を調べる「機械力学」、ロケットの状態を知る「計測工学」、ロケットを目的の場所へ運ぶ「制御工学」――という6つの学問です。どれもロケット開発に欠かせない知識です。高校で学ぶ数学、物理学、化学、力学をきちんと踏まえれば、本学の機械工学科ではこれらのすべてを学ぶことができます。

研究室でロケット打ち上げを

ロケット開発に必要な学問のなかでも、私の「航空宇宙システム研究室」では、流体力学に関する研究に取り組んでいます。

流体力学とは、物体が空気の流れや水の流れを受けた時に、どれくらいの力がどのようにかかるのか、力の流れのメカニズムを解明する学問です。飛行機は、翼の上の部分と下の部分で、流れる空気の速度が異なることで揚力が発生して飛ぶことができますよね。自動車や新幹線などが、より速く前に進むためには、どのような形で空気の流れを受ければいいのかを研究しています。

研究室では、繰り返し打ち上げることのできる「再使用型宇宙機」という打ち上げ機や、小型飛行体の研究にも取り組んでいます。今後は、研究成果を集約した小型ロケットの打ち上げ実験にも挑戦します。宇宙機の再使用化により、さまざまな技術革新がもたらされるはずです。

生活に生かされる工学の知識

ロケットの開発のほかにも、工学で学ぶ知識は生活のあらゆる場で生かされています。ダイソンが開発した、羽根のない扇風機を見たことがありますか。羽根のない輪から強い風が送り出される、不思議な扇風機です。実は、台の部分から吸引した空気を、輪の隙間から出すことによって、風を送り出しているのです。あの扇風機は、流体力学の「エジェクタ効果」を応用した技術によって作られたものです。

「エジェクタ効果」とは、噴き出した空気や水が、そのものが持つ粘性によって周りの空気や水を巻き込む現象のこと。たとえばロウソクの火を吹き消す時、口をすぼめて息を吹き出しますね。普通に口を開けて息を吹き出すより、口をすぼめて吹き出すほうが、風量が増えるからです。狭い吹き出し口から出すと風量が増えるのは、風が噴き出る勢いが増して、周りの空気を巻き込むからです。羽根なし扇風機も、吸引した空気を吐き出す部分の形状と傾斜を工夫し、周りの空気を巻き込むことで、吸引した空気の15〜20倍相当の空気の流れを作り出しているのです。

私は自分の夢である「ロケット開発」のために工学を学び、今でも研究を続けています。工学の対象分野は幅広いものです。機械工学科にはきっと、みなさんの夢を実現させる学びがあるはずですよ。

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藤松信義准教授理工学部 機械工学科

  • 専門:航空宇宙工学

世界各国のさまざまな問題を研究対象とするのが、国際地域学科だ。各国に足を運んで現地の人とコミュニケーションを取ることで研究を深めていくのだが、それゆえに、英語を道具として使いこなす力が求められる。ロバート・ヒューズ准教授はこの道具を使いこなす術を教え、学生たちの後ろでその研究をいつも力強く見守っている。

あらゆる国の問題が研究対象に

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国際地域学科では、実に幅広い学問が研究対象になります。30人学生がいれば、30種類の研究分野があるのです。世界各国におけるあらゆる問題をテーマに研究する学問なのですから、それも当然の話でしょう。アフリカでのボランティア活動に力を注ぐ学生もいれば、東南アジアの教育問題に興味を持ったり、バングラデシュのインフラを研究したりする学生もいます。学生一人ひとりが関心を持つテーマを見つけ、そこから学問を広げていくのです。

たとえば、バングラデシュでは、井戸水の汚染が社会問題になっています。20~30年間飲み続けると病気になる、とも言われているのです。この問題を憂慮した特別なフィルターを開発し、そのシステムが、現在バングラデシュのさまざまな場所で使われています。

このような問題の研究から解決までのプロセスもすべて、実は国際地域学科の守備範囲になるのです。

現地で芽生える疑問から学問が始まる

国際地域学科で研究する際に何より大事なのは、国際言語である英語をしっかり習得すること。世界各国の問題をテーマに研究しようというのなら、実際にその国に行って実態を自分の目で見て、現地の人と話をする必要があるからです。

たとえば、国際地域学科ではフィリピンに留学するプログラムを組んでいますが、多くの学生たちがフィリピンに行った初日にまず驚くのが、ストリートチルドレンです。家のない子どもたちが道で寝ているのを目の当たりにし、「なぜこんな問題が起きるのか?」との疑問を抱くのです。リアルな疑問や問題意識が、本当の意味での学問につながるというわけです。

また、人間というのは初対面同士では、なかなか実のある話をすることはできません。特に相手が国も文化も違う現地の人の場合、会話を重ね、心が通じ合って初めて、ほかでは知り得ない興味深いネタやその国の実情を語ってくれるのです。

そうした話を引き出すのには、英語でのコミュニケーションが必須です。現地の人と上手に会話することで、自分の研究テーマに有益な面白い話を聞くことができ、研究も深まるのです。

英語を使いこなすことが研究の第一歩

私が現在、特に意欲的に取り組んでいるのが「日本人は、なぜ英語が話せないのか」という問題です。日本では中学から高校まで計6年間、みっちりと英語の勉強をしますが、卒業しても英会話ができる人はごくわずかです。これは、なぜなのでしょう。その答えは「カルチャー(文化)」「エデュケーション(教育)」「サイコロジー(心理学)」にあります。

日本での英語教育はほとんどの場合、先生が質問をして生徒が答えるという形式ですが、ここに間違いがある、と私は考えています。会話というのはそもそも、質問をすることから始まる。質問に対する回答ではなく、質問文をつくってそれをしゃべることができなくては、会話は成り立ちません。

私は現在、国際地域学科の学生に英語を教えていますが、こうした点を踏まえて、学生には英語で質問文を作らせるようにしています。その上で、試験では学生自らが質問を重ねて会話を続けなければダメ、としています。これを1年も続ければ、これまで英語が苦手だった学生でも英語で会話ができるようになります。これが、国際地域学科における研究の第一歩となるわけです。

英語は、コミュニケーションを取る上での道具に過ぎません。この道具を自在に使いこなして研究を広げていくことこそが、国際地域学科の真髄なのです。

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ロバート・ヒューズ准教授国際学部 国際地域学科

  • 専門:EFL Education. Language Arts, Literature, and Composition. Psychology. Applied Linguistics. Intercultural Communication, International Relations.

グローバル化の著しいビジネスの世界。ほんの数年後には会計のルールもがらりと変わっているだろう。会計学の研究者として、日本をあげた「会計の国際化」の議論にも携わっている増子敦仁准教授。数字という動かしようのないものを相手に、どんなものでも面白がる人間味は、学科生たちのモチベーションの源ともなっている。

人間臭い数字、それが会計です

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みなさんもパソコンの「会計ソフト」のCMをご覧になったことがあるでしょう。企業の会計には国ごとに定められたルールがあります。だったら、パソコンを使えば誰にでもできる?それがなかなか、そう簡単な話でもないのです。私も20年近く会計に携わっていますが、突き詰めれば突き詰めるほど「会計は人間臭いものだ」と感じています。

組織のお金の出入りを計算して、記録、管理するのが「会計」。これを記した書類を「決算書」と言います。基本的には、この決算書に正しい数字を書けば問題ありません。ところがお金というものにはどうしても、人間の思惑がからんできます。

もちろん故意に数字を操作するのは犯罪です。ニュースでもときどき「粉飾決算」などが騒がれますね。しかし、たとえ正しく書いたとしても、見る角度によって解釈がまるで変わってしまうこともあるのが、この決算書のやっかいなところなのです。

企業の決算書は一般に公開する義務がありますので、新聞やネットで誰でも見ることができます。会計の知識があれば、まずその会社の経営がうまくいっているのかどうかがわかる。さらに深く読み解けるようになると、経営者の思惑や人物像まで浮き彫りになって、なかなか興味深いものなのです。

あらゆる組織は会計で回っている

一般企業はもちろん、病院や学校などの法人、NPOなどの団体、もちろん国も、あらゆる組織は会計がきちんとしていなければ運営はできません。私は学科の専門科目だけでなく、いわゆる一般教養科目でも会計の基礎の授業を受け持っていますが、社会に出るすべての人にとって会計の知識は持っていて損はありません。もちろん専門的な知識があれば、活躍できる場はぐんと広がりますね。

「会計には国ごとに定められたルールがある」と言いましたが、今や多くの企業が海外と取引をしています。そのため、「会計も国際基準のルールに合わせるべきでは?」というトピックスが持ち上がっています。

ところが国や企業によって慣習や経営の仕方も違いますから、最終的な結論はまだ出ていません。私も会計の研究者として、微力ながらこの議論のお役に立てればと思っています。

とにかく会計の世界も大きく変わるでしょう。未来を生きるみなさんともぜひ、「これからの会計のあり方」について一緒に考えてもらいたいですね。

ゼミで培う社会人の必携スキル

すべての学生ではありませんが、学科には「公認会計士」や「税理士」といった国家資格をめざしている人もいます。社会に出てからチャレンジする人も多く、合格率7%の難関ですが、現役合格者も出ていますよ。

また、ほとんどの学生は簿記検定をめざしています。「全国大学対抗簿記大会」にも、ゼミナールをあげて出場しています。個人戦では優勝者もたくさん出していて、毎年いいところまで行くのですが、まだ団体戦では全国優勝には行き着いていません。次こそは東洋大学の駅伝部や水泳部のように「全国で名を馳せるぞ!」とゼミ生一同、燃えているところです。

ちなみに、会計ファイナンス学科でゼミナールは必修ではありません。難関資格に挑むなら、図書館で勉強していたほうが効率は良いかもしれません。

しかし、ゼミという少人数の場でこそ培われるチームワークやコミュニケーションスキルは、ときに社会では知識を上回る力を発揮します。社会で高みをめざす人にこそ、参加することをおすすめしたいですね。

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増子敦仁准教授経営学部 会計ファイナンス学科

  • 専門:会計学(財務会計)

「経済学は、自分の生活に結びつけて実感できるようになると面白い学問なんですよ」と目を輝かせて語るイブニングコースの経済学科長の竹澤康子教授。「物価が上がったり下がったりするのはなぜか」「円高と円安は生活にどのような影響があるのか」などの話題を投げかけ、学生自身に「考えさせる」ことを大切にしている。

お金の動きに興味を持てば実感できる

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大学を選ぶ際に、経済学部の学びは社会とのつながりも深く、就職にも結びつきやすそうだという理由で志望する人も多いかもしれません。「経済」という言葉から受ける漠然としたイメージはあっても、具体的に何を学ぶのかがつかめずに入学したという学生も少なくないのが実情です。しかし本当は、経済学とは興味を持って学べばとても面白い学問なのです。その面白さを伝えていきたいと私は思っています。

経済を考えるということは、自分たちの生活や幸福について考えることにつながります。私の担当する「金融論」はどのようなしくみで、どのぐらいの量のお金を流したら、暮らし向きは安定するのか。その全体像をとらえて、方策を考える研究分野です。

たとえば、国全体で物価が2%上昇したと仮定します。それは、みなさんが買いたいと思っている商品の価格が2%上がるということです。それに対して、みなさんのお小遣いは上がるのか、下がるのか。国と個人を結びつけて考えると、実感がわくでしょう。大学生になると、長期の休暇中に海外旅行や留学をすることもありますが、そのときが一番、「お金の動き」を身近に感じられる機会になります。換金するために為替レートを見て、日本円と外貨の関係を意識するようになるからです。日本の円が外貨に対して価値が高いのか低いのか。それから円安になると、自動車や電機など輸出産業は利益を得ますが、原油や小麦などの輸入価格が上がるという影響が出ます。このように、自分の暮らしと関連づけて考えることで、経済学は実感を持って学ぶことができるのです。

学び合い刺激し合い、熱意あふれる教室

私は「金融論」を専門とし、日本の金融産業と金融政策、家計や企業の金融行動について実証研究をしています。「金融」とは、個人の家計から企業活動、政府の財政などさまざまな経済主体が資金を調達し、使用することによって生じる“お金の流れ”全体を指します。私はずっと研究生活を送ってきたわけではなく、21年間の公務員生活を経て2000年に東洋大学の教員となった少し変わり種です。特にイブニングコースで教えるにあたって、実務経験は大いに役立っていると思います。

イブニングコースには、高校を卒業したての10代から、社会人、定年退職後の方まで、幅広い年代層が集まります。昼間は働き、学費を自分で工面している学生も多くいます。卒業単位は第1部と同じ124単位で、1日の授業時数は2時限ずつ。3年生になると、いくつか昼間の講義も履修できる制度があるので4年間での卒業を目標に、昼も夜もがんばって単位を取る学生も増えます。それでも仕事の都合で、遅刻や欠席をせざるを得ない事情もあるでしょう。そんな学生たちが集まっていますから、限られた時間で学び取れるものは学び取りたいという熱意が教室にあふれています。社会で実務を経験している学生も多いだけに、質問内容も幅広く、専門的なことにまで及びます。一生懸命学ぼうとする仲間どうしで刺激し合い、高め合っていく雰囲気がイブニングコースにはあるのです。

“開かれた多様性”で視野も広がる

イブニングコースは必修科目が少なく、自分の関心や進路希望に応じて、イブニングコースの他学部の専門科目を選択することができます。経済学では、家計から企業活動、政府の財政まで市場を俯瞰して学びますが、経営学部の科目を履修して企業の視点を学び、国際地域学部の科目を履修して国際的な観点を身につけることもできます。多角的な視点を持って学ぶことで視野が広がり、学びへの興味も深まっていくはずです。この“開かれた多様性”は総合大学だからこそ実現でき、東洋大学のイブニングコースならではの特色です。

大学時代ほど、じっくりと腰を据えて学べるときはありません。私の授業では「真剣に考える」ことを大切に、体系的に物事をとらえる力を養います。こうした学びは、きっとみなさんが社会に出たときに大いに役立つはずです。大学生活を通じて、考える力を身につけ、人間力を磨き、ひと回りもふた回りも成長して社会へ巣立ってほしいと願っています。

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竹澤康子教授イブニングコース 経済学部 経済学科長

  • 専門:金融システム論、金融政策論

観光を成り立たせている「行く側」と「迎える側」。この相対する視点を並行して学ぶことで真の観光を理解する、というのが島川崇准教授の確固たる指導方針だ。その方針に沿って学んだ教え子たちは「自分の良さを知っている人間」「何をすれば他人が喜ぶかに敏感な人間」へと成長し、巣立っていく。そんな彼らの姿は魅力的だ。

「行く側」と「迎える側」で成り立つ観光

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「観光」と「旅行」はよく混同されがちですが、この2つには実は明確な違いがあります。「旅行」というのは、ただ“(現地に)行くこと”のみを指しますが、これに対して「観光」は、行く側と迎える側が存在し、両者が相互に関わることで成り立ちます。

国際観光学科では、まず“行く側”の視点で、世界の観光地について学びます。同時に“迎える側”として、たとえば観光地におけるまちづくりやホスピタリティ、また外国人を迎える際に日本の魅力をどう伝えるかなどを研究しています。

“行く側”と“迎える側”という相対する視点を両輪で学んでいくことは、「観光」を理解する上でとても重要です。

さらに、この「両輪で学ぶ」というのは国際観光学科におけるキーワードにもなっており、学生たちへの講義も“実務”と“理論”の両輪で指導しています。

観光の“実務”というのは、海外の観光資源や、旅行業を営む上で必要な法律(旅行業法)、運賃の計算方法などといった知識について。一方の“理論”というのは、一例を上げると、主に開発途上国では外資系の資本が介入してリゾート地をつくりあげていますが、観光客が落としたお金はすべては地元に落ちず、外資系の本国に流れている現状があります。こうした問題を、浮き彫りにしていくのです。その地を訪れた旅行者は楽しみ、地元にも経済効果が生じてみんなが幸せになる、というのが観光産業の理想の構図ですが、そのためにはどうすべきか。そういったテーマを理論化していくわけです。

実務だけを学ぶのではダメ、かといって実務から離れた理論というのも、まったく意味をなさない。両輪で学ぶことが、必要不可欠なのです。

みんなが幸せになる「被災地観光」のあるべき姿の探求

現在、私は「被災地観光のあるべき姿」を研究しています。観光による経済効果を震災などの被災地の物心両面の復興につなげられないか、という考え方です。

先だっての東日本大震災で津波の被害を受けた東北地方でも、その爪痕を自分の目で確かめに訪れたり、地元で買い物をしたりする観光客を受け入れることで地域の経済が回り、復興につながる側面があります。訪れる側からしても、津波の悲惨さを想像し、そこから教訓を学んだり、あるいは被災地の人々と気持ちを共有したりする経験ができ、正に両者共に“WIN-WINの関係”となり得るのです。

また、津波伝説で知られる和歌山県広川町では、津波の教訓を後世に伝えようと、住人がたいまつを持って八幡神社に練り歩く「稲むらの火まつり」などのイベントを開催しているのですが、このイベント自体、実は津波が来た時の避難訓練にもなっています。

こうした観光イベントに仕立てたことで多くの人が興味を持って訪れ、津波の教訓を語り継ぐと共に、地元の経済効果にもつながっているのですから、非常に素晴らしいことです。このような事例をもとに、自然災害の復興過程に観光を導入することのメリットを、今後は世界の自然災害の被災地に積極的に紹介していきたい、と思っています。

国際観光を学ぶことで魅力ある人材に

観光を成り立たせている“行く側”と“迎える側”それぞれには、違った魅力があります。

「(旅行に)行く」ことの魅力は、自分たちとはまったく異なる文化を持つ人と出会える、という点。そして、自分とは違う人たちを知ると、自分たち自身の良さにも気づくことができます。

一方の「迎える」側の魅力は何といっても、人に喜んでもらえる、ということ。そのためには、相手が何をすると喜んでくれるのかに対して、常に敏感でなければなりません。

つまり、国際観光学科で学ぶと「自分の良さを知っている人間」「何をすれば他人が喜ぶかに敏感な人間」へと成長できるのです。この2つの素養が身についている人間というのは、どんな分野に進んでも魅力的といえるのではないでしょうか。私は教え子たち全員が、観光学という新しい学問を通じてそうした魅力ある人材に育ってくれることを願っています。

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島川崇教授国際観光学部 国際観光学科

  • 専門:観光マーケティング、サステイナブル・ツーリズム、福祉観光、航空経営論

2013年1月28日に開催された、ライフデザイン学部の「人間環境デザイン学科 卒業制作・卒業研究発表会 選抜講評会」の様子をお届けします。

建築やまちづくり、生活支援のための機器からオリジナルの製品まで、人々の生活を豊かにするためのアイデアをかたちにした作品や研究を、学生自らがプレゼンテーションします。

学生たちの4年間の学びの集大成をご覧ください。

総合情報学部 総合情報学科 メディアデザインコース第1期生の「卒業制作展2013」が2013年3月15~17日、日本科学未来館(東京都江東区)にて開催されました。

「卒業制作展2013」は未来の豊かな社会づくりにつながることをめざして研究制作したICTコンテンツの発表会です。グローバル化や情報化が進む現代において、新しいメディアを活用して、学生が未来のビジョンを社会に向けて発信しようと取り組んできた研究の成果を披露しました。

学生たちの研究への意気込みを感じてください。