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大学院工学研究科 小松慧士郎さん、小堀まやさんが第22回日本化学会関東支部ポスター発表において表彰される

工学研究科バイオ・応用化学専攻2年・小松慧士郎さんと、同1年・小堀まやさん(共に指導教員は、蒲生西谷美香教授)が、日本化学会のポスター発表において、それぞれ優秀賞および奨励賞を受賞しました。優秀賞は、社会人・学生を含めた全発表を対象として審査され3名が、奨励賞は学生による発表を対象として審査され7名が選出されました。小松さん、小堀さんは、それぞれその中の1名として表彰されました。

[学会の概要]
学会名:第22回日本化学会関東支部 茨城地区研究交流会
主 催:日本化学会関東支部
会 期:平成23年11月4日(金)
発表形式:ポスター発表(発表日:4日(金) 13:45~15:50)
ポスター発表件数:99件

■優秀賞受賞発表タイトル:(小松慧士郎さん)
PEFC用新規電極触媒担体”マリモカーボン”の合成

■奨励賞受賞発表タイトル:(小堀まやさん)
ダイヤモンド担持遷移金属触媒を用いたマリモカーボン生成反応の活性化エネルギー

マリモカーボン[1]とは、小松さん、小堀さんの所属する研究グループが開発した新しい炭素複合材料です。数十ナノメートルオーダーのダイヤモンド微粒子を核とし、繊維状ナノ炭素がその表面をびっしりと覆ってできている、ユニークな球状構造を持っています。オールカーボン材料であり、軽くて化学的安定性に優れ、導電性が高いといった特徴があります。研究グループでは、炭素の化学結合性の多様さを生かして、マリモカーボンを構成する繊維状ナノ炭素の微細構造を様々にコントロールできるよう、合成条件を化学的に制御し、新しい構造を持つマリモカーボンの合成研究に取り組んできました。

小松さんは、今回の研究発表において、マリモカーボンが大きな表面積を持ち、かつ安定に保てるよう、繊維状ナノ炭素の微細構造をコントロールするには、反応温度制御が重要であることを具体的に明らかにしました。さらに、微細構造をコントロールした表面積の異なるマリモカーボンを燃料電池電極材料として用いることで、現在問題となっている、白金使用量の大幅な低減の実現が示唆される結果を示しました。

一方、小堀さんは、マリモカーボン合成反応のごく初期の過程に注目することが、繊維状ナノ炭素の微細構造をコントロールする上で重要であることが示唆される実験結果を発表しました。具体的には、反応温度が異なると、成長開始のごく初期の段階において、マリモカーボンの成長速度が大きく異なることを示しました。さらに、時間の経過とともに、成長速度が変化する傾向も見られました。このことから、繊維状ナノ炭素の成長、すなわち固体炭素の析出反応に、前段階の反応が存在すると推察されます。すなわち、繊維状ナノ炭素の成長起点である遷移金属触媒微粒子の還元、炭素原子の溶け込み、あるいは微粒子相互の溶融等が生じることによる触媒微粒子の物理化学的状態変化が、反応のごく初期に生じている可能性があると考えられます。

今後さらに研究を進めることで、触媒微粒子の物理化学的状態とマリモカーボン微細構造との関係が明らかになり、成長メカニズムの理解が深まると考えています。このことは、炭素間結合制御による、任意の構造=物性を有する新しい炭素系材料合成技術の確立に寄与する知見をもたらすと期待されます。

参考文献
[1] K. Nakagawa, H. Oda, A. Yamashita, M. Okamoto, Y. Sato, H. Gamo, M. N.-Gamo, K. Ogawa, T. Ando, J. Maer. Sci., 44, 221 (2009).

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