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「生命科学部シンポジウム」を開催

2011年11月25日(金)午後1時より板倉キャンパスにて、生命科学部シンポジウムを開催した。参加者は約600名。
第1部は1102教室にて、大熊 廣一生命科学部長の挨拶により開始。
大熊学部長は、「本学は来年2012年に創立125周年を迎えます。創立者である井上円了博士は、学んだ知識を社会へ還元することの重要性を説き、教育活動を行いました。125周年の節目を迎えるいま、改めて創立者の理念に立ち返り、今後も地域と連携し社会に貢献できる生命科学の研究を目指していきたいと思います」と、語った。
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【特別講演】「地域農産物のメタボローム解析」
独立行政法人理化学研究所 植物科学研究センター 
メタボローム機能研究グループ研究員 及川 彰 氏


講演ではまず、メタボローム解析の概要および農業への応用について説明があった。
「メタボローム解析は、生体内に含まれる化合物を網羅的に解析する手法で、生物の物理的特徴、化学的特徴、生理学的特徴を明らかにします。メタボローム解析を行うことで、地域農産物の新たな特徴・特性を解明し、最終的に地域の農食品産業へ貢献する可能性を見出すことへ繋がります。」と、及川氏はメタボローム解析が地域農産物をとりまくニーズへ応える重要な鍵を握っていることを説明した。

また、山形県の地域農産物であるダダチャ豆、柿の葉茶、庄内柿、庄内メロンを例にメタボローム解析で明らかとなったそれぞれの特徴・特性および生産から輸送までの過程での応用の可能性について解説された。及川氏によると、メタボローム解析を行うことで予測していなかった成分が検出されることもあり、一例として庄内柿は食品加工の過程で人体に有効とされる成分が増加することが明らかとなった。
このことについて及川氏は、「庄内柿に含まれる機能性成分が、加熱することにより増加することは大きな発見でした。多くの人が、青果は加熱により機能性成分が減少するという固定概念を持っていましたが、それを覆す発見であったと言えます」と語った。
最後に、及川氏はメタボローム解析が地域農産物へもたらす可能性について「地域農産物をとりまくニーズは、生産・流通・販売・消費者と様々ですが、メタボローム解析はそれぞれのニーズに応える可能性を広げることができます。地域農産物の高付加価値化や高機能食品などの開発へと繋げ、地域活性化へ貢献していきます」と述べた。
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【講演】「人間活動による水汚染とその評価方法 ~如何にして水環境を保全するか~」
生命科学部応用生物科学科 柏田 祥策教授

柏田教授は講演のはじめに、世界的に水資源が不足しつつある現状について言及した。気候変動は水不足を加速させており、さらに人口増加がそれを深刻化しているのが現在の世界の状況である、と柏田教授は説明。その上で「水の量の問題も懸念されますが、同時に水の質の問題も深刻化しています。経済発展に伴い水の汚染は急速に進み、自然界へ汚染科学物質が次々に流出しているのが現状です」と述べた。講演では、水環境汚染物質として新たに出現したナノ素材について焦点を当て解説がなされた。柏田教授は「ナノ素材の中でも、銀ナノ素材は私たちにとって身近な物質です。医薬・衛生用品など日用品の中で多用されていますが、環境汚染が懸念されています。生物の体内に蓄積されるおそれがあることも、徐々に明らかとなっています」と、銀ナノ素材について言及。「銀ナノ素材は便利ですが、環境に与える影響は大きい。生態系へ影響を与えることも懸念されます」と、警鐘を鳴らした。

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【講演】「食品の微生物制御を考える ~食品のハードル理論について~」
生命科学部食環境科学科 佐藤 順准教授

講演はまず、ハードル理論について説明がなされた。佐藤准教授によると、食品のハードル理論とは微生物制御因子(加熱、低温保蔵、保存料等)を、陸上競技のハードルに例えたものであり、汚染微生物は「陸上競技の選手」に見なされるが、実際の競技とは異なり、ハードルを飛び越えさせてはいけない。講演は、耐熱性好酸性菌の制御を例にとり、ハードル理論の説明が行われた。
「清涼飲料水の製造工程を例に考えると、原料を国外で調達した場合は製造工程が国外から国内まで幅広いものとなります。微生物制御を達成するために、現場では様々な“ハードル”が設けられています」と、佐藤准教授は解説。「万が一微生物トラブルが発生した場合はリスクマネジメントとして、製造工程を汚染微生物の立場から考えることが大事」と述べた。

講演終了後は会場を学生食堂に移し、第2部のパネルセッションが行われた。今回はカフェ形式でパネル展示による研究紹介が行われ、参加者が軽食をとりながらパネルを閲覧した。研究に携わった学生がその場で解説をしたり、質問に回答する場面も見られた。

生命科学部

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