About Toyo University 総長メッセージ

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は、最近に至り、オミクロンという変異株により、世界に新たな脅威をもたらしています。国際社会は更なる対応に迫られています。

2021年11月にグラスゴーで開催されたCOP26では、地球温暖化現象の深刻化に対応して、加盟国が石炭火力の削減を始め、地球温暖化への対応策を一段と強化することが合意されました。

国際社会の政治、経済の動向に目を移しますと、米中の覇権論争が深刻となるとともに、人権問題への対応、クーデター後の安定化など多くの不安定な要因が高まっております。国際社会は、グローバリズムの再生と、秩序維持への協力が迫られております。一方、世界のイノベーションの傾向をみると、AI、DXなどを基軸に、情報通信革命が経済体系を大きく変容し、「新しい経済」への努力が続いています。

これらの世界が直面する革命的な変革に対して、解決を見出す根源にあるものは人材力です。世界はこれらの課題の解決に向けて、正に新しい「知」を求めているのです。

さまざまなデータを見ると、残念ながら日本のイノベーションを起こす能力は低下しており、国際社会の秩序を再生する提案力も十分発揮しているとは申せません。

私はかねてから東洋大学は教学の面でも、研究の面でも、スポーツの面でも、品格の面でも、「トップレベル」を目指すことを提案して参りました。私は時代が本学に国際社会の運営の面でも、イノベーションの展開面でも、大きな貢献を果たすことを求めていると考えています。

その根底にあるものは、人間の価値と能力を尊重し、高揚する哲学であると考えております。私は、本学が創立者井上円了先生の教訓を生かし、国際社会に協調の精神と革新の意欲を高めることを衷心より期待するものであります。

2021年12月

学校法人 東洋大学 総長 福川 伸次

学校法人 東洋大学
総長 福川 伸次

略歴
  • 1955(昭和30)年4月:通商産業省入省
  • 1986(昭和61)年6月:通商産業事務次官
  • 1990(平成2)年6月:株式会社神戸製鋼所代表取締役副社長
  • 1994(平成6)年6月:株式会社神戸製鋼所代表取締役副会長
  • 1994(平成6)年11月:株式会社電通顧問、株式会社電通総研代表取締役社長兼研究所長
  • 2003(平成15)年3月:学校法人 東洋大学理事
  • 2012(平成24)年12月:学校法人 東洋大学理事長
  • 2018(平成30)年12月:学校法人 東洋大学総長(現在に至る)