税理士

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公法学専攻

本専攻の特色は、主に3つ。幅広い専門に対応できる教員が揃っていること、私法学との垣根を低くして横断的な研究を可能としていること、そして税理士試験の科目免除を視野に入れた租税法の学びにも注力していること。
憲法はいうまでもなく、私法を含めた関連の学問と向き合える本専攻は、租税法以外の分野の研究を望まれる方にも理想的な環境といえるでしょう。
また、会計士や税理士として勤務する方をはじめ、社会人にも門戸を開放。積極的な姿勢で能動的に考察できる方の入学を歓迎します。

税理士試験の科目免除について

法学研究科公法学専攻を修了の場合、税理士試験の受験科目が免除となります。詳細は国税庁ホームページで確認してください。また、修士論文に関してはその内容が科目免除に相当するかどうか個別に国税庁の審査があります。そのため、指導教授の研究指導が重要になります。

  1. 公法学専攻
    2年間の研修指導(1年目・2年目)
  2. 国税庁
    修士論文の審査
  3. 税法2科目免除

Professor Interview

法学研究科公法学専攻
高野 幸大 教授

秀逸な指導陣と横断的な学びで幅広いニーズに対応。
──租税法の指導に長年の実績と自信

本専攻の特色として、次の3つをあげることができます。(1)幅広い専門に対応できる教員が揃っていること、(2)私法学専攻との垣根を低くし、横断的な研究を可能としていること、さらに、(3)税理士試験の科目免除を視野に入れた租税法の指導にも力を注いでいること、の3つです。学生の皆さんには、個々の研究テーマをしっかりと見据え、広い視点から学べる、この環境を、是非とも活かしていただきたいと願っています。私自身の専門は、租税法ですので、税理士試験の科目の一部免除を目指す方々には、質・量ともに特に充実した修士論文の作成を目指して頑張ってもらいたいと考えています。そのために、租税法専門の客員教授1名との2人体制で、密度の濃い指導を行い、よりすぐれた修士論文の完成に向けて手助けを行うことを心掛けています。憲法はいうまでもなく、私法を含めた関連の学問と向き合える本専攻は、租税法以外の分野の研究を望まれる方にも理想的な環境といえるでしょう。社会人にも門戸を開放し、会計事務所や税理士事務所などに勤務する傍ら、学んでいる学生も少なくありません。積極的な姿勢で能動的に考察し、自身のテーマに邁進する有為な学生の入学を歓迎します。

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Student Interview

法学研究科公法学専攻 修了生
村田 京子 さん

大学院で過ごす時間は
すべて自分のための時間であり、
自分を高める時間

Q.大学院に、進学しようと思った
動機・経緯は?

会社勤務の傍ら受験勉強として税理士試験を1科目ずつ受験しましたが、点を取るための勉強に終始しがちで、なかなか身になっていく実感がなく勉強もはかどりませんでした。そんな中、租税法を体系的に掘り下げて考え、時間をかけて自分で理解してみることも大切であり必要ではないかと考え始め、ちょうどそのタイミングで勤務していた会社を辞めるきっかけがあり、そこで独立開業することにし、自分の時間が調整しやすくなる利点を活かして仕事との両立前提で進学することにしました。

Q.なぜこの大学院を選んだのか?

東洋大学大学院を選んだのは、第一に、仕事と両立するにあたって、事務所から近いことが条件でした。当時の事務所からは電車で2駅、自転車で15分という近距離であったため時間ロスが少なく、大いに助かりました。
第2に、校舎が大変綺麗でした。大学院生が主に使用する8号館は新しく綺麗な校舎で気持ちよく過ごすことができました。

Q.大学院の魅力は?

どこまでも見捨てずに待ってくださる指導教授のおかげでなんとか修了することができました。研究意欲さえあれば、力になってくれる先生やクラスメイトがいて助けにも相談にものっいただけます。また、欲しい文献や論文が図書館になかったとしても、山手コンソーシアムという制度を利用して提携他校の図書館を自由に利用することもでき、さらには近くに東京大学があり、ここにはほとんどの図書館にない書物を蔵書していることも多く、大変お世話になりました。

研究室にはいつも誰かが勉強していて、同じように頑張っている院生に刺激をうけることができる。私はなかなか研究室で勉強をする時間がとれなかったのが残念でしたが、刺激しあえる関係ができれば、心折れずに頑張れると思います。

Q.大学・大学院で学んでみて
気づいたこと・発見したことは?

最も大変だったのは仕事との両立です。個人事務所のため、会社勤めのように拘束されるわけではないとしても、誰かが代わりに動いてくれるわけではなく、すべてを自分で完結させなければなりません。せっかくの依頼をここで断ってしまうと、次はないだろうと頭をよぎろことも多々ありました。駆け出しの個人事務所にとって有難く貴重な依頼は請ける以外に選択肢がありませんでした。

また、大学院での勉強は、ただ先生の講義を聞いてノートを取る、というものではなく、課された課題の問題点、疑問点を見つけ出し、これについての答えをいろんな文献を頼りに自分なりに導いてくる、といった、時間も集中力も必要とするものでした。とても両立できたと胸を張れたようなものではありませんでした。これは自分の予測が甘かったと猛省した点です。

Q.大学院生活の中で辛かったことは?

これまで論文の執筆をしたことがなかったので、どのように取り組めばよいかが掴めず、テーマの選定から最後まで苦しみました。

最初のうちは慣れないのもあって、文献や資料を探すのも容易ではないため、予定以上に時間がかかるなど、まったく予定通りには進みませんでした。

仕事との両立もあって、一度仕事に集中してしまうと、なかなか一進一退の執筆作業には気持ち的に戻ってこれないなど、限られた時間とわかっていても、思うように時間配分ができず、終盤に追い込んで結局納得のいかない論文内容になるなど、反省点もたくさんありました。

Q.論文の研究テーマ・授業の内容

研究テーマは「企業活動の国際化と我が国の課税権確保にかかる検討―移転価格算定方法の合理性を求めて―」として修士論文を作成しました。

Q.指導を受けた「教員」との
「エピソード」がありましたら教えてください。

論文の作成が予定通りにはなかなか捗らず、冬休みに突入するような状況でも高野先生は見捨てることなく、じっと待っていてくださいました。私の方が半ば諦めそうになっていても、先生が諦めずに待っていてくださったことで、私もモチベーションを維持し最後まで続けることができました。本当に感謝しています。

Q.現在の1週間、
または1日のスケジュールは?
7:00 起床
9:30 出勤 メール・スケジュール確認、返信、電話等
10:30 都庁書類提出
13:00 A社訪問ミーティング
16:00 帰社 書類整理、提出書類作成
17:00 お客様と電話で打ち合わせ
18:00 申請書類作成
21:00 終業 退社
Q.現在のお仕事について、また大学院での
学んだことが、今どんな形で
役立っているかを
教えて下さい。

現在は、大学院入学する前に開業した行政書士として都内で業務を行っています。行政書士業務もすべて法律に基づき書類を作成することであり、租税法に限らず法律全般にわたる基本的な法律の構造を知り、理解することは大変有用なことでした。また、先日5月25日に税理士登録完了しました。

今後は、税理士と行政書士の両方の資格を活かして、中小企業のサポートを税務面、法務面から続けていきたいと思います。

Q.今後東洋大学大学院を
目指そうとしている方たちへの
メッセージをお願いします。

仕事をしていると、自分のために時間を使うことがありませんが、大学院で過ごす時間はすべて自分のための時間であり、自分を高めるための時間です。このような時間を再び手にすることの喜びを味わっていただきたいと思います。

プロフィール

村田京子 さん
県税事務所在職中に企業会計を知る機会を得、企業会計について学びを深めるため大学進学し、その後会計事務所において中小企業を中心に税理士補助業務の傍ら税理士試験を受験。

その後、東京に移ってからは不動産会社にて経理財務の実務を経験しながら税理士試験を受験し、2013年、行政書士事務所開業をきっかけに、大学院で租税法を研究することを決意。

2014年、東洋大学大学院法学研究科公法学専攻で租税法を学び、2017年5月税理士事務所を開業。

(掲載されている内容は2017年5月現在のものです)
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ビジネス会計ファイナンス専攻

国家資格取得を求める
社会的なニーズにこたえる
“職”をコンセプトとする専攻

本専攻の目的は、「高度な実践経営学」の理念のもとに、グローバル化・IT化・多様化する経営システムに対応できるビジネスリーダーや経営幹部の養成、および中小企業診断士や税理士などの高度職業専門家の養成にあります。対象は主に社会人で、平日夜間と土曜日に開講していることから、企業などに勤務しながら修士・博士の学位を取得できるのが、本専攻の大きな魅力です。

コースは、「企業家・経営幹部養成コース」「会計ファイナンス専門家養成コース」「中小企業診断士登録養成コース」の3つです。

  • 「企業家・経営幹部養成コース」では、
    経営哲学、コーポレートガバナンス論をはじめ、グループ経営、スモールビジネス、日本型企業経営、NPO論まで幅広く網羅して、高度な専門職業人を養成します。
  • 「会計ファイナンス専門家養成コース」では、
    会計・ファイナンスの基礎を共通科目に、新公認会計士の試験対策を盛り込みながら、最高財務責任者(CFO)、税理士、証券アナリスト、投資ファンドに対応した教育を実施しています。
  • 「中小企業診断士登録養成コース」では、
    出願資格として中小企業診断士の一次試験に合格している必要がありますが、2年間で修士(経営学)の学位(MBA)と中小企業診断士の資格が同時に取得できます。本専攻は、「中小企業診断士の登録等及び試験に関する規則第35条第1項の規定により経済産業大臣に登録された登録養成機関」として平成22年度に認定を受け、毎年数多くの中小企業診断士資格取得者を輩出しています。

また、本専攻では、過去、税理士試験科目免除者を多数輩出してきた実績を踏まえ、税理士養成に特化したコース設置を検討中です。「税理士養成コース(仮称)」では、科目免除を受けられるよう本専攻での研究・教育(論文指導)体制を一層整えることを計画しています。

Professor Interview

経営学研究科ビジネス・会計ファイナンス専攻
杉山 晶子 教授

会計学に求められている社会的役割を考える

Q.教員としてご自身の専門分野を踏まえ、
「研究者として研究」することの意味とは?
会計学に求められている社会的役割を考える
会計学を研究対象とする者にとって「研究者として研究」することの意味は、おそらく一つには会計学はいかなる理由から学問たり得るのかという問に対する納得のいく答えを探求するためと考えられます。このことは、恩師の一人である鈴木義夫先生(明治大学名誉教授)が日頃からおっしゃっていることであり、幸いなことに、先生には今なお研究会を通してご指導賜っております。
同先生は、上述の問に対する答えとしてご著書の中で次のように述べています。すなわち、会計は用語と数値(金額)から成り、この記号を社会的・制度的な関係の中に位置づけ、その機能を注視し、地道に思考を巡らすならば、会計研究はその社会科学たる地位を確固たるものとし、世界経済に関係した現代会計の役割を分析するための新たな視点、すなわち記号機能論の分析視角を生み出す可能性を大いに高めることになるというのです。(注)私は、残念ながら未だ記号機能論を自分自身の研究手段として十分に活用できるまでに至っておりませんが、ライフワークとして挑戦する所存です。
(注)鈴木義夫・千葉修身(2013)『会計研究入門“会計はお化けだ”』森山書店.(480)
Q.教員としてご自身が、
研究者になった経緯をご紹介ください。
子ども時代の疑問と恩師たちとの出会い
日本経済の高度成長期に子ども時代を過ごしたので、世の中の急速に変化を何となく肌で感じていたのを覚えています。当時は、社会における経済現象と家計における消費生活がうまく結びつきませんでした。たとえば、需要曲線と供給曲線が交わったところでモノの価格が決まると教科書に書いてあるものの、スーパーマーケットや商店街にお使いに行っても、その実感がわきません。人間の営みの一つである経済活動は、一体どのような仕組みになっているのだろうかという、漠然とした疑問をもちました。思えば、これが社会科学に関心を寄せる端緒であったのかもしれません。
時が経ち、大学は商学部に入学し会計学を学びました。一定期間の企業の膨大な量の経済活動は、会計というフィルターを通して用語と数値に変換されて財務諸表という一組の会計文書に集約され、それが会計監査を経て金融・資本市場の信頼性を支えていることを知りました。社会人になるためにはまだまだ学んでおくべきことがあるのではないかと思い、大学院に進学することを決め準備を始めました。ゼミの指導教員である鈴木義夫先生の勧めもあり、経営学研究科で財務会計論の教鞭を取られていた故嶌村剛雄教授に師事することとなりました。これが、研究生活の扉を開けた瞬間だったのだと思います。
Q.教員としてご自身のご専門分野について、
現在までにどんなテーマを
研究されているのか
ご紹介ください。
会計上の資産とは何かをテーマとして、
繰延資産、繰延税金資産を研究する
大学院の博士前期課程では、会計上の資産とは何かというテーマに取り組むための一つの事例として、繰延資産の資産性を研究テーマとしました。企業は、調達した資金を資産という形で運用し、利益を追求しています。財産価値がなく個別譲渡性もない多額の支出の結果である繰延資産が、なぜ会計上資産として扱われているのかを明らかにしたいと考えたからです。繰延資産が会計上資産として扱われている論拠に加えて、会計の処理および手続きは、商法(現会社法)、証券取引法(現金融商品取引法)、法人税法を主とする会計制度の中で機能しているということを改めて認識いたしました。
大学教員となってからは、予測と見積りに依存して金額が決定され、一定の条件のもとで会計上資産として扱われる繰延税金資産および当該資産の計上を定める税効果会計基準に関する研究に取り組みました。このような不確実性の高い資産に配当制限がないことにも、疑問をもちました。日本企業に税効果会計基準が適用された時期からしばらくの間は、企業に対するアンケート調査やヒアリング調査を実施して、会計理論と会計実務の両側面から繰延税金資産の実態に迫ろうと試みました。とりわけ、2000年代以降は急速に会計基準の国際的コンバージェンス(収斂)が進展したため、このような状況を巡る国内外の動向からも目が離せなくなりました。
あらゆる学問は過去の研究の蓄積をベースとして新しい知見が加えられていくものであり、したがってその時々における時代の水準があると思います。とりわけ1990年代以降は、金融工学やIT(情報技術)の発達により複雑で多様な金融商品が生み出され、それに伴い企業のファイナンス活動も複雑化し実態がみえにくくなっていきます。これらの取引は会計のフィルターを通してはじめて、財務諸表という会計文書上に表現されることになります。経済活動は時代とともに変化していきますが、虚心坦懐に研究対象に取組み、当該対象の分析を通して会計が社会的・制度的に果たす役割を解明したいと思っています。
Q.研究者として、つらかったことや、
嬉しかったこと?
仕事を続けられていることへの感謝
多くの社会人がそうであるように、とりわけ時間をマネジメントすることが難しいと感じる時期を幾度か経験しています。子育てや家族の介護やそれに付随する一連の対応には、相当な時間を要します。もう少し工夫できなかったものかと残念に思いますが、その時々は無我夢中でした。もし、教員・研究者・母親・妻・娘・大学業務における役職など、それぞれの役割に対するその時々の成績表が示されるとしたら、その結果は惨憺たるものであろうと想像できます。
しかし、これらの経験は必ずしもマイナス面ばかりではなく、時を経てたとえば教育にとってプラスとなるといった側面もあると思います。そして、何よりも仕事を継続することができたということに衷心より感謝しています。研究に関する限り、試行錯誤をしつつ取り組みを続けるというのが私にとって目標にたどり着く唯一の答えのように思います。
Q.大学院で学ぶことの魅力とは?
多角的視点から課題を発見し解決する方法を考案すること
大学院では、ごく少人数の講義や演習が中心ですので、自ずと学部とは比較にならないほどの主体性と勉強量が求められることとなります。取り組む対象となる学問領域も、専門分野を中心とする領域に集約されてきます。
興味関心の高い分野の研究を深めることで、学部時代とは異なる次元から当該分野で起こっている事象を観察したり捉えたりすることができるようになります。それはまた、新たな疑問を抱えることになりますが、それが研究課題へとつながっていきます。先人の研究の蓄積から学んだり院生仲間や教員と議論したりすることで、様々な角度から課題を考察し試行錯誤を繰り返しながら解決の糸口を探していくこととなります。
このような経験は、大学院修了後のキャリア形成において皆さんを大いにバックアップしてくれるものです。研究に専心し没頭する、何ものにも代え難い時間を手にすること、そしてそれに基づく成果を実感すること、それが大学院で学ぶことの最大の魅力ではないでしょうか。
Q.大学院で学びを考えている
受験生にメッセージを一言。
進取的な視点から、新たなステージの目標を設定する
ビジネス・会計ファイナンス専攻の博士前期課程では、会計分野に焦点を当てるなら、組織の経理部門や財務部門で活躍するビジネスパーソン、公認会計士・税理士といった会計プロフェッションがイメージできることでしょう。たとえば、ビジネス・会計ファイナンス専攻で研究しながら、公認会計士や税理士を目指すというのも、目標達成のための有益な選択肢のひとつです。さらに、博士後期課程までを視野に入れるのであれば、企業、研究所、大学においてビジネス・会計ファイナンス領域の新しい課題に対応できるビジネスリーダーや、教育・研究者として活躍することが、課程修了後の進路となります。
皆さんは、大学院進学とともに新たなステージでの目標の達成に一歩近づくこととなります。是非、大学院入試説明会に参加され、そこで疑問点や不安を解決し、本学大学院の扉を開けてくださることを期待しております。

プロフィール

氏名
杉山 晶子(すぎやま あきこ)
経歴
現在、東洋大学大学院経営学研究科ビジネス・会計ファイナンス専攻 教授
明治大学商学部卒業、同大学院経営学研究科博士後期課程単位取得満期退学。
秋草学園短期大学を経て、2007年より東洋大学経営学部准教授。2010年より同教授。
専門
財務会計、税務会計、国際会計
著書
『財務会計の現状と展望』(共著)白桃書房(2014年)、
『IFRSにおける資産会計の総合的検討』(共著)税務経理協会(2014年)など。
(掲載されている内容は2016年5月現在のものです)
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経営学研究科ビジネス・会計ファイナンス専攻
依田 俊伸 教授

実務からの転身、実務と理論の架橋を目指して

Q.教員としてご自身の専門分野を踏まえ、
「研究者として研究」することの意味とは?
研究することとは、あるがままの実態をみて、
なぜそうなのかと考えること
法律や制度(ルール)が存在している領域では、特に疑問も持たずそれに従っているのが通常です。しかし、よく考えてみると、そのルールがなぜつくられたのか?また、そのルールは、現在の社会的な実態に十分に適合しているといえるのか? といった疑問が次から次と湧いてきます。そこに研究の糸口があるのではないかと思います。そのためには、ルールやそれが対象としている社会的な実態を予断偏見なくあるがままに見ることが大切だと思います。
Q.教員としてご自身が、
研究者になった経緯をご紹介ください。
実務からの転身、実務と理論の架橋を目指して
会計・税務の実務に携わっている時にいろいろな問題点にぶつかったり、疑問点が湧いたりしましたが、どうしても実務の世界の中の論理だけでは解決ができず、理論の世界の中にこそ解決の糸口が見いだせるのではないかと思い大学院に進みました。そのような経緯から、実務から理論、理論から実務への架橋ができれば、との思いで研究しております。
Q.教員としてご自身のご専門分野について、
現在までにどんなテーマを
研究されているのか
ご紹介ください。
企業の税と会計に関わる研究
私の研究分野を学問体系で区分すると租税法学と会計学になります。法学と会計学というとまったく異なる分野のように聞こえるかもしれません。しかし、実際に対象となる領域は、株式会社を中心とする企業の会計についての理論的・制度的研究とその企業が納める法人税についての理論的・制度的研究ですので、両者は非常に密接に関連しており重なっています。現在は、企業会計の利益算定の構造と法人税の課税所得算定の構造の比較検討の研究を行っています。
Q.研究者として、つらかったことや、
嬉しかったこと?
仕事をしながらの大学院生活
私は、仕事をしながら大学院で研究するという生活をしていました。そのため、仕事と研究をどのように両立するかということに最も気を遣いました。仕事をしながらの大学院生活が大変であることは覚悟の上ですが、社会人の大学院生活にとって職場と家族の理解は欠かせません。職場と家族の理解のもとで、多くの社会人の方に大学院を目指していただきたいです。
Q.大学院で学ぶことの魅力とは?
先生方や大学院の仲間と議論する楽しさ
研究には、物事を疑ってみるとか、他人の考え方を批判的に検討してみるといったことが欠かせません。ただ、そればかりに囚われてしまうと独りよがりで狭い考え方になりかねません。それを防いでくれるのが、他人との議論です。自分とは異なる考えを持った人と議論することにより、自分の考え方が一面的であったとか、ある事柄に対する理解が浅かったということに気付くという経験は、他人との議論を通じてでなければ得られません。皆さんも多くの仲間と議論して下さい。
Q.大学院で学びを考えている
受験生にメッセージを一言。
大学院で限界に挑戦を
昔の大学院仲間と大学院で得た物についての話しが出ると、知識・情報でも論理的思考でもなく、最後には、「根拠のない自信が生まれたこと」に落ち着きます。それは、大学院時代に限界を超えるような努力をした結果、困難な状況に直面して解決の糸口が見つからない場合でも、あの時あれだけ頑張ったのだから、今回も何とかなるだろうという根拠のない自信があることで、諦めずに頑張って解決してきたという経験があるからです。皆さんもぜひ大学院で限界に挑戦して根拠のない自信を生み出しで下さい。

プロフィール

氏名
依田 俊伸(よだ としのぶ)
経歴
現在、東洋大学大学院経営学研究科ビジネス会計ファイナンス専攻 教授
1983年 東京大学法学部卒業、税務会計の実務に携わった後、
東京大学大学院法学政治学研究科修士課程、
国士舘大学大学院経営学研究科博士課程。博士(経営学)。
2015年より、東洋大学経営学部。
専門
租税法学、会計学
著書
『租税法入門』(2016年)など
(掲載されている内容は2016年5月現在のものです)
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Student Interview

経営学研究科
ビジネス・会計ファイナンス専攻 修了
清水 樹里 さん

実務や税理士の試験勉強だけでは
学ぶことができない幅広く豊富な会計の
知識を身につけたい

Q.大学院に、進学しようと思った
動機・経緯は?

税理士事務所で仕事し税理士を目指す中で、実務や税理士の試験勉強だけでは学ぶことができない幅広く豊富な会計の知識を身につけたいと考え大学院に進学を決めました。また、税理士は企業の経営者と接する機会が多い仕事ですので、会計や税務の知識のみならず経営学の一般的な知識も同時に学びたいと思ったことも理由の1つです。

Q.なぜこの大学院を選んだのか?

平日夜間と土曜昼間に開講しているため仕事との両立が可能であることがも最も重視した点です。また、都心からのアクセスがよい点も魅力的でした。

Q.大学院の魅力は?

大学院に入学して実際に仕事と両立してみると考えていたよりも大変だったことはたくさんありました。限られた時間の中で勉強するためには、物事に優先順位をつけ効率的に進めること、目先の予定だけではなく将来を見据えて総合的に判断することが必要だと実感するようになりました。そして徐々にそれが実践できるようになりました。また、院生は社会人の方が多く経歴や年齢が様々でしたので、いろいろな方と交流するなかで研究や仕事に役立つ情報を交換できることもとても有意義でした。大学院での2年間は多忙な毎日でしたが、大学院で得られた知識と経験は人生において大きな財産となりました。

Q.論文の研究テーマ・授業の内容は?

「研究開発費の会計処理に関する一考察 ー社内発生開発費を中心としてー」というテーマで修士論文を作成しました。

Q.指導を受けた「教員」との
「エピソード」はありますか?

1年生の前期は論文作成に関する基礎知識や財務会計の基礎知識を勉強しました。同じゼミや財務会計論を受講していた院生の中には論文を作成したことがない方や財務会計を学習したことがない方もいらっしゃったのですが、先生は基礎から丁寧にそして適切に指導して下さいます。1年生の後期になると論文を作成する準備を始めます。隔週で論文の進捗度を発表していましたので、その都度その場で問題点や疑問点を解決できたことがとてもよかったです。また、質問や相談にはいつも真摯に接していただき本当にお世話になりました。

Q.大学院での学びが、
今どんな形で役立っていますか?

現在は都内に税理士事務所を開業し、主に相続、不動産税務に従事しています。実務において難しい案件に直面したときは法律や文献にあたって調べるのですが、大学院で文献を読み込む訓練をしたおがげで効率よく調べることができるようになりました。また、お客さまと接する際、税理士としての専門的知識はもちろんですが幅広い経営の知識なども必要です。大学院で財務会計のみならず経営学の一般的な知識を身につけることができたことが今の仕事にとても役立っています。

Q.今後、東洋大学大学院を
目指される方たちへのメッセージを

機会があればいろいろな授業を受講してみてください。そして大学の施設も大いに利用してみてください。

プロフィール

法政大学卒業後、都内の税理士事務所に勤務しながら、東洋大学大学院経営学研究科ビジネス・会計ファイナンス専攻で2年間茅根聡先生のゼミに所属。大学院修了後に清水樹里税理士事務所を開業し、現在に至る。

(掲載されている内容は2016年5月現在のものです)
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