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福祉社会デザイン研究科 先輩からのメッセージ(アルタンボリグさん)

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社会福祉学専攻 博士後期課程2年 アルタンボリグ(Altanbolag)さん

掲載されている内容は2009年6月現在のものです。

写真:アルタンボリグ(Altanbolag)さん

東洋大学大学院は日本の社会福祉学の最高峰。
レベルの高い環境の中で自分を磨けることがうれしい。

Q.中国・内モンゴル自治区の出身だそうですが、内モンゴルの社会福祉はどのような状況なのですか?

僕が調べた範囲では、社会福祉を専門に教えている大学はまだなくて、最近になってやっとソーシャルワークの授業を持つ大学がいくつか出てきた、というような状況です。でも、「生態移民政策」などの影響で貧困が深刻になったりと、内モンゴルの実社会では手厚い社会福祉政策が求められる場面が非常に多いと感じています。

Q.「生態移民政策」とは?

砂漠化や土壌流失が深刻な地域での農耕や放牧を辞めさせて、そこに住んでいる人々を村ごと集団移住させてしまおうという中国政府の政策です。環境保全のために僕の出身地である内モンゴル自治区などでスタートしましたが、実際には国内移民問題が拡大したり、少数民族の迫害につながるのではないか、貧困者がさらに増加するのではないかなど、さまざまな問題をはらんでいて、僕の研究テーマにもなっています。

Q.ということは、初めから社会福祉を学ぶために来日を?

いえ、実はそうでもなくて(笑)。僕が内モンゴルの大学を卒業した頃、すでに来日していた友人から「日本は良い国だから来てみなよ」と盛んに誘われたのがきっかけです。
教師をしていた両親の影響で、もともと僕は教職に就こうと考えていました。実際、人に教えることが大好きでしたし。でも、やはりどこかで「一度は外国に行ってみたい」という気持ちもあったんですよね。日本に来た当初の僕は、まさか自分が大学院で研究生活を送ることになるとは思ってもいませんでしたよ。

Q.では、どのような経緯で東洋大学の大学院へ?

まず、日本に来て最初に通っていた日本語学校の先生に「今後のアジアでは社会福祉が重要になるから、勉強してみたら?」と言われて興味を持ち、ある大学の研究生になったんです。最初は児童福祉を学んでいたのですが、学び進めるうちに「貧困」という言葉が気になるようになってきて。ちょうどその頃に紹介された先生が元東洋大学の先生で、お話を伺ううちに社会福祉全体に興味を抱くようになり、大学院を目指したくなってきたんです。
社会福祉学において、日本で最高レベルの授業をしている大学が東洋大学であることは僕も知っていましたし、歴史もあって良い先生方がたくさんいることも聞いていました。また、大学院のホームページが詳しくて、僕が学びたかったテーマを掘り下げるのにも十分な環境であることが事前に良くわかったことも決め手になりました。

Q.実際に入学してみて、その印象は変わりましたか?

それはもう、ますます良い方に(笑)。この大学院には、学ぶ意欲のある人は皆平等だという精神が深く息づいています。広く深く学びたいという僕の願いに、先生方には本当に親身に応えてくださいます。論文の書き方ひとつ取っても、学生一人一人の持ち味が生かせるように、非常に細やかに教えてくださるんです。
「内モンゴルの貧困研究」という僕の課題は先生方にとっても新鮮に映ったようで、博士後期課程になってからも、引き続きさまざまな形でサポートをいただいています。そうすると、僕の方でも先生方に何かしらの還元をしたいという気持ちが生まれますから、さらに一生懸命に研究に打ち込むという好循環ができあがるんです。

Q.留学生という立場からはいかがですか

この大学院は多国籍大学院というか、中国、韓国、カナダ、インド……たくさんの国から来た留学生が学んでいます。国際交流が生活レベルで行えるので、研究以外の部分でも学びあえるチャンスが多いんです。それで、新しく発見したこと、理解したことがまた研究に反映される。良い意味でのライバル意識も芽生えますし、学生同士の交流の中にも好循環が生まれている感じがします。

Q.博士論文のテーマももう決まっているそうですね

はい。修士論文から引き続いて「生態移民政策」を。ただ、修士論文の時は「生態移民の何を書くか」に注力していましたが、博士論文は「生態移民で何を書くか」、つまり生態移民政策に触れつつ自らの提案を明確にしたいと考えています。ひとつの問題から導き出した答えを応用すれば、他の問題も解決できるようになります。「研究する以上、それが何かの役に立たなければ意味がない」ということは先生方にも繰り返し教えられているので、そのあたりも意識しながら今後の研究を進めていきたいと思っています。

Q.将来の展望や目標は?

もともと持っていた「教える仕事に就きたい」という希望は、実は僕の中ではずっと変わっていないんです。一方で「貧困問題を解決する」という生涯のテーマを見つけてしまったし、内モンゴルの貧困が年々深刻になっている現実も知っています。だからこそ、この大学院でできる限りの知識を吸収して故郷に戻り、内モンゴルの大学で教職の仕事を得たいと考えています。僕が教えることで社会福祉の概念が広がって多くの人が貧困に関心を持てば、問題の解決も早いのでは、と思っているんです。
今は、博士後期課程を3年で修了するつもりで頑張っています。できれば、この大学院で培った人脈を活かして内モンゴルの学生と日本の学生たちが交流する窓口も開きたいですね。

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