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法学部ゼミ紹介(武市ゼミ)

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専門演習 憲法に関わる時事問題・事例問題の検討

コース14 教員:武市 周作

ゼミ内容

“全部、自分次第。”――東洋大学武市ゼミ3期生が考えたゼミのモットーです。3期生以降も受け継がれています。一口にゼミといっても、報告・議論・その後のまとめ、授業以外の企画など、その活動内容は豊富です。それらにどう関わって、何を得るのかは自分次第――自らの経験でゼミ生自身がそういう考えに至り、ゼミがそういう場であってほしいという思いが込められています。

扱うテーマ

テーマは憲法に関する様々な問題です。この2年くらいは憲法の事例問題を検討しています。事例は司法試験の過去問題などを参照にしますが、特に司法試験受験を前提としているわけではありません。むしろ試験のアプローチにとどまらず、事例に関わるすべてのことを考察の対象としてほしいと思っています(これは試験自体にも役に立ちます)。憲法解釈・適用はもちろん、制度や社会背景、政治状況、国際情勢なども含めた広い視野に基づいて取り組むことができます。

最近はニュースで憲法に関わる話をよく耳にしますし、憲法は小学生の頃から学ぶので馴染みはあるはず。しかし、どうも身近に感じなかったり、難しいと感じたりする人が少なくありません。憲法改正、安全保障、選挙といった政治問題に大きく関係するからそういうイメージを持つのかもしれません。「法学を学びたいけれど、政治のことにも興味がある」、そういう人にこのゼミはぴったりですが、他方で、憲法から考えられるテーマはとても身近なところに潜んでいます。「恋愛」、「家族」、「就職・アルバイト」、「公務員」、「校則」――こういった日常生活に関わることも憲法に関わります。

例えば、ゼミ論文のテーマとして「憲法上の芸術の自由」を選んだ学生がいます。音楽や芸術に興味を持つ人は少なくないと思いますが、芸術だからといって何でも公表して良いのでしょうか。公立美術館などが「この作品を公表するのは差し控えよう」とか、公立図書館が「色々議論を呼びそうだからこの書物は貸し出さない」などと判断してよいでしょうか。日本国憲法は「芸術の自由」を直接的には規定していません。「文化」という言葉も、生存権を保障する25条で出てくるにすぎません。この問題を考察し始めると、そもそも芸術とは何だろうか、ということまで考えることになります。「諸学の基礎は哲学にあり」という東洋大学の理念は、法学部においては憲法ゼミこそ相応しいといえるかもしれません。

報告準備

ゼミの中心は「報告」と「議論」です。それをより充実したものにするためには、報告者は綿密な準備をしなければなりません。テーマについて資料や論文を集めて読み込んで、班のメンバーで徹底的に議論をした上で、報告のためのレジュメやスライドを作成します。資料や論文を読むことで、偏った知識や誤った情報、根拠のない憶測に引っ張られることがなくなり、冷静・客観的に考えられるようになります。検討が進むと、なんとなく「こういう問題があるだろな」と思っていたことがずれていたり、これまでには気付いていなかった視点を得られたりします。

報告準備では、2~3週間前から始めても直前になると忙しくなるほどです。社会に出れば必ず求められる「計画性」、「班のメンバーとのコミュニケーション」、「スケジュール管理」なども身に付いていきます。

報告

報告では、分かりやすく、興味を持たせられるものを目指します。法学部の授業は比較的クラス規模が大きい講義型が多い。講義では学生は聞く側にいますが、ゼミでは学生が授業をする側に立ちます。眠くなるような、レジュメを読み上げるだけの報告はもってのほか。報告では、声の出し方や他の学生の反応をみて対応する臨機応変も大切な要素です。

報告にあたってスマートなレジュメ・資料を作ることも求められます。考え抜いて頭の中が整理されていれば、レジュメや資料も分かりやすくなります。また、これを通じてコンピューターリテラシーも高めてもらえればと思っています。

議論

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授業時間には、とことんまで議論します。単に報告をこなして、それに対して形ばかりの質疑応答をするだけで終わってしまってはもったいない。ゼミは、自分の意見を示して、人から意見を聞いて更に考えることが大切。また、何らかの結論を導くために全員で取り組むことができる場です。質問も議論もいきなり高度な水準を狙う必要はありません。まず「素朴な視点から」――ちょっとした疑問や雑談のようなことが根本的問題に繋がることはよくあります。

 徹底的に考えるために、本ゼミでは原則として1週間のうち2コマゼミを開講します(サブゼミ(90分)+本ゼミ(90分))。報告と議論をしていたら90分はあっという間。消化不良となったり、ゼミ生の調子が出てきたところで終わったりしてはもったいないと考えて時間に余裕をもたせています。教員も議論に加わり、同じように批判を受け、それに対して反論をするという姿勢で臨んでいます。このゼミでの議論の雰囲気は、こちらから少し分かります。

 「ゼミが終わればそれでおしまい」ではありません。ゼミの時間では答えられなかった内容、報告の振り返りなどを、学内外のシステム(ToyoNet-AceやサイボウズLiveなど)でフォローしていきます。

ゼミの特徴・雰囲気・特別活動等について

本ゼミには勉学に真摯に取り組む学生が集まります。負担は少なくないでしょうが、勉学に励むことに各自で意味を見出し、できる限りのことをやってゼミに臨む姿勢は感心します。

 ゼミは色々な考えを共有することに意味があります。各自が各様に関心を持ち、それぞれのやり方で憲法問題にアプローチしていることを大切にして、相互に批判し、共に考えることを大切にしています。ゼミ生同士をみていても、だれかが権威的に意見を押しつけるような雰囲気はなく、相互に批判し合い、お互いに学び合う場になっています。これは教員も同じ位置にいて、共に学んでいる雰囲気は整っているといえます。

 教室を離れても学びの場はあります。
その最も大きなものが、夏合宿と合同ゼミです。これまで夏合宿において、2013〜2015年度は沖縄大学との合同ゼミをし、沖縄の現地調査を行いました。2016年度は新潟大学との合同ゼミを実施。2017年度は北海道へ行き、憲法・法学と関係する地を調査することを計画しています。行き先はゼミ生全員で話し合って決めていますが、できる限り他大学との交流をする機会にします。ゼミ合宿

 さらに、2016年度から秋学期に、中央大学・新潟大学・東洋大学の3大学合同ゼミも実施しています。他大学の学生と議論を闘わせるのは実に刺激的で楽しいものです。今後も継続的に実施していく予定でいます(そのため夏合宿は他大学との合同ゼミをやっていませんが、今後はまたゼミ生同士で話し合って決定していきます)。

 3・4年生の夏休みは就活準備や公務員試験勉強のために忙しくなりますが、うまくスケジュールを管理して準備を進め、日頃顔を合わせるメンバーとは違う学生と共に学ぶことで得られるものは少なくありません。

 新入ゼミ生の歓迎行事として、国立国会図書館や最高裁判所、憲政記念館の見学なども行ってきました。その他の憲法講演会やシンポジウムなども積極的に情報提供しています。

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授業時間中のゼミだけでなく、それ以外の企画も含めて、ゼミ全体の雰囲気については、ゼミのページ(https://www.facebook.com/takechiseminar/)で確認できます。
 

ゼミ生に対して望むこと

4  ゼミは大学での学びの醍醐味です。ゼミで、自ら考えて問題を発見・分析し、論文を読み資料を調べ、ゼミ生同士・教員と議論することで、いつの間にか様々な能力が身に付きます。確かにゼミの負担は決して小さくありません。しかし、そのような負担も自分を成長させるきっかけなのだと考えてくれればと思っています。様々あるゼミ活動にどのように関わり、そこから何を得るかは“全部自分次第”です。できる限り積極的に関わり、大変さも楽しめるような場であってほしいと願っています。

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