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学外での学生受賞作品

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学外での学生受賞作品

本学科の学生が制作した作品のうち、めでたく学外で受賞したものが多数あります。ここでは近年の受賞作品および受賞者のコメントをいくつかご紹介します。
学生でも極めればここまでのモノや空間を作ることができ、そして社会で評価される・・・思う存分制作に打ち込める環境がここにはあります。 

人間環境デザイン学科2年 中谷明彦さん
第5回(2017年度) ウェルフェアデザインコンテスト
「アクティブライフ部門」部門賞 受賞 

作品名:『藍杖』

転倒しにくい松葉杖を作成しました。フックのような肩掛けが引っかかるので、脇から松葉杖がすっぽ抜けてしまう事がありません。また、止まった際、脇に挟まなくとも、松葉杖自体を支える事ができるので、腕を自由に動かせます。

この松葉杖は他の松葉杖と違い、スポーティな印象を与えながらも、おもちゃっぽくならず、日常でも使える色を目指しました。見た目に関しては、この適度に暗めな青色と、曲線を活かした形状が特徴です。

藍杖写真1写真2

授賞式

授賞式では賞品をいただくだけでなく、作品のプレゼンも行いました。作品の実物を持参したのでわかりやすく説明できたと思っています。授賞式の後は懇親会がありました。審査員の方々に作品のアドバイスをしていただいたり、他の受賞者と話し、情報交換などを行いました。大学の外にいる人達と交流できる機会はあまり無かったので、とても楽しかったです。

この場に参加できた事、自分の作品を評価していただいた事を非常に嬉しく思います。これからも積極的に活動し続けていきます。

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                              演習でご指導いただいた繁成剛先生と

 

古渡 大 さん(2016年度学科卒、現・人間環境デザイン専攻 修士1年 櫻井ゼミ)
岡安 優 さん(人間環境デザイン学科 3年 内田ゼミ)
第 9 回ハーフェレ学生デザインコンペティション 2017
テーマ  :  贅沢な建築。または空間。
優秀賞 「住戸鉄塔」

私たちが参加させていただいたのは、ハーフェレジャパンが主催する国内の学生に向けたデザインコンペです。 学外コンペは 1 つのテーマを通じて、全国の学生と競い合えること、また世界的
に活躍する建築家に自分たちの 作品を評価してもらえることがとても魅力的です。自らの経験値を上げること、また視野を広げることを目的 に、このコンペに参加することにしました。

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「贅沢な建築。または空間。」というテーマに対して、私たちは使われなくなった古鉄塔に住む(住戸鉄塔)と いう作品を提案しました。電線を地面に埋め、電柱や鉄塔が撤去されることが多くなっている現在の時代背景 を元に、邪魔者扱いされがちな鉄塔を贅沢な空間に転換する方法を探りました。鉄塔の1番の魅力は街に建つ ビルと匹敵するスケールでありながら、構造はビルのそれに対して圧倒的に細い鉄骨で構成されていることではないかと考えました。そこで私たちは、ビルほど人を収容する必要のない住宅を提案することにしました。 その結果、大きな体積と、小さな質量を持つ独特な住宅へと昇華することができ、住宅と呼ぶにはあまりにも 贅沢に思えるほど大きなスケールで展開される暮らしの提案につながりました。初めから人のために考えられ た住宅とは異なる、豊かさを見つけることができる住宅として作品を完結できたことが優秀賞に選出していただけたことにつながったのではないかと考えています。

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ドイツ大使館で行われた授賞式では、プレゼン後に審査委員の方々や、他大の学生たち、また大使館の方々など様々な立場の方々と交流する機会が設けられていて、貴重な時間を過ごすことができました。今後もこのような経験をたくさん積みたいと思えたとてもよい機会になりました。

ドイツ大使館での授賞式

 

 

福田 海渡さん (2015年度入学) 
第2回医美同源デザインコンペティション「入院生活を豊かにするデザイン」
【学生の部】 優秀賞 (学部2年次に受賞)
作品名:コールファン

 

 
制作したプロダクト 授賞式後の記念撮影
制作したプロダクト                                                      授賞式後の記念撮影 
 

制作のきっかけ

今回のコンペで制作したきっかけは、春休みの長い時間を無駄に過ごしたくなかったからです。大学生は春休みが長く自分が一番成長できる期間だと思います。

制作にあたっての難しかった点、工夫した点

コンペの題材が「入院生活を豊かにするデザイン」というものでした。私は人生で一度も入院したことがありません。ですから自身の体験をコンペにあてて考えるということができませんでした。またフィールドワークを行うにしても病院の許可が下りることはありませんでした。ですから本を読み、知識をため、入院したことのある知人にきいてまわり情報収集をして制作を進めていきました。どの作品よりもコンペの題材にそったものが提出できたのではないかと思います。

授賞式の様子

授賞式は初めてだったのでとても緊張しました。プレゼンがあったのですがうまくまとめることができずに支離滅裂な部分が多々あったと思います。しかし周りが私よりも年上の方々だったのでリラックスできた場面もありました。

これからの抱負

近い目標として学内の一つ一つの課題をしっかりこなしながら、コンペもまた勢力的に参加していきたいです。将来的にはプロダクトデザインやデザイン業で成果を挙げられるような人材になりたいと思っています。

鈴木叙久さん(2015年度学科卒、現・人間環境デザイン専攻) 櫻井義夫ゼミ
せんだいデザインリーグ2016「卒業設計日本一決定戦」17位(100選)
作品名:装置一〇〇二番 -ショートショートの空間化を通じて星新一記念館をつくる-

作品

私が掲載させて頂けることになったこの作品は、せんだいデザインリーグ2016「卒業設計日本一決定戦」で17位(100選)という結果に終わった卒業設計「装置一〇〇二番 -ショートショートの空間化を通じて星新一記念館をつくる-」です。

鈴木さん写真

「せんだいデザインリーグ卒業設計日本一決定戦」は、全国で建築を学ぶ学生の卒業設計作品を一堂に集め、公開審査によって日本一を決める大会です。通常、卒業設計の講評は学内で行われる為、作品の評価は学内で完結します。しかし、学外にも建築を学ぶ学生は多くいます。同じ時代を生きる学外の学生が今どんなことを考えていて、どんな作品を作っているのか、また自身がその中でどのように評価されるのか知りたい。そういった動機があり、共に卒業設計を乗り切った友人達と仙台市まで行くことにしました。

この作品は、「星新一の記念館」を設計したものです。私が小学生の頃に衝撃を受けた文学作品が星新一のショートショートでした。短編で読みやすく、架空の世界の話でありながら、現実的に納得してしまうオチの鮮やかさがあり、私はよく図書館に入り浸っていました。そして大学四年生になり、卒業設計で何を作ろうかと悩む頃には、尊敬する星新一の記念館を作りたいと考えるようになっていました。

しかし、いわゆる「普通の記念館」では星新一の作品の面白さを充分に来館者に伝えられないと思い、彼の文学作品を分析し空間体験の出来る場として再構築した記念館を作りたいと考えました。記念館内外の空間を巡るという行為がまるで星新一のショートショートを読むかのような体験になれば、ただ星新一を来館者に紹介するだけでなく、星新一の魅力に気がついてもらえると考えたのです。

作品この記念館を建てる計画敷地は高低差に富み豊かな自然に囲まれた箱根強羅の「砂防ダムと砂防ダムの間」です。そんな空間でも、誰もが楽しめるようにしなければいけないと考えました。

そこで、人間環境デザイン学科で学んできた、ユニバーサルデザインの「誰もが平等な社会生活を営むことができる」「快適で質の高い空間を創り出す」という考え方より、例えば、車イスの人でも介助者と一緒であれば、この空間を全て巡ることが出来るよう設計しようと考えました。

そしてこのユニバーサルデザインを考えながらの設計は、通常は気が付かないような視点を私に与えてくれました。

設計の手法は人それぞれ様々にありますが、私は空間化の手法として、星新一のショートショートのストーリー展開や物語のオチが空間の変化によって語られる(体験される)べきだと考えました。そしてその変化を産み出す装置としてスロープに目をつけました。

階段というものは一見続いているように見えますが、別の視点から見れば、断絶の連続です。車いすの人は基本的に階段を降りることは出来ないので、上下方向の移動は、スロープかエレベーターになります。

 

作品そして、自分の表現したい空間をどのように巡って貰うか考えた時に、ショートショートを読むように巡ってもらうためには「物語の場面が切り替わる」、「読者が騙される」等といった時以外には断絶が無いように設計したいと考えました。

スロープを用いて設計を始めると、面白い事に気が付きました。階段は登るのに少し躊躇しますが、スロープはむしろ誘っているかのように私たちを導きます。これが、スロープというものがシークエンシャルな装置であると気がつくきっかけでした。つまりスロープは移動の為の装置だけでなく、来場者が巡ろうとする動きを自然に誘発(アフォーダンス)する事で、本を読み進めるかのように空間を体験する事を可能にするのです。

私はこの記念館が最終的にダムから押し寄せてきた土砂により地中に埋もれていくことを想定しています。もちろん破壊されても構わないと思っています。星新一はショートショートの中で、文明をユーモラスに批判しています。自然に対して人間が身を守ろうと、抗おうとして作った建築空間と共に人間の思い込みが誇大化し、それがやはり自然に飲み込まれていく…。やはり非現実的な内容でしたが、4年間学んできた様々な経験や知識を総動員して設計することが出来たと思います。ご精読ありがとうございました。

江川侑里さん(2014年度卒) 高橋良至ゼミ
「第2回ウェルフェアデザインコンテスト 部門賞(センスウェア部門)」
作品名:どうぶつパズル

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この度はこのような賞をいただくことができ大変嬉しく思っております。この作品は卒業制作として長い期間をかけ調査や試作に励んだため、学内だけでなく学外で良い評価をうけたことは大きな自信に繋がりました。

よりニーズに沿った、求められているものを形にするといったスタイルを崩さず、制作に至るまでに様々な調査を重ねて取り組みました。実際の制作(設計から完成まで)も時間がかかり施策段階では多くの失敗を重ね挫けそうになったくらいですが、その時間よりも調査と仕組みを考える期間の方が長かったなぁと今振り返って改めて感じています。実際に療育施設でヒアリングを行うことで見えてきた知育玩具の使われ方と現実。作り手が想像でつける機能と使い手が求める機能に大きな相違を感じたため、本当に求められているものを形にして今までになかった新しい発想の玩具を作ることを目指し制作しました。インタビューでは何気ないひとことに現在の玩具における改善の可能性が秘められていて、玩具は遊ぶ側だけでなく遊ばせる側の視点も重要であると気付きました。ニーズに沿った機能をひとつひとつ反映した結果、知育玩具としての効果や完成度が増した気がします。この作品はヒアリング調査の厚みと機能が作品に反映されている点を大きく評価していただきました。こつこつと積んだ努力と大切にしてきた志が伝わり認められてとても嬉しかったです。

私はものづくりをする際自分本位で作らず常に相手の心を想うことを大切にしています。それは最初からその考えを持っていたわけでなく大学で数多くの課題に追われるなかで自然と辿り着いた目指すべき考え方です。自分自身で大切なことに気付いたとき、課題に対する取り組み方が変わり課題の評価も変わっていきました。私は人間環境デザイン学科にて「人にやさしいユーザー目線のものづくり」を4年間学んできて、ものを作る際に必ず使い手の様子や環境を念頭に置き取り組むといった姿勢が自然と身についたのだと思います。

「もの」や「こと」のデザインをするうえでユーザー目線に立ち考えるということは将来、社会に出る際どんな業界でも役に立つと思います。そしてユーザー目線でものごとを考えることは現代社会で求められているチカラだと思うので、私は学科で学んだものづくりの姿勢を忘れぬよう生かしていきたいです。在学生の皆さんも人間環境デザイン学科で学んでいく中で大切にしたいことや目指したい自分に合った道を見つけ、ものづくりを楽しんでもらいたいです。

岩間千晴さん(2015年度卒) 池田千登勢ゼミ
「第3回ウェルフェアデザインコンテスト 部門賞(インフラストラクチャー部門)」
作品名:Rela-colon

この度はこのような賞をいただくことができ、大変嬉しく思っています。授賞式では審査員の方から、一目で何に使うものかわかるという点が素晴らしい。材質のことや使う人のフィーリングなどもきちんと考えている点もよかった。見ただけで思わず入ってみたくなるようなデザイン、人を誘うようなデザイン性というのも、実際に物が使われる現場においてデザインの果たす役割であり、非常に良い作品だと高評価をいただきました。

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5この作品はマットとテントを融合させた、避難所でのプライベート空間ツールです。自然災害の多い日本で避難所の生活を快適にするものを作りたいと思い、このテーマに決めました。不安を抱えながら生活し続けなければならない避難所に、少しでも落ち着くことのできる空間、安心できる空間、自分だけの空間を提供するため、癒し・楽しさ・安心というコンセプトのもと制作をしました。リラックスできる空間であり、コロンっとした可愛らしい見た目から、「Rela-colon」と名付けました。

Rela-colonは形と使い方が状況によって三つに変化するのが特徴です。一つ目は、折り畳んだ状態で通常のマットとして利用する方法です。マットにはEVA素材を使用しているため、冷たい体育館でも安心して寝ることができます。二つ目は、半分だけ組み立てて半個室空間として利用する方法です。片面だけ組み立てることで、周囲との関係を完全に遮断することなく、一人の落ち着いた空間を保つことができます。三つ目は、球体にし、人目を遮る着替え空間として利用する方法です。完全に視線を遮断した空間になるため、安心して着替えや授乳ができます。また、座った状態で利用する大きさなので、周囲の視線も集めにくくなっています。

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Rela-colonは、今までに制作したものの中で一番大きく、材料探しから裁断や接着作業など、すべてに時間がかかり苦労しました。マット素材を決める際、いくつかのサンプルから決めたのですが、サンプルの何倍も大きいサイズのものを注文したので、マットの硬さやしなり具合が自分の思っていたものとかけ離れたものが送られてきて驚きました。制作が終わってからも、一人では持ち運びや組み立てが大変だったので、写真撮影やプレゼンテーションではたくさんの人に協力していただきました。この制作を通じて、大きなものを作る大変さを身に染みて感じました。協力してくれた方々に感謝したいと思います。

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この四年間で、建築や支援機器、プロダクトデザインとさまざまな分野のものづくりを学びましたが、どの分野でも常に使う人のことを考えたデザインを大切にするということを学びました。その経験から、四年間の集大成となる卒業制作で、胸を張れる作品を作ることができました。

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